ブラケットがいかに馬鹿げているか

またまた始まりました、

「ブラケットがいかに馬鹿げているか」

のコーナーです。

前回とはまた違った視点でお話をしよう。

EDHデッキをいくつ持っている?

EDHのプレイヤーの皆様、
EDHデッキをいくつ持っている?

EDHって
「どんなカードでも1枚でOK」
というルールがありながらも、
ハマってしまうとデッキ1つじゃ飽き足らなくなるよね。
もちろんたった1つのデッキに気合を入れて作っている人も多い。
それはそれで何の問題もない。
今回のお話は複数デッキを持つ人のデッキの中のお話。

2つ以上デッキを持っていて、
結構頑張れる人は持っているデッキの全てに本気の人がいる。
この本気というのは例えば赤緑のデッキを2つ持っているとして、

フェッチランドいっぱい
Taiga》を含む特殊ランド
その他必須パーツクラス

を、そのどちらのデッキにも代用カード無しで入っている人。
ま、EDHにおいては
「持っている」
という前提のもと別デッキでは代用OKな事が多いから、
そこはあんまり言及しないし、
本題でもないので代用の話はどうでもいい。

本題としては大量のデッキ、
ここではそうだねえ10個以上の人くらいで考えてみよう。
あんまりいないだろうけどね、EDH10個以上の人って。

誤解無いように言っておくけど、
今から言う事はデッキいっぱい持ってる人を否定する話ではないからね。
ただ、被害妄想にかられる人はすぐ
「俺の事否定した!」
とか言い出すからね。
(言われた事がある)

デッキをたくさん持つことのデメリット

デッキをたくさん持っている事は、
色々なデメリットがあるという事を言いたい。

大きく3つ。

①資産をバラけさせてしまう。

それなりに資産があるのならいい。
どのデッキもある程度の完成度のあるものに仕上がってるのなら。

ただ、1つのデッキもしっかりと完成させられていない状態で、
次々とデッキを作ると当然お財布的にも優しくない。
10個のデッキを2個まで抑え、
その2個のためにカードを揃えたら、
貴方のデッキはパワーカードを満足に用意出来たんじゃないの?
という事になりがち。
今まで見てきてデッキ複数持ちはだいたいこっちになる。

簡単に言えば選択と集中だ。

人それぞれスタイルがあるから
「俺はどうしてもいっぱいデッキ作りたいんだ!」
っていうなら止める話ではない。
でもそれなら、
「勝つための行動してないんだからブラケットブラケットって言うな。
お前の経済力と弱いデッキに周囲が忖度する理由はない」

になる。

ついでにMTGは安いカードばかり買っていても資産は築けない。
なんだかんだと言って、
「高額カードがより高額になっていく」という世界であり、
「自分は買わなくても誰かは強いカードを買っていく」という世界でもある。

現実も似たようなもので、
都心部の土地持ってる人は強いし、なかなか地価は下がる事がない。
反面、ド田舎の土地を1万坪持ってても滅多な事で高額にはならない。
そしてMTGの世界も現実の世界も良い土地は高い(笑)

結局デッキを10個も20個も作ると、
「安物買いの銭失い」
になりやすいのだ。
自業自得で安物買いの銭失いをしておいて、
「ぼくのためにでっきのれべるをあわせてください」
はトレーディングカードゲームに要求する事ではない。

②デッキの数に対して貴方の身体は1つ、時間も有限。

これはもうシンプル。
遊ぶ時間が無限にも等しいのなら別に何も言わないが、
MTGというゲームは社会人というか、
30代以上のプレイヤーは多い。
ましてEDHは1ゲーム5分というわけにはいかない。
日曜日を丸一日、例えば午前11時から夜19時まで遊ぶとして、
休憩1時間を挟んだとしても7時間。
この間に何個のデッキをプレイ出来るというのだろう。

あなたが秀才、天才と呼べるような人で、
ありとあらゆるデッキをすぐにでも使いこなし、
デッキの奥の奥まで全てを理解出来るというのなら、
自分ごときがどうこう言えるものでもない。

だが、何よりの問題はどんな人間も身体と頭脳は1つ。
1度の対戦に2個以上のデッキを使えるわけがない。
それぞれのデッキを
「使いこなしたといえるレベル」
に到達するには相応の時間がかかるわけだ。

10個以上持っている人が強いという確率は低い。
つまりは、
ブラケットうんぬんを言う以前の問題となる。
使いこなせる事すら出来ないのだから、
結局そいつはデッキレベルを合わせたところで負けるということだ。

③経験不足になる。

環境は変わりゆくもの。
特にクリーチャー性能のインフレはこの10年で激しく、
また、伝説のクリーチャーの数も異様なスピードで増えてきた。

あっちへフラフラ、こっちへフラフラとデッキを変える(増やす)プレイヤーほど、
デッキをしっかりと使いこなせずに次にへ行ってしまうので、
純粋な経験値がとても薄い。
また、1つでも強いデッキを長く持っていると、
「強いデッキの使い方」
を知るようになる。

