ツキや引きは存在するか?

ツキや運について。

マジックをやっていれば、
いや、マジック以外でも勝負事をやっていれば、
必ずと言っていいほどにぶつかるこの言葉。

ツキもしくは運。

マジックでは「引きが強い」なんて言い方をすることも。
しかしこの「ツキ」や「運」や「引きの強さ」なんてあるのだろうか。

結論から先に言えばNOである。

60枚デッキ、
初期手札7枚、
あるカードAが4枚デッキに投入されている。

Aは初期手札7枚には無かった。

これを次のドローで引く確率は当然
4/53。

引かなかった場合は、
次で4/52。

次で4/51。

次で4/50。

以下続く・・・というものである。

逆にあるカードAが初期手札に1枚ある確率は約33.6%。

2枚以上ある確率は6%未満に落ちる。

簡単に言ってしまえば、

「デッキに4枚入れてあるカードは、
3デュエルに1度は初期手札に最低1枚あっておかしくない。」

(引かなくても別におかしいという事もない)

ただそれだけのものである。
ただそれだけのモノに他の要素があるだろうか。
念じたらドローが変わる?
何か特定の言葉を出したら好きなカードが引ける?

幽霊やオカルトを信じたいという人はブラウザを閉じて、
ご自分のPCもしくは携帯電話というデジタルかつ科学的な道具を叩き壊し、
黒魔術や呪術、悪魔の力あたりをお借りしてきて、
是非とも筆者を呪い殺していただきたい。
少なくともこのこらむを読む必要は無い。
文章はオカルティックなものを信じるような人間向けではない。
オカルトを信じる人には一切必要の無い話だ。

どこかで誰かが言っていた事もある。

「強い人は引きが強い。」

こんな事がありえるだろうか。
確かに状況におけるベストドローは存在しうる。
別な言い方ならば状況的に都合の良いドローが存在するだけだ。

しかし、イカサマでない限り、
サイコロは基本1/6の確率であり、
デッキに1枚のカードは「1/残りライブラリ枚数」の確率である。

これらは都合の良し悪しとは関係無く、
必ず起き得る事象に過ぎない。

マジックの中で目の前で起こる事は

「起こり得ない事」ではないのだから。

ルール上間違っていないのであれば、
その起きた事は確率上どれだけ低くとも起きた事は「起こり得る事」である。

「強い人は引きが強い。」

と言った人が誰なのかは知らない。
だが間違いなく言える事はその人は素人である。
マジックにおける引きが強い状況は実際にはありえない。
ただ、素人目にそう見える事はありえる。

ベストプレイをしているプレイヤーとは、
「○○をしたら××が起きる」
「△△を選択した場合には、□□の可能性は高い」
「AAをした場合にはBBというミスを対戦相手がするだろう」
「状況は自分に不利だが、CCを引いてくるだけで状況は一変する。」

等を必ず想定し、
数々の選択肢の中から、
勝率の高いと思われる選択をする。

勝率が高いと思えるだけで、
実際はそうでなかったなんて事はざらにある。

だが、強いプレイヤーとは、
その判断をミスする回数が少なく、
また、非常時の賭けに出るやり方も悪くない。
上手な人間ほど本当に勝率の高い選択を見る目を持つ。
これはどんな競技でも同様である。
とくにマジックと要素の似通っている麻雀がいい例である。

これらの駆け引きは非常に高度なもので、
素人目には結果的に、

「引きの強さ」

に見える事がある。
この誤認が「引きの強さ」という発言を招いたものだろう。
上記は単純にたった一言、昔の人の言葉で片付けられる。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」

である。
筆者自身のマジックに対する基本姿勢でもある。

また、それをより深く理解してもらう一例として、
60枚デッキに4枚入れているカードがあったとして、
ライブラリが半分進まないうちに3枚引けば強いのだろうか?

4枚入れているカードであっても、
1枚引けば事が足りてしまうカードをそんなふうに、
3枚引いてしまったら弱いのだろうか?

どちらの答えもNOだ。

上にも述べたがこれらは所詮プレイヤーの都合の良し悪しである。

次に何のカードを引くかわからない場合に次に引けるカードは、
たとえそれがデッキに残り何枚であっても、
(それがデッキに投入されているカードであるならば)
統計上ありえるものでしかない。
漫画ではないのだからデッキに入れてないカードを引く事は出来ないし、
そこには人の意思は存在しえない。

あるのは統計上のゆらぎ(必然)のみである。

また、逆にある自称プロの人が言った言葉がある。

「引きの強さは人間力」

と。
この人が言った人間力とはなんだろう?

少なくとも筆者が認識している人間力とは、
「仕事が出来る者、健全な日常生活をおくる者が持つ、優れた社会的能力」
であり、
少なくとも筆者や職業:プロプレイヤーなどと自称する方の持つものではない。
これを言った人間が何を考えて言ったものか、
現時点の自分にはわかりえないものだが、
引きの強さ同様、存在しえないものである。
自称:プロの人間の責任無い言葉などを信じてはいけない。
確率とはそれ以上にもそれ以下にもならない。
極論で言って誰に対しても平等なものである。

とはいえ、
プレイヤーは(自身を含めて)この確率というものに、
期待を裏切られ、時に勝負に敗北し、時に勝利するものである。

神はサイコロを振らないのか、それとも・・・?
※「神はサイコロを振らない」 英文:God does not play dice.
アインシュタインが量子力学を批判した時の言葉。

ではまた。

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