PSAのお話その2。

PSAのお話。

以前に書いたPSAのこらむの追記。

PSAは昔とは違って、
評価が0.5単位になり、
8.5などがつくようになった事は、
こらむで述べた。

また、それ以外の評価もあるのでこれを紹介。

先日のコレクター道6のPSAのリストのところで、
「PSA9Q」
と書かれた評価があった事に気づいていただろうか。
このQとは、
「Qualifier」
のQ。
Qualifierとは「限定」「制限」といった意味。

PSA9Qという評価の場合、
「評価としてはPSA9だが、
目立った欠点がある。」
という事になる。
簡単に言ってしまえば、
PSA9Qという評価をされているカードは、
間違いなくPSA9より下の評価であるという事。

実際にPSAの評価としては、「Q」という単語はついていない。
数字の後に以下のような評価がつく。

・OC(Off Center)-枠ずれ-
カードの印刷が軽くずれている場合、
評価に”OC”と付記される。
PSAでは、左右あるいは上下にどのくらい印刷がずれているかで、
そのカードのグレードを評価する。
中心からどの程度ずれているかは、
そのカードが左右・上下の内、一番ずれている箇所によって決定される。

通常、中心から5%以内の印刷ずれであれば、
PSA7以上の評価がつくことで予想される。
例として、
枠ずれが中心から見て 6:4 の割合になっており、
それ以外の要素が MINT PSA9として評価出来るカードは、PSA9として評価される。
また、枠ずれが中心から見て 6.5:3.5 の割合になっており、
それ以外の要素が MINT PSA9として評価できるカードは、
美麗であればPSA9として評価される。

・ST(Staning)-変色-
PSAの定める許容範囲内のカードの変色の場合、
評価に”ST”と付記される。

・PD(Print Defect)-印刷の滲み-
著しい印刷の滲みの場合、
評価に”PD”と付記される。

・OF(Out of Focus)-ピンボケ-
PSAの定める許容範囲内のピンボケの場合、
評価に”OF”と付記される。

・MK(Marks)-落書き-
インク、鉛筆などの落書き、もしくは何らかの書き込みの痕跡が認められる場合、
評価に”MK”と付記される。

・MC(Miscut)-ミスカット-
不自然なカードのカットや、一枚以上の別のカードが印刷されている場合、
評価に”MC”と付記される。

これ以外にもUngradeable CardsやAuthというものがある。
こちらはQがつくよりひどい。
どちらも滅多に出ない。

・Ungradeable Cards -鑑定不可-
PSAでは、裁断、色の塗り直し、修復およびなんらかの改竄の痕跡が認められる場合、
一切の評価をしない。。
また、出所が不明なカードについても同様に評価をしない。

・Auth
カードは本物だが、評価の対象外である場合にAuthと評される。
PSA1より下になるほど状態が悪い場合や、
他の条件で鑑定が出来ないと見なされた場合。

Authという評価をされたカードは、
MTGのBeta版のカードではIcy Manipulator1枚のみ。
状態があまりに悪かったのか、
それとも何か別の条件だったのかは不明。
何千というカードを鑑定している中でたった1枚と考えると、
非常に珍しい評価である事がわかる。
もっともAuthの評価も昔はしていなかった評価だと思われるので、
これから増えていく可能性はある。

どちらのケースもあまり無いと言っていい。
何故なら、
PSA1にも行かないような状態のカードを鑑定に出す人は滅多にいない。
サインやイラストが入っているカードを鑑定に出す人も滅多にいない。
からである。

当然の事ながら、昨今勝手に作る人が増えた、
拡張アートと呼ばれるものは評価の対象外である。

「蛇足」
という中国の故事成語をご存知だろうか。
大昔、中国に楚という国があった。
その国のある人が祭事の後に自分の召使い3人にお酒を与えた。
お酒は3人で飲むには少なかったので、
3人は
「蛇の絵を描いて、一番最初に描き上げた者が全て飲もう。」
という取り決めをした。
そのうちの1人が非常に早く絵を描き上げた。