この経験を得られないのはプレイヤーとして弱い。
さらに言えば、デッキを10個も持っていたら、
それぞれのデッキを全部環境の変化に適応させていくのが難しい。

結果として、
デッキをあまりにも多く持ったり、
デッキをあまりにもコロコロ変える事は、
経験が非常に不足していて、
戦略と戦術の定石すら理解出来ないプレイヤーとなる。

これはEDHに限った話ではない。
10年以上の時間をかけようとも、
デッキをころころ変える人と
デッキを大量に持つ人は、プレイの定石を理解出来ない。

「理解した気になっている人」
になってしまうのである。
もっとも本人は気づかないのが大半だが。

店主の場合

・・・と色々書いてみて自身に当てはめてみる。

まず店主の持っているEDHの数から。

店主はEDHのデッキは現在6つだ。
この6つのデッキは、
一切代用カードを使わずに本気で組んである。

この意味は簡単な事ではない。

店主は

ヴィンテージのデッキを1つ持っている。
レガシーのデッキを1つ持っている。
この際金額的に、資産的に話題に関係ないが、
インベイジョン・ブロック構築(純正)のデッキも1つ持っている。

これらも含めて、
一切代用カードを使わずに本気で組んである。

さすがにオールドスクールとヴィンテージは、
一部のカードを併用する事になる。
と言ってもパワー9と《Mishra’s Workshop》だけ。
オールドスクール&ヴィンテージ用の《Timetwister》と、
EDH用の《Timetwister》は別で持っている。
フェッチランドは所有枚数60枚を超えているが、
そもそも数えていないのでよくわかっていない。

別に資産自慢をしたいのではない。
EDHの6個のデッキに対し、
一切手抜きをしていないぞ、という話だ。

これは①の項目の「資産をバラけさせてしまう」を回避している。

次、①をクリア出来たとて、
店主も身体と脳みそは1個だ。
自分は時間をかけて強くなる事を非常に大切にしているため、
作ったデッキをかなりの時間をかけて大切に育て上げる。
休みに丸一日EDHをするとしても使うデッキの数はかなり制限している。
より経験を大切に、過去から培った経験と重ね、
普通の人よりもデッキ1つに対しての理解に努めている。

ついでにやってみた事がある。
「同時対戦」
というものを。

片方のテーブルでEDH。
片方のテーブルで1対1。
他の人は全員普通に対戦しているだけだが、
自分だけ1対1とEDH4人戦を同時にだ。

ちょっと大変だったが出来ないことではなかった。
普通やらんだろうけどね。
たぶん7人集まって、
どっちの卓にも自分が入る、も多分出来るだろう。

そういえばこれをやった時に、
「あんな事やる人初めて見ましたよ」
「英宝さんおかしな人だと思ってましたが、
ここまでおかしいと思いませんでした。」
「普通の人間の脳みそじゃないですよ、アレ」
「なんで同時進行でEDHやって勝ててるのかわかりません。」
と褒めてんだかそうじゃないんだかわかんない事言われたな。

というわけで②も一定量クリア。

③に関しては店主とて経験不足。
だからこそデッキの数は絞る。
ブラケットにうるさい人との違いは、
資産と経験と知識と力量の4つ。

そりゃあね、
四半世紀以上もの間培ってきたカード資産、
世界選手権にまで出る経験と力量、
競技プレイヤーでも触らないヴィンテージや過去のレガシーまでの知識、
こんだけあれば、一般人よりは強い。
それを持ってしても6個のデッキで止めてあるんだ。
それでも経験不足だ。

あとね、
多分普通の人より上なものが1つある。
記憶力だ。

店主とある程度付き合いのある人ならわかっているだろう。
かなりの人に言われている。
「なんでそんな事覚えてんの?」
と人生で言われた回数は100を超える。

自分のデッキの中身なんてほとんど覚えている。
そういえばいつかの記事で、
「最初に作ったデッキレシピ」
ですら書いた事がある。
四半世紀以上前の最初のデッキを覚えている人なんてあんまりいないだろう。

EDHにいたっては100枚のハイランダーデッキだ。
より覚えていない人は多い。
が、自分はそういうものをどうも覚えていられるらしい。
ちょこちょこと入れ替えを行っているデッキ2つはともかく、
あまり入れ替えをせずプレイ経験重視にしている4つなら、
ほぼ100枚全てを書き出す事も出来る程覚えている。

これ実はかなり重要な話で、
サーチカードを撃った時に、
「何持ってこようかなー」
と言う人は多いが、
それを言っている人の大半はデッキを理解していない。
その言葉が
「どっちのほうがより効果的かな」
程度の意味合いならいいんだけどね。
EDHでは自身のデッキ100枚への理解は非常に大切だ。

デッキを複数持つにあたり、
あなたの記憶力のキャパシティオーバーになっているなら、
それは既に失敗である
と認識したほうがいい。
キャパシティオーバーを起こしているのに、
「ブラケット!ブラケット!」
と言っているなら論外なのだ。
もっとも、キャパシティオーバーしている人は、
自分がキャパシティオーバーしている事に気づかない人も多いんだけどね。

