Time Vault

今回のお題は《Time Vault》。



Time Vault
コスト:2
アーティファクト
Time Vaultはタップ状態で場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
Time Vaultがタップ状態である間にあなたがあなたのターンを始める場合、
代わりにあなたはそのターンを飛ばしてもよい。そうした場合、Time Vaultをアンタップする。
(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。
レア

昔から幾度と無くカードのテキストが変更されてきたカード、《Time Vault》。
昔、まだMTGが初版ぐらいしか存在しなかったころ、
動く秘宝/Animate Artifact》でクリーチャー化させ、
賦活/Instill Energy》をエンチャントしてアンタップして無限ターン
という無限ターンコンボが当時は強すぎたため、
(本当に強いのか?というくらい今のコンボデッキと比べて強いと言えないが)
このカードはルール変更を余儀なくされてた。
その後もカードがリリースされるごとに小さな変更をされてきた。

一時は、
Time Vault
コスト:2
アーティファクト
Time Vaultはタップ状態で場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
TimeVaultの上に時間カウンターを1つ置き、あなたは次のターンを飛ばす:TimeVaultをアンタップする。
(T)Time Vaultの上にある時間カウンターを全て取り除く:このターンに続いて追加の1ターンを行う。

だった事もある。
この時には、

炎の一斉攻撃/Flame Fusillade
コスト:3赤
ソーサリー
ターン終了時まで、あなたがコントロールするパーマネントは
「(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。
このパーマネントはそれに1点のダメージを与える。」
を得る。
レア



磁石マイア/Lodestone Myr
コスト:4

アーティファクト クリーチャー マイア(Myr)
トランプル
あなたがコントロールするアンタップ状態のアーティファクトを1個タップする:磁石マイアはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
2/2

によって無限ダメージを狙えるデッキが存在した。

また、
解体作業/Dismantle
コスト:2赤
ソーサリー
アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
そのアーティファクトの上にカウンターが置かれている場合、
あなたがコントロールするアーティファクト1つの上に、
同数の+1/+1カウンターか蓄積(charge)カウンターを置く。
アンコモン

このカードを大量に時間カウンターを置いた《Time Vault》に向かって撃ち、
アーティファクトクリーチャー(主に《トリスケリオン》)の上に乗せてアタック(《トリスケリオン》の場合殴らなくてもOK)という手段も使われた。

次のルール変更では、
Time Vault
コスト:2
Time Vaultはタップ状態で場に出る。
Time Vaultがアンタップ状態になる場合、代わりに以下の2つから1つを選ぶ。
「Time Vaultをアンタップし、あなたの次のターンを飛ばす。」
「Time Vaultをタップ状態のままにする。」
(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。

この時には、ギルドパクトのレアである、
ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat
コスト:3
アーティファクト
3:アーティファクト1つを対象とする。ミジウムの変成体はターン終了時まで、そのコピーになる。
1青赤:アーティファクト1つを対象とする。ミジウムの変成体はそのコピーになり、この能力を得る。
レア

によって無限ターンを狙うデッキが存在した。

このカードのテキストが変更されるたびに、
不思議なデッキがこの世に1つ以上増えていき、
過去の不思議なデッキが1つ以上消えていった。
なんともプレイヤーとジャッジを泣かせるカードである。
これが「どう読んでも弱いカード」だったら誰も相手にしなかっただろう。
ところがルールが変わるたびに弱くはならなかった事が問題だった。

幾多のルール変更のあったこの《Time Vault》は、
2008年のアラーラの断片の発売後に、
最初のテキストのままに限りなく近いものに修正された。

MTG歴の長いプレイヤーならばもうおわかりだろう。
ミジウムの変成体》でなくてもよくなった。
そう、ウルザズサーガのアンコモン、《通電式キー/Voltaic Key》と組み合わせるだけで無限ターンである。
しかし、それ以上にとんでもないカードが、
アラーラの断片に存在している。
それが、下記である。

