コレクター道9


以前にコレクター道5というこらむを書いた。
あのこらむを書いたのは2012年の5月と、こらむ内に書いてある。
いまから約3年前。
時間が経ってからこらむの内容を読み返してみると、
自分でも興味深いものが色々とある。
特にカードの価格が面白い。
2012年5月の時点で、こらむで

「ベータのボックスなど、確かにお金を払えば手に入らなくもないラインだが、
仮に2012年の今、200万円出すからベータのボックスを買いたいと言っても、
簡単にほいほいと転がっているわけではない。」

と書いている自分がいる。
2015年の1月、
ベータのボックスは500万円を出しても買えない。
500万円で買えないという根拠はある。
それは、2014年の夏を過ぎた頃、
Serraの店主のところにとある外国人からメッセージがきた。
「よう、セラ、ベータのボックスあるけど欲しいかい?」
という内容である。
ベータのボックスなんてよく見つけてきたものだ。
世界にあと何個残っているの?というくらいの品だ。
自分が以前に手に入れた1箱は最後の1箱だと思っていたくらいだが、
案外とそうでもないらしい。
あるところにはあるという事だろうか。
いや、それでも相当この世の現存数は少ないはず。
欲しいか欲しくないかで言ったら欲しいが、
一体いくらするのだろう。
とりあえず聞いてみることにした。
相手からの回答は、
「現在、○○万円強で買いたいと言っている人が二人いるね。
 セラはこれ以上の値をつける気はあるかい?」
うーむ。
こういうレアアイテムの入手チャンスの時に声をかけてもらえるのは、
とてもとても嬉しいことなのだが、
この数字はとてもではないがすぐに出せる数字では無かった。
しかもこの会話から察するに、
すでにオファーを出している二人が、
この現在の金額以上数字を言ってくる可能性も0ではない。
どちらにせよ自分はこのお話にはNOという回答をした。
もしかするとこれが世の中に出回る最後の1箱だったかもしれない。

結局、このボックスの二人のどちらの手にわたり、
いくらで取引が成立したのかは不明だ。
数字を伏せていて申し訳ないが、
この時わかった事は
「2014年、ベータのボックスは500万円ではもう買えない。」
という事だった。
言うまでもない事だが、
2012年の時点でもほいほいと転がっているわけではない品は、
2015年の今はもっと入手難度が上がっているだろう。

ここで、
1パックあたりの金額とボックスの金額をさっと計算してみよう。
ベータは36パック入りの箱なのである。
1パックが15万だとすると1箱540万円になるが、
前述の通り、500万円では買えないとなると、
その上の数字から計算しなければなるまい。
(関税と送料と保険代と1ドル=?円に影響されるため。)

1パック20万円とすると720万円。
1パック25万円とすると900万円。
1パック30万円とすると1080万円。
1パック35万円とすると1260万円。
1パック40万円とすると1440万円。

なかなかに恐ろしい金額だ。
そろそろベンツの1台も買えてしまう額である。
紙きれとベンツならどちらがお買い得か?
賢明な読者諸君でベンツなどという人はおるまい。

紙きれが正義である。


さらにベータの話を追究してみよう。
仮に1パック20万円として考え、
1パック購入するとする。
中から、
Black Lotus
Mox Pearl
Mox Sapphire
Mox Jet
Mox Ruby
Mox Emerald
Time Walk
Ancestral Recall
Timetwister
Time Vault
の10種と
Tundra
Underground Sea
Badlands
Taiga
Savannah
Scrubland
Volcanic Island
Bayou
Plateau
Tropical Island
デュアルランド10種のどれかを引けば当たりだ。
いや、デュアルランドは値段の低いものもあるので、
必ずしも当たりと言いがたいか。
とはいえ、この20枚のうち半分以上が、
ベータ1パック以上の金額のカードである。
パワー9は言うまでもないが、
デュアルランドは青がらみならば相当な値がつく。

