昨今のMTG(2008年初頭の雑感)

スタートがMTGの話ではないが、
この話を読んで欲しい。

インターネットにあったニュースからの抜粋だ。
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2008年、今季から電子制御ドライバーエイドが禁止された新世代のF1について、
元世界チャンピオンのアラン・プロストは、
それでもまだ彼の時代とは比較にならないほど簡単な乗り物だと語っている。

「最近のF1には、好きになれないものがたくさんある」と、
彼はイギリスのデイリー・メール紙とBBCのインサイド・スポーツの共同インタビューに答えて述べた。

「金とか政治とかテクノロジーの話が多すぎるんだ。
そういうものがなければ、F1はずっといいものになりうるのにね」

プロストによれば、彼が特に幻滅したのは、
最近のF1カーが誰でも簡単に運転できるように見え、
月並みなドライバーでもすぐにF1に乗れることだという。

「私の時代には、ドライバーはもっと重要な存在だった。
クルマを乗りこなす手助けをしてくれるようなテクノロジーが発達していなかったからだ。
今のドライバーたちは1周目から最後の周まで、ただできるだけ速く走ればいいと思っている。
クルマは速くなったが、ドライバーは頭を使っていないし、高度な戦術や戦略もない。
そして、ドライバーとエンジニアの共同作業も少なくなった。私が好きなF1とは別ものだ」

「昔からクルマとチームはドライバーよりも重要だったが、
私がレースをしていた時代には、少なくともひとつ確かなことがあった。
速いドライバーは誰と誰なのかがハッキリしていたんだ。
今はそれが明確ではない。
グリッドの上から3分の2にいるドライバーを適当に選んで、
速いクルマに乗せれば、それで勝ててしまうんだ。
昔はそうではなかった」

ルイス・ハミルトンについても、
その才能を正確に見極めることはできないとプロストは言う。

「ほとんど経験のない新人ドライバーがF1に来て、
いきなり速く走れてしまう理由もそこにある。
まるでプレイステーションと同じなんだ。ルイス・ハミルトンだってそうだ。
彼は超人的な天才なのか、あるいは平凡なドライバーなのか。
F1カーが楽に乗れるようになってしまっているから、その判断は難しいと思う」

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これを読んで多くのMTGプレイヤーはどう思うだろうか。

この記事はF1の記事だが、
この内容はMTGにも言えるものだと思う。

そのまま言葉を少々置き換えるだけでいい。
下記のように。
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「最近のMTGには、好きになれないものがたくさんある」
「金とかプロポイントとか汚い話が多すぎるんだ。
そういうものがなければ、MTGはずっといいものになりうるのにね」

「過去の時代は、上級プレイヤーはもっと重要な存在だった。
カードを使いこなす手助けをしてくれるようなテクノロジーが発達していなかったからだ。
今のプレイヤーたちは構築からプレイングまで情報に頼りすぎ、ただ勝てればそれでいいと思っている。
デッキやカードは進化したが、プレイヤーは頭を使っていないし、高度な戦術や戦略もない。
そして、プレイヤーのアイデアが生きる環境は少なくなった。私が好きなMTGとは別ものだ。」

「昔からデッキとプレイヤーは構築者よりも重要だったが、
過去の時代には、少なくともひとつ確かなことがあった。
強いプレイヤーは誰と誰なのかハッキリしていたんだ。
今はそれが明確ではない。
レーティングの上から3分の1にいるプレイヤーを適当に選んで、
強いデッキを持たせれば、それで勝ててしまうんだ。
昔はそうではなかった」

「ほとんど経験のない新人プレイヤーがPTに来て、
いきなり優勝してしまう理由もそこにある。
まるでプレイステーションと同じなんだ。○○○○だってそうだ。
彼は超人的な天才なのか、あるいは平凡なプレイヤーなのか。
MTGが楽に出来るようになってしまっているから、その判断は難しいと思う」
(○○○○の中は思いつく、職業が自称:プロプレイヤーの名でも入れてみてください。)
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こんな事を書けば各地から批判が来そうな内容だが、
現実はそういうものだと思う。

カードは「こう使え!」と言わんばかりのセット内容。

インターネットで情報が溢れんばかりにあるおかげで、
勝負への駆け引きよりもただの情報戦。

賞金額は過去に比べて上がり、もらえる順位も増え、
お金や名誉に目がくらんだ人間がより汚い行為に手を染める。

自身の経験で、
世界選手権で当たった対戦相手がこんな事を言ったケースがある。
その相手との試合は1勝1敗時間切れで引き分けた。

試合終了時間に対戦相手は一言。
「勝ちを譲ってくれませんか?自分にはベスト8の目があるんで。」
この時点で自分にもベスト8の目があった。
にもかかわらず対戦相手はこれを言った。
同条件でありながら、
他人に向かって勝ちを譲れとな何事だろうか。
品性下劣でとても非紳士的と言えよう。
金と名誉に目がくらんだ愚かな一言だった。

