SethとSerraの10日間

SethとSerraの10日間。
SethとはアメリカのプレイヤーのSeth Burnのこと。
彼とは2004年の世界選手権で対戦した。
自分が見てきた中で、今までで一番強かったと思うプレイヤーだ。
親和VS親和で最も熾烈な戦いをした相手。
この対戦以来、仲良くなり、今は大事な友人の1人。
メールのやりとりをしていたら、
「日本に遊びに行く。」
と言いだしてくれた。
なお、日本語は「アリガト」「コンニチハ」「ヤクザ」くらいしか知らない。

※このこらむはマジックのカード名がほとんど出てきません。
競技的な話もしません。
興味の無い人はブラウザを閉じて下さい。

9月21日。
昼の2時に到着予定とのことで、
成田空港にSethを迎えに行く。

まずは再会を喜び合い、1対1のEDH。
青単《ヴェンディリオン三人衆》VS青単:《三日月の神
勝敗は1勝1敗。
こちらはデッキをいくつも変えて遊んだが、
だいたいトントンくらいの勝敗だった。

英語はよくわからないので、
翻訳サイトのエキサイト君をお互いに利用して、
エキサイトな翻訳に笑いながらも意思の疎通をはかる。

Seth「このサイト、ファンタスティックだ。
 ろくな翻訳してくれないよ。」

うん、知ってる。
自分でもそう思ってる。
だが、そんなエキサイティングかつファンタスティックなサイトでも、
こんな時は役に立つ。
なるべくわかりやすい丁寧な文章にすれば訳もそれなりになる。

Sethはおみやげにプレーンチェイスを持ってきてくれた。
彼のフライトの2日前に、
「プレーンチェイスの次元カード、《Tazeem》と《Celestine Reef》探してる。」
とメールを打ったら、探してきてくれた。
それとお酒を買ってきてくれた。
お酒好きだと覚えていてくれたみたいだ。
非常に嬉しい。

この日は彼も疲れているらしく早めに就寝。

9月22日。
通訳兼遊びにきてくれたゆーだいと友人を含めて、4人で行動。
基本的にはマジックが中心。

Sethが寿司が食べたいと言ったので、
寿司屋に行くことに。
回転寿司と普通の寿司屋どっちがいい?
と聞いた時、回転寿司ってなんていうんだろう?と思った。
結局「コンベア寿司」で落ち着いたみたいだった。
自分の脳内では「スクリュー寿司」だったのだが。
Sethの回転寿司を見た事が無いから見たいという意見により、
回転寿司(スクリュー寿司)に直行。

夜はSeth、雄大と一緒にお酒を飲みながらマジックをして就寝。

9月23日。
起きる。
Sethをラーメン屋につれていく。
Seth含めて13人でカラオケにいく。
Sethの前でSethのわかりそうな歌、
Top of the World / 倉木麻衣(カーペンターズのカバー)
メリッサ / ポルノグラフィティ(鋼の錬金術師を知っていると言ったので)
Rule / 浜崎あゆみ(Dragon Ball Evolutionのテーマソング)
あたりを唄う。
DAMの採点システムで、
たて続けに99点出したら、
「お前はカラオケの世界のジョン・フィンケルだ。」
と言われた。面白い表現だ。

Sethは日本の言い方で言う洋楽を唄ってくれた。
(Sethにとっては邦楽。)
当たり前と言えば当たり前なのだが、
英語の発音がしっかりしていてかっこいい。

そして、夕食。
お店を指定するSeth。
わざわざネットで「ここに行きたい」と言った所は、
ディナーコース、最低¥8500からの高級料理店。
場所は東京駅八重洲口を出てすぐの大丸ビルの最上階。
値段も値段だが、
あまりの美味しさに驚いた。
お酒も美味いが、何よりの味はサーロイン、海老、まぐろの味。
それと初めて口にした、パプリカのスープ。
これならば、一食に一万円を費やしても惜しくないと言える味だった。

こんな場所を日本人の自分が知らず、
Sethが知っていたのは驚きだった。
話を聞けば、前から行ってみたかったらしい。
しかもおごってくれた。
カードで支払いして、
「OK、お前には世話んなってるから」
と言ってくれた。
嬉しいけど、大丈夫なのか?と思ったが、
お言葉に甘える事に。
夜景も綺麗で、味も良い、素晴らしい料理店だった。

9月24日。
今度はSethを秋葉原につれていく。
かなりむちゃくちゃを言い出す彼。
というより「どっから手に入れたんだ、その知識は!」というレベルの要求。

・狂乱家族日記というアニメの英語字幕の出るDVD(自分は知らない。)
・ゼルダの伝説の東京シンフォニックバージョン
・悪魔城ドラキュラのゲームサントラ

秋葉原をまわってみても、ジブリくらいしか英語字幕は出ないという。
ただ、トトロが好きだ!とかポニョが…と言っていたので、
おそらくDVDを持っているか英語字幕をどこかで見たのだろう。

結局CDは見つかったが、DVDは断念した。
そして、「それと大塚愛のCDに興味がある。」と言いだした。
部屋でマジックをしている時に適当に流していた曲が気に入ったようだ。

夜になり、池袋の高級焼肉屋さん、「やざわ」に移動。
店長さんや店員さんに顔を覚えてもらっているので、
メニューに無いものを食べさせていただいた。
そのお肉の値段たるや、1皿4000円。

