Falling StarとChaos Orb

《Falling star》と《Chaos Orb》

この2つのカードをご存知だろうか?
知らなくても全く問題は無い。
今後貴方がMTGライフを送る中で、
この2つのカードをプレイする機会は限りなくゼロに近い。

知らなくても問題無し、プレイする機会は無いけれど、
暇つぶしだと思って読んでいただければ幸いである。

この2種のカードは、
現在のヴィンテージのルールの中、
アンティに関するカード以外で禁止されている珍しいカードだ。

『アンティに関するカード』とは賭けに関するカードで、
昔のマジックは試合の中で、

「ゲームの開始時にライブラリーの一番上のカードをお互いに賭け、
勝ったプレイヤーが負けたプレイヤーから賭けたカードを奪う」

というものがあった。

カードの中には「賭け(アンティ)に関する記述」のあるものがあり、
現在のトーナメントではこれらのカードを全面的に禁止している。



2つのカードの効果は下記。

《Chaos Orb》
コスト:2
アーティファクト
(1),(T):Chaos Orbが場に出ている場合、Chaos Orbをプレイしている場所から少なくとも1フィート高い場所からはじく。
Chaos Orbが水平に1回転以上した場合、それが触れているすべての
パーマネントを破壊する。その後、Chaos Orbを破壊する。
レア

《Falling Star》 
コスト:2赤
ソーサリー
Falling Starをプレイしている場所から少なくとも1フィート高い場所からはじく。
Falling Starは、それが上に乗ったすべてのクリーチャーに3点のダメージを与える。
Falling Starによってダメージを与えられたすべてのクリーチャーをタップする。
Falling Starが水平に1回転以上しなかった場合、それは効果を及ぼさない。
レア

どちらも
1フィート以上の高さからはじいて効果を出すへんてこカード。
(1フィート=30.48センチ)
はじいた後に1回転しないと駄目とも書いてある。
普段のMTGのプレイではありえない行動をさせるカードである。
まるでアングルードやアンヒンジドを彷彿とさせるカードだが、
これらは普通のカードセットに入っているカードだ。

強い?って言われたら、
《Falling Star》はともかく、《Chaos Orb》は触れたカードに向かって《名誉回復/Vindicate》出来るのだ。
つまり、結構強い…というかかなり強いと言っていい。
もっと極端に言って、
対象を指定していないので、
《名誉回復》や《砂漠の竜巻/Desert Twister》と違って、
呪文や能力の対象にならないorプロテクションがあっても破壊可能だ。
狙いのパーマネントに正確に当たればの話だが。

どうせ禁止カードだからちょっとぐらい上位互換的能力だからってどうでもいい?
そう言ってしまえば終わりだ。
だが、大昔、このカードは禁止されていなかった。
普通にトーナメントで使用されていたのだ。
しかも4枚投入されていた。
嘘かと思う人もいるだろうが、これは本当である。

自分が知る限りではあるが、
これを4枚投入したパーミッションが当時の流行りの1つだったそうだ。

実際指定コスト無しの2+起動1の合計3マナで、
投げ方次第でパーマネントが2つ以上破壊出来る能力なのだから、
使いこなせる(投げこなせる?)のであれば強いカードなのである。

《Falling Star》のほうはクリーチャーへのダメージと限定されているため、
プロテクション(赤)で防げてしまうだけでなく、除去としては優秀とは言いがたい。

《稲妻/Lighitning Bolt》という最強火力が1マナなのだから、
せめて同じ1マナにすべきだっただろう。
そうでなければ触れたクリーチャーだけでなく、
触れた場所がプレイヤーならプレイヤーにもダメージと書いてあったら、
面白かっただろうに。
これなら3マナで納得してもいい。

面白いから。

でも、プレイヤーに自分のカード投げつける行為って明らかに「非紳士的行為」確定だ。
残念ながら《Falling Star》は使用されることがほとんど無かったようだ。

また、トーナメントで勝つためにカードの投げ方を研究した人もいたと言う。
明らかにMTGの本筋であるはずの頭脳戦や心理戦とは程遠い。
これらはトーナメントでの混乱をおおいに招く事もあり、
競技の混乱を防ぐという名目のもとに、
この2種のカードは禁止された。

以降この2種は一度たりとも使用を解禁されていない。
仮にドラフトで出たらどうする気なんだろう?
そういえば、過去に世界選手権の出場権利を蹴って、
アンティークドラフトの権利を取りに行き、
(βやアラビアンナイトが開封出来るドラフト)
β版のパックを開封した事があった。
あの時、もし《Chaos Orb》を引いたらどうするのか聞いてみればよかった。
引いたら公式のドラフトで使用出来たのだろうか。

《Falling Star》はとても絵が綺麗だ。
どうみても3ダメージ当たる呪文には思えない。
《セラの天使/Serra Angel》を描いたDouglas Shulerがこのイラストを描いている。

《Chaos Orb》はとても絵が変だ。
どうみてもよだれをたらした爆弾岩にしか思えない。
こちらは《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》や《Mana Drain》、《冬の宝珠/Winter Orb》など、
有名強カードを描くMark Tedin。

伝説ではこの《Chaos Orb》をビリビリに破き、
1フィート以上の高さからバラ撒き、触れたパーマネントを破壊しろ!

と言ったファンキーなプレイヤーがいたと言うが、
これはいくらなんでも作り話だろう。
もっともそのお話をモチーフにしたカードがアングルードに作られた。
それが《Chaos Confetti》である。
カードの効果も少し変わり下記のようになった。

《Chaos Confetti》
コスト:4
アーティファクト
(4),(T):Chaos Confettiをバラバラにちぎる。これらの紙片をプレイしている場所から少なくとも5フィート離れた所からプレイしている場所に放り投げる。紙片が触れたすべてのカードを破壊する。その後それらの紙片を追放する。
コモン

5フィートとは約1.5メートル。
ちぎった紙を飛ばす距離としては結構な距離がある。
1.5メートル先のパーマネントまで飛ばせるだろうか。
ちぎる事を前提に作られているためか、
わざわざコモンにしてくれている。
が、
今のところ自分も一回もちぎった事がない。

こんなパロディカードが出ている事からも、
《Chaos Orb》も《Falling Star》も、
トーナメントで解禁される事は無さそうだ。
が、
この2種のカードはいつか解禁される事を夢見て、
Serraのカードアルバムに幸せそうに眠っている。
とくに《Chaos Orb》は解禁されて欲しい。
能力がそれなりに強いから。

《Chaos Orb》など、わざわざアルファ版まで買うほど好きなカードだ。
このよだれを垂らした爆弾岩は、
なんだかとても愛嬌があり、
買ってからとても愛着の沸いたカードでもある。
いつか、いつか《Chaos Orb》をトーナメントで使える日が来て欲しい。

ではまた。




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