EDHデッキ紹介その219(巻物の君、あざみ)
記事作成日:2024/07/29 執筆:加藤英宝
今日はちょっと変わった感じのEDHデッキ紹介。
太古の昔と違って、《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》は違うデッキが組めますよーというお話。
統率者

《Azami, Lady of Scrolls/巻物の君、あざみ》
コスト:2青青青
伝説のクリーチャー 人間(Human) ウィザード(Wizard)
あなたがコントロールするアンタップ状態のウィザード(Wizard)を1体タップする:カードを1枚引く。
0/2
レア
パワー0かつ強化能力無しの時点で虫も殺せないジェネラル。
殴る事に一切向かないドロー特化の能力。
能力は決して弱くないものの、10年以上前ではそこから勝ちにつなげる手段が難しかった。
が、
今ではそうでもないのでそのあたりをご紹介。
さらに今回は「安く組める」も含めた考えで構成。
なので最初から書いておくと、
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《意志の力/Force of Will》
《激情の後見/Fierce Guardianship》
《否定の力/Force of Negation》
《運命のきずな/Nexus of Fate》
《金属モックス/Chrome Mox》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《宝石の睡蓮/Jeweled Lotus》
などあったほうが良いカードはたくさんあれどもそのあたりを無視し、構築しやすさを重視。
もちろん持っている人は入れよう。
デッキリスト
デッキは以下。
-クリーチャー(1マナウィザード)17枚-
《呪い捕らえ/Cursecatcher》
《ダクラの神秘家/Dakra Mystic》
《溺れさせる者の信徒/Drowner Initiate》
《フェアリーの予見者/Faerie Seer》
《不運な研究者/Hapless Researcher》
《映像の造形者/Imagecrafter》
《霜の殉教者/Martyr of Frost》
《圧倒される弟子/Overwhelmed Apprentice》
《エピティアの賢者/Sage of Epityr》
《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》
《空見張りの達人/Skywatcher Adept》
《対称の賢者/Symmetry Sage》
《翼作り/Wingcrafter》
《セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamer》
《突風の統率者/Caller of Gales》
《自在自動機械/Universal Automaton》:多相
《鱗粉の変わり身/Mothdust Changeling》:多相
-クリーチャー(2マナ以上ウィザード)13枚-
《石ころ川の旗騎士/Stonybrook Banneret》
《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》
《カーフェルの先触れ/Karfell Harbinger》
《十三嗜好症/Triskaidekaphile》
《海の占術師/Sea Scryer》
《ザルファーの魔道士、テフェリー》
《ヴォーデイリアの秘儀術師/Vodalian Arcanist》
《潮廻しのヴォルシェ/Volshe Tideturner》
《ヴィダルケンの霊気魔道士/Vedalken AEthermage》
《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
《アフェットの錬金術師/Aphetto Alchemist》
《突風起こしの巨人/Galecaster Colossus》
-クリーチャー(ウィザード以外)1枚-
《夢を穢すもの/Defiler of Dreams》
-インスタント13枚-
《断れない提案/An Offer You Can’t Refuse》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《遅延/Delay》
《撃退/Foil》
《記憶の欠落/Memory Lapse》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《応じ返し/Snapback》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《劇的な逆転/Dramatic Reversal》
《乱動への突入/Into the Roil》
《一瞬/Blink of an Eye》
《猿術/Pongify》
《急速混成/Rapid Hybridization》
-ソーサリー6枚-
《通り抜け/Step Through》
《時間のねじれ/Time Warp》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
《カーンの経時隔離/Karn’s Temporal Sundering》
《明日の標/Beacon of Tomorrows》
《水の帳の分離/Part the Waterveil》
-エンチャント2枚-
《対立/Opposition》
《テフェリーの永遠の洞察/Teferi’s Ageless Insight》
-アーティファクト17枚-
《秘儀の印鑑/Arcane Signet》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《友なる石/Fellwar Stone》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《守護像/Guardian Idol》
《液鋼の首飾り/Liquimetal Torque》
《空色のダイアモンド/Sky Diamond》
《精神石/Mind Stone》
《エボニー・フライ/Ebony Fly》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《星のコンパス/Star Compass》
《思考の器/Thought Vessel》
《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
《アイレンクラッグ/The Irencrag》
《ニクスの睡蓮/Nyx Lotus》
《Jeweled Amulet》
-プレインズウォーカー1枚-
《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》
-土地29枚-
《虹色の眺望/Prismatic Vista》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》
《激浪の研究室/Riptide Laboratory》
《変わり谷/Mutavault》
《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
《聖遺の塔/Reliquary Tower》
19《島/Island》
一応土地は高額どころを少々は書いてあるものの《水辺の学舎、水面院》だとかフェッチだとか無駄に高いと思う土地カードは困ったら全部《島》で構わない。
安いところで、
《ヴァントレス城/Castle Vantress》
《裂け谷/Rivendell》
くらいは採用もいいかも。
占術はまぁまぁ使えるので。
《変わり谷》も無理しなくていい。
クリーチャー化すると当然ウィザードになるわけで、あざみでドロー出来る方法になるから。
マナ足りなくてだいたいそんな事しないんだけどね。
たまにウィザードとして役に立つ程度。
勝ち筋
基本コンセプトは勝利条件でのみ勝利。