この対戦相手は日本人だった。
これが世界選手権に出るプレイヤーの一言だろうか。
まさに日本の恥だ。
自分は
「お互いに今後を頑張りましょう。」
と丁寧に断りを入れて、席を立った。

また、情報戦が間違いだとは言っていない。
ただし、「○○デッキが流行りだから、対策として××を使用する。」
というアイデアが功を奏して勝利をもぎとれたとして、
このようなものを全て「実力」と呼ぶにはいささか無理があると私は言いたい。
「メタゲームに勝つ事=勝利につながる。」
にはなるだろうが、
「メタゲームに勝つ事=実力」
にはならない。

黒い事には一切手を染めず、
自分はまっとうにやってこの順位を獲得した!
というプレイヤーが0だと言っているわけではない。
真に実力を持ったプレイヤーと、
そうでない者との差が非常に見極めが難しいと言っているだけだ。

また、それが誰であるかという話をしているわけでもない。
この文章を読んで不快になる人は間違いなく実力が無い事は明白だが、
その逆、この文章を読んで納得の行く人は、
見る目のある方なのだと思う。

追記で、自分は懐古主義者でもない。
真に実力のあるプレイヤーというものはこの世に多くいる。
その人たちの中で日の目を浴びている人がどれだけいることだろう?
その数は非常に少ないものだろう。

私の知る人に、
大会に出て、見た目で悪と決め付けられ、
何もしていないにも関わらず、
警告を受けたプレイヤーもいる。

全てのジャッジが公平な判断を下しているとも言えない。
全てのプレイヤーが品行方正とも言えない。
それはF1でもMTGでも、どんな世界でも同じだ。

プレイヤーが悪いのか。
ジャッジが悪いのか。
システムが悪いのか。
カードセットが悪いのか。
運営が悪いのか。
はたまた、世の中全体の問題か。

それは一介のプレイヤー、
一介のカードショップ、
一介のコレクターでは見極めは難しい。

しかしながら、
願うはただ、このMTGの世界の向上である。
アラン・プロストもF1の世界で同じ事を願っているのではないだろうか。

MTGに対する思いや姿勢は人それぞれ。
これはF1や音楽業界、ゲーム業界、趣味の世界と呼べる多くに該当する。

自分はこの文を書く事によって、
他者への批判や環境への批判をしたかったのではない。

これもMTGにおける現状であり、
これを読んで各々のプレイヤーが何を思うかが大事だと考え、
自分はこのように文章を書いた。

また、思いも姿勢もひとそれぞれならば、
楽しみ方もそれぞれである。
それぞれと言えるということは、それだけ多くの楽しみ方があるということだ。

勝利や名誉が目的の人間は、本当に心の底から楽しいと言えるだろうか。
日本人にはかなり多いのだが、
「スタンダードしかやらないプレイヤー」
というものが多く存在する。

楽しみ方は人それぞれと言っておきながら言わせてもらいたい。
それはもったいない。

自分はMTGというものを使って色んな楽しみを持っている。
・古いカードコレクション(Power9やアラビアンナイト、レジェンド等)
・特定カード《セラの天使/Serra Angel》コレクション
・エラーカードコレクション
・珍品コレクション
・お店の経営
・ドラフト
・シールド
・スタンダード
・レガシー
・ヴィンテージ
・レア・ドラフト(詳しくはお泊りまじっく参照)
これらのほかにも「1アーティスト限定構築」など、変わったイベントを開いた事が何度もある。
(《Ashnod’s Coupon》を使われて、コンビニまで走ってジュースを買いに行った事も今はいい思い出だ。)

レガシーやヴィンテージ、ドラフト、さまざまな遊び方は、
やった事が無い人の中には「食わず嫌い」も多い。
食わず嫌いで本当の味を知らないという事は、
とても大きい損失だと思っている。

実際、レガシーもヴィンテージもドラフトも、
スタンダード以上の味わい深いものがあると言っていい。

最後に、
MTGとは無限の可能性を秘めている最高のゲームだと信じている。
その楽しみ方を1つや2つでとどまっている人に、
その楽しみを教えてあげたい。

-追記-
このこらむを書くにあたり、mixi等により何十人もの方から意見をいただきました。
中には「この文章は過激だから公表しないほうがお店のため」等の意見もありました。
それでも公にこのような文章を出す事は大事だという意見が多かったため、
加筆したうえで公表にいたりました。

ご協力してくださった多くの方に、
この場を借りてお礼申し上げます。

ではまた。




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