PSAとBGSその2。
記事作成日:2016/04/11 執筆:加藤英宝
以前に一度
PSAとBGS。
というこらむを書いた。
今回はそのお話の続き。
あのこらむを書いてから、
お客様から、
「BGS鑑定されたものをPSA鑑定に変更したい。」
というご要望をいただいた。
このお客様の品は、
Unlimited版《Black Lotus》BGS8.5
Unlimited版《Mox Emerald》BGS8.5
の2枚。
BGSの品をPSAの品に鑑定しなおす際に、
かためられたBGSのケースを自分の手で割る必要はない。
PSA社は、
「PSAで鑑定されているものを再鑑定する。」
「PSAで鑑定されているケースを新しいものに取り替える。」
というサービスもおこなっている。
前者は当然のごとく鑑定代がかかるが、
後者は鑑定をするわけではないので鑑定代はかからない。
ケースの交換代金のみ(送料は別)である。
この2種のサービスの際も、
BGSからPSAに鑑定する際も、
そのまま鑑定に出せば良い。
鑑定代行者である当店やカードの所有者がわざわざ危ないリスクを負う事はない。
その作業はPSA社がやってくれるので、
この点を含めて安心である。
無いとは思うが、
もしPSA社が間違ってカードを破損してしまった場合は、
かけてある保険額の分はこちらに補償される。
さて、今回の2点のBGS→PSAの結果を見てみよう。
Unlimited版《Black Lotus》PSA8
Unlimited版《Mox Emerald》PSA8
どちらも
BGS8.5→PSA8
という結果になった。
以前のこらむと同等の結果である。
BGS8.5→PSA8.5とはならなかった。
PSAはある時期から0.5単位の数値をつけているため、
BGS8.5→PSA8.5になる事はありえる。
しかし、
0.5という小さな差ではあるが、
やはりPSAにすると下がるという結果になった。
前回と今回の結果だけで決めつけられるものではないとは思うものの、
BGS→PSA
の時に評価が上がる事はなく、良くても同評価。
また、一度も試していないものの、
PSA→BGS
だった場合は上がる事もあると解釈しても良いのではないだろうか。
例えば今回の結果である、
《Black Lotus》BGS8.5→PSA8
というこの《Black Lotus》PSA8を、
再度BGSに鑑定にかけたらどうなるだろう?
(経年劣化や破損等のトラブルは無いものとする。)
高確率でBGS8.5になるのではないだろうか。
これでBGS8.5がつくのであれば、
「BGSはやはりPSAよりも少々甘い評価がつく。」
と解釈出来るし、
BGS7~8がつくようであれば、
「BGSの評価は曖昧である。」
と解釈出来るだろう。
どちらに転んでもPSAのほうに少々軍配があがる。
ちなみに、
PSAとBGSではPSAのほうが歴史が古いらしい。
その点を含めても個人的にはPSAを推している。
さらに別の例を出してみたい。
海外のオークションでは
「BGS9.5の評価はPSA10クラスである!」
とまことしやかに言われている。
本当だろうか?
この2つはどちらもBGS9.5のカードだ。
この2つをPSAに再鑑定したらどうなるだろう?
少なくとも片方はPSA9がつくかどうかも怪しい。
もう片方はもしかしたらPSA10がつくかもしれないが、
私見では難しいと判断している。
これらを
「BGS9.5≒PSA10」
と言う事は自分には出来ない。
どう考えてもBGS9.5よりもPSA10だと考えている。
BGS9.5にはGEM MINTと書いてある。
GEMという単語は「宝石」「宝石のような」という意味があるが、
画像のカードはGEMというには少々無理がある傷が見える。
下記の部分だ。
当然の事と言えば当然の事なのだが、
海外のオークションだからと言って、
日本より正確性があるだとか、
プロが扱っているだとか、
必ず本物であるなどとは限らない。
むしろ、海外のほうが危ないし、取り扱う人が増える分だけ素人も増える。
その素人の身勝手で無責任な判断から、
「BGS9.5≒PSA10」
という言い分が発生しただけなのだと考えている。
この点についてはBGS社が悪いとかそういった話ではなく、
「BGS9.5≒PSA10」
という事を勝手に言い出している人が悪いのである。
もちろんのこと、
こういった事例でBGSがいけないと言っているわけではない。
大切な高額カードのコレクションを、
スリーブに入れてアルバムに入れてあるだけのものとBGSとなら、
天と地ほどの差がある。
BGSでもPSAでも保存する力は同等。
どちらもとても優秀である。
大切にしたい高額カードはこうして固めてしまうのも手段だ。
自分の大切なコレクションを鑑定された状態に固めたい時は、
是非当店にご相談を。
ではまた。