だいたいにおいて考えてみればわかる話で、
仮にデッキ10個だったら1000枚。
20個だったら2000枚。
(実際は基本土地の枚数があるからもうちょっと覚えておく枚数減るけどね)
中身全部覚えていられるかって話だし、
そんな数のデッキをどれこれも強くて、
どれこれも使いこなせるなんて人がそんな簡単にいるかって話。
普通の人に無理でしょ。
なら無茶と無理はやめときなさいって話。

勝負事の前提条件

店主は人生で何度も聞かれたある言葉がある。
「どうしたらそんなに強くなれるのか」
という質問だ。
その回答に対し、

「あなたの手足を動かすのと同じくらい、
自分のデッキを簡単に動かせるようになりなさい」

が自分の回答だ。
10個も20個もデッキを持っている人がこれが出来るわけがない。
これに加えて、
他のカードショップのオーナーさんが言っていた言葉で、

「勝敗を決めるゲームである以上、
勝利に向けて最大限の努力をする事は義務に等しい。
ワイワイやりたいとか、
負けても楽しいという意見の手前で、
自身がこの最大限の努力をするのが前提である」

という主張は正しい。
上記の言葉はなにもEDHやMTGに限った話ではなくて、
「勝敗を決める事がある全てのゲーム」
が該当している。

そしてもう1つここに意見を加えておきたい。

「対戦をするゲーム(競技)である以上、
自分以外の生きている人間が必要なのだから、
その人に敬意を払わなければいけない」

ということ。
これはどういう事かと言うと、
対戦相手が人間である以上は、
「その人の時間を奪う」
「その人と共有する」

といったような認識であり、
相手の時間も大切にしなさいというだけのマナーや礼儀の話だ。
そこでブラケットという愚かな忖度、マッチング指針は、
相手に対するマナーや礼儀として正しいと言えない。
何故なら、
「勝敗を決めるゲームにおいて、
勝利に向けて最大限の努力」

をしていないからだ。

ワイワイやりたい?
負けても楽しい?
それは貴方だけの主観だ。
こういう人達全員が全員悪だとは言わないが、
今までに何度か見てきた。
「場を荒らせればそれでいい」
と言って勝敗を決められなくするだけのカードをプレイする人を。

EDHというゲームは5分10分でカタがつく事は少ない。
長期戦になるという事は、
それだけ他者と時間を共有する。
状況に応じて勝敗はさっさと決めるものであり、
次の一戦に行く事も大切になる事がある。
時間を無駄にしない事も大切だ。
何よりも時間を共有してくれる人に敬意を払う、
これが重要なことだ。
ブラケットを気にしてデッキを弱くする事は、敬意を払う事にはならない。

「プレイ時間を長引かせる弱いデッキを用意して相手の時間を奪う事は、
失礼になる事はあっても、敬意を払う事には一切ならない」

これが全てだからだ。
それなら、全力でプレイして次の一戦をする方が、
自分にとっても相手にとっても良い経験と時間になる。
幾度となく言っている気がするけれども、
EDHに限ったものではない、
趣味の多くというものは勝敗を決めるものなのだから、
わけのわからないハンデや忖度は不要だ。

いくつかのゲームにあるレーティングによるマッチングや、
ゴルフのように管理されたハンディキャップがあるものはそれで良い。
しかし、TCGにはそれがない以上、
こんな出鱈目で曖昧なブラケットで人が争う必要はない。

純粋に楽しく対戦をすればいい。
負けて悔しかったら、次勝つために考えればいい。
お金が足りないなら稼ぐしかない。
不毛な議論だけはやめておきなさい、と言いたい。

何よりも馬鹿げている事は、
議論よりもデッキの強さよりも、
プレイヤー自身がプレイングを磨けていない点にある。

店主は普通のプレイヤーよりは遥かに強い。
そんな人でもいくらでもミスをする。
自分が完成されたプレイングだと思った事などない。
日々勉強だ。
そのためにもデッキだって
「今自分が思う一番強い型」
にしておく以外に選択などない。
それが本当に対戦相手へ行う敬意というものになる。
子どもにMTGを教えるのなら手加減でもなんでもすればいい。
まずやり方を教える際に手加減の1つもしたほうがいい事はある。
けれども、
これを読んでいる99.99%以上の人は大人だ。
大人が大人に手加減する必要は無いだろう。

まずは自分の強さを確立させること。
それは他人への忖度以前の話だということ。
そのためにデッキをかなりの数持ったり、
資産をバラけさせればさせるほど自分にマイナスになること。
そういう事を意識してプレイしてみよう。

最後に

もう一度書いておくけれども、
時間もお金も有限であり、
なおかつ貴方の身体は1つしかない。
やれる事を絞るのは大切な事だ。
ブラケットなどというくだらないものにかまける時間を惜しみ、
自身を磨く事は何よりも良い。

ではまた。

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