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2024年9月23日のEDH禁止改定について。

記事作成日:2024/09/30 執筆:加藤英宝

2024年9月23日のEDH禁止改定

2024年9月23日付けで、EDHで以下のカードが禁止。

波止場の恐喝者/Dockside Extortionist
魔力の墓所/Mana Crypt
宝石の睡蓮/Jeweled Lotus
有翼の叡智、ナドゥ/Nadu, Winged Wisdom

波止場の恐喝者》《魔力の墓所》《宝石の睡蓮》の3枚は、
爆発的なプレイ展開を生み出してしまうため禁止。

有翼の叡智、ナドゥ》は、
非常に速い速度でコンボを開始することができ、
かつそのコンボの処理自体に時間がかかり、
時間をかけたうえで最終的に全員を倒せるかどうかがわからないため禁止。

《波止場の恐喝者》について


波止場の恐喝者/Dockside Extortionist
コスト:1赤
クリーチャー ゴブリン(Goblin) 海賊(Pirate)
波止場の恐喝者が戦場に出たとき、
宝物(Treasure)トークンをX個生成する。
Xは、対戦相手がコントロールしているアーティファクトとエンチャントの総数に等しい。
(宝物トークンは、
「(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」
を持つアーティファクトである。)
1/2

「EDH用にデザインしたうえで、
あー、やらかしちゃったね。
さすがに対戦相手3人が基本の環境じゃまずかったね。
あと無限コンボのパーツにもなるのもまずかったね。」

という感じはある。
ゴブリン愛好者達から非難囂囂の声が聞こえて来そうだ。

このカードは1対1の対戦では、
完全に相手次第のカードにしかならず、
それほどの大きな活躍を見込めるカードではなかったが、
EDHのように長引きやすい環境かつ対戦相手が三人、
そしてどのデッキもまぁまぁエンチャントないしアーティファクトを出す、
という環境がカードを兇悪化させてしまった。

無限にならずとも出し入れを繰り返す事で、
簡単に20~50マナまで到達するのはまずかったのだろう。

EDHの中で、
「タッチ赤たらしめる理由となる1枚」
になっていたと言ってもおかしくない。
これと《偏向はたき》にはそのくらいの威力がある。
それはまさに一長一短であったという事だった。

ただ、再録までしておいて禁止は無いだろうと言いたい1枚。

《魔力の墓所》について


魔力の墓所/Mana Crypt
コスト:0
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、コインを1枚投げる。
あなたがコイン投げに負けたなら、
魔力の墓所はあなたに3点のダメージを与える。
(T):(◇)(◇)を加える。

おいおい、EDHの歴史が何年あると思っているんだ。
店主のEDH歴だけでも15年以上あるんだぞ。
そんな伝統カードを今更禁止か。
このカードも何度も再録をされていて、
EDHプレイヤーに愛されたカードの1つだぞ。

ここは店主のEDHを楽しんできた思い出アリで語りたい。

このカードは俗に言う「クリプト死」というやつがある。
わからない人に細かく説明すると、
英語名は《Mana Crypt》でありマナ・クリプトと発音される。
で、この《魔力の墓所》のアップキープのコイン投げでプレイヤーが死ぬというのが、
「クリプト死」である。
だいたい残りライフ6以下になるとこの危険がつきまとう。
(誰かにライフを減らされる環境ならもっと上のライフでも危険。)
で、
店主の周囲でEDHをやる環境では、
このそろそろマズいライフになった時のアップキープに、

「ハイハイハイハイ
 モタリケ君のちょっといいトコ見てみたいー♪」

と言って囃し立てるのが基本であった。
モタリケ君って何?という人もいそうだが、
漫画ハンターハンターのグリードアイランド編に出てくる登場キャラだ。
ボマーであるゲンスルー組にリスキーダイスを使わされるキャラである。
おおむね《魔力の墓所》はコイン投げより、
ダイスロールで判定が行われる事が多いので、
それに合わせて店主が言い出したのがきっかけである。
(実際にはリスキーダイス後のロトリーの使用後に言われるセリフだが。)

