ミドルエイジ(Middle Ages)3
幻のカードセット、ミドルエイジ。
「なにそれ?」
という人は1と2を読んでいただけると嬉しい。
が、
簡単に説明をすると、
1994年に発行された、
WotCが作っていないカードセット。
製作者の名はFred Ditzler。
発行枚数は9万枚と言われており、
カードは計75種類。
73種はパックから出るが、
残り2種はパックからは出ない。
入手方法はパックを5パック買って応募するともらえたという、プロモーションカードのような扱い。
WotCに製作を一度は許可されたものの、
実際に発行されてから破棄を求められた。
が、現実には全てを破棄されること無く、
この世に現存している。
ファンタジーの世界によくある、
「失われた古代文明の1つ」
みたいなものと解釈してくれればいい。
なお、ミドルエイジとは、「中世」を意味する。
その名の通り、カードの内容は中世のファンタジーが舞台。
WotCが作っていないとはいえ、
一度はその製作を許可した経歴から、
セミオフィシャルと呼んでも文句は言われないラインだろう。
完全に非公式であるアンオフィシャルとは呼ぶべきではない。
今回はそのミドルエイジの怪しいカードを紹介。
Untried Antidote
コスト:X黒
ソーサリー
コインを投げる。
あなたが勝ったならば、あなたの毒カウンターをX個取り除く。
あなたが負けたならば、Xライフを失う。
Xを6以上にすることは出来ない。
画像を見てあれ?と思う人もいるかもしれないが、
ミドルエイジは、
・カード名の欄にカードタイプが書かれている。
・カードタイプの欄にカード名が書かれている。
・マナコストがちょっと変わっている。
・一部の用語が違っている。
等の違いがある。
とはいえ、
ミドルエイジは一度は公式に発行を認められたという、
由緒ある過去がある。
今、製作会社であるWotCに
「オリジナルのカード作りたいんだけど、
作ってもいいかな?」
なんて言おうものなら、
ダークスティール製のフライパンで頭を殴られる事だろう。
「Untried Antidote」を和訳すると、直訳で、
「試されていない解毒剤」
もうちょっと意味のわかる感じにするなら、
正規品でない、試験段階の解毒薬
という感じだろうか。
単純に言って毒が治る確率が50%。
副作用が出て、毒が治らない率が50%。
イメージとしては、
「どう?飲む?
飲まなかったら毒で死にそうだけど、
飲んだら治るかもよ。
でも副作用で死ぬかもよ。
ああ、それと飲む量(Xの値)で治るかどうかも変わるよ。
ただ、飲みすぎると副作用で苦しむかも。」
って言いたいんだろう。
どこかのRPGのアイテムの毒消しのようだ。
不思議の…とつく某ゲームで、わけのわからない草を食べる気分。
ハリーポッターの魔法学校ホグワーツで、
あってるんだか間違ってるんだかわからない調合をした魔法薬を飲む気分。
毒が治らなかったら
「またかポッター、我輩の授業をきいておらぬからだ。」
とスネイプ先生に言われちゃいそうな勢い。
絵が暗くて見にくいかもしれないが、
おっちゃんが黒い瓶を見つめている。
「飲まなかったら死ぬかなぁ…。
でも飲んでも死にそうだよなぁ…。
どうすっかなぁ…。」
という吹き出しでも出てきそうな雰囲気だ。
作った人は何を考えて作ったんだろうか。
そうまでして毒に対策を立てたかったのだろうか。
デッキにこのカードを入れる状況は考えつかない。
どこをどう考えても入らない。
サイドボードでも考えにくい。
そもそも毒デッキなんて滅多にトーナメントでお目にかかれない。
つまり、この毒消しカードは、
これから先50年、いや100年間MTGが続いたとして、
「この毒消しカードで勝ちました!」
と言われる事が来ないであろうカード。
1マナ1/1能力無しのカードであろうと、
理論上なら20回プレイヤーに攻撃が通れば倒せる。
回復系の呪文でも、
「このカードのおかげで耐え切ることが出来ました!」と言える。
しかし、
「解毒したから勝てました。」という状況にはまずならない。
そもそもMTGプレイヤーの多くは、
自分に毒カウンターが乗ったことが無い。
毒殺されたことのあるプレイヤーの数なんて、
全体の1%も無いだろう。
つまり、このカードの強さだけ言えば、
《さまようもの/Wandering Ones》より弱い。
ハッキリ言ってしまうと、
ミドルエイジに強さはあまり求められない。
ファンタジーの世界が好きならこれは集めてもいい品だ。
MTGはゲームをするだけが魅力ではないのだから、
こういった横道を楽しむことは十分に有りだと思っている。
ミドルエイジにはそういった魅力が多い。
とはいえ、大半のカードはそう強いカードではないが、
「失われた古代文明」の中には強いものがひとかけら存在している。
そういったカードを追い求めてみるのも楽しみの1つではないだろうか。
ではまた。









