白のPWはガッカリ?

PW-Chikara koso Power
あるお客様と最近の白いカードが好きになれないという話をした。
理由は
「白がただの脳筋過ぎて使っていて面白くない。」
「トークン並べるだけで何も面白くない。」」
「プレインズウォーカーのバランスが悪く、白はつまらない。」
というものだった。
その時の話題で白のプレインズウォーカーはどのくらいダメなのかという話題に。
そこで現時点(2016年2月)までの白単のプレインズウォーカーをすべて羅列し、
どのくらい脳筋なのかを見てみよう。

脳筋とは、
「脳みそまで筋肉」
「脳みそが筋肉」
といった意味で、
計算だとか駆け引きというものが一切なく、力押しに頼っていることをさす。
好きな言葉は、
「大盛り無料」「スクワット」「上腕二頭筋」
「肉」「腕立て伏せ」「鉄アレイ」
「食べ放題」「おかわり」「プロテイン」
など。
座右の銘は猪突猛進。
RPGでいうところの魔法が一切使えない戦士キャラ。
「力こそ正義」が合言葉だが、
あまりに脳みそが筋肉で埋まってしまうと、

「力こそパワー!!」

と意味不明な事を言い出す状態になる事も。
この状態になると末期。
完全に手遅れ。
つける薬が無い。
仮につける薬があったとしても、
その薬をつけずに飲んでしまうのが脳筋である。

マジックの世界でもおおむね
「殴るしか能がない、柔軟性に欠けるカード」
「パーマネントの除去や対策に乏しいカード」
「殴る事と強化しか考えないプレイヤー」
に対してこの言葉が使われる。

さて、ガッカリな白の野郎どもを見てみよう。
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まずはアジャニくんから。
noukin1
Ajani Goldmane/黄金のたてがみのアジャニ
コスト:2白白
プレインズウォーカー アジャニ(Ajani)
[+1]:あなたは2点のライフを得る。
[-1]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。
 それらのクリーチャーは、ターン終了時まで警戒を得る。
[-6]:白のアバター(Avatar)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 それは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたのライフの総量に等しい。」を持つ。
初期忠誠度:4
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ライフ!強化!トークン!
パーマネントには何も触れません!
まさに脳筋。
白の最初のプレインズウォーカーにしてこの性能。
白の前途多難さがうかがえる1枚と言っていい。
脳筋率100%。

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Ajani Steadfast/不動のアジャニ
コスト:3白
プレインズウォーカー アジャニ(Ajani)
[+1]:クリーチャーを最大1体まで対象とする。ターン終了時まで、
 それは+1/+1の修整を受けるとともに先制攻撃と警戒と絆魂を得る。
[-2]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個、
 あなたがコントロールする他の各プレインズウォーカーの上に忠誠(loyalty)カウンターをそれぞれ1個置く。
[-7]:あなたは「いずれかの発生源があなたかあなたがコントロールするプレインズウォーカーにダメージを与えるなら、
 そのダメージを1点を残してすべて軽減する。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:4
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強化!強化!軽減!
パーマネントには何も触れません!
またしても脳筋。
アジャ公、所詮はケモノ。
肉体言語以外の言語は無い。
たぶん国語の成績が1。
脳筋率100%。

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Ajani, Caller of the Pride/群れの統率者アジャニ
コスト:1白白
プレインズウォーカー アジャニ(Ajani)
[+1]:クリーチャーを最大1体まで対象とし、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
[-3]:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行と二段攻撃を得る。
[-8]:白の2/2の猫(Cat)クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xはあなたのライフの総量である。
初期忠誠度:4
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強化!強化!トークン!
パーマネントには何も触れません!
いいかげん他の事を覚えないのかというくらいに、
馬鹿の一つ覚えである。
せっかくの3マナプレインズウォーカーなのに以前と変化が見られない。
やはり所詮はケモノ。
脳筋率100%。

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お次はエルズペスくん。
noukin2
Elspeth Tirel/エルズペス・ティレル
コスト:3白白
プレインズウォーカー エルズペス(Elspeth)
[+2]:あなたはあなたがコントロールするクリーチャー1体につき1点のライフを得る。
[-2]:白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。
[-5]:土地とトークンを除く他のすべてのパーマネントを破壊する。
初期忠誠度:4
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ライフ!トークン!全除去!
パーマネントに触れるといえば触れるのだが、
大マイナス能力でやっと全除去かませるだけで柔軟性はイマイチ。
しかも全除去かますには最低でも+2を使わねばならず、
ブロッカーを立てるには-2を使わねばならず、
どうにもこうにもかゆいところに手が届かない。
脳筋率80%。