《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
コスト:3青青
プレインズウォーカー テゼレット(Tezzeret)
[+1]:最大2つまでのアーティファクトを対象とし、それらをアンタップする。
[-X]:あなたのライブラリーから、点数で見たマナ・コストがX以下のアーティファクト・カードを1枚探し、
 それを場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
[-5]:ターン終了時まで、あなたがコントロールするアーティファクトは5/5のアーティファクト・クリーチャーになる。

神話レア

求道者テゼレット》を出して、既に《Time Vault》が場に出ていれば、もう無限ターン。
出ていなければ、《Time Vault》をライブラリーから探してこれるというとんでもないカード。
持ってきた次のターンには無限ターンを開始するか、
通電式キー》が場に出ていて1マナ余っていれば当然無限ターン開始である。
無限ターン開始後は、
通電式キー》が場に無かった場合はまず、探してきて、
通電式キー》と《Time Vault》だけで無限ターンを開始する。
求道者テゼレット》は0でライブラリから0マナのアーティファクト、
とくにヴィンテージならMoxシリーズがあるので、
(アーティファクトランドでも可)
それを持ってきて場に並べる。
それなりの枚数のアーティファクトが場に並んだところで、
求道者テゼレット》の忠誠度が5以上になったところで、
場のアーティファクトを全て5/5クリーチャーに変化させてアタック。

1枚のカードで全てが完結しているとんでもないカードである。
最初にこのカードを見た時に、3番目の能力を、
「あなたのコントロールするアーティファクトクリーチャーを全て5/5にする」と読み間違えたため、
使うのは1番目と2番目の能力だけだな…と思ってしまったが、
よく読んだら、「あなたのコントロールするアーティファクトを全て5/5にする」だった。
クリーチャーでないアーティファクトまでもが5/5になるならば強い。

瞬時に自分の中でこの2008年の1年間で出たカードの最強カードはこのカードだと確信した。
スタンダードでの活躍よりもヴィンテージで恐ろしき力を発揮するとすぐに理解できた。
Moxシリーズやアーティファクトランドをアンタップすればマナを確保、
0起動でMoxシリーズやアーティファクトランド、《Black Lotus》、
虚空の杯/Chalice of the Void》(X=0)が場に出る。
1起動で《通電式キー》、《Candelabra of Tawnos》、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》 、《真髄の針/Pithing Needle》が場に出る。
他にもエースと呼ばれるカードは沢山あるが、
それらがほぼノーリスクで場に出る。
しかも《虚空の杯》でどんな数字を指定されていようとも、
この《求道者テゼレット》で場に出す場合はカウンターされずに場に出る。
Time Vault》がライブラリーの中にあった場合は全く危険を冒さずに場に出す事が出来る。

Time Vault》のルール変更と同時に《Time Vault》はヴィンテージの制限カード入りした。
制限カードになり、元のカードテキストに限りなく近いカードとなった《Time Vault》は、

もうあまりルール変更をされないのではないかと自分は思っている。
やっと落ち着いてくれたというべきだろうか。
ルール変更でとても強いカードに変貌を遂げたが、
このまま変わらないでもらいたいカードである。

この《Time Vault》と《求道者テゼレット》の組み合わせはアラーラの断片発売後に即座にヴィンテージで採用された。
一年前にあったフラッシュハルクと呼ばれるデッキのように、
トーナメントを席巻とまではいかないが、
ヴィンテージの世界に一石を投じられるデッキとして成り立っている。

とはいえ、この《Time Vault》+《求道者テゼレット》のデッキの多くは、
「《求道者テゼレット》だけが勝ちパターン」として組まれている事が多いため、
白金の天使/Platinum Angel》が場にあると案外勝ちに行けない事がある。
言うまでもなく《白金の天使》を倒す方法がデッキに0だからである。
また、一度墓地に落としてしまった《Time Vault》を拾う手段が、
ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》1枚だけなんて事もある。
こういった部分を補う方法として、《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》がある。
赤いカードは《ゴブリンの溶接工》と《赤霊破/Red Elemental Blast》のみでも十分に意味がある。

この《Time Vault》、入手も難しいが、
持っていて損の無い1枚である。

ではまた。




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