EDHデッキ紹介その75(Kalemne, Disciple of Iroas/イロアスの信奉者、カレムネ)
記事作成日:2016/03/16 執筆:加藤英宝
今回のEDHデッキ紹介は、
《イロアスの信奉者、カレムネ/Kalemne, Disciple of Iroas》
統率者2015で登場したガッカリ白赤生物。
こらむの冒頭からガッカリ認定するなと言われそうだし、
それならなんでデッキ紹介しようと思ったんだとも言われそうだ。
これには一応理由がある。
前回同様、条件を満たすと経験カウンターを得るタイプのカードなので、
スタッフの皆と
「せっかくの新システムを頑張って使ってみよう。」
という事でのチャレンジ。
今回のデッキはCardshop Serraのスタッフのデッキ。
《Kalemne, Disciple of Iroas/イロアスの信奉者、カレムネ》
コスト:2赤白
伝説のクリーチャー 巨人(Giant) 兵士(Soldier)
二段攻撃、警戒
あなたが点数で見たマナ・コストが5以上のクリーチャー呪文を1つ唱えるたび、
あなたは経験(experience)カウンターを1個得る。
イロアスの信奉者、カレムネは、あなたが持つ経験カウンター1個につき+1/+1の修整を受ける。
3/3
神話レア
二段攻撃持ちなので、打点は高い。
コスト4で二段攻撃というだけなら、
《数多のラフィーク/Rafiq of the Many》という上位種がいる。
最低でも経験カウンターが2つ以上でないと、
《数多のラフィーク》のほうが打点が高いのが残念なところ。
白赤という色から見ても、
経験カウンターを得る条件の厳しさから見ても、
あと1つまともな能力があれば、
強ジェネラルになれた可能性もあっただろう。
そしてこのカレムネさんもご多分に漏れず、
白の悪い意味での脳筋ぶりをしっかりと踏襲しており、
「殴るしか能がない。」
という悲しいジェネラルである。
そのため、コンボよりも、
ジェネラルダメージ21点か、
40点ライフ削り切りか、
どちらかで相手を倒す選択になる。
デッキは以下。
ジェネラル
《イロアスの信奉者、カレムネ/Kalemne, Disciple of Iroas》
クリーチャー11枚
《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
《躁の蛮人/Manic Vandal》
《弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric》
《業火のタイタン/Inferno Titan》
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》
《太陽のタイタン/Sun Titan》
《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》
《ゴブリンの闇住まい/Goblin Dark-Dwellers》
インスタント9枚
《紅蓮破/Pyroblast》
《赤霊破/Red Elemental Blast》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《流刑への道/Path to Exile》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《摩耗+損耗/Wear+Tear》
《歪める嘆き/Warping Wail》
《混沌のねじれ/Chaos Warp》
《火山の流弾/Volcanic Fallout》
ソーサリー11枚
《焦熱の合流点/Fiery Confluence》
《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
《無謀なる突進/Reckless Charge》
《質素な命令/Austere Command》
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
《戦の惨害/Ravages of War》
《ハルマゲドン/Armageddon》
《大変動/Cataclysm》
《紅蓮地獄/Pyroclasm》
《Wheel of Fortune》
《汚損破/Vandalblast》
エンチャント8枚
《盲従/Blind Obedience》
《法の定め/Rule of Law》
《天使の運命/Angelic Destiny》
《城塞の包囲/Citadel Siege》
《前哨地の包囲/Outpost Siege》
《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
《締め付け/Stranglehold》
《命運の掌握/Grasp of Fate》
アーティファクト25枚
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《金属モックス/Chrome Mox》
《Mana Crypt》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《Jeweled Amulet》
《友なる石/Fellwar Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《思考の器/Thought Vessel》
《精神石/Mind Stone》
《大薙刀/O-Naginata》
《乳白色のダイアモンド/Marble Diamond》
《緋色のダイアモンド/Fire Diamond》
《ボロスの印鑑/Boros Signet》
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
プレインズウォーカー2枚
《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller》
土地33枚
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《Plateau》
《統率の塔/Command Tower》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《真鍮の都/City of Brass》
《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》
《岩だらけの大草原/Rugged Prairie》
《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
7《平地/Plains》
6《山/Mountain》
——————————
この構成、《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》と同じ?