我らからモタリケ君を奪った罪は重い。
何?そんな事を言っていたのはお前らだけだろうって?
だまらっしゃい。

・・・という感情論と思い出はさておき、
魔力の墓所》という伝統あるカードの禁止はダメージが大きい。
このEDHの長い歴史の中で、
最初に言われたよくある言葉は、
「《太陽の指輪》の数はデッキの数。」
だった。
最初は《太陽の指輪》の数も限られていたからだ。
ただ、その後再録連発により《太陽の指輪》の数が安定してくると、
「《師範の占い独楽》の数はデッキの数。」
に変わった。
EDHが大きく変わり、市民権も確実なものとなった時、
「《魔力の墓所》の数はデッキの数。」
にさらに変わっていった。
これは、
太陽の指輪》というカードが誰にでも入手出来る環境になり、
ユーザーもとても増えたというプラスの状況から起きた事だったと言える。
一人の人がこの「どんなカードも1枚でいい。」の環境下において、
複数のデッキを作って遊びたい衝動に駆られる事はとても大切であり、
また、MTGの市場としても大きなメリットがあった。
ショップ的観点であればEDH需要は大きなものであり、
ユーザー的観点であれば今まで日の当たらぬカード達に活躍の場が出来た事だ。
四半世紀もMTGをやっている店主は、
一番安い時に《魔力の墓所》をなんと500円で買っている。
それほど使われないカードだったのだ。
店主から見ればそんなヴィンテージでしか使われないカードに、
これほどに日が当たり、活躍する時代になった事を純粋に喜んでいた。
自分のカードを手放す気の無い店主にとって、
所有カードの高騰なんてどうでもいいのである。
活躍の場が出来た事が全てだった。

こういった歴史ある流れにあったカードが、
まさか15年以上愛されたうえに禁止を食らうというのは残念でならない。
このカードを高額で買った人は何人もいただろう。
そういう人が引退を示唆するのも無理からぬ話だ。
それを誘発しかねない禁止改定は明らかに間違っていると思わざるをえない。
今回の禁止において最も許されざる改定であると思っている。

《宝石の睡蓮》について


宝石の睡蓮/Jeweled Lotus
コスト:0
アーティファクト
(T),宝石の睡蓮を生け贄に捧げる:
好きな色1色のマナ3点を加える。
このマナは、あなたの統率者を唱えるためにのみ使用できる。

このカードの存在意義をどうしてくれるのであろう。
EDH専用の能力として登場したカードをEDHで禁止してどうするのだ。
このカード、

コスト:0
アーティファクト

タップ、《宝石の睡蓮》を生け贄に捧げる。

で終わりという謎の存在になってしまった。
まず持って使い道なし。
アホらしい事を言うのなら、
「《Black Lotus》の代用カードになるね。」
だ。

イラストレーターのAlayna Dannerさんもこういっている。(原文をざっくり翻訳)
「《宝石の睡蓮》が統率者戦ルール委員会によって禁止されたことは本当に悔しいです。
私はこのカードを愛し、
EDHデッキでこのカードを本当に大切にしている文字通り何千人ものプレイヤーに会いました。
発売から4年後にこのカードは禁止されてしまい、
現在、このカードをプレイできる環境は存在しません。
このカードを愛用してくれた方々、本当に申し訳ありません。
私がこのイラストを描くことができたのはとても光栄でした。」

Alayna Dannerさんにとって、
このカードはMTGの中でもとても思い入れのあった1枚である事は間違いない。
それとAlayna Dannerさんが何故謝罪しているのか。
イラストレーターさんに謝罪させるなよ。
ここまで言っていいかわからないが、
このカードを禁止したらどうなるか多少は予想がついただろうに。
Alayna Dannerさんに謝罪させてしまったのは本当に論外だ。

この禁止改定は
1枚のカードを侮辱し、
一人のイラストレーターを侮辱し、
世界中のEDHユーザーを落胆させ、
そのユーザー達の財布に多大なダメージを与えた。

今までの禁止改定(EDHに限らず)の多くは、

「仕方ない。」
「嫌だけど納得は出来る。」
「別に禁止せんでも。」
「アホなの?」

くらいのコメントで済んだものが多い。
とりわけ、環境を支配したカードが禁止になる事は多くのユーザーが認めてきた。
そしてそんなカードであろうとも、
ヴィンテージまたはEDHで使う事は出来るという「最後の砦」を持っていた。
このカードは違う。
最初からEDH以外の居場所を与えられていないカードに等しい。
この禁止改定はMTGの歴史上最も愚かな改定であると断言する。

もう一度言いたい。

この禁止改定は
1枚のカードを侮辱し、
一人のイラストレーターを侮辱し、
世界中のEDHユーザーを落胆させ、
そのユーザー達の財布に多大なダメージを与えた。

これは許されていいものではない。

総評

波止場の恐喝者
魔力の墓所
宝石の睡蓮

これらの禁止には訳があるのは理解はしている。

カードをデザインし発行するWotC社と、
EDHの禁止を決めている委員会が別であるからだ。
もともとEDHは公式など無関係に広がったプレイスタイルだった。
そこに公式が乗り込んできた。
2011年がその最初である。
巨大なるカーリア》などが入っている統率者デッキセットの発売がこの年。
EDHやジェネラルという呼び方も公式は無理やりに
「Commander/コマンダー」
という呼び方を押し付けてきた。
ジェネラルはコマンダー(ないしは統率者)の呼び方で呼ぶ人はいるが、
EDHはいまだほとんどの人がその呼称を使っている。

