垂れ流しの達人

今回のこらむは久しぶりに1枚のカードについてのこらむ。
そのお題となるのはこのカード。

垂れ流しの達人
Cathartic Adept/垂れ流しの達人
コスト:青
クリーチャー 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(T):プレイヤー1人を対象とする。
そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。
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コモン

アラーラの断片にあるコモンカード。
能力はタップするとライブラリーを1枚削るだけ。
アラーラの断片が発売されたのは、
2008年の10月3日。
今からだいたい8年前だが、
こんなカードがある事を店主は知らなかった。
いや、正確には知っていたのだが、
こんな和訳である事を知らなかった。

垂れ流しの達人。

誰だ、この和訳をした奴は。
全く意味がわからない。
まず日本語というやつをよく考えてみよう。
剣の達人と言われたら、
誰もが、
「剣術の実力がある人」
という認識をする。
適当な単語に達人という単語をくっつけてみてもだいたい同じだ。
例えば、
オムライスの達人。
この場合は、
「オムライスを美味しく作れる人」
と認識出来る。

垂れ流しの達人。

wakaranai
なにがなんだかわからない。

垂れ流しの達人「私は垂れ流し検定準一級の腕前。」

なんて自己紹介されても困る。

日本語という表現方法が多種多様の言語の中で、
この「垂れ流し」という単語は、
おおむね良い意味で使われないというか、
綺麗なイメージのない単語である。

「何か」を「垂れ流す」場合、
その「何か」が綺麗である事は非常に少ない、
いや、皆無と言ってもいいくらいである。
おおむね垂れ流すものは「汚物」のイメージである。
工場排水だとか、
放射能だとか、
よだれだとか、
垂れ流す事はどうも良い事にはつながらない。
グーグルの画像検索で「垂れ流し」で検索しても、
綺麗な画像はまず出てこない。
ほとんどが工場排水や便所の画像である。
仮に綺麗なものを垂れ流してみたら、
クリーンなイメージになるのだろうか。

聖水を垂れ流す。


・・・すまない、店主が悪かった。



そもそも《垂れ流しの達人》のイラストを見ても、
別に何かを垂れ流しているイラストではない。
オッサンの手と顔が描いてあるだけのイラストである。
綺麗なイラストではないとは思うのだが、
かといって、
「垂れ流し」
と名付けられたら、
明らかに不名誉である事も間違いない。
そして、Catharticという単語は
直訳では下剤という意味があり、
他では浄化や精神浄化などの意味もある。
「浄化の達人」
くらいだったら、
それほどおかしなカードにはならなかったのだ。

わかった事は2つ。

1つはこのカードの和訳は明らかにおかしいという事。

もう1つはこのカードの和訳をした奴は、
脳みそを垂れ流しているという事だ。

垂れ流しの達人、それは和訳した奴の事ではないのか?
脳みそとたわ言を垂れ流しているのだろう。
全くもって迷惑である。
この《垂れ流しの達人》はそれほど強くはないが、
リミテッドでライブラリーアウトを狙う1枚として、
採用されてもおかしくない性能である。

必ず採用!とは言えないけれども、
EDHでも
ジェネラル:《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls
を作る際に最後まで候補になった1枚だった。
ウィザードで1マナだからというだけの理由ではない。
このカード、案外と侮れない1枚なのだ。
能力の対象のプレイヤーのライブラリーを1枚削る能力は、
思っている以上に活躍の場がある。

考えてみよう。
1つ目、
あなたの対戦相手の場に《垂れ流しの達人》がいるときに、
あなたはチューター系のカードを撃てるか?
撃てないだろう。
撃ったら間違いなく削られてしまう。
逆の立場なら間違いなく削るだろう。

2つ目、
今度は自分が《垂れ流しの達人》を使っていると想定。
対戦相手が《師範の占い独楽》をタップ起動した。
対戦相手のライブラリーの一番上は《師範の占い独楽》である。
あなたは《垂れ流しの達人》を起動するか?
必ずというくらい起動するだろう。
ただでさえ強いカードなうえに、
師範の占い独楽》はとても壊す事が難しい。

3つ目、
2つ目同じく自分が《垂れ流しの達人》をコントロール。
対戦相手がマナを使いきったかたちで、
師範の占い独楽》の1マナ起動のほうを起動した。
この時には選択肢がある。

1:3枚を並び替える前に1枚削る。
2:並び替えた後に1枚削る。
3:そのプレイヤーのアップキープになったら1枚削る。
4:何もしない。
5:「削って欲しい?」とニヤニヤしながら聞いてみる。

これはかなり難しいが、
5番はともかく、
この選択肢のどれかは正解なのである。

チューターも《師範の占い独楽》も、
高確率で様々なデッキに採用されるカードたちだ。
そういったカードへの対処になる1枚で、
ウィザードであるという事から、
巻物の君、あざみ》ならば採用しても良い。
先日EDHデッキ紹介で《巻物の君、あざみ》を紹介したが、
あの中でも、
飛び地の暗号術士/Enclave Cryptologist》とどっち?
と考えていた。
最終的にジェネラルが出ていない状況、
または出せない状況でも、
ドローに繋がるウィザードという事で、
飛び地の暗号術士》のほうを優先したが、
垂れ流しの達人》も侮れないくらいには能力がある。
不名誉な名前をつけられてしまっているが、
そんなに馬鹿にするほどの生物ではない。
ひどいのは和訳と和訳をしている人である。
和訳をしている人は、
MTGの世界観というものを大切にして欲しいものだ。
このMTGの世界というものは、
「マジック」の名がついている通り、
剣と魔法のファンタジーの世界がメインなのだ。
時折全く違う世界観のセットも存在するが、
基本は剣と魔法のファンタジーなのだ。
そんな世界に「垂れ流しの達人」は無いだろう。
いや、どの世界でも「垂れ流しの達人」は無いか。
このMTGの世界にハリーポッターが出てきてもいい。
北欧神話やアステカ神話に出てくる神様が出てきてもいい。
日本の歴史の戦国大名や幕末の志士が出てきてもいい。
全ては「違う次元」の一言で片付けられる。
でも「垂れ流しの達人」は無い。
まったく、もう少しマシな和訳をして欲しいものである。
これ以上こういったかたちで世界観が壊れない事を祈るばかりである。

ではまた。



記事作成日:2016/08/31



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