へんてこデッキ紹介 ヴィンテージ編
記事作成日:2024/08/15 執筆:加藤英宝
ある日見つけたヴィンテージの怪しいデッキ。
とりあえずデッキの内容を見てみてほしい。
デッキリスト
1《マイアの回収者/Myr Retriever》
2《執念深い炎焚き/Vindictive Flamestoker》
-インスタント12枚-
1《Ancestral Recall》
1《渦まく知識/Brainstorm》
2《否定の力/Force of Negation》
4《意志の力/Force of Will》
1《精神的つまづき/Mental Misstep》
3《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》
-ソーサリー4枚-
1《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
1《思案/Ponder》
1《Time Walk》
1《修繕/Tinker》
-アーティファクト19枚-
1《Black Lotus》
1《探検の地図/Expedition Map》
3《胆液月の篭手/Ichormoon Gauntlet》
2《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
1《魔力の墓所/Mana Crypt》
1《魔力の櫃/Mana Vault》
1《多用途の鍵/Manifold Key》
1《Mox Pearl》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Jet》
1《Mox Ruby》
1《Mox Emerald》
1《オパールのモックス/Mox Opal》
1《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
1《Time Vault》
-プレインズウォーカー9枚-
2《ダク・フェイデン/Dack Fayden》
2《支配の片腕、ドビン/Dovin, Hand of Control》
1《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
1《ビヒモスを招く者、キオーラ/Kiora, Behemoth Beckoner》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》
-土地13枚-
3《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3《冠雪の島/Snow-Covered Island》
1《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
4《ウルザの物語/Urza’s Saga》
1《Volcanic Island》
-サイドボード15枚-
1《ジェラードの砂時計ペンダント/Gerrard’s Hourglass Pendant》
2《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall》
1《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》
2《真髄の針/Pithing Needle》
2《撤廃/Repeal》
1《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》
2《The Tabernacle at Pendrell Vale》
2《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
1《倦怠の宝珠/Torpor Orb》
とても怪しい。
あんまり使われてないプレインズウォーカーが数人。
《執念深い炎焚き》なんて普通使われいる生物でもない。
1枚だけの《マイアの回収者》もなかなかに謎。
一体何をする気なんだろうか?と思うようなデッキだ。
極めつけは《胆液月の篭手》。
これだけは何をするかわかるとはいえ、不思議なデッキである事に変わりはない。
ついでに土地13枚って結構ギリギリじゃない?
回し方
実際に使ってみようと思い使ってみた。
すんごい変なデッキだ。
一応回る。
とにかく《Time Vault》がキーカードだって事はわかる。

《Kiora, Behemoth Beckoner/ビヒモスを招く者、キオーラ》
コスト:2(緑/青)
伝説のプレインズウォーカー キオーラ(Kiora)
パワーが4以上のクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、カードを1枚引く。
[-1]:パーマネント1つを対象とし、それをアンタップする。
7
これの能力で《Time Vault》使うと最大7ターン得られる。
ンな事しなくても勝てるだろうって?
そう言われましても。
ちなみに《トレイリアのアカデミー》をアンタップすると莫大なマナを生み出せる、なんていう使い方もする。
結構色々な方法で遊べる1枚。
マナが余っている場合は2段階目になっている《ウルザの物語》をアンタップして、トークンを増やすという道もある。

《Saheeli, Sublime Artificer/崇高な工匠、サヒーリ》
コスト:1(青/赤)(青/赤)
伝説のプレインズウォーカー サヒーリ(Saheeli)
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、無色の1/1の霊気装置(Servo)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
[-2]:あなたがコントロールしているアーティファクト1つと、あなたがコントロールしている他のアーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。
ターン終了時まで、その前者はそれの他のタイプに加えてアーティファクトでもあることを除き、その後者のコピーになる。
5
この能力でアンタップ状態のアーティファクトを《Time Vault》に化けさせる事も可能。
あとこのサヒーリは《逆説的な結果》を駆使して1/1を大量に出せるので、フィニッシャーにもなっている。
なかなかに個性的で面白い。

《Ichormoon Gauntlet/胆液月の篭手》
コスト:2青
アーティファクト
あなたがコントロールしているすべてのプレインズウォーカーは
「[0]:増殖を行う。」
と
「[-12]:このターンに続いて追加の1ターンを行う。」
を持つ。
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、パーマネント1つを対象とする。
それの上にあるカウンター1個を選ぶ。
そのパーマネントの上に、追加でその種類のカウンター1個を置く。
レア
これが色々なカードに刺さる怪しいキーカード。
プレインズウォーカーに2つの能力を追加付与させ、さらにクリーチャーでない呪文に対してミニ増殖が誘発。
やり方次第で連続追加ターンや、プレインズウォーカーの奥義連打出来るよねっていうカード。
0マナのアーティファクト出すだけでもミニ増殖出来るのでこれがかなり強い。
でも、それだったら、
《時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes》
《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
あたり入れといたほうが強くない?
と突っ込みたくなるところだが、このデッキは妙に尖っていてそのへんは無視するようだ。
《逆説的な結果》は説明不要の最強ドローエンジンカード。
撃って0~1マナあたりのアーティファクトを戻すのがメインの使い方で、これで一気にマナとドローを加速させるとともに《胆液月の篭手》でミニ増殖も、という構成だ。
なお、《胆液月の篭手》は複数張ると当然複数誘発するので、《Time Vault》無しでも《逆説的な結果》からのミニ増殖、そしてプレインズウォーカーの-12能力での追加ターン連打がありえる。
なんとも面白いデッキだ。
何で勝つの?っていう話だと、
《ウルザの物語》のトークン
《崇高な工匠、サヒーリ》のトークン
がほとんどだろう。
さすがに
1《マイアの回収者》
2《執念深い炎焚き》
この3枚で殴り切るのは現実的ではない。
そもそも《執念深い炎焚き》はドローエンジンだろうし、《マイアの回収者》は保険じゃなかろうか。
あとは《マイアの回収者》をサヒーリの能力でコピーするなんて方法に使うはず。
使ってみた感想としては、
「怪しくて面白い。」
思ったより動くし、それなりにいろんなデッキに対応出来る。
興味を持った人は是非プレイしてみよう。
一風違ったヴィンテージの世界を楽しめることだろう。
ではまた。