と思った人、おおむね正解。
《覇者、ジョー・カディーン》も用意しておいて、
そのまま気分でジェネラル入れ替えて遊んでも多分問題なく使える。
ついでにデッキの中にいる《戦導者オレリア》と入れ替えても良い。
基本的なデッキの動きとしても《覇者、ジョー・カディーン》と同じで、
出す!殴る!
だけである。
土地破壊系の白の呪文が入っているので、
出す!殴る!土地破壊!
となれば理想的な展開と行ったところ。
使いたい人は
《壊滅/Devastation》
《燎原の火/Wildfire》
まで採用を考えてもいいが、
その場合はジェネラルごと焼き払う覚悟で撃とう。
土地破壊重視にする構成の場合は、
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
の採用をお忘れなく。
このデッキの特筆すべきカードとしては、
ここ1年程の新カードでは《城塞の包囲》がなかなかに面白い。
《Citadel Siege/城塞の包囲》
コスト:2白白
エンチャント
城塞の包囲が戦場に出るに際し、カンか龍かを選ぶ。
・カン – あなたのターンの戦闘の開始時に、
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、
それの上に+1/+1カウンターを2個置く。
・龍 – 各対戦相手のターンの戦闘の開始時に、
そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、
それをタップする。
レア
99%カン選択で間違いなし。
毎ターン生物を強化出来るだけでかなりの攻撃力UPになる。
特にジェネラルが二段攻撃なので、
とても効果的な1枚。
ジェネラルが1度でも強化されると《燎原の火》で死ななくなるのも大きい。
土地破壊系の呪文でゲームがゆっくりになると、
より力を発揮する事が出来る。
能力的には所詮脳筋と言われてしまうエンチャントではあるが、
攻撃力は本当に馬鹿に出来ない。
ジェネラルダメージ21点及び40点削り切りを狙うデッキとしては、
このくらいに攻撃力を上げられるカードはなかなか無い。
龍のほうはまず選択しないだろう。
相手のジェネラルの攻撃力がやたらに強くて、
自分が死にかけている時なら選択するかもしれないが。
あとは対戦相手の場にエルドラージの化け物や毒殺生物がいる場合。
この白赤デッキを作ったスタッフ曰く、
「長年白赤のEDHデッキを使っているが、
どのジェネラルにしても、よほど特化した作りでない限り、
似たような構成になる事が多い。
それだけ選択肢が少ないのは悲しい。」
と。
ジェネラルの経験カウンター取得条件にしても、
「無理に取得条件のために構成しようとすると、
どうしてもデッキのバランスが崩れて弱くなる。
他の経験カウンター生物のほうが強い。
明らかに白赤は常に冷遇されているように感じる。」
とも言っていた。
高コストを踏み倒せる
召集
探査
ピッチスペル
親和
なども、白や赤に有効的なカードが少ないor無い事も痛い。
そして困った事に、この上記4つのキーワードは、
EDHの強カラーの青や緑には多い。
最近では、
「MTGって5色だよね。
青、黒、赤、緑、無色」
というジョークまで言われてしまう始末。
ゲートウォッチの誓いからは、
アーティファクト(茶色)
無色
の2つの見方もあるが、
どちらにせよ、白の立つ瀬がない事には変わりがない。
先日のこらむで書いたように、
プレインズウォーカーがあまり代わり映えしない点も、
白がらみのデッキの力不足さや、
バリエーションの少なさに拍車をかけているのだろう。
今後出るエキスパンションでもう少し改善してもらいたいものである。
次のセットでは白赤のナヒリが出るらしいが、
さて、どうなることやら。
ではまた。