準当たりのラインには、
極楽鳥/Birds of Paradise》←α版、β版は高い。
Chaos Orb
Illusionary Mask
Forcefield
Gauntlet of Might
魔力の櫃/Mana Vault
シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》←海外では大人気。
Wheel of Fortune
Word of Command
神の怒り/Wrath of God

これらより少し下のラインに
ハルマゲドン/Armageddon
天秤/Balance
Copy Artifact
アトランティスの王/Lord of Atlantis
枯渇/Mana Short
精神錯乱/Mind Twist
ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk
などが並ぶ。

そして、
アンコモンには
Demonic Tutor
Sol Ring
Berserk
セラの天使/Serra Angel
動く死体/Animate Dead
対抗呪文/Counterspell
惑乱の死霊/Hypnotic Specter
新たな芽吹き/Regrowth
Ice Storm
があり、

コモンには
暗黒の儀式/Dark Ritual
稲妻/Lightning Bolt
Sinkhole
がある。
他のコモンでも引いたら嬉しい1枚はいくつもある。

ベータのレアの種類は117種類。
デュアルランドとパワーカードの合計20種を当たりと想定した場合、
20/117。
だいたい1/6の確率である。
約17.094%の確率で当たりを引ける計算だ。
この確率からしても、
携帯のアプリゲームのガチャに比べたら、
とてつもなく高い確率だと言っていいだろう。
また、
「夢を買う」
などと馬鹿げた事を言って、
宝くじに突っ込むよりよほど高確率である。
知らない人は多いのだが、
日本の宝くじの還元率は約50%である。
還元率50%とは、
「宝くじ購入者が合計で100億円分宝くじを買ったとして、
 購入者に分配されるのは50億円で、
 残りの50億円は胴元が持っていく。」
という事である。
日本では、正確にはこのように決まっている。

宝くじ:還元率45%(控除率55%)

控除率とは、ある賭けに対し、どれだけの手数料をとられるかを示す割合。
近い言葉では「テラ銭」という言葉がわかりやすいだろうか。
この宝くじでは、胴元が控除率である55%を持って行き、
宝くじを買った人全員に対して45%しか還元されないのである。
しかも、日本では
宝くじの還元率が50%を超えてはならないと法律で定められている。

異常なギャンブルと言わざるをえない。
余りに分の悪い賭けである。
「夢を買う」だの
「ドリームジャンボ」だのと、
聞こえの良い言葉を垂れ流しているが、
やっている事はヤクザもびっくりの非道な所業である。
紙きれショップの店主から言わせれば、
「夢を買う前に現実に金を払え。」
である。

以上の観点から、
宝くじにお金を突っ込むくらいなら、
ベータを開けたほうが100倍マシである。
現在のシングルカード相場のままで、
ベータ1パックの値段が先の説明の一例の最高額1パック40万円のさらに倍、
1パック80万円だったとしても、
まだ宝くじやアプリゲームのほうが分が悪い賭けなのである。
アプリゲームについては論外と言えば論外である。
そのゲームのサービスが終了した瞬間にデータが無くなる。
完全に何も残らないのだ。
(宝くじも当たり券でないのなら何も残らないが。)
加えて、アプリゲームの会社はサービス中はデータを管理する事は仕事だが、
管理が仕事であって、価値の保証は仕事の範疇にはない。
宝くじにしろ、アプリゲームへの課金にしろ、
あまりにコストパフォーマンスが悪い。
ベータのパックの場合、
準当たりライン以下を引いたとしても、
元はとれないが、それでもそこそこの額になる。
全部PSA鑑定にかけるという前提であれば、
状態と価値もそれなりに安定する。
こうして考えると、
宝くじやアプリゲームがいかに邪悪なものなのかと理解出来るだろう。

おわかりだろうか。

宝くじより、

アプリゲームより、

ベンツより、

紙きれである。

ビバ、紙きれ。



ではまた。



記事作成日:2015/01/22