Serra「この肉1きれでマクドナルドのセットが食えるぜ!」
Seth「はっはっはー!だからってマクドナルドには行かないぜ!
 もっとこの肉を食べさせてくれ!気に入った!」

もちろん上記は英語での会話。
和訳したらこんな感じだろうというもの。
1皿4000円のお肉はあと1皿だけはあったらしく、
そのラスト1皿も我々のおなかにおさまる事となった。
前日の料理店以上に喜んでいるようだった。

9月25日。
今度は築地に行きたいというので築地に。
築地では1つ1200円もする玉子焼きを買ったり、
1杯2000円の海鮮丼を食べたり。
考えてみれば結構な贅沢生活をしている気がする。

食べるものを買ったあとは上野に移動し、
アメ横を歩き、ゆーだいを見送って終了。
Sethは日本のゲームが好きみたいだ。
DSのNEW SUPER MARIO BROTHERSを渡したら、
喜んでやっていた。

9月26日。
EDHオフ。
18人もの人が集まってオールナイトでEDH。
盛大な盛り上がりで、朝の8時まで大騒ぎ。
特別ゲストであったSethを含めて、朝までひたすら。

Serra「Seth、よかったらこの余ったカードでデッキ組んでみないか?
 あ、ジェネラルはリゾルダおばさん(《血の魔女リゾルダ/Lyzolda,the Blood Witch》)で。」
Seth「OK♪」

これで1時間程度で組んだデッキで一晩常勝無敗。
さすがだ。

9月27日。
前日に徹夜していたこともあり、
見事に寝るだけで一日が終わる。

9月28日。
野球が見たい!というSethの意向により、神宮球場へ。
阪神タイガースVSヤクルトスワローズの対戦だった。
席はヤクルトスワローズ側がいいとのことで、そちら側に。
何故にSethはヤクルトスワローズを知っていたんだろう?
「日本の野球チームで一番好きなのは日本ハムファイターズだ。」
とも言っていた。
日本が好きなのだろう。
「なんでそんなに日本が好きなんだい?」
と聞いてみたら、
「SQUARE・ENIX!
 I love Dragon Quest!」
と笑顔で答えた。

9月29日。
今度は高級なお箸が買いたいと言ってきた。
高級なお箸?
またそんな、無茶な。
と思いつつも、目の前の魔法の箱(パソコンの事)とグーグルティーチャーにお伺いをたてる。
すると銀座にあると書いてある。
我等は銀座に向かった。
たしかに売っていた。
なんだこれは?!と思うようなお箸がいっぱい。
一膳で10万円のお箸ってなんだ?!
と思ったものの、
よくよく考えてみれば、
1枚で10万円くらいするカード売ってる奴の台詞じゃないな、と気付く。

それにしても素材を説明するのが難しかった。
漆なんていくら説明しても理解されにくいものだったし、
黒檀(Ebony)はマジックにも出てくるので説明出来たが、
紫檀はわからないままだった。

お箸屋さんでは、
Seth「お前から見て、このお箸のランクはどのくらいだ?上か中か下か?」
Serra「中だね。」
Seth「サンキュー。じゃ、お前の目で見た、上を教えてくれ。」
こんな会話もした。

外国人はお箸を使い慣れていない事も多い事から、
持ちやすい形になっている黒檀の質のいいお箸を薦めたら、
それがとても気に入ったらしく、家族の分まで購入していった。
日本人でもお箸にこだわらない人は多いというのに、
外国人でそれなりのお箸を買っていこうという考えからも、
Sethはとても日本好きなのだろうと思った。

余談だったが、ここで売っていた象牙の箸がとても綺麗で、
いつか買いたいと思った。値段は…書いていなかったのでわからない。
たぶんあれは一番高いお箸だったんだろう。

9月30日。
Seth帰国日。
成田空港まで見送りした。

それにしても外国人に料理店をすすめるのは難しかった。
Sethとのやりとりでわかったものは、

・わさび×
・辛いカレー×
・納豆×
・豆腐×
・海苔×
・焼肉の臓物系×
・おくら×
・ミント味のもの×
・たこ焼き×
・お好み焼き×
・豚肉×
・高級和牛焼肉◎
・高級和牛ステーキ◎
・寿司◎
・海鮮丼◎
・パスタ◎
・シチュー◎
・そば○
・うどん○
・焼き鳥○
・和牛ユッケ△

こんな感じだった。

それにしても、
世界選手権であたった対戦相手と、
こんなふうに話せるようになるとは思わなかったし、
こんなふうに食事が出来るとも思わなかった。
マジックは偉大だ。
このカードだけで言語の壁を越える事が出来る。
Sethにとっては日本語が、
自分にとっては英語がわからなくても、
このゲームのルールが言語になってくれる。
マジックは素晴らしいコミュニケーションツールの1つだと感じた10日間だった。

長い文章を最後まで読んでくださった方、
ありがとうございます。
マジックと関係のある話題ではない事ばかりでしたが、
こうやってマジックをもとに知り合える幸せを伝えたかったのです。
我々プレイヤーはマジックを趣味に出来ているということに誇りを持っていいと思います。
たった1つのきっかけがこれほどの事に発展する可能性を秘めているのですから。

ではまた。




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