初めて買った再録禁止カード
記事作成日:2024/09/25 執筆:加藤英宝
初めて買った再録禁止カード。
Twitterでそんなお題があった。
ちょうど書いているこらむに合致するので、
今日はそんなお話をば。
Sandals of Abdallah
というカードを知っているだろうか。
アラビアン・ナイトにしか存在しないカードだ。
今回はこのカードのお話。

《Sandals of Abdallah》
コスト:4
アーティファクト
(2),(T):クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは島渡りを得る。
このターン、そのクリーチャーが死亡したとき、Sandals of Abdallahを破壊する。
(島渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
アンコモン
仮訳ならアブダラのサンダル。
アブダラとは一般的なアラブ人の名前でもあるが、
意味としては「アッラーのしもべ」という意味なのだそうな。
アラビアンな世界の中では、
「太郎」とか「一郎」くらいの名前なんだろう。
カードの効果は、
4マナで出して、
2マナとタップでクリーチャーに島渡りを付与するだけ。
しかもそのクリーチャーが死んだら、
このカードも壊れちゃう。
なんなんだこりゃってくらい弱い。
イメージとしては、
魔法のサンダルを履いて海を走れるようになるけど、
履いている本人が死んじゃうと、
サンダルも海の藻屑と消えるという感じなんだろう。
(サンダルだけ海に浮かびそうな気もするんだけども。)
昔のカードだから仕方ないが、
4マナ+2マナタップの6マナでやる行動じゃないな。
昔だってこれが使われる時代があったわけでもない。
β版しかカードプールの無い時代に、
最初に出たエキスパンションで、
このカードで一体どう戦わせる気だったのだろうか。
そもそもβのカードプールと、
アラビアン・ナイトだけで島渡りがそんなに必要にはなるまい。
なるまいというか、
まともにこれが活躍しそうな状況って、
《孤島の聖域》を相手が置いている状況?
というくらい難しい。
オールドスクールでEDHするのならともかくだが、
滅多な事で島渡りのためだけのアーティファクトなど活躍の場はない。
なお、人生でこれを対戦相手に置かれた事はない。
という事からも、
このカードには全く意味がないというか価値がない。
だが、
店主が最初に海外から買ったカードだ。
前述のTwitterにハッシュタグで
「初めて買った再録禁止カード」
というのがあった。
それがこのカード。
なんで?と思う人も多かろう。
当時の自分は、
「カード名にサンダル!
しかもなんかアブダーラって書いてある!
すげえ!何このピンクの靴!
買おう!」
だ。
全然カードの強さなんて考えてない。
使用用途が不明の魔法を集めるフリーレンの如くだ。
葬送のフリーレンは2020年から連載開始だが、
店主がこれを買ったのは1997年だ。
自分で言うのもなんだが、
筋金入りのトチ狂った魔法使いだと思う。
ただ、「初めて買った再録禁止カード」というのなら、
実はちょっと違うのかもしれない。
何故なら、
1996年、店主がMTGを始めた年のパックは、
「当たり前のように再録禁止カードが入っているパック」
だからだ。
当時簡単に買う事が出来たパックは以下。
ミラージュ
アイス・エイジ
アライアンス
ホームランド
フォールン・エンパイア
そしてリバイズドとクロニクルと第4版。
たまにザ・ダークも売っていた。
これらを買っていると、
勝手に再録禁止カードは出る。
(だいたい弱いやつばっかなんだけどね。)
パックから初めて出た再録禁止カードは?
パックから出ちゃう再録禁止カードを「最初に買った」に該当するなら、
《Sandals of Abdallah》ではなくなる。
そうなるとどれが最初だったのかなー?と思い出すと、

《Shallow Grave/浅すぎる墓穴》
コスト:1黒
インスタント
あなたの墓地の一番上のクリーチャー・カードを1枚戦場に戻す。
そのクリーチャーはターン終了時まで速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。
レア
このミラージュのレアだ。
《動く死体》やこの《浅すぎる墓穴》ででかい生物を釣り上げ、
《Burnt Offering》で生贄に捧げてX火力撃ってた。
このリアニメイトデッキは、
当時デザインする人が全くおらず、
自分が作って皆が驚いていたのを覚えている。
トレードで《動く死体》を4枚集め、
《浅すぎる墓穴》は自力で2枚引いたものを使っていた。
釣る先は《真紅のヘルカイト》や《シヴ山のドラゴン》。
下手なデッキより遥かに強かった。
懐かしいなぁ。
・・・とこんなデッキを組めるMTG一年生だったのに、
最初に海外から買ったカードは《Sandals of Abdallah》。
三つ子の魂百までとはよく言ったもので、
そこから何年経っても自分はあんまり変わっていない。
好きなようにデッキを組み、
へんてこなカードは迷わず買い、
いまだにこの魔法の世界から出る事もない。
現在の《Sandals of Abdallah》
なお、最初に買った《Sandals of Abdallah》は、
今も大切にアルバムに保管されている。
たまに眺めているだけのカードで、
一度も使っていないけれども、
一切後悔はしていない。
むしろ買ってよかったとしか思っていない。
理由?
楽しいからだ。
なお、ここから一年くらいした時、
絵が気に入ったという理由で、
《Urza’s Miter》
を買う。
もちろん現在まで一度もプレイした事はない。
終わりに
みんなこのくらいの勢いでMTG買って魔法の世界を楽しもう。
20年くらいディープにやってるとめちゃくちゃ楽しいから。
ではまた。