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Elspeth, Knight-Errant/遍歴の騎士、エルズペス
コスト:2白白
プレインズウォーカー エルズペス(Elspeth)
[+1]:白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
[+1]:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受けるとともに飛行を得る。
[-8]:あなたは「あなたがコントロールするアーティファクトとクリーチャーとエンチャントと土地は破壊不能を持つ。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:4
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強化!強化!強化!
パーマネントには何も触れません!
強いんだけど、脳筋である事に変わりがない。
最もトーナメントで活躍した白のプレインズウォーカーとは言えるので、
白のプレインズウォーカーの中では罪が軽い。
体育と部活で活躍して先生に気に入られて、
生徒会長をやる事もあるタイプ。
だが、
脳筋率100%。

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Elspeth, Sun’s Champion/太陽の勇者、エルズペス
コスト:4白白
プレインズウォーカー エルズペス(Elspeth)
[+1]:白の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。
[-3]:パワーが4以上のクリーチャーをすべて破壊する。
[-7]:あなたは「あなたがコントロールするクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに飛行を持つ。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:4
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トークン!全除去!強化!
全除去はあるのだが、柔軟性が足りない。
エルズペス・ティレル》より防御的に強い代わりに、
パワー4以上の生物しか倒せないあたりがへぼい。
自身の能力とは全体的に噛み合っているとはいえ、
エルズペスさんも肉体言語以外の言語は持ち合わせていない。
脳筋率80%。

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お次はギデオンくん。
noukin3
Gideon Jura/ギデオン・ジュラ
コスト:3白白
プレインズウォーカー ギデオン(Gideon)
[+2]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーの次のターンの間、
 そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーは可能ならギデオン・ジュラを攻撃する。
[-2]:タップ状態のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[0]:ターン終了時まで、ギデオン・ジュラは6/6の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。
 それはプレインズウォーカーでもある。
 このターン、彼に与えられるすべてのダメージを軽減する。
初期忠誠度:6
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挑発!単体除去!クリーチャー化!
タップ状態限定での破壊と柔軟性がやたらに低い単体除去。
あとは脳筋性能。
プレインズウォーカー自身がクリーチャー化するあたりが、
頭の悪さを象徴している。
おそらくかけ算九九は言えないだろう。
脳筋率100%。

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Gideon, Ally of Zendikar/ゼンディカーの同盟者、ギデオン
コスト:2白白
プレインズウォーカー ギデオン(Gideon)
[+1]:ターン終了時まで、ゼンディカーの同盟者、ギデオンは破壊不能を持つ5/5の人間(Human)・兵士(Soldier)・同盟者(Ally)クリーチャーになる。
 これはプレインズウォーカーでもある。このターン、これに与えられるすべてのダメージを軽減する。
[0]:白の2/2の騎士(Knight)・同盟者クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
[-4]:あなたは「あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:4
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クリーチャー化!トークン!強化!
パーマネントには何も触れません!
最も新しいプレインズウォーカーでこのザマである。
トーナメントで活躍していようとも脳筋は脳筋。
台形の面積の求め方は?と質問しても、
そもそも台形が何なのかさえわからないタイプ。
脳筋率100%。

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Kytheon, Hero of Akros/アクロスの英雄、キテオン
コスト:白
伝説のクリーチャー 人間(Human) 兵士(Soldier)
戦闘終了時に、この戦闘でアクロスの英雄、キテオンと少なくとも2体の他のクリーチャーが攻撃していた場合、
 アクロスの英雄、キテオンを追放し、その後、これを変身させた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
(2)(白):ターン終了時まで、アクロスの英雄、キテオンは破壊不能を得る。
2/1

