マジックで一番高いカード2
このお題でこらむを書くのは久しぶり。
以前に書いた時はいつ頃なのかと見なおしてみたら、2006年。
あれを書いてからもう8年もの時間が経っていた。
このお店、よく潰れなかったものだなぁ。
8年も時間が経つといろいろな事が変わるもので、
こらむを見なおしてみると、
$1=¥115
と書いてあるのを見て驚いてしまった。
現在は$1=¥102。
しかも一時は$1=¥80以下まで下がった事さえあった。
人によっては、
「何故俺は$1=¥80の時に《Black Lotus》を買わなかったんだ!」
と悔やむ人もいる事だろう。
もちろん、Cardshop Serraの店主もその1人。
さあ、本題に移ろう。
以前のこらむにある通り、
《1996World Champion》
《Shichifukujin Dragon》
の2種は出回ったら最高額がつきそうなカードである事には何も変わりはなく、
それ以外のカードも相変わらずの高額のまま。
しかし、相場はこの何年もの間で恐ろしいまでに変動。
経済の変化に伴い、カードの市場価格も同様に変化したというべきだろうか。
さて、この8年間のカードの価格の変化を見つつ、
現在、マジックで一番高いカードが何であるのかをのんびりと書いていこうと思う。
まず、
《Splendid Genesis》
《Fraternal Exaltation》
Summer Magic:《Hurricane》(通称ブルーハリケーン)
という3枚のカード。
最初の2枚はマジックの生みの親である
リチャード・ガーフィールドご子息生誕記念カード。
《Splendid Genesis》:制作枚数110枚
《Fraternal Exaltation》:制作枚数220枚
と言われている。
《Fraternal Exaltation》は、
イラストレーターがリチャード・ガーフィールドの子という事もあり、
《Splendid Genesis》よりも人気が高い。
と言っても、
制作枚数が110枚と220枚というあまりに少ない枚数から、
人気について何を語ってもそれほど変わるものではないだろう。
だいたい、
《Splendid Genesis》を手に入れた人は、《Fraternal Exaltation》が欲しくなるし、
《Fraternal Exaltation》を手に入れた人は、《Splendid Genesis》が欲しくなるはずだ。
3枚とも、相場が8年前とあまり変化せず、
おおむね50万円~150万円と言われている。
50万円~150万円というと、
非常に開きがあり、相場として不適切だと思う方も多いだろう。
これには理由がある。
それは、
「出回る数があまりに少なく、
取引が成立した際の最低値と最高値の差が大きく開いてしまったこと。」
である。
わかりやすく言うと、
「数があまりに少ない品は、言い値が売値のような世界なので、
売り手と買い手が納得しているのなら、
その値がいくらであろうと成立する。」
という事。
どれも同じくらいの値段だからと言って、
「《Splendid Genesis》とブルーハリケーンの1対1のトレードをした!」
という人はいないと思う。
ブルーハリケーンが有名なSummer Magicについては、
他のカードの高騰が案外と激しく、
2006年くらいであれば《平地/Plains》1枚5千円くらいで買えたはずが、
今は基本土地1枚でも2万円を下回る事はないとさえ言われるほど。
《Sol Ring》
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
《Serendib Efreet》
デュアルランド10種
であれば、
どれも30万円でも買えないだろう。
なお、
《Serendib Efreet》
《Underground Sea》
にいたっては100万円でも買えるかどうかも怪しい。
Summerの《セラの天使/Serra Angel》は以前に一度だけ、
ボロボロになった状態のものを海外オークションで発見。
既に2枚持っていたうえに、
両方ともPSA鑑定済みという品を持つ自分だったので、
この1枚は落札せずにスルー。
このボロボロの品は$1500(15万円)を超えていた。
次に、以前には話題に出なかったカード《Proposal》の事に触れてみよう。
これは
《Proposal》
コスト:白白白白
ソーサリー
RichardはLilyにプロポーズする。
このプロポーズが受け入れられた場合、両方のプレイヤーが勝利する。戦場に出ているカードと、
双方のライブラリーと、双方の墓地を混ぜ合わせ、共有のデッキとする。
という効果のカード。
効果を見ただけでどんなカードかおわかりだろう。
そう、マジックの生みの親が求婚する際に作ったカードである。
