Library of Alexandria

今回のお題は《Library of Alexandria》。



Library of Alexandria
土地
(T):あなたのマナ・プールに①を加える。
(T):カードを1枚引く。この能力は、あなたの手札にカードがちょうど7枚ある場合にのみプレイできる。
アンコモン

Power9に次ぐ強さを持つということから、
Power10という名でも呼ばれたアラビアンナイトのカード。
MTGの特殊地形でトップクラスに高い土地カード。
絵の綺麗さでもトップクラス。
個人的な意見では「MTGのカードで住んでみたい建物」でもトップクラス。
このアレクサンドリアの図書館、実在したものでもある。
実在している地名という事からも、能力的にもカード名としても、
「伝説の土地」であっても不思議はないのだが、
アラビアンナイトが出た当時には「レジェンドルール」は無かった。
ついでに言うとアラビアンナイトには「レア」の概念がないので、
このカードはアンコモン。

ヴィンテージをやっている方ならこのカードの強さは知っている事と思うが、
MTG歴の浅いプレイヤーの中にはこのカードの何が強いの?
という話になってしまうかもしれない。
なにせこのカードをもとに作られた、
図書館の大魔術師/Magus of the Library
は次元の混乱のカスレアの1つでもある。
トーナメントデッキに《図書館の大魔術師》の名は見た事が無い。
もとが強いだけにガッカリ感もひどいカードだった。
大元になったカード、《Library of Alexandria》の強さは簡単に証明出来る。

1ターン目の手札にあったとしたらと想定してみよう。
1ターン目にこのランドを置く。
先手なら2ターン目のドローステップ後には手札が7枚。
後手なら1ターン目にこのランドを置いた時から手札が7枚。
デメリット無くこの状況から追加ドローが1枚。
手札の使い方次第だが、毎ターンドローする事も不可能ではない。
むちゃくちゃな強さと言っていい。

この世のWindowsが95や98だった時代、
PC版MTGというものがあった。
(もちろんオンラインのものではない。)
このPC版で
Power10を全部4枚入れたデッキを使ったことがあった。
デッキは、

4《Mox Pearl
4《Mox Sapphire
4《Mox Jet
4《Mox Ruby
4《Mox Emerald
4《Black Lotus
4《Time Walk
4《Timetwister
4《Ancestral Recall
4《Demonic Tutor
4《Wheel of Fortune
2《Sol Ring
2《Regrowth
2《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall
1《火の玉/Fireball
1《Braingeyser

2《Underground Sea
4《Library of Alexandria
2《Volcanic Island

こんなデッキだった。
Library of Alexandria》起動、レスポンス、もう1枚の《Library of Alexandria》起動。
こんなことを何度もしていると手札が常に10枚前後。
10枚の手札はすぐに使いきってまた7枚に戻る。
自分はこれをコンピューター相手に試してみて、
「ああ、《Library of Alexandria》が制限されるわけだ。」
と1人で納得していた。
もちろん他のPower9の強さも同時に理解していたが。
なお、このデッキで他人にターンがわたる事はない。

歴史の中のアレクサンドリア図書館は、
紀元前300年ほどの時代、エジプトに存在した。
蔵書数は70万とも言われ、
当時、世界最大の図書館だったという。
作った人はプトレマイオス1世。
図書館長は、その時代に地球の大きさを正確に計測したとされるエラトステネス。
その他多くの学者がこの図書館に通ったとされる。
が、
残念なことにこのアレクサンドリアの図書館は
西暦にして500年になる前にこの世からなくなってしまう。
その最大の要因はキリスト教徒の焼き討ちの説が濃厚とされている。
唯一神以外の存在を認めない宗教は、
おおむねそれを理由に人を殺害し、戦争を起こし、略奪をする。
そして自分達の信じるものに都合の悪いものをこの世から消そうとする。
歴史的遺産の中でも、書物というものは、
偉人の墓や宝石に比べて数倍の価値があると自分は思う。
アレクサンドリアの図書館が失われた事は、
歴史的に見て多大なる痛手であっただろう。

このアレクサンドリアの図書館は、アルキメデスのような、
有名な学者を生み出した。
カードの能力はそれになぞらえたかのような能力だ。
「(T):カードを1枚引く。この能力は、あなたの手札にカードがちょうど7枚ある場合にのみプレイできる。」

この能力は、
「知識あるものにさらなる知識を」
と言わんばかりだ。

また、《精神力/Mind over Matter》と組み合わせると、
手札7枚→《Library of Alexandria》でカードを1枚引く→《精神力》で《Library of Alexandria》をアンタップ、
を繰り返すだけで、手札は思いのままとなる。
対戦相手がこんな場を作り上げたのなら、
「投了」
とさっさと言ってしまうことをお薦めしたくなる状況だ。

精神力》と知識(手札7)、それにこの図書館さえあれば、不可能は無い。
精神力》はあとから出たカードではあるが、こんな一言も出るほどよく出来たカードだ。

MTGの素晴らしい点の1つはこういったカードのセンスだと言える。
昨今のカードにはセンスなどかけらも感じないが、
昔のカードには歴史的な伝承以外にも製作者のセンスが光るものが多く見られる。
もう、神話世界や宗教世界をモチーフにカードセットは作られないのかもしれないが、
いつか製作者がこういったものをもう一度作ってくれる事を望んでやまない。

最後に。
アレクサンドリアの図書館は現在、新アレクサンドリア図書館として、
2001年にかつてアレクサンドリア図書館があったとされる場所に再建された。
愚かな人間が再度この図書館を焼く事が無いよう祈りたい。

ではまた。




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