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コレクター道14

記事作成日:2016/07/28 執筆:加藤英宝

店主はMTGをはじめてそろそろ20年。
この世界では生きている化石みたいな奴である。
このこらむを読んでいる人の中には、
20年前にまだこの世に生まれていなかった人さえいるだろう。
店主はそんな頃からMTGをやっているMTGキチ○イ(略してマジキチ)である。
人生半分以上MTGである。

店主がまだ店主で無かった頃、
SNSというものはまだこの世になく、
情報交換はもっぱら各HPの掲示板等で行われていた。
MTGのHPのいくつかには、
コレクターばかりが集まるHPがあり、
そのHPで沢山の人と情報交換をした。

その情報交換をしている中で、
自分が目標というべきか、
憧れというべきか、
そういった人が複数人存在した。

そのうちの1人の名は
HN:たつぼうさん。
たつぼうさんのコレクションはかなりのもので、
当時からブルーハリケーンや《Splendid Genesis》を持っていた。
当時に限らないが、
ブルーハリケーンや《Splendid Genesis》なんて、
よほどのコレクターで無い限り持っていないカードだ。
数える方法もほとんど無いのだが、
おそらく日本で持っている人の数は、へたをすれば一桁、
多くても十数人といったところだろう。

このたつぼうさんという人は、
MTG黎明期と呼ばれるような頃に、
この2枚を持っていた日本有数のコレクターだった。
この当時、
この2枚を所持していると店主が知っていた人は、
たつぼうさん以外にもう1人だけ。
日本で2人だけという事も無いだろうが、
それでも二桁人数にはならないのではと思う。
この2人はコレクターはどちらも憧れの存在だった。

そんなたつぼうさんが、
先日連絡をくれた。
「お久しぶりです。
 久しぶりにしまってあったMTGのカードを見て、
 ネットで検索をしたら、
 Serraさんがお店を開き、活躍されている事を知り、
 嬉しくなって連絡しました。」
と。
12年ぶりくらいのメールのやりとりだった。
こちらももちろん覚えていて、
喜んで返信をした。
たつぼうさん、
MTGのカードはほとんど手放しておらず、
10年近くそのまましまったままだったそうだ。

少し話が逸れるが、
ブルーハリケーンを持っている人は、
ブルーハリケーンだけ持っているのだろうか。
Splendid Genesis》を持っている人は、
Splendid Genesis》だけを持っているのだろうか。
コレクションは当然の如く人それぞれ。
経済力も人それぞれ。
そして出会えるカードも人それぞれ。
ただ、
コレクターの最高峰トップ3と言えば、

ブルーハリケーン
Splendid Genesis
Fraternal Exaltation

の3つだろう。
値段だけならこれのが上という品はあれど、
やはりこの3つの知名度は大きい。
珍品コレクターの目指すところは、
この3つになるのではないだろうか。

この3つ全て持っている人は、
日本に何人いるのだろう?
現在の時点(2016年7月)で1人だけ知っている。
2人以上いるとは思うのだが、
いかんせん所有者が名乗り出てくれない限りは、
全くもって知る方法が無い。
このMTGの世界でも
「ジャパンマネー恐るべし。」
である事は間違いないとはいえ、
人がどのくらいの資産を持っているのかはさっぱりわからない。
自分は結構なカード資産を持っている方だとは思っている。

しかし、
日本で何番目なのかと言われても想像もつかない。
上から数えた方が早いという事くらいしかわからない。
この上から数えた方が、という根拠も、
「パワー9を一応持っていて、
 そこそこのカードの量がある人は、
 全体のユーザー数から見て上のほうだろう。」
くらいの予測に過ぎない。
スタッフや友人の中には
「Serraさんよりカード持っている人いるんですか?」
と言う人もいるが、
世の中は広いので、
そんな人は結構な数で存在し、
そんな人達の資産に比べたら、
店主の資産など足元にも及ばない。

さて、お話を戻そう。
久しぶりに連絡をくれたたつぼうさん、
お話を聞いてみたら、
「MTGのカードの一部を売りたい。」
とのこと。
まずはPSAに鑑定にかけて、
自分のコレクションの質を見たいという事で、
たつぼうさん、わざわざCardshop Serraまで来てくれた。
連絡のやりとりは12年ぶりだが、
顔を合わせるのはなんと初だった。
とはいえ、
お互いにコレクターである事も含め、
すぐに意気投合し、その日は他のお客様も巻き込んで居酒屋さんへ。
とても楽しい1日を過ごす事が出来た。

そしてその日、そのコレクションの高額品を預かり、
PSA鑑定にかける事にした。
鑑定後に一部は記念に残し、
一部はCardshop Serraが買取するかたちになった。
たつぼうさんから預かった高額カードは以下。

ブルーハリケーン
Splendid Genesis
β版《Black Lotus
β版《Ancestral Recall
β版《Mox Sapphire
β版《Mox Ruby
β版《Mox Pearl
β版《Timetwister
Summer版《悪魔の教示者/Demonic Tutor
Summer版《稲妻/Lightning Bolt
Summer版《Taiga
Mishra’s Workshop
Library of Alexandria
Candelabra of Tawnos
Juzam Djinn
Moat
Mana Drain
Chains of Mephistopheles
The Abyss
Eureka
Mana Crypt

これで全てではないが、
このラインナップだけでも、
殴れるくらいの札束になりそうである。
そしてどれもこれも状態がさほど悪く無いのが驚き。
かなり良い保存状態だった。

それにしても、
何年の前の自分の事を覚えていてくれて、
こうして連絡をもらえてカードをたくしてもらえる事はとても嬉しい。
まさにコレクター冥利というもの。
実はたつぼうさん以外にもこういうかたちで連絡をくれた古参の方が、
ここ数年に何人かいる。
中には、
「プレイヤーとしてもコレクターとしても一流の方にたくしたい。」
「Serraさんのような人だからこそ自分のコレクションを任せられる。」
「手放すのならここしかないと思った。」
「もの次第ではカード博物館に載せて下さい。」
「Serraさんのコレクションの一部になるなら言う事はない。」
と嬉しい言葉をかけてくださる人もいる。
自分としてはとても不思議な気分だ。

何年も前のコレクター同士の交流が、
10年の時間を経て、仕事や趣味に結びつくという事が。
「あの時の行動がこんなかたちで実を結ぶのか。」
と考えると非常に感慨深いものがある。
ここからさらに10年、
MTG歴が30年になる時はどんな事が起き、
自分はどんな気持ちになっているのだろう。

さて、PSAの結果は次のコレクター道15に。

ではまた。



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