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原画展示 MTG 30TH ANNIVERSARY CELEBRATION TOKYO(後編)

記事作成日:2023/09/20 執筆:加藤英宝

MTG30th ANNIVERSARY CELEBRATION TOKYOに行った話。後編。
前編をまだ読んでいない方はこちら
https://cardshop-serra.com/material/column/31509

今回はたまたまお話をしていた際に、齋藤友晴さんと一緒に行く事に。

彼に会うのはなんだかんだで久しぶり。
以前に会ったのは春、東京に行った時にカードンに寄った時以来4か月ぶりかと。

全体を見た感想と、Xでもやや話題となっていた原画の展示方法についてなんかも少し言いたいことを書いていきます。
長文ですがお付き合いください。

来場受付での対応

二人で宮下パークに行き受付へ。

今回店主は原画を貸出している事で運営側から、
「そのまま来て下さい。受付に名前を言えば入場用リストバンドをお渡しします。」
と言われているので、前売り券などは買っていない。

友晴さんは一日入場券を購入。

店主は
「原画を貸し出した者です。受付で入場券をもらえると聞きました。」
と言ったところ、
受付の人から、
いくつ欲しいですか?
と。

あれ?これ複数もらえたの?
5人くらい連れてきたら5人分無料になった?
そして隣にいる友晴さん、既に入場券買っちゃったよ。
別にこっちも聞かなかったが、せめて
「同伴者X名まで前売りリストバンドを配布します」
って事前に言ってよ

エスカレーターはGOOD

で、中に入る。

宮下パークはショッピングモールで、その入っている店舗の一部にコラボメニューがあるようだ。

至るところにMTGを祝うポスターやらデコレーションがされている。

エスカレーターが一番印象的、手すりがカード模様になっている。

これはなかなか面白い試み。
これならMTGしていない人にもちょっぴり宣伝出来ている

デジタル原画のスライドショーは疑問

まずはコラボショップを無視して展示スペースへ。
MTGの世界ではまぁまぁ名と顔が知られているせいか、展示スペースの手前くらいから、

「あ、英宝さんだ!」
「トモハッピーさんだ!」

という声が何度も。
そしてお約束のごとく記念写真撮影。

展示スペース付近で多くの方からお声をかけていただき、その度に記念写真を撮っていた。
既に展示品を見た人からは、
英宝さん所持の原画見ました!というかそれを見に来ました!グルとセラ最高です!
とも言ってもらえた。
なんだか嬉しい。

記念写真を何度か撮った後はデジタル原画コーナーへ。
ここはディスプレイを縦に設置し、それをズラリと10個程並べて、各ディスプレイに設定されたデジタル原画が数秒ごとに変化。

・・・これ、いる?
少なくともこのコーナーにいる人、
「ふーん。」
という雰囲気でじっくり眺めている人ゼロなんだけれども。
自分も友晴さんもじっくり眺める事なんて一切無く。
というよりも、じっくり眺める前に画面が切り替わるので、全くもって意味を成していない

デジタル原画ならWotCの公式ページにでも並べて、そのまま見られるようにしたら?

わざわざ高い場所代払ってやらんくても・・・。

という感じでさらっと見ておしまい。
次の場所へ。
ある意味今回のメイン部分

天野リリアナとの対面

天野喜孝先生のリリアナの複製原画の場所へ。

<出典:MTG公式サイト>

今回天野先生は、MTG30th ANNIVERSARY CELEBRATION TOKYOのために複製原画を作られたのだとか。
つまり現時点では、

原画:この世に1枚
複製原画:この世に1枚

という状態だ。
これはこれでとても貴重。

貴重なのはいいが、警備員がいないぞ、このコーナー
いいのか、これで。
撮影禁止と書いてあるけど、この警備員がいないザルっぷりは多分撮影出来ちゃうぞ。

運営会社、大丈夫?

天野先生の価値わかってる?

複製原画とはいえ、この1枚に何かあったらゴメンナサイでは済まないぞ。
こちとらこの天野リリアナの前で手を合わせて拝みたいくらいに好きなんだぞ。
もっと大切に扱え、この野郎

そんな気持ちになりながら次のコーナーへ。

カード展示

次のコーナーはMTGの歴史を物語るためのシングルカードコーナー。
各エキスパンションからいくつかの代表カード達展示。

あまり用意出来なかったからなのか、
アルファ
ベータ
アンリミテッド
アラビアンナイト
アンティキティー
レジェンド
・・・簡単に言ってオールドスクールのカードプール関連はとてもカードが少ない。
もうちょっとこのへんは強めに展示品欲しいところ。
せっかくの30周年を祝うイベントなのだから、その最初の歴史と言えるMTGの歴史の1~2年目のカードはもっと強めにしてほしかった。
「ここからMTGが始まったんだぜ!」
っていう感じで展示してほしかった。

目玉のひとつ、七福神ドラゴン

そして今回もホビージャパンから借りてきたであろう《七福神ドラゴン》
これだけは眼福。
こういう機会以外では見る事も出来ない一番の貴重品。

知らない人は多そうなのでMTGの無駄知識過積載の店主がここで書いておこう。
七福神ドラゴンを描いたChristopher Rushさんは、

Black Lotus
Blacker Lotus
睡蓮の花/Lotus Bloom
《1996 World Champion》
稲妻/Lightning Bolt》(最初の絵)
渦まく知識/Brainstorm》(最初の絵)
大天使/Archangel》(最初の絵)
All Hallow’s Eve
ルフ鳥の卵/Rukh Egg
Su-Chi
トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble

などの人気カードを手掛けているだけでなく、
カードの裏側のMagic: The Gatheringのロゴデザイン、そしてマナシンボルデザインをしている人でもある。

Christopher Rushさんは
MTGを語るにおいて外す事の出来ない絵師のナンバーワン
と言って間違いないだろう。
リチャード・ガーフィールドと並ぶ、
「ミスター・マジック」
と言っても過言ではないイラストレーター。

そんなChristopher Rushさん、今から7年程前の2016年2月10日に亡くなってしまった。
50歳という、まだまだこれからと言える年齢だった。
現在も遺族の意向によりfacebookアカウントは残したままになっている。
facebookアカウントはChristopher Rushさんにフレンド申請