お客様からの質問:MTGはいつまで続くか?
今までに、お客様から友人まで色々な人から受けた質問。
今回はその一部に回答してみようと思う。
「MTGはいつまで続くんですか?」
というMTGプレイヤーの間で最低でも10年間続いている話題。
また、
「Power9はいつまで値上がりし続けるんですか?」
「Power9はいつ買うべきなんですか?」
「昔のカードは買って損しないんですか?」
「昔のカードは高くて手が出しにくいイメージがあります。」
「《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》は何故あんなに高いんですか?」
という声も聞いてきた。
最後の質問についてはこちらが聞きたい程だ(笑)
1枚1万円を超えたスタンダードシングルカードは史上初。
(Cardshop Serraは1万円以下であるものの、都内の何処かのお店で1万円を超えているそうな。)
いくら神話レアだからってこの市場価格には本当に驚いた。
仕方のない面はある。
このカードは、滅多にないカードだ。
スタンダード、レガシー、ヴィンテージ、EDH…と、
ありとあらゆるプレイ方法のほとんどにおいて活躍している。
ヴィンテージの世界で活躍するプレインズウォーカーは、
《精神を刻む者、ジェイス》と《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》だけだ。
(2010年11月現在)
どのプレイ方法でも活躍している=需要が非常に高い
ということになるので、必然的に値段も上がってしまう。
さて、最初の質問に戻って回答していこう。
・MTGはいつまで続くか?
答は簡単。
「貴方がやめなければいつまでも。」
新しいカードセットがいつまで出るか?という意味でも、
この回答が正答に近いものがあり、
皆がやめなければいつまででも出してくれる。
それが企業というもの。
WotCがこのカードを作る権利を売り飛ばすとでも言い出すなら自分が買いたい。
そんなお金は何処にも無いのだけれど。
冗談はさておき、
最低でもあと5年は滅びる事の無い世界だと自分は思っている。
5年後に覚えていたら、この質問にもう一度回答してみようと思う。
これを読んでいる方々、5年の間にCardshop Serraが潰れないようにしてください(笑)
・Power9はいつ買うべきか?
・Power9いつまで値上がりするか?
・昔のカードは買って損するか?
・昔のカードは手を出しにくいか?
この4つの質問は似たりよったりだ。
結論としてはシンプル。
貴方がMTGをどれだけの時間趣味にしておくか。
という事だけだ。
3年以上遊ばない趣味であるなら自分のプレイスタイルに合わせて、
好きなやり方とお金のかけ方をすれば良い。
「モンスターハンターポータブル2Gがやりたいという理由だけでPSPとソフトを買う。」
という行動のようなものだ。
その逆、3年以上の人、これから3年以上の趣味にしようという人は、
こういった古いカードに目を向けて良いと思う。
ゲーム機とソフトの購入と違って、
将棋、チェス、麻雀、サッカー、野球のように、
長期にわたって楽しむ趣味にしたい人向けだ。
ちょっと遊びたい…という人が万単位の将棋の駒を買う事は滅多にいない。
長く長く楽しむため…という人が万単位の将棋の駒を買う事は多分にある。
短期的に楽しむ娯楽に大量のお金を注ぎ込む事は賢いとは言えない。
MTGでも同じと考えていいのではないだろうか。
ただ、ちょっと面白い違いがある。
万単位の将棋の駒だろうが、全自動麻雀卓だろうが、
買ってしまえば基本的には中古品扱い。
骨董価値はまず出ない。
中古屋に売り払えば二束三文は間違いない。
ところがMTGはそうでもない事が起きている不思議な文化だ。
このままMTGが滅びる事無く続く文化であれば価値は下がらない。
もう15年を超えて存在し続けている文化だ。
今後、新しいカードセットが出なくなったとしても、
固定のファン、やめない人間はたくさんいる。
画家が死んでも作品は残る。
作曲家が死んでも作品は残る。
MTGも同じことなのではないかと思う。
リチャード・ガーフィールドという人が作った作品である事には間違いない。
ゴッホの絵もダリの絵も骨董品と言えば骨董品。
ゴッホやダリの歴史に比べてMTGは浅いが、
いつかこれが骨董品になっても不思議は無いと感じている。
もちろん、自分の持っている《セラの天使/Serra Angel》の原画もだ。
完全な根拠までは提示出来ないが、
Power9や昔のカードは相場によっての変動はあるものの、
一定の価値は保ち続けられるものが多いのではないかと思う。
少なくともスタンダードのカードほど不安定ではない。
スタンダードのカードは流行り廃りですぐに変わる。
昨日まで2500円だったカードが1500円に落ちる事もある。
スタンダード落ちしたら半額以下になる事も随分と多い。
スタンダード落ちして値段が飛躍的に上がった例外は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》だけだろう。
しかし、昔のカードたちはここまでの下落は滅多な事では聞かない。
以前のこらむでも書いた内容だが、
自分は《Mishra’s Workshop》を今から10年ほど前に¥3500程度で8枚も買った。
今は3万円を超えるトーナメントカードだ。
下がるどころか10倍になっている。
上がる下がるにはそれなりに根拠がある。
「このカード以上に強いカードを出さないであろうレベルの強さを持った、
ヴィンテージ、レガシークラスで活躍可能なカード」
の値段は安定しているか上昇傾向にある。
これらの中で希少度が高いものは年々上昇している。
少し話が変わってしまうが、
この日本という国の年金制度はいつまで持つのだろう。
現在の10~30代が年金をもらう頃には破綻しているのではないか?
