EDHデッキ紹介その60(Scion of the Ur-Dragon/始祖ドラゴンの末裔)
記事作成日:2015/03/31 執筆:加藤英宝
今回のデッキ紹介は、
《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》。
単純にこのドラゴンをジェネラルとして使う場合、
ドラゴンをあまり入れず、
デッキの中に基本土地0枚で、
《隠遁ドルイド/Hermit Druid》を起動して、
ライブラリーを全て墓地に落として、
「ハイ、コンボ決めました、終了ー。」
という数回使うと飽きるデッキがある。
今回のデッキ紹介では、
しっかりとドラゴンで勝ちに行くデッキ。
《Scion of the Ur-Dragon/始祖ドラゴンの末裔》
コスト:白青黒赤緑
伝説のクリーチャー ドラゴン(Dragon) アバター(Avatar)
飛行
(2):あなたのライブラリーからドラゴン(Dragon)・パーマネント・カードを1枚探し、
それをあなたの墓地に置く。そうした場合、始祖ドラゴンの末裔はターン終了時までそのカードのコピーになる。
その後あなたのライブラリーを切り直す。
4/4
レア
このカードのパワーとタフネスには、
それほどたいした意味がない。
4/4飛行として殴る事も無いわけではないが、
おおむね他のドラゴンに化けて殴る。
そのため、化けたドラゴン次第ではジェネラルダメージ21点も狙える。
能力で《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》を墓地に落とし、
《動く死体/Animate Dead》などのカードで無限マナコンボを成立させ、
その後、
《竜英傑、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Dracogenius》
か
《シヴのヘルカイト/Shivan Hellkite》
に化けて無限ダメージというお手軽技も使えるが、
このこらむのデッキ紹介ではこのコンボは入れていない。
デッキは以下。
ジェネラル:《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》
クリーチャー16枚
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《災火のドラゴン/Balefire Dragon》
《世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render》
《帰ってきた刃の翼/Bladewing the Risen》
《ドラゴン魔道士/Dragon Mage》
《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》
《ヴァルカスの災い魔/Scourge of Valkas》
《ニコル・ボーラス/Nicol Bolas》
《ジャンドの暴君、カーサス/Karrthus, Tyrant of Jund》
《ウトヴァラのヘルカイト/Utvara Hellkite》
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》
《玉座の災い魔/Scourge of the Throne》
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
《凶暴な熱口/Savage Ventmaw》
インスタント14枚
《時を越えた探索/Dig Through Time》
《煮えたぎる歌/Seething Song》
《再建/Rebuild》
《渦まく知識/Brainstorm》
《Force of Will》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《Arcane Denial》
《Mana Drain》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《差し戻し/Remand》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
ソーサリー12枚
《思案/Ponder》
《定業/Preordain》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》
《呪文ねじり/Spelltwine》
《時のらせん/Time Spiral》
《Timetwister》
《Wheel of Fortune》
《意外な授かり物/Windfall》
《精神の願望/Mind’s Desire》
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
エンチャント3枚
《全知/Omniscience》
《好奇心/Curiosity》
《知恵の蛇の眼/Ophidian Eye》
アーティファクト21枚
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《金属モックス/Chome Mox》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《覚醒の兜/Helm of Awakening》
《Mana Crypt》
《Jeweled Amulet》