変身後

Gideon, Battle-Forged/歴戦の戦士、ギデオン
コスト:0
プレインズウォーカー ギデオン(Gideon)
[+2]:対戦相手がコントロールするクリーチャーを最大1体まで対象とする。
 それのコントローラーの次のターン中、
 そのクリーチャーは可能なら歴戦の戦士、ギデオンを攻撃する。
[+1]:クリーチャー1体を対象とする。次のあなたのターンまで、
 それは破壊不能を得る。そのクリーチャーをアンタップする。
[0]:ターン終了時まで、歴戦の戦士、ギデオンは破壊不能を持つ4/4の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。
 これはプレインズウォーカーでもある。
 このターン、これに与えられるすべてのダメージを軽減する。
初期忠誠度:3
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変身前が生物の時点で脳筋率50%UP。
(しかも能力がドローでもなければ、パーマネントに触れるわけでもない。)
さらに、
挑発!強化!クリーチャー化!
パーマネントには何も触れません!
もうギデオン君は他にやる事がないのかと言いたくなる性能。
お前、体育の成績だけ10だろ。
脳筋率150%。

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Gideon, Champion of Justice/正義の勇者ギデオン
コスト:2白白
プレインズウォーカー ギデオン(Gideon)
[+1]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールするクリーチャー1体につき1個の忠誠(loyalty)カウンターを正義の勇者ギデオンの上に置く。
[0]:ターン終了時まで、正義の勇者ギデオンは彼の上に置かれた忠誠カウンターの数に等しいパワーとタフネスを持つ、
 人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。それは破壊不能を得る。
 彼はプレインズウォーカーでもある。このターン、彼に与えられるすべてのダメージを軽減する。
[-15]:他のすべてのパーマネントを追放する。
初期忠誠度:4
——————————
強化!クリーチャー化!全除去!
全除去の発動にどれだけ時間をかける気なのか。
この-15能力を起動した事がない人はかなり多いはずだ。
全除去あっても、
パーマネントには何も触れません!
と変わらない。
能力で忠誠度が二桁になる事もある能力だが、
本人は二桁の足し算さえ出来ないだろう。
脳筋率100%。

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さいごにナヒリくん。
noukin4
Nahiri, the Lithomancer/石術師、ナヒリ
コスト:3白白
プレインズウォーカー ナヒリ(Nahiri)
[+2]:白の1/1のコー(Kor)・兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 あなたは、それにあなたがコントロールする装備品(Equipment)1つをつけてもよい。
[-2]:あなたは、あなたの手札か墓地にある装備品カードを1枚戦場に出してもよい。
[-10]:無色の《石鍛冶製の剣/Stoneforged Blade》という名前の装備品アーティファクト・トークンを1つ戦場に出す。
 それは破壊不能と「装備しているクリーチャーは+5/+5の修整を受けるとともに二段攻撃を持つ。」と装備(0)を持つ。
石術師、ナヒリは統率者として使用できる。
初期忠誠度:3
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トークン!特殊能力!トークン!
-2能力のおかげで他のカードより脳筋率が低く思えるが、
所詮は装備品にからむ能力=脳筋。
相変わらずパーマネントには何も触れません!
ナヒリ君は体育と図工だけ成績がいいタイプ。
脳筋率100%。

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いかがだろう。
この泣けてくるほどの脳筋ぶり。
能力が少し違うだけの

「力こそパワー!」

の集団である。
製作者はこのプレインズウォーカーのバランスの悪さを何も感じないのだろうか。
10年以上前に白から「土地を破壊する」という役目を奪い、
数年前に白から「アーティファクトを壊す」という役目を奪い、
エンチャントを壊す役割だけ残った。
プレインズウォーカーはエンチャントを壊す事も出来ない。
本当にこんな白のままでいいのだろうか。

このMTGの世界のプレインズウォーカーは、
「次元を渡り歩く力を持っている、強大で優れた魔法使い」
という設定のはずなのに、
この白の脳筋野郎どもは魔法使いらしさなど皆無に等しい。
魔法の杖よりハンマーと斧が似合う奴らである。
呪文攻撃より物理攻撃メイン、いや物理攻撃しかしない奴らである。

MTGの魔法の各色にはそれぞれ特色というものがある。

青:ドローの青、カウンターの青、コントロールの青、飛行の青。
 MTGの世界の万能選手と言わんばかりの色。
 パーマネントは手札に戻すという方法での対処が多いが、
 それを含めて最高の柔軟性を持つ。
 クリーチャーも飛行生物が多く優秀で、
 MTG最強の色と言っても過言ではない。

