店主のひとりごと。その6 新商品の速度と量の問題
記事作成日:2024/07/25 執筆:加藤英宝
さて今日は何書こう。
よし、EDHの話にしよう。
なに?いつもと変わらないだと?
だいじょぶ。
少しは違う角度で話をする。
先日どっかで拾った話。
海外のサイトでEDH Tier Listを作ってたサイトの管理人が、
「WotCにもうついていけねえ。 新商品に伝説生物出しすぎて更新出来ねえんだよ。」
と更新を止めたというお話。
あーあ、やっちゃったよWotC。
これユーザーに思わせちゃアカンて。
しかもこういうHPの管理人に。
こういうHPの管理人ってのは熱意ある人なんだよ。
そういう人の心折ったらまずいんだってば。
HPが更新しなくなる事による影響あるんだからさ。
実際EDHが面白くなくなる理由ってWotCが介入するからなんだよ。
絶対に糞だったと言い切ってもいいのは、共闘と背景選択。
共闘と背景選択って2枚のジェネラルと98枚のデッキ。
これは言い方を変えれば最初からライブラリーが1枚少なくて済む。
デッキ合計が100枚で構成されている関係上、1枚のジェネラルと99枚のデッキの形とは1%の違いがあるわけだ。
EDHの面白みを最初っから崩しにかかっている。
EDHの面白みというのは、
・どんなカードも1枚しか使えない(例外はある)
・デッキが合計100枚でなければならない
・ジェネラルの存在
といった事に集約されている。
(デッキ構築をベースとした視点であり、
心理的な視点ではない。)
この部分をぶっ壊すのは最悪なのだ。
EDHのTier Listの管理人はさぞかしうんざりしていた事だろう。
ジェネラルが2枚に出来る奴等がTierの上に座り続けていたのだから。
その実態として、ジェネラルがただのカラーマーカーに等しい事が問題。
共闘も背景選択もジェネラルを2枚選ぶ事からデッキの色を増やせる。
そして、
カードプールを増やして結局のところコンボに繋げるだけ。
ジェネラルの性能なんてものはまるで無視なんて事もある。
もちろん多少は使えるものを選ぶ事は多いのだが、何にしてもカラーマーカーという役割である事は否定出来ない。
背景選択は言うほど現状では強くないものが多いけれども、今後どうなるかわかったものじゃない。
その次の問題としてはやはりデッキの割合。
ジェネラル1枚:99枚
ジェネラル2枚:98枚
の差がどれほどの差かなんて、ちょっと考えたらわかるようなものだ。
試行回数が多ければ多いほど、差の大きさは如実に出る。
具体的に考えてみるとわかりやすい。

《太陽の指輪/Sol Ring》が両方のデッキに入っている。
99枚と98枚のどちらが確率的に引きやすいか?
ただそれだけだ。
確率の話は当然ながら
試行回数が多ければ多いほどこの差は如実に出る事になる。
他のカードの全てにおいても言える事。
1枚差は十分に確率に影響している。
初手7枚を取る段階で影響してくる。
初手7枚が98枚と99枚ではフェアではないのだ。
ついでに書けば、ジェネラルが2枚というのは当然手札が1枚増えている事と同義なので、それもフェアではない。
いくら共闘や背景選択系は弱くデザインされているからといって、この部分をフェアでなくすのはおかしい。
「スタートラインが違う土俵」
というものを公式が作るべきではない。
最初にEDHを作った人達は、こんな形でWotCが土足でEDHの世界に入り込んでくるなんて予想しなかった。
それがTier1に居座られたらそりゃあ不快なものだろう。
次に、WotC社が作る新商品の速度と量の問題。
これもいちいちEDHを意識しすぎている事が全体的問題になっている。
・スタンダードで使えないカードがスタンダードのパックに入っている
・EDHでしか意味がないテキストがスタンダードカードのテキストにある
・伝説の生物を多く出しすぎる
といった問題だ。
伝説の生物を多く出す事での問題は、Tier Listの管理人からすれば大変だ。
「新しく出たどいつが強い奴なんだよ!
研究する時間が足りない!
異常な速度で新商品出すんじゃねえよ!」
という一言で言いたい事は全部伝わるだろう。
追いかけきれないのだ。
デッキ作って研究して、
「お?このジェネラル、実は強いんじゃない?」
「いやー、強いと思ったけど弱かったなー。」
「弱くねえんだけど、Tier1は無理だなー。」
こういった事を知るには結構な時間と試行回数が必要だ。
それを全ての伝説生物で試すのはとても難しい。
もちろん中には見ただけで弱いとわかる奴等がいっぱいだ。
が、
時々いるんだ、使ってみると異様な強さを出す奴や、特定のコンボを秘めているへんてこ生物が。
んで、それを徹底的に研究するのがEDHの醍醐味なのだ。
しかし、公式(WotC社)に左右されたいわけではない。
店主はそろそろ2年くらい同じジェネラルのデッキが4つある。
Tier1かどうかなんて興味もないが、徹底的に使い倒し、研究し続けている。
新しいデッキを組む事もしているものの、お気に入りのデッキを極める事はやめたくない。
カードはともかく、時間がないのが一番のネック。
こういう思いをしている人も多いんじゃなかろうか。
海外のEDH-tier-Listを作っていた人はそこでついていけない気持ちになったのだろう。
「上位が共闘ばっかでつまんねえよ!」
だったのか、
「もう追いかけきれねえんだよ!」
だったのか、
「俺はもう飽きた!」
だったのか、
いやいや、もしかしたら全部だったかもしれない。
どれであろうとも、WotC社がユーザーをこういう気持ちにさせないでほしいと願うばかりだ。
「人類は生きていかなければいけない以上は小麦の奴隷である。」
という言葉を聞いた事がある。
日本人は気合と根性と独自技術で
「米がありゃ小麦は無視出来る。」
なんて言いそうな国民だけども。
我々MTGプレイヤーは「紙の奴隷」である。
そんな簡単にMTGから離れない奴隷ちゃんだらけなのだ。
(離れる人もいるけどね。)
貴族(WotC)は奴隷(ユーザー)がいるから貴族になれているわけだが、そりゃあもう貴族は奴隷なんざいくらでも替えが効くと思っているのが常だろう。
それでも奴隷も命があるし、心もある。
時には牙をむいてくる奴隷もいる。
奴隷を酷使しすぎちゃアカンのだ。
そのあたりの加減くらいは考えてほしいのだ、いち奴隷として。
現状のEDHを比喩で言うなら、
毎日小麦のための農作業をやらされる奴隷が、休みの時間にブドウ育てて美味しく食べていたら、
「お、いいじゃねえかそのブドウ。
そのブドウでワイン作って商業化すんぞ。
黙って作れ。」
って貴族から言われて、作っていたブドウの質が低下したような状態。
ワイン売り出した貴族はそれでいいだろうけど、奴隷はもう楽しみ搾取されてつまんなくなってる状態。
でもブドウ無くなっても嫌だから作って食べてる。
奴隷が欲しているのはブドウであって、ワインではない。
こんな感じじゃなかろうか。
Wotc社はもうちょっと我々紙の奴隷の事考えて。
ブドウがなくなったら困るのは貴族のほうだよ。
ではまた。