《巻物棚/Scroll Rack》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》
《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》
《ボロスの印鑑/Boros Signet》
《シミックの印鑑/Simic Signet》
土地33枚
4《島/Island》
《統率の塔/Command Tower》
《反射池/Reflecting Pool》
《Savannah》
《Tundra》
《Plateau》
《Scrubland》
《Underground Sea》
《Volcanic Island》
《Tropical Island》
《Badlands》
《Taiga》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
《湿った墓/Watery Grave》
《血の墓所/Blood Crypt》
《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
《神無き祭殿/Godless Shrine》
《繁殖池/Breeding Pool》
《蒸気孔/Steam Vents》
《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
——————————
ジェネラル+12枚のドラゴンが決め手。
ジェネラルを《火想者ニヴ=ミゼット》に化けさせて、
《好奇心》か《知恵の蛇の眼》で瞬殺も可能だが、
あくまでそちらはサブ的な要素。
それよりも強烈なダメージ方法がある。
《ドラゴンの嵐》が大本命。
《Dragonstorm/ドラゴンの嵐》
コスト:8赤
ソーサリー
あなたのライブラリーからドラゴン(Dragon)・パーマネント・カードを1枚探し、それを戦場に出す。
その後あなたのライブラリーを切り直す。
ストーム
(あなたがこの呪文を唱えたとき、
このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつき、
それを1回コピーする。)
レア
この呪文をストーム4~6くらいで狙う事がこのデッキのメイン戦略。
ストーム5程度で撃てたらほとんど勝ち。
出すドラゴンの候補は、
《世界を溶かすもの、アタルカ》
《若き群れのドラゴン》
《ウトヴァラのヘルカイト》
《ヴァルカスの災い魔》
《玉座の災い魔》
《ジャンドの暴君、カーサス》
という6枚。
どれか1枚が墓地にいる時は、《帰ってきた刃の翼》で墓地から釣ろう。
そしてドラゴンを出す手順がしっかりしていれば、
合計ダメージ数は簡単に100を超える。
ストーム5で《ドラゴンの嵐》を撃ち、
上記のドラゴン6体を全て出すと仮定しよう。
まず、1発目の《ドラゴンの嵐》で、
《ヴァルカスの災い魔》を出す。
能力が誘発して1点ダメージが飛ばせる。
2発目は《若き群れのドラゴン》。
《若き群れのドラゴン》の能力でドラゴントークンが出るので、
《ヴァルカスの災い魔》の能力が2度誘発する。
この時処理順を
トークンを出す→《ヴァルカスの災い魔》のダメージ
の順に処理すると、3点ダメージが2回飛ぶ。
合計ダメージ7点。
3発目以降はどれでもOK。
3発目でドラゴン4体目が出て、
《ヴァルカスの災い魔》の能力で4点。
合計ダメージ11点。
4発目でドラゴンの5体目が出て、
《ヴァルカスの災い魔》の能力が5点。
合計ダメージ16点。
5発目でドラゴンの6体目が出て、
《ヴァルカスの災い魔》の能力が6点。
合計ダメージ22点。
6発目でドラゴンの7体目が出て、
《ヴァルカスの災い魔》の能力が7点。
合計ダメージ29点。
これだけのダメージであれば、
1人くらい沈みかねないところだが、
これだけでは終わらない。
《ジャンドの暴君、カーサス》の能力のおかげで、
全ドラゴンが速攻を持つ。
《玉座の災い魔》の能力で追加の戦闘フェイズを得られる。
(誰か1人、対戦相手のライフを自分より上にしておこう。)
上記6種のドラゴン+4/4のドラゴントークンがフルアタック。
すると、
《ウトヴァラのヘルカイト》の能力が誘発。
殴ったドラゴンの数だけ6/6飛行のドラゴントークンが出る。
これによりドラゴンが7体出る。
当然、全て《ヴァルカスの災い魔》の能力が誘発。
8体目:8点
9体目:9点
10体目:10点
11体目:11点
12体目:12点
13体目:13点
14体目:14点
先ほどの計算と合わせて、合計ダメージ106点。
殴っているドラゴン7体には、
《世界を溶かすもの、アタルカ》の能力が誘発。
全て二段攻撃となる。
ドラゴンのパワーは下記。
《世界を溶かすもの、アタルカ》パワー6
《若き群れのドラゴン》パワー4
《ウトヴァラのヘルカイト》パワー6
《ヴァルカスの災い魔》パワー4
《玉座の災い魔》パワー5だが、廃位しているので6
《ジャンドの暴君、カーサス》パワー7
ドラゴントークン パワー4
これらの攻撃が全て通るとして、74点。
先ほどの計算と合わせて、合計ダメージ170点。
ここからさらに追加の戦闘フェイズ。
1度目の戦闘の開始に出てきた7体のドラゴントークンも、
《ジャンドの暴君、カーサス》の能力のおかげで速攻持ち。
合計14体のドラゴンがフルアタック。
すると、
《ウトヴァラのヘルカイト》の能力が誘発。
これによりドラゴントークンが14体出る。