このカードは印刷されたカードではないとも言われているが真相は不明。
イラストはQuinton Hooverが描いたものとされている。
そのQuinton Hooverが作成された9枚のうち1枚を持っていたが、
なんと、日本に来た際に盗難に遭い、紛失。
悲しい事にその後、
Quinton Hooverは2013年4月20日に49歳という若さでこの世を去ってしまった。
本人が生きている内に手元に《Proposal》が戻る事も無かった。
他の8枚の所在については、
1枚はリチャード・ガーフィールド本人が所有、
残り7枚はリチャード・ガーフィールドの友人7人が持っているという。
間違って市場に出た場合、
それは高確率でQuinton Hoover所有だった《Proposal》だろう。
さもなくば偽物である。
このカードについては出来る事ならば、
Quinton Hooverの遺族のもとに行くべきと思うのは自分だけではないはずだ。
仮に、という話でリチャード・ガーフィールドの友人の誰かがこれを手放した場合、
いくらぐらいがつくか?というものだが、
推定では500~1000万円ではないだろうか。
このカードの難しいところは、
「ほとんどの人が本物を見たことがないので真贋を見極める方法が無い。」
という点である。
本物と認識される要因が誰の目にも明らかであるという条件になった場合、
(例えば、WotC社が正式に認め、サザビーズやクリスティーズオークションにかけられる等)
上記金額以上になる可能性は高い。
お次はこの数年間で著しく株が上がったカード。
想像のつく人もいるだろう。
デュアルランドである。
Revised版(第三版)でさえ相当な金額に跳ね上がったが、
そのさらに上を行くのがα版やβ版である。
Revised版10枚分の値段=β版1枚分の値段
というくらいの無茶苦茶な相場価格になっている。
これらの背景には、
・レガシー、ヴィンテージ等のエターナル人口の増加
・EDHの普及
という2点が最も大きい。
特にEDHはほぼ全てのカードが1枚というルールだけに、
「頑張って1枚は買おう。」
と考える人が増えた事により、
多くの人がデュアルランドを購入するという状況に一役買っている。

とりわけ
α版及びβ版の《Underground Sea》
β版の《Volcanic Island》
の3種は非常に高額で、
パワー9をも凌駕する程の高額カードへとランクアップしている。
この3種はどれも状態がPSA8クラスであれば30万円以上の金額だ。
PSA10ともなれば50万円でも難しい。
α版であれば100万円コースという話もある。
また、パワー9の中でも異例の出世をしたものが1つ。
《Timetwister》である。
これもまたEDHの普及により需要が高まり、
ここ数年で価格が高騰した。
「ヴィンテージでは使われないパワー9」
「《Time Vault》と交代したほうがいいパワー9」
など、不名誉な言葉ばかりをかけられていたが、
現在、α版やβ版であれば10万円を超えるものも珍しくないほどの金額である。
とはいえ、
このこらむの話題に出てくるカードたちがあまりに高額過ぎるため、
「なんだ、たったの10万円程度か。」
と言われてしまいそうだ。
そろそろ宝石と他の青い呪文にも触れておこう。
前述のデュアルランドや《Timetwister》の高騰は非常に激しいものがあるが、
この宝石たちも2006年から比べてみるととても高額になっている。
また、
αとβのカードたちは、α版のほうが高いという傾向が、
ここ何年かで如実になったと言えるだろう。
参考までの価格だが、α版orβ版のPSA8~PSA9クラスで、
《Mox Pearl》 16~30万円
《Mox Sapphire》 25~45万円
《Mox Jet》 21~36万円
《Mox Ruby》 18~33万円
《Mox Emerald》16~30万円
《Ancestral Recall》 30~50万円
《Time Walk》 25~45万円
《Timetwister》 13~20万円
値段の開きがある部分はα版とβ版の違いに加え、
PSA8かPSA9かによっても価格差が生じるため。
PSA10になるともっと高額がつく事に。
さて他の高額カードにはどんなものがあるかも書いていこう。
《裏切り者の都/City of Traitors》-FOIL
《適者生存/Survival of the Fittest》-FOIL
などのいわゆるテストプリントカードシリーズ。
中には、
Parallax Island
と呼ばれる、《パララクスの潮流/Parallax Tide》の絵をした《島/Island》や、
