以前にお世話になった方のお話。
記事作成日:2026/02/18 執筆:加藤英宝
今回は以前にお世話になった方についてのお話。
詳しくはこちらに。
このOさんとはこの記事にある通り、
再会して時折会っていた。
OさんはMTGは引退済みではあるものの、
元MTGプレイヤーとは話題が盛り上がる事に変わりは無し。
この記事での再会から10年以上が経過していた。
ところがある日からOさんへのLINE既読つかなくなった。
LINEを送ったの前日からTwitter更新も止まった。
そしてさらにそこから1年以上が経過。
店主は年末年始に多くの方に
「お世話になりました。」
の連絡をしているのだが、
Oさんはこれにも既読がつかず。
Oさんはうちの会員登録情報は無し。
Oさんとの最後の取引は現行のシステム前に買取をしており、
Oさんの住所情報等は無かった。
それほど遠くない場所に住んでいる事だけは知っている。
何にしても、
関係は一切悪くなっていないのに、
連絡がこれほどつかないのも変だと思い、
先日携帯電話の番号からのショートメッセージを送信。
これが「送信不可」となってしまった。
さすがにこれはおかしいと思った。
不安になりながらも、
これを送信した時に電車の中だったので、
電車を降りてからすぐに電話をした。
「お客様のおかけになった電話番号は、
現在使われておりません。」
とても嫌な予感がし、
いくつかの手段を講じてみたものの、
どれもOさんに連絡は繋がらず。
Oさんの近況を知る方法にも行き当たらなかった。
共通の友人を当たったところで、
その人達もOさんの事はわからない。
自分と同じ状況だった。
そして、ある方法を試した。
AIを。
見つかった。
ただし、最悪の形で。
Oさんは、亡くなっていた。
AIにOさんの名前も出してない。
年齢も、住んでいる所も。
出てきた事故死のデータは、
間違いなくOさんのものだった。
事故日はLINEの既読がつかなくなる1日前。
(その手前までは既読がついて会話をしていた。)
Twitterの最後の投稿は事故の時間の約1時間前。
そして、
名前(フルネーム)、年齢、住んでいる所が一致。
もうこれは99.99%だろうと思った。
AIが嘘を言っていて欲しかった。
名前や個人情報を完全に伏せたのに、
その人に行き当たってしまった事故死のデータは、
ほとんど疑えない情報に等しい。
AIは人の思考や個人のSNSの関係まで探れるわけではない。
亡くなられてから約2年が経過していた。
遺族はOさんの携帯電話のパスワードを解除してもらえず、
自分や他の友人に知らせる手段を持たなかった、という事だろう。
現代の個人情報保護の観点から、
携帯電話会社は故人の携帯電話のパスワードは解除してくれない。
死亡証明とその故人との遺族関係を証明しても駄目なのだ。
現代は昔よりもネットワークがあるのに、
遺族は故人の死をその知人達に伝える方法を失っている。
デジタルの時代ではなく、
手紙や自宅電話の時代のほうが、
故人の死を知る方法があるなんて皮肉にもほどがある。
AIの情報だから鵜呑みにしないつもりだったのもある。
それでもAIの情報がほぼ間違いないと思いながら、
すぐに友人達に言えなかった。
「今月のK」とOさんと自分は共通の友人だ。
先日Kには会った日があったが、
どうしても口に出せなかった。
99.99を100にしてしまいそうで、
言うのをためらってしまった。
それでも、家に帰ってから、
Kを含む当時の友人達には伝えた。
伝えた途端に喪失感が込み上げてきた。
ちくしょう。
何も恩を返せなかった。
Oさんにお世話になりっぱなしだった。
OさんとMTGをしていた頃は、
グループの中の「兄貴的存在」の一人だった。
そういう人だから皆に愛されている人だった。
そして、
自分が独立出来たきっかけをくれた人だった。
事故死なんていう突然死、
どうにもならないのはわかっている。
2年もの時間、知るすべも無かったのをふくめてちくしょう。
サシで一度もお酒飲みに行けなかった。
話したい事が沢山あった。
沢山沢山お礼言いたかったのに。
AIで訃報を知るなんて。
それしか方法が無かったなんて。
知る事すら出来なかったから、
当然お葬式も行けていない。
お墓のある場所も知らない。
どうすればいいんだよ。
こんな別れ方想像していませんよ、Oさん。
オールドスクールのデッキ渡して、
「今のルールなんて関係ないから、
復帰しましょ。」
って言いたかった。
ちくしょう。
本当になんにも出来なかった。