当然、全て《ヴァルカスの災い魔》の能力が誘発。
15体目:15点
16体目:16点
17体目:17点
18体目:18点
19体目:19点
20体目:20点
21体目:21点
22体目:22点
23体目:23点
24体目:24点
25体目:25点
26体目:26点
27体目:27点
28体目:28点
と、
そろそろ書かなくてもいいような計算のダメージが飛ぶ。
これだけで301点ダメージである。
先ほどのダメージと合わせて、合計ダメージは473点。
この時点で生きているプレイヤーがいないような気もするが、
最後まで計算しよう。
ドラゴンたち全てのアタックダメージが全て通るとして、
(さすがに《玉座の災い魔》廃位誘発しないと想定。)
合計156点。
先ほどの計算と合わせて、合計ダメージは629点。
なんだか笑えるくらいの大ダメージが飛んでいく。
40点ライフの人が15人いてもまだ余る数字である。
これだとやりすぎなので、
ストーム3+《ドラゴンの嵐》まで減らしてみよう。
4体のドラゴンが出てくるというかたちだ。
その場合は、
《ヴァルカスの災い魔》
《世界を溶かすもの、アタルカ》or《玉座の災い魔》
《ウトヴァラのヘルカイト》
《ジャンドの暴君、カーサス》
この4体となる。
まず《世界を溶かすもの、アタルカ》にした場合。
《ヴァルカスの災い魔》を最初に出す事以外はどれを出しても同じ。
殴って《ウトヴァラのヘルカイト》の能力で4体のトークンと二段攻撃まで全て合わせて、
《ヴァルカスの災い魔》の能力で36点+攻撃46点=82点。
おおむね2人倒して、残り1人を追い込めるくらいの数字。
《世界を溶かすもの、アタルカ》を《玉座の災い魔》に変更して、
廃位+追加戦闘フェイズが発生する場合はさらにダメージが上がる。
こちらも手順は同じで、
殴って《ウトヴァラのヘルカイト》の能力で4体のトークンからの
《ヴァルカスの災い魔》の能力で36点、
攻撃は23点だが、追加の戦闘フェイズがある。
追加の戦闘フェイズでは8体のドラゴンが殴れるので、
《ウトヴァラのヘルカイト》の能力で8体のトークンが出て、100点。
攻撃で47点。
合計で206点。
十分に3人を倒しきれる数字だ。
《ニコル・ボーラス》がからむと、
《ヴァルカスの災い魔》の能力と、
速攻+追加の戦闘フェイズで3人は手札もなくなる。
あまり使う事はないが、覚えていくといいだろう。
《若き群れのドラゴン》はドラゴン数を稼ぐために入っているが、
無理に入れなくてもよい。
ストーム数を稼ぐために別のカードが入っているほうが強い。
ロマンあるダメージを放つために入れている。
よりストーム中心の構成にしたい人は、
《火想者ニヴ=ミゼット》
《好奇心》
《知恵の蛇の眼》
の3枚も抜いてしまおう。
全てを
《精神の願望》
《ドラゴンの嵐》
に賭けよう。
その場合は、ストーム数稼ぎやマナのために、
《魔力変/Manamorphose》
《伝国の玉璽/Imperial Seal》
などを追加しよう。
無い場合は1~2マナのカウンター呪文か、
2マナのマナアーティファクトを入れておこう。
と、ここまではロマンなダメージを叩き出す構成。
1つ無限コンボも紹介しておこう。
《ヴァルカスの災い魔》
《変わり身の狂戦士/Changeling Berserker》
《帰ってきた刃の翼》
墓地にドラゴン1枚or場にドラゴン1枚。
で可能である。
《ドラゴンの嵐》のストームも少なくて良い。
合計でストーム2+墓地に1枚か、
ストーム3で決まるというお手軽さ。
《ヴァルカスの災い魔》を最初に出す。
次に《帰ってきた刃の翼》を出す。
墓地からなんでもいいのでドラゴンが出る。
次に《変わり身の狂戦士》を出す。
覇権能力で《帰ってきた刃の翼》を追放。
追放後に《ヴァルカスの災い魔》の能力を解決。
3点ダメージを《変わり身の狂戦士》に与える。
《変わり身の狂戦士》が死ぬので《帰ってきた刃の翼》が場に戻る。
《帰ってきた刃の翼》の能力で《変わり身の狂戦士》を墓地から釣る。
《ヴァルカスの災い魔》の能力が誘発。
《変わり身の狂戦士》の覇権は再度《帰ってきた刃の翼》を追放。
《ヴァルカスの災い魔》の能力は、
《変わり身の狂戦士》と《帰ってきた刃の翼》の両方で誘発しているので、
このダメージの片方を対戦相手に、
片方を《変わり身の狂戦士》に与え、
あとは手順繰り返しで無限ダメージである。
この構成の場合は、ドラゴンが黒と赤だけで決まるので、
デッキ構成を黒赤、もしくは青黒赤で構成する事も可能。
さらに構成に必要なドラゴン数が少ないので、
ドラゴンを減らして、
その分だけマナやドローエンジン、カウンターを足す事が出来る。
しかし、
勝ちパターンがこれしかないため、
コンボパーツが1枚でも追放されてしまうと、
ダメージ源が著しく乏しいデッキになり、
勝ちに行く事が困難となる。
そういった意味ではデッキリストのような、
ドラゴンの打撃力が高い構成のほうが安定力がある。
なお、話題に全然出てこなかった《漂う死、シルムガル》。
このカードの役目だけは別だ。
ジェネラルを守るために入っている。
ジェネラルを出して2マナ残しておこう。
相手が単体除去を撃ってきた時に《漂う死、シルムガル》に化ける。
すると呪禁を持つので、単体除去を回避出来る。
もちろん、《ドラゴンの嵐》のストーム数が7以上の時は、
ライブラリーから出してあげて活躍させてあげよう。
対戦相手のクリーチャーをほぼ全滅させてくれるはずだ。
ではまた。