コストや枠などが違う《極楽鳥/Birds of Paradise》や《火山の鎚/Volcanic Hammer》などが存在する。
これらは全てテストプリントカードで、一般的には出回っていない。
価格帯としては
《裏切り者の都/City of Traitors》-FOIL 70~100万円
《適者生存/Survival of the Fittest》-FOIL 40~70万円
Parallax Island 50~80万円
《極楽鳥/Birds of Paradise》テストプリント 35万円~45万円
《火山の鎚/Volcanic Hammer》テストプリント 25万円~35万円
《対抗呪文/Counter Spell》テストプリント 75~90万円
《蛮族のリング/Barbarian Ring》テストプリント 25~35万円
といったところ。
他にもいくつか種類があるが、
価格はこれらと大差は無い。
半分以上は言い値が売り値の世界に近い代物である。
ただ、
この種のテストプリントカードシリーズは他のカードに比べて人気も無く、
数年前と今でそれほど値段が変わった様子はない。
なお、Parallax Mountain、Parallax Plainsなども存在しているが、
一番人気はParallax Islandらしい。
ラストに、
トレーディングカードゲームの王であるマジック・ザ・ギャザリングの王様、
最高にして最強のカード《Black Lotus》のお話に。

他のパワー9とはもともと値段の開きがあった《Black Lotus》だが、
ここ数年でさらに値上がりは加速度を増した。
とくに、PSA鑑定された《Black Lotus》は希少価値が高く、
α版《Black Lotus》PSA10
β版《Black Lotus》PSA10
の2種は500万円でも買えないとさえ言われている。
α版にいたっては800万円でも難しそうだ。
PSA9でさえ入手は困難で、
α版のPSA9も300万円を下る事は無いと言われている。
へたな新車より高いどころではない。
経済的に豊かでない国であれば、
土地と家を買ってお釣りが来る程の価格である。
さすがはキング・オブ・マジック。
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》のFOILが束になっても敵わない。
まとめてみると、マジックの高額カードランキングは
《1996World Champion》
《Shichifukujin Dragon》
《Proposal》
の3枚を除くとしたら、
1位:α版《Black Lotus》PSA10
2位:β版《Black Lotus》PSA10
3位:《Splendid Genesis》
3位:《Fraternal Exaltation》
3位:Summer Magic:《Hurricane》(通称ブルーハリケーン)
6位:Summer Magic:《Serendib Efreet》
6位:Summer Magic:《Underground Sea》
6位:α版《Underground Sea》PSA10
9位:α版《Black Lotus》PSA9
10位:β版《Black Lotus》PSA9
といったところだろうか。
Summer Magic:《Hurricane》よりも、
Summer Magic:《Serendib Efreet》が下にランクされた理由としては、
Summer Magic:《Serendib Efreet》には取引の実績の回数がとても少なく、
参考資料があまりに無い事も理由の1つ。
出回る数や取引の実績の情報がもっとあれば、
順位が逆転している可能性がある事を明記しておこう。
Summer Magic:《Underground Sea》についても同様である。
Summer Magicや特殊な存在のカードを除けば、
やはりコレクションの王道は《Black Lotus》なのだとよくわかる。
11位以降に続くであろうカードの多くも、
《Mox Pearl》
《Mox Sapphire》
《Mox Jet》
《Mox Ruby》
《Mox Emerald》
《Ancestral Recall》
《Time Walk》
《Volcanic Island》
《Underground Sea》
《Tundra》
《Tropical Island》
といった王道カードたちが並ぶ事だろう。
(もちろん全てPSA鑑定品。)
最後に。
次にこのお題でこらむを書く日は何年後になるかわからないが、
その時にこのランキングにあるカードたちは、
いくらになり、どの順位が変わっているだろう。
そして、自分はこのランキングのカードを1枚でも手に入れているだろうか。
このお店が続いてれば、
また何年後かにこのお題で。
ではまた。