余談になるけれども、
去年や一昨年のラスベガスの会場でも、
思いっきり看板などに「EDH」と書いてあるくらいだ。
競技的なEDHも「cEDH」と言われている。
誰も「cCommander」なんて言っているのを聞いた事がない。
結局公式の押し付けた呼称なんて使わないのだ。

結論としては、
WotC社、ひいてはハズブロが金!金!金!と求めた結果がこれなのだ。
資本主義経済、経営・・・と考えればお金を求める事はおかしな事ではない。
ただ、それで犯してはいけない過ちもある。
どういう事かというと、
EDHを意識したカードデザインをし過ぎた事により、
こういった禁止が生まれてしまうという事だ。
EDHをいちいちCommanderなんて名前で押し付けず、
レベル帯なんてものを押し付けず、
そっとしておけばよかったのだ。
WotC社としては
「良いゲームをデザインする」
という事に集中していれば、
こんな過ちは起きなかった。

ついでに言えば、自分は競技的なMTGも大好きな人だ。
いちいちEDH専用のカードを作られる事で、
競技MTGにも弊害が生まれる事は良しと出来なかった。
(スタンダードパックからスタンダードで使えないカードが出る等)

そのしわ寄せでこの上記3種のカードが禁止されるに至ったのだ。
宝石の睡蓮
波止場の恐喝者
はEDH用に作られたデザインであるし、
魔力の墓所
がここで禁止されてしまった原因についても、
大きな視野で見た場合には、
cEDHなどで見られる異様なコンボの速度と強さに起因している。
その背景には共闘、背景選択のような、
EDHのルールを破壊するWotC社のカードデザインが問題だった。
もちろんそれだけではなく、
前述のようにEDHを意識し過ぎたカードデザイン自体が問題を引き起こした一面もある。

かといってEDHの禁止を決める委員会に問題がないわけでもない。
前述のWotC暴走に歯止めがかけられる立ち位置ではないのだから、基本的な罪というのならWotC側だ。
しかし、ユーザーの事を考えて禁止を決めるのなら他にやり方はあっただろうし、
他にもっと解禁、禁止すべきカードはある。
その検証を行わずにこれらの決定を下している事は愚かという他はない。

生命の律動
合同勝利
クルフィックスの預言者

リスティックの研究
タッサの神託者
神秘的負荷

どっちが悪さをするかもわからないのだろうか。
前者は色が散っている(多色もある)が、
片方は全て青一色である。
環境として青が強い事は明白な中、
こういうカードを完全に無視していいものなのか。
もっと言うと、
神秘を操る者、ジェイス
研究室の偏執狂
という同等の勝利条件カードも含め、
これらが《合同勝利》が禁止されていて、
この青単3枚の勝利条件カードが許される理由は理解不能だ。

確かに
波止場の恐喝者
魔力の墓所
宝石の睡蓮
この3枚におけるマナブーストが看過出来ないという言い分はわかる。
ただ、
「これら以上に環境を悪化させているものが無い。」
とでも言うのか。
極端な物言いではあるのは承知で言うが、
「《合同勝利》を解禁しないのなら、
全ての勝利条件カードを禁止にしろ。」
である。
そうするだけでジェネラルありきのデッキと殴り合うデッキが増える事だろう。
少なくとも共闘ジェネラルがTier1に並びまくる状況が少しは減らせる。

このハズブロ、EDH禁止委員会の双方の認識のズレが起こした悲劇が、
今回の禁止改定である。
その結果、
歴史ある《魔力の墓所
象徴たる《宝石の睡蓮
の2つが失われる事は本当に痛ましい。

店主のような狂った奴はいい。
自分のカード資産額の合計からして1%も変動していない。
(デッキからこれらのカード抜いて作り直すのめんどいんだけどね!)
世の中の多くの人はそうではない。
沢山の人が意を決してこの2つのカードを買い、
EDHを楽しんできたのだ。
その努力と出費をこんな形で潰してしまっていいのだろうか。
今回の禁止の何よりも許しがたい事はこの点と、
Alayna Dannerさんへの侮辱である。
なんとかならないものか。

《有翼の叡智、ナドゥ》について


有翼の叡智、ナドゥ/Nadu, Winged Wisdom
コスト:1緑青
伝説のクリーチャー 鳥(Bird) ウィザード(Wizard)
飛行
あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは
「このクリーチャーが呪文や能力の対象になるたび、
あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を公開する。
それが土地カードなら、それを戦場に出す。
そうでないなら、それをあなたの手札に加える。
この能力は、毎ターン2回しか誘発しない。」を持つ。
3/4

お前に語る事は何も無い。
滅多な事でここまで言わない店主だがあえて言う。
「座して死ね。」

ではまた。



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