お酒の瓶を手に持ち、
「お前たち、まだ描いているのか。遅いな。
私など足を描く余裕さえあるぞ。」
と蛇の絵に足を書き加えてしまった。
その途端、別の男が絵を描き上げ、
「蛇に足を描いた時点でそれは蛇ではない。
お酒は私のものだ!」
とお酒の瓶を取り上げ、お酒を飲んでしまった。
蛇に足を描いた男は、
最初に蛇を描きあげたにもかかわらず、
余計な事をしたために、
お酒を飲む機会を失ってしまった。

この事から蛇足とは、
「しなければ良いのにわざわざ余計な事をして、
駄目にしてしまう。」
という意味の言葉になった。
転じて、物事がうまく行っている時に、
下手に調子に乗って余計なことには手を出すべきではないという教訓でもある。
つまり、
花札とゲーム機とゲームソフトが売れているのに、
ラブホテル経営をしてはいけないのである。
(噂では当時の社長がよく利用していたとか。)
別に何処の会社とは言っていない。

ぶぶ漬けどうどす?

さて、話を元に戻そう。
PSAの鑑定では「鑑定評価外」という結果を出されるのだから、
拡張アートとは、
故事そのものと全く同じ「蛇足」である。
「余計なものを描き加えて、
評価されるべきものを無にする。」
という残念なものである。

誤解しないでもらいたいのだが、
拡張アートを非難しているのではない。
個人が勝手に楽しむ分にはそれは自由だろうと思っている。
サインも拡張アートも、
真のコレクション、王道のコレクションであるPSA鑑定では、
それを一切認められないと言っているだけである。
もっとも、個人的にも、
せっかくの綺麗な貴重品にサインや拡張アートを入れてしまい、
本来の価値を失うのは非常にもったいないと感じている事は否定しない。

拡張アートとは、絵の具やペンを使って施すものがほとんどだが、
上から描いてしまえば、カードの厚さも変化し、
まして、絵の具やペンのインクは経年劣化する。
(印刷したものも経年劣化するが拡張アート程ではない。)
元のカードをいろいろな意味で傷つけている。

私はこのMTGというカードが大好きで、
その上でコレクションをしているので、
やはりPSAのようにしっかりと鑑定されて、
高評価のついたものこそ、王道であると信じている。
鑑定されてケースに入ったものは経年劣化も多少を防ぐ事が出来るため、
そういった意味でもコレクションには適している。

ある有名な漫画からの抜粋だが、
「コレクターとは常に2つのモノを欲している。
1つはより珍しく貴重なアイテム。
もう1つは自分のコレクションを自慢出来る理解者。」

MTGに限らずコレクションというものは、
この一言に尽きるだろう。
この観点からすれば拡張アートとは横道にそれたものである。
PSAの評価とは世界的評価であり、
より多くの理解を求められるコレクターズ・アイテムであると断言出来る。

また、何処から出てきた情報かは知らないが、
「PSA鑑定は状態しか鑑定せず、
カードの真贋を一切鑑定しない。」
などという話をお客様から聞いた。
ハッキリと言っておこう。
PSAは真贋を鑑定している。

というのも、
ちょっと考えればわかる話である。
以前にもこらむで偽物についてのお話を書いたが、
Cardshop Serraの店主ごときで真贋は見分けられるのである。
Cardshop Serraの店主ごときに見破られる程度の偽物を、
PSAほどの会社が見抜けないなどというマヌケがあるだろうか。
見抜けないようなマヌケな会社であるのなら、
PSAという会社は成り立っていないはずである。

とはいえ、PSAも全てにおいてミスをしないとも言えない。
実際に自分の手元にある《Library of Alexandria》のPSA品には、

エキスパンション名:《Library of Alexandria
カード名:Arabian Night

となっている。
おそらく、鑑定した際の入力ミスなのだろう。
こういった小さなミスを差し引いても、
PSA鑑定は信頼出来る。
これを読んでいる人がコレクションを大切にしたいのであれば、
高額カードはPSA鑑定に出す事をお薦めしたい。

ではまた。

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