まじっくの歴史その2
「一番強いデッキって何だろう?」
いつの時代も絶える事無き話題の1つ。
前回のお話にあったパワー9シリーズに制限がかかってから、
マジックのトーナメント環境は当然にして変化。
その後アンティキティ、レジェンド、ザ・ダークの発売があり、
ルールもカードの種類も倍化。
現在に至っては30種を超えるエキスパンションと、
それにともなった複雑なルールが加えられ、
常にトーナメント環境はそれに左右される現状。
(いいかげん新ルールなんて出さなくてもいいと思う人の方が多いでしょう。)
過去に最強とうたわれたデッキの名を「The Deck」と呼んだ時代がありました。
基本は青白がメインのパーミッション。
メインからの《赤霊破/Red Elemental Blast》が光る面白いデッキです。
言うまでもなくこの《赤霊破》の選択は、
「どうせ相手は青いに決まっている。」
「相手の《Ancestral Recall》もしくは《Mana Drain》だけは叩き潰す!」
「自分と同じデッキなら青いのだからメインからミラーマッチ対策!」
「パワー9のうち3枚は青い。ならば入れておこう。」
という目的と理由から。
下記はその当時のデッキの一例。
(構築環境としてはβ、AN、AQ、LG、DK)
一部のカードがわかりにくいかと思い、
簡単に効果やコストを書いておきました。
-メイン-
2《解呪/Disenchant》
2《Moat》(2白白、エンチャント場、飛行クリーチャー以外は殴れない)
2《セラの天使/Serra Angel》(3白白、飛行、警戒。当店の看板娘。)
3《剣を鋤に/Swords to Plowshares》
1《Amnesia》(3青青青、ソーサリー、対象のプレイヤーは土地以外全て手札を捨てる)
1《Ancestral Recall》
1《Braingeyser》(X青青、ソーサリー、対象のプレイヤーはX枚カードを引く)
4《対抗呪文/Counter Spell》
4《Mana Drain》
1《回想/Recall》(XX青、ソーサリー、Recallをゲームから除外し、X枚の手札を捨て、墓地からX枚カードを回収)
1《Timetwister》
1《Time Walk》
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《精神錯乱/Mind Twist》(X黒、ソーサリー、対象のプレイヤーはX枚手札を捨てる)
2《赤霊破/Red Elemental Brast》(赤、インスタント、対象の青の呪文をカウンターするか、青のパーマネント破壊)
1《火の玉/Fireball》
1《新たな芽吹き/Regrowth》
1《Black Lotus》
1《破裂の王笏/Disrupting Scepter》
1《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》
1《Mox Pearl》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Jet》
1《Mox Ruby》
1《Mox Emerald》
1《Sol Ring》
3《真鍮の都/City of Brass》
1《Library of Alexandria》
2《島/Island》
3《Plateau》
1《露天鉱床/Strip Mine》
2《Tropical Island》
4《Tundra》
2《Underground Sea》
4《Volcanic Island》
-サイド-
2《黒の防御円/Circle of Protection: Black》
2《緑の防御円/Circle of Protection: Green》
2《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
2《解呪/Disenchant》
1《塵は塵に/Dust to Dust》(1白白、ソーサリー、対象の2つのアーティファクトをゲームから除外)
1《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3《青霊破/Blue Elemental Blast》
2《赤霊破/Red Elemental Blast》
以上、記憶を頼りに自分の脳みそで構築。
フィニッシャーは説明不要の《セラの天使》と《火の玉》の2種のみ。
《Mana Drain》で奪ったマナを《ジェイムデー秘本》や《破裂の王笏》に使いアドバンテージを稼ぎ、
《Moat》で地上クリーチャーを封殺して空から《セラの天使》で殴るという戦略。
相手の行動をカウンター呪文と《解呪》や《剣を鍬に》を駆使して、
全てに対応するように作られたデッキ。
このThe Deck、バージョンが多く存在し、
《Moat》の代わりに《The Abyss》だったり、
フィニッシャーが《セラの天使》ではなく、《拷問台/The Rack》バージョンもあり、
最終形では《Mirror Universe》に。
この《Mirror Universe》がフィニッシャーになっている時代は、
「ライフが0になってもフェイズの終了時までは敗北しない。」
というルールだったので、
自分のライフを0にして相手とひっくり返すという戦術をとる事が出来た。
アライアンスの発売と同時にこのデッキはさらに変化し、
《Force of Will》、《Gorilla Shaman》が投入されるかたちに。
とくに《Force of Will》は全ての青いデッキに採用されるほどの1枚だった。
さてさて、上記のデッキでもいいですし、
上記の一部を抜いて《Force of Will》だけでも投入したデッキでもいいです。
今、このThe Deck、プレイして勝てると思いますか?
弱くはないでしょうけど、厳しいでしょうね。
(《セラの天使》が弱いんだよ!なんて言わないでください。)
今の親和やType1のコンボデッキやOathデッキ、赤単は、
この程度のデッキを突き崩せる構成でしょう。
The Deckはミラージュ、テンペスト時代まで存在していましたが、
ウルザブロックが出てから完全に話題にのぼらなくなりました。
《トレイリアのアカデミー/Toralian Academy》、《不毛の大地/Wasteland》(このカードはテンペストですが)
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》、《時のらせん/Time Spiral》、《意外な授かり物/Windfall》、
《天才のひらめき/Stroke of Genius》、《強迫/Duress》、《記憶の壺/Memory Jar》、
《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《通電式キー/Voltaic Key》、《修繕/Tinker》、
《マスティコア/Masticore》、《変異種/Morphring》・・・・
あまりの強力カードの多さとスタック等のルール変更により、
The Deckで勝てる、というものではなくなってしまったのです。
とくに親和デッキはクリーチャーデッキの概念を相当に変化させたものと思えます。
少なくともあれほど強いクリーチャーデッキは今まで無かったでしょう。
しかしThe Deckの基礎概念は多くのデッキの中に生かされ、
The Deckと呼ばれなくなった今も、さまざまなかたちで生きています。
実際にType1で「現代のThe Deck」を作ったら、
優勝は厳しくとも、ギリギリ勝ち越しできるんじゃないでしょうか。
残念ながらデッキに《セラの天使》入らないですけどね。
最後に一言。
「一番強いデッキって何だろう?」
ではまた。