黒:破壊の黒、手札破壊の黒、ドローの黒。
 自分もリスクを負うが相手はもっと痛い、が基本。
 何かを引き換えに何かを得るという黒魔術らしさが特色。
 アーティファクトとエンチャントはほとんど壊せないが、
 それを差し引いても使う面白さを持つ。

赤:火力の赤、速攻の赤、破壊の赤。
 黒とは毛色が違い、アーティファクトや土地の破壊はお手の物。
 全体破壊は黒より多い。エンチャントにはまず触れない。
 だが、直接火力の多さでは他の色とは比べ物にならない。

緑:クリーチャーの緑、マナの緑、破壊の緑。
 展開力とクリーチャーパワーではMTG随一。
 破壊の緑も赤や黒と違い、クリーチャーだけは対処が苦手だが、
 それ以外への対処は比較的強い。
 一部のドロー呪文もトーナメントカードになるほどで、
 ドローの緑という言葉も捨てがたい。
 青に続く柔軟性の高さと言っても差し支えはない。

さて、白は?と言われると、
トークンの白、嫌がらせの白、ライフの白
くらいにしか思いつかない。

嫌がらせの白というのは、
ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare
エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist
堂々たる撤廃者/Grand Abolisher
のような、
プレイヤーのアクションに制限をかけるカードたちのこと。
「置けば勝てる!」
とはならないものの、
真綿で首を締めるような事をするので、
嫌がらせの白と命名。

ライフとトークンは言わずもがな。
だいたいライフ回復が強くてもMTGに勝てないのだ。
回復がダメだと言っているのではない。
ライフ回復だけでは先に進まないという事。
仮にRPGを例にとってみるとわかると思うのだが、
「ファイナルファンタジーを白魔道士だけでクリア」
など、現実的ではないのだ。
なお、店主はこれを実行した事がある。
ファイナルファンタジー3とファイナルファンタジー5で、
4人白魔道士でクリアを目指した事がある。
ファイナルファンタジー3はエアロ系が白魔法なのと、
ヘイストが白魔法なこともあり、
ラストまでは行けるがとにかくつらい。
(せめて導師にジョブチェンジ出来れば楽になるが。)
ファイナルファンタジー5はアビリティさえあればクリア可能。
(ジョブチェンジしてアビリティを入手し、
 ゲームそのものは全て白魔道士で進めるという事。)
アビリティが無い場合は早々に詰む。
白魔道士が覚えるアビリティが
「しろまほうLv1~Lv6」
「MP10%アップ」
しかないので、マスターしても強くなれない。
つけて意味があるアビリティが
「MP10%アップ」
では攻撃力増強には一切ならない。
ファイナルファンタジー5では
バッツ一人旅クリア
低レベルクリア(Lv2,Lv1,Lv1,Lv4)
すっぴんのみでクリア(ジョブチェンジ一切不可)
など、結構な縛りプレイをやっていたが、
白魔道士全員だけは無理があった。
(可能かもしれないが、今はやる気にならない。)
このように、特色の半分近くが攻め手でないというのは、
戦闘をするという目的において、
有利にはたらかない事が多い。

話を戻そう。

白はアーティファクトとエンチャントを破壊する役目を緑に奪われ、
ハルマゲドン/Armageddon》のような土地を破壊する役目がなくなり、
他の大量破壊も目立ったものは無いに等しい。
(というよりトーナメントを席巻出来る大量破壊がない。)
それどころか黒や赤に存在する大量破壊のほうが使われる頻度が高い事もある。
白は役目を奪われているだけで、
得たと言える役割は何も増えていない。
今のMTGの白は特色が非常に薄い。
ゲームバランス上、白の立場は悲しい立ち位置だ。
もう少し白の特色をいい方向へ持って行ってほしいものである。
そして、プレインズウォーカーももっと柔軟性のあるものが出てほしいものである。
こんなプレインズウォーカーばかりではあまりに悲しい。
製作者にはもっと白のカードにひねりを加えていただきたい。
「脳筋の白」
と言われない立ち位置を白に与えてあげるべきである。
白のイメージは「聖なる力」「光の力」というものなのに、
一切の輝きがないと言っても過言ではない。
ドイツの詩人ゲーテの最期の言葉ではないけれども、
白に「もっと光を!」

ではまた。



記事作成日:2016/02/18



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