《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》
コスト:青青
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk)・ウィザード(Wizard)
タッサの神託者が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る。Xは、あなたの青への信心に等しい。そのうち最大1枚をあなたのライブラリーの一番上に置き、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。Xの値があなたのライブラリーにあるカードの枚数以上であるなら、あなたはこのゲームに勝利する。(あなたの青への信心とは、あなたがコントロールしているパーマネントのマナ・コストに含まれる(青)の総数である。)
1/3

《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》
コスト:1青青青
伝説のプレインズウォーカー – ジェイス(Jace)
あなたのライブラリーにカードがないときにあなたがカードを引くなら、代わりにあなたはこのゲームに勝利する。
[+1]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚切削する。カードを1枚引く。
[-8]:カードを7枚引く。その後、あなたのライブラリーにカードがないなら、あなたはこのゲームに勝利する。
忠誠度:4

《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
コスト:2青
クリーチャー — 人間(Human)・ウィザード(Wizard)
あなたのライブラリーにカードが無いときにあなたがカードを引く場合、代わりにあなたはこのゲームに勝利する。
2/2

《十三嗜好症/Triskaidekaphile》
コスト:1青
クリーチャー — 人間(Human)・ウィザード(Wizard)
あなたの手札の上限はなくなる。
あなたのアップキープの開始時に、あなたの手札にちょうど13枚のカードがある場合、あなたはこのゲームに勝利する。
(3)(青):カード1枚を引く。
1/3
の4枚のみが勝利方法。
殴り勝つなど夢のまた夢。
まず不可能な構成。
一番簡単なルートは当然《十三嗜好症》。
ウィザードの勝利条件である3枚は、
《ヴィダルケンの霊気魔道士》
《通り抜け》
の2枚でウィザード・サイクリング出来るのでサーチしてそのまま勝利につなげるという方法が取れる。

《ヴィダルケンの霊気魔道士》
コスト:1青
クリーチャー — ヴィダルケン(Vedalken)・ウィザード(Wizard)
瞬速(あなたはこの呪文を、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。)
ヴィダルケンの霊気魔道士が戦場に出たとき、スリヴァー(Sliver)1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
ウィザード(Wizard)・サイクリング(3)((3),このカードを捨てる:あなたのライブラリーからウィザード・カードを1枚探す。それを公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。)
1/2

《通り抜け》
コスト:3青青
ソーサリー
クリーチャー2体を対象とする。それらをオーナーの手札に戻す。
ウィザード・サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:あなたのライブラリーからウィザード(Wizard)・カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。)
その中でも手札13枚が案外簡単に出来るので、《十三嗜好症》は最も成立しやすい勝利条件。
追加ターン呪文があるとさらに楽々。
殴りたい人は《旗印/Coat of Arms》を入れよう。

《旗印》
コスト:5
アーティファクト
各クリーチャーは、それと共通のクリーチャー・タイプを少なくとも1つ持つ、戦場に出ている他のクリーチャー1体につき+1/+1の修整を受ける。(例えば、2つのゴブリン(Goblin)・戦士(Warrior)と1つのゴブリン・シャーマン(Shaman)が戦場に出ている場合、それらはそれぞれ+2/+2の修整を受ける。)
ついでに安く作って殴りたい場合は、
《練達の魔術師、ナル・メハ/Naru Meha, Master Wizard》
《順応する自動機械/Adaptive Automaton》

《練達の魔術師、ナル・メハ》
コスト:2青青
伝説のクリーチャー – 人間(Human)・ウィザード(Wizard)
瞬速
練達の魔術師、ナル・メハが戦場に出たとき、あなたがコントロールしていてインスタントかソーサリーである呪文1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。
あなたがコントロールしている他のウィザード(Wizard)は+1/+1の修整を受ける。
3/3

