EDHノススメ
マジックは非常に偉大なゲームだ。
「ルール」という縛りの中にありながらも、
これほど自由度の高い遊び方の出来るゲームは他に類を見ない。
スタンダード、レガシー、ヴィンテージという、
所有のカードを使ってプレイする公式ルール以外にも、
シールド、ドラフトという限定されながらも戦略性の高い公式ルールもある。
そうかと思えば、
エルダードラゴンハイランダーのように、
とてつもない自由度のもとにプレイする非公式環境もある。
自分がエルダードラゴンハイランダー(Elder Dragon Highlander。以下EDH)を知ったのは、
2009年の3月だった。
日本のMTGのドンみたいな存在である、ロン・フォスターさんに
「Serraさん、EDHやるといいよ。
これを知ったら、他のフォーマットでは遊べないくらい面白いよ!」
と言われ、半信半疑でプレイしてみた。
衝撃的だった。
よく出来たゲームバランスだと感じた。
多人数戦を主としているため、
どうしても非公式ルールとして扱われてしまう事が残念と感じるほど、
いいバランスでプレイ出来た。
何より良いと思った点の1つには実力も計れるというところだった。
これを読んでいるあなたは、
《瀝青破/Bituminous Blast》を撃たれたら、
《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が出て来て、
《荒廃稲妻/Blightning》が飛んできた時、
「実力負けだな、これは」と思えるだろうか。
「これは不幸な事故だ。」と思う人が多いのではないだろうか。
不幸な事故、といえば、
MTGプレイヤーで経験しない人はいないのが土地事故だ。
60枚の構築環境では土地事故=死と直結に近い。
60枚の構築環境では最初の5ターンで大勢が決する。
EDHは最初の5ターンで大勢が決定することは多くない。
それよりもデッキの構築力とプレイングが大事となる。
最初に土地事故が起きたとしても、
十分にデッキポテンシャルを発揮出来る機会を与えられている事が多い。
60枚の構築環境と明らかな違いがあるのは、
一般的に「ヘイト値」と呼ばれる、多人数独特のプレイングを問われる点だ。
簡単に言えば、これは心理戦。
たとえば、
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を置いてあるプレイヤーA(ライフ30点)。
《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》を置いてあるプレイヤーB(ライフ30点)。
あなたはアーティファクトを壊せないが、
《悪辣な精霊シルヴォス/Silvos,Rogue Elemental》でどちらかを殴れる状況にある。
プレイヤーAもBもクリーチャーをコントロールしていない。
さあ、どちらを殴る?と聞かれたら、
《梅澤の十手》を出してあるプレイヤーAを狙うだろう。
この時、プレイヤーAは《梅澤の十手》を出してあることによって、
「ヘイト」を高めてしまった(恨みを買ってしまった)という事になる。
プレイヤーAが<《梅澤の十手》を出さなければ、
ドローエンジンである《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》を持っているプレイヤーBが狙われただろう。
《梅澤の十手》を出して場を制圧出来る状況に無いにも関わらず、
ヘイト値の高い《梅澤の十手》を出してしまった事がプレイヤーAのミスである。
これは一例に過ぎないものだが、
こういったヘイトを考えてプレイする事が重要となる。
考えてみれば答えの出せる心理戦なのだから、
プレイヤーの実力が問われる一面であることは間違いない。
ヘイトの話はこのあたりにして、元の話に戻ろう。
EDHは序盤に土地事故をしたとしても初期ライフは40点。
通常の2倍ものライフがあるだけに瞬殺されてしまう事はあまりない。
それだけデッキ構築能力とプレイングを活かせるという事になる。
これは実力が発揮出来る可能性はおおいにあると言える部分だろう。
60枚の構築戦では、
「確率という名の神様」次第の面が否めないが、
EDHの場合は案外と、この神様を無視出来る事がある。
こういった部分を考えると、
EDHは構築の自由度と実力を計れるという良い面を持ついいルールだと考えられる。
まだプレイしたことの無い人は友人を誘ってプレイしてみることをお薦めする。
また、最後に世の中にはこんなデッキもある、という紹介。
ジェネラルがこれ。
《Ashling the Pilgrim/巡礼者アシュリング》
コスト:1赤
伝説のクリーチャー エレメンタル(Elemental)シャーマン(Shaman)
1赤:巡礼者アシュリングの上に+1/+1カウンターを1個置く。
これがこのターンに解決されたこの能力の3回目である場合、
巡礼者アシュリングからすべての+1/+1カウンターを取り除く。
それはその個数に等しい点数のダメージを、
各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ与える。
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レア
デッキ内容は
99《山/Mountain》
というもの。
どこかのMTGのサイトにも紹介されていたものなので、
知っている人は多いかもしれない。
自分は実際にこれと対戦したことが何度もある。
見ていて感じたのは、
「暇そう。」
だった。
ジェネラルである《巡礼者アシュリング》出したら、
強化、爆発、攻撃、ブロックの行動しかやる事が無い。
手札はマリガンしまくっても変化もない。
このデッキを構築した人の多くが、
《山》以外の土地を入れたり、装備品やX火力などを入れて改良していた。
とはいえ、理論上一番安く、しかも一応戦えるEDHデッキだ。
こんなデッキでも遊べるあたりもEDHの魅力と言えるだろう。
まだプレイしたことの無い人、
このプレイ方法は本当に面白い。
EDHの面白さを知らないでMTGをやっているのはもったいないと言いたい。
MTGプレイヤーは、歴史上でもトップクラスに面白いゲームを知っているのだから、
そのプレイ方法をより多く知っていることは、
より多くの幸せを知ることになると言っていいと思う。
是非プレイしてみてほしい。
なお、EDHのルールについては、
他のEDHこらむを参照してほしい。
ではまた。








