ヴィンテージデッキ紹介その4
記事作成日:2014/10/05 執筆:加藤英宝
今回のヴィンテージデッキ紹介は、
コンスピラシーのセットで初登場したプレインズウォーカー、
《ダク・フェイデン/Dack Fayden》を使ったヴィンテージのデッキを紹介。
《Dack Fayden/ダク・フェイデン》
コスト:1青赤
プレインズウォーカー ダク(Dack)
[+1]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚引き、その後カードを2枚捨てる。
[-2]:アーティファクト1つを対象とし、それのコントロールを得る。
[-6]:あなたは「あなたがパーマネント1つ以上対象とする呪文を1つ唱えるたび、それらのパーマネントのコントロールを得る。」を持つ紋章を得る。
3
神話レア
+1能力、-2能力は強いのだが、
-6能力が弱い。
だいたい《ダク・フェイデン》の色である青と赤の呪文で、
パーマネントを対象にとるカード、
しかも、比較的トーナメントで使うレベルとなると、
・まともな火力呪文
・パーマネントを手札に戻す呪文
・アーティファクトを破壊する呪文
である事が多い。
この3種の呪文ではコントロールを奪っても意味がない事ばかりだ。
せいぜい、《火+氷/Fire+Ice》が例外的に使えるだけだ。
何故わざわざこんな能力にしてしまったのか。
《ダク・フェイデン》が大盗賊という設定なのはわかるが、
それでももうちょっと考えるべきだったのではないかと思ってしまう。
それはさておき、デッキ紹介。
クリーチャー
2《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
インスタント
4《Force of Will》
1《Ancestral Recall》
1《渦まく知識/Brainstorm》
1《火+氷/Fire+Ice》
1《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
1《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》
1《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1《知識の渇望/Thirst For Knowledge》
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
ソーサリー
3《物読み/Thoughtcast》
2《燃え立つ願い/Burning Wish 》
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《伝国の玉璽/Imperial Seal》
1《思案/Ponder》
1《新たな芽吹き/Regrowth》
1《Time Walk》
1《Timetwister》
1《Wheel of Fortune》
1《修繕/Tinker》
1《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
アーティファクト
4《オパールのモックス/Mox Opal》
2《通電式キー/Voltaic Key》
1《Black Lotus》
1《水蓮の花びら/Lotus Petal》
1《Mana Crypt》
1《魔力の櫃/Mana Vault》
1《記憶の壺/Memory Jar》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
1《Time Vault》
プレインズウォーカー
2《ダク・フェイデン/Dack Fayden》
土地
4《教議会の座席/Seat of the Synod》
4《マナの合流点/Mana Confluence》
2《真鍮の都/City of Brass》
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
サイドボード
3《自然の要求/Nature’s Claim》
2《誤った指図/Misdirection》
1《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
1《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》
1《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1《天秤/Balance》
1《精神錯乱/Mind Twist》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1《Transmute Artifact》
1《汚損破/Vandalblast》
1《虚空の罠/Void Snare》
1《意外な授かり物/Windfall》
——————————
デッキの構成からわかるように、
《Time Vault》と《通電式キー》の無限ターンでない場合は、
《燃え立つ願い》からの《苦悶の触手》がフィニッシュ手段。
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》無し。
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》も無し。
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》も無し。
ストームを稼ぐ構成のため、
このあたりのコストの高いカードを全て切ったという事だろう。
土地がたった11枚で、
しかもアーティファクトランドを4枚採用しているため、
《無のロッド/Null Rod》や《石のような静寂/Stony Silence》という弱点がある。
これを張られた場合、
メインでどうにかする手段が《燃え立つ願い》からの《虚空の罠》くらいしかない。
(《無のロッド》ならば《汚損破》でもOK。)
サイド後であれば対策方法は増えるものの、決して楽とも言えない。
また、ストームデッキの宿命として、
《三なる宝球/Trinisphere》
《虚空の杯/Chalice of the Void》(X=0、X=1など)
《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》
という、
いわゆるMUD(茶単)のデッキによく入っているカードたちに弱い。
先張りで《ゴブリンの溶接工》がいれば多少戦えるが、
それでも楽ではないだろう。
当然、ストームデッキのため、《もみ消し/Stifle》にも弱い。
なんだか弱点だらけのような気もしてくるが、
デッキがそれほど弱いというわけではない。
サイドボードに《天秤》と《精神錯乱》があるため、
対応力は比較的高い。
《燃え立つ願い》がデッキに2枚なので、
緻密なプレイングを要求される事は間違いないが。
もっとも《燃え立つ願い》を2枚とも使いきったとしても、
無限ターンという勝ち手段は残っている。
今回のデッキ紹介のメインである、《ダク・フェイデン》は、
+1能力が《ゴブリンの溶接工》と相性が良い。
+1能力で捨てたアーティファクトを《ゴブリンの溶接工》で、
場にあるアーティファクトと交換するという事が出来る。
軽くてライブラリーを回転させやすい《ダク・フェイデン》は、
デッキのコンセプトに合っているだけでなく、
対戦相手のアーティファクトを奪えるという能力も採用の理由となっている。
相手が《通電式キー》だけでも置いてあったら、
とりあえず奪っておけば、
《Time Vault》を一発ツモされて負ける事を防げる。
もちろん逆もまた然りで《Time Vault》を奪うのも強い。
自分のデッキに入っている《通電式キー》をツモれば無限ターンになるので。
相手のマナの揃い次第ではMox1枚でも奪うと変わる状況もありえる。
また、対戦相手が《修繕》で持ってきた《荒廃鋼の巨像》も、
《ダク・フェイデン》で奪い取るという事も。
-6能力は普通起動しないし、
起動してもこれといってメリットがないので、放置しておこう。
+1能力と-2能力だけ使っていれば十分。
ライブラリーを回して、相手のアーティファクトを奪えるのなら、
それ以上の仕事など不要である。
なお、やろうと思えば、ライブラリーアウトでも勝てる。
《ゴブリンの溶接工》
《虚無の呪文爆弾》
《記憶の壺》
の3枚を使い回してのライブラリーアウト。
対戦相手は《虚無の呪文爆弾》で墓地が消えていくので、
《記憶の壺》との使い回しでライブラリーが減っていく。
《新たな芽吹き》が入っている事もあり、
《Timetwister》を使えば、
理論上は自分のライブラリー切れは起こさない。
あくまで理論上。
そして相手のライブラリーは減っていくということ。
ただし、
普通はそんな悠長な事をさせてくれるわけがないので、
例外的な勝ち手段となるだろう。
(無限ターン状態なら余裕。)
もっとも狙えるのであれば、是非1度くらい決めていただきたい勝ち手段である。
ではまた。