ドラフトのススメ。
Cardshop Serraのこらむを読んでくれる人たちは、
ドラフトをやったことのある人、無い人はさまざまだと思う。
中にはドラフト好きもいればそうでない人も。
ドラフトのやり方がわからない人はこらむ「ドラフト」を読んでから。
ドラフトはやったことがなくて、ひいているという人、
ちょっぴりもったいない。
MTGの面白さの30%くらい捨てているかもしれない。
ドラフトは競技志向だけのものではない。
ルールは確かに競技のルールにのっとって遊ぶものの、
ドラフトはカジュアルにとても楽しく遊べる。
競技ガッチガチな人は、
「一番新しいカードセットを使ったドラフトじゃないと嫌!」
なんて言い出しちゃう人もいるが、
MTGとはルール上、
エンチャント、アーティファクト、インスタント、土地、クリーチャー…と分けられているだけで、
本来とてもとても自由で楽しめるもの。
カジュアルな遊び方ならカードセットなんて気にしないほうが面白い。
公式大会は別だが、
ドラフトは2人でやっても、
12人でやっても構わない。
集まった人数でやればいい。
その時にこれ!と決め付けて遊ぶのではなく、
それこそ参加者に
「適当に3パック用意してこい。なんでもいいから。」
って言って遊んでも良いと思う。
参加プレイヤー次第で、
言語だけは問題が出やすいので、これだけはドラフト前に確認したほうがいいが、
自由に用意したパックで遊ぶドラフトには普段無い楽しさがある。
仮に8人でドラフトをするとして、
8人全員が違うパックを用意してきたら、
24種類のパックが存在する。
まわってくるたびに違うカードセットのカードを見る事が出来る。
まして24種のパックともなれば、
「おっ!このエキスパンションのカードは久々に見る!」
なんていう懐かしい気持ちでプレイ出来る人もいるだろうし、
「世の中にはこんなカードがあったのか!」
と、知らぬカードに刺激を覚える人もいるだろう。
ここには枠組みにとらわれず、デッキを組む楽しさも含まれる。
また、こういった遊び方も面白い。
インベィジョンブロック、
ラヴニカブロック、
フィフスドーン、
ついでにシャドウムーアとイーブンタイドも。
多色のカードが多いカードセットを中心にカジュアルなドラフト。
これもまた面白味に繋がる。
おおっ?と思うようなカードの組み合わせが見つかり、
レガシーのデッキ構築に繋がる…なんて事もある。
過去の自分の経験の中には、
変わったカードでドラフトしたことがある。
Revised、Fallen Empire、Homelands、Ice Age。
この時、
残りライブラリ自分1枚、相手0枚で、
相手の《火の玉/Fireball》14点を対戦相手がForkしたものの、
《目には目を/Eye for an Eye》でForkされた分の14点だけ与えたら相手が先に倒れたとか
(自分のライフ20点、相手12点)
《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》で場を固めて、耐える予定が、
Fallen Empireのファンガス・クリーチャーに見事にひっくり返されたりと、
変わった勝負が面白かった。
ちなみに、過去のエキスパンションほどクリーチャーは弱い。
過去のクリーチャー以外のカードは一部だけありえないくらい強い。
(一例:《稲妻》、《対抗呪文》、《天秤》、《ミシュラの工廠》、《怨恨》、《火炎破》…)
違うパックにして遊ぶと
「いつもと違ったドラフト」
を何度も楽しめる。
マジックには15枚カードが入っているカードセットが、
ベータから数えて39+10+3+1
現在(2008年9月)の時点で10thまで(アルファとベータとアンリミは同じ扱いとして)9、
エキスパンションセットで40、
ポータルシリーズ3
で、52種類、
アンヒンジドという例外を含めると53ものパックが存在する。
ドラフトは毎度毎度出るカードが違う楽しみも存在するが、
パックがばらばらになるとその楽しみは数倍になる。
(アングルードやマジックスターターなども存在するので実際はさらに増える)
アンヒンジドを入れて遊んだ事があったのだが、
ある時、
《Richard Garfield, Ph.D.》 (リチャード・ガーフィールド博士)
コスト:3青青
伝説のクリーチャー 人間(Human)・デザイナー(Designer)
あなたはカードを、あなたが選んだ同じマナ・コストを持つ別なマジックのカードであるかのようにプレイしてもよい。
(マナ・コストは色を含む)
あなたは同じカードを2回選べない。
2/2
レア
を引いた女性がいた。
この女性、ファーストピックで喜んでこれをとり、
2白白で《神の怒り/Wrath of God》や《Moat》を宣言し、
1青で《Time Walk》を放ち、
当たり前のごとく全勝していた。
言うまでもなく青1つのコストで《Ancestral Recall》だ。
コストさえ合っていれば他のなんでもOKとは恐ろしい。
「途中からはカードの効果を無視してコストだけ見てドラフトピックした。」
と本人が言っていた。
ちなみにこのガーフィールド博士を除去しようとしたら、
3青青のカードを手札から見せられ、
《Force of Will》と言われた人もいた。
この女性に決勝戦で当たったものの、
勝てるわけもなく。
青からの《Ancestral Recall》で3枚ドローからスタートし、
2白白からの《Moat》で地上クリーチャーを封殺され、
3白白から《セラの天使/Serra Angel》が光臨。
1青から《Time Walk》であっさり勝負を決められた。
笑って投了出来るゲームだった。
知識さえあれば、このカードより強いカードは無い。
コスト0のカード(つまりは土地カード)は今では、
《否定の契約/Pact of Negation》や《殺戮の契約/Slaughter Pact》になってしまう恐ろしさ。
土地カード手札に持っているだけでカウンターや除去が飛んでいく。
一度は自分も使ってみたいカードだ。
このようにパックがランダムになると、
まわってきたカードからデッキの構成を考えながらカードをとっていくことになる。
こちらのほうが面白いのだ。
本来の実力というのも、パックが様々なほうが出るとも言える。
前に書いたドラフトの基礎3にある「戦闘パターン」をつかんでしまうと、
ブロック限定ドラフトには一定の流れが作られてしまう。
ドラフト慣れした人間たちは、その戦闘パターンでデッキを組む人も少なくない。
愚かと言い切ってしまうのはいささか問題はあるが、
パックのソートの話を出し始める者もいる。
戦闘パターンやソートでデッキを組み、
ある程度のパターン化された戦略でプレイをする事に、
本来の実力は出しえるものだろうか。
想像しなかった状況に自分のプレイングと構築で対応する事こそ、
求められる実力であると自分は考えている。
こういった書き方をしてしまうと、
非常に難しく感じてしまうかもしれないが、
ランダムにパックを選ぶドラフトには、
競技としての視点以上に楽しめる視点がある。
お気楽、お手軽の2つは大事な要素だと言える。
未開封のパックを適当に持ち寄って遊ぶだけでいいのだ。
ただ開封するより、ちょっと遊んでみようという遊び心で、
楽しみが1つ増えることになる。
興味がある方はやってみてはいかがだろうか。
マジックの楽しさが1つ増える可能性は大きい。
ではまた。