《順応する自動機械/Adaptive Automaton》
コスト:3
アーティファクト・クリーチャー – 構築物(Construct)
順応する自動機械が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。
順応する自動機械は、それの他のタイプに加えてその選ばれたタイプでもある。
あなたがコントロールする、その選ばれたタイプの他のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
2/2
この2つは数少ないウィザード強化方法。
あとは《ウルドのオベリスク/Obelisk of Urd》も良い。

《ウルドのオベリスク》
コスト:6
アーティファクト
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー1体で、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
ウルドのオベリスクが戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。
あなたがコントロールする、その選ばれたタイプを持つクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。
何がなんでもウィザードで殴りたい人はこのあたりをどうぞ。
逆に
「殴りたくない!勝利条件だけで行く!」
という人は《旗印》などはデッキから抜こう。
マナ・アーティファクトやウィザードを追加すればOK。
もしくは何も考えずに追加ターン増やすもアリ。
追加ターンが無い人は《転換/Turnabout》を入れておこう。

《転換》
コスト:2青青
インスタント
アーティファクトかクリーチャーか土地を選ぶ。プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールする選ばれたタイプのアンタップ状態のすべてのパーマネントをタップするか、そのプレイヤーがコントロールする選ばれたタイプのタップ状態のすべてのパーマネントをアンタップする。
これで全ウィザードをアンタップするだけで相当な枚数のドローが稼げる。
あとはリストに採用していないが、
《等時の王笏/Isochron Scepter》を入れるのも1つ。
これに《劇的な逆転》刻印で一発でゲーム終了まで持っていける。

《等時の王笏》
コスト:2
アーティファクト
刻印 ― 等時の王笏が戦場に出たとき、あなたはあなたの手札にあるマナ総量が2以下のインスタント・カードを1枚、追放してもよい。
(2),(T):あなたは、その追放されたカードをコピーしてもよい。そうしたなら、あなたはそのコピーを、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
条件
・アーティファクトで3マナ以上出せる。
・《等時の王笏》に《劇的な逆転》を刻印。
だけでOK。
一度決まれば無限マナになり、無限マナからあざみをプレイして無限ドローに持っていけるので、そのまま勝利条件カードで終わる。
ある意味瞬殺コンボ。
1マナのウィザードはかなり重要なのであまりデッキから抜かないほうが良い。
特に《夢を穢すもの》が出ている時の威力がすごい。

《夢を穢すもの》
コスト:3青青
クリーチャー – ファイレクシアン(Phyrexian)・スフィンクス(Sphinx)
飛行
青のパーマネント呪文を唱えるための追加コストとして、あなたは2点のライフを支払ってもよい。これによりあなたがライフを支払ったなら、その呪文を唱えるコストは(青)少なくなる。この効果は、あなたが支払う青マナの点数のみを減らす。
あなたが青のパーマネント呪文を唱えるたび、カード1枚を引く。
4/3
2ライフだけでウィザードをプレイ。
その後、《夢を穢すもの》の能力でドロー、さらにあざみ能力でドロー。
この2枚のドローに1マナウィザードがあれば同様の事が繰り返し。
結構この動きは強い。
あざみを安く構築する際の最重要と言ってもいいくらい。
ちなみにあざみは危険な生物だと思われがちなので、単純に除去を食らう事も多い。
きっちり守るために多少のカウンターを積んでおく事がベスト。
2~3ターン生き残ると相当量のドローが可能になる。
ここから自分のライブラリーを引き切るところまで案外と出来る。
あとはどの勝利条件カードを使うかだけのようなもの。
ちなみに《タッサの神託者》は純粋に「青信心の数」をしっかり参照して勝てる。
ライブラリーを何もゼロにする必要がない。
青信心の数20くらい状況によっては可能になり、あっさりとその数字で勝つ事が出来る。
それから、今回採用はしていないが、《崩れゆく聖域/Crumbling Sanctuary》という怪しいカードの採用も一考の価値あり。
全勝利手段が消えるとシャレにならないが、ダメージで死ぬ事が滅多に無くなる。
あとコンボデッキが誰かに殴られてコンボパーツが吹き飛ぶ可能性も出てくる。
この一切殴らない平和主義みたいなデッキ、
是非ともプレイしていただきたい。
ではまた。