と言われている。
MTGの寿命と年金はどちらが持つのだろう…と話すのも馬鹿げているかもしれないが、
MTGの寿命がそれなりであるのなら、
《Black Lotus》やMoxシリーズは安定した財産になりえないだろうか。
実際にこの10年だけなら、
Power9は2倍以上にはなっただろう。
自分の持っているPower9がこんなに高くなるとは思わなかった。
これはPower9に限った話ではない。
レガシーやヴィンテージの大会でこのカードを見ないことはないカード、
《Force of Will》やデュアルランドも10年前からすれば、
ありえないほどの高騰ぶりだ。
《Force of Will》は約10年前なら500円だった。
デュアルランドは10種の各値段が今ほど値段の格差になっておらず、
軒並みどれを買っても、2500円程度で購入出来た。
《Force of Will》は10年前から考えて約10倍。
デュアルランドは2倍から4倍。
これらのカードは先程述べた、
「このカード以上に強いカードを出さないであろうレベルの強さを持った、
ヴィンテージ、レガシークラスで活躍可能なカード」
に該当する。
自分においてはアライアンスのパックを普通に買って、
《Force of Will》を引き当てていたのでシングル買いはしていない。
それどころか、
「所詮これアンコモンだし」
なんて言いながら友人にあげてしまった。
(知らない人がいるかもしれないが、《Force of Will》はアライアンスのアンコモン。)
上記のカードたちを10年前に当時の値段で買い、
今、売り払いたいと思えば間違いなく利益が出る。
そう考えると「年金より安定していないか?」と思ってしまったりもする。
だからと言って年金を払わない理由にはならないが。
年金の寿命は国が破綻するか年金の制度そのものが破綻するまでだ。
MTGの寿命は「貴方がやめるまで」ではないかと思う。
こう考えるとスタンダードカードよりも過去のカードは財産を失わないで済む。
前述の万単位の将棋の駒や全自動麻雀卓と違って、
MTGのカードは比較的いい値段で売り払う事が可能なカードも多い。
これを読んでいる人の中にはゲームショップにゲームソフトや本体を、
古本屋にいらなくなった漫画を売りに行った事がある人もいるだろう。
その時の買取金額を考えてみてほしい。
400円だった漫画が20円、5000円のゲームソフトが300円だったりする。
MTGのカードも漫画もゲームソフトも、需要と供給のバランスによる相場で値段が決まる。
とはいえ、MTGのシングルカードで5000円の値がつくカードの買取額は、
普通ならば1000円を下る事はあまりない。
購入後5年経過したら、だいたいのゲームソフトと漫画は定価の20%以下扱い。
プレミア価格がつく漫画やソフトは全体の1%にもならない。
MTGはこういった点では非常に優秀だ。
仮に手放すとしても、
購入金額と買取金額の差額を計算した場合、
何故か買取金額のほうが上になるケースもある。
もちろんマイナスになる事もあるが漫画やゲームソフトと違って、
買取金額が販売金額の10%以下になる…という事はそうそう無い。
ならば、いつ昔のカードに手を出すか。
単純に「これ以上高くならないうちに」だと考えている。
株価と似たようなもので、
需要と供給次第でいくらでも変化する。
購入は当然自己責任という事にはなる。
これを読んでいる方がMTGを長く続けるのなら、
昔のカードは非常に楽しめるカードが多いだけにお薦めしたい。
レガシー、ヴィンテージ、EDHは長くMTGを楽しむためには欠かせないと言ってもいい。
一念発起して手を出してみてはいかがだろう。
さて、これを読んでいる方は、あとどのくらいMTGを続けるだろう?
出来る事なら、これを読んでいる全ての方が長くMTGを続けて欲しい。
これほどのバランスとシステムを持ったものは、
麻雀を除いて他に類を見ない。
半世紀超えて残る文化に出来たらそうそう滅びない文化になる。
Cardshop Serraはそうなる事を期待して営業をしている。
まずは5年後、どうなっているか楽しみに待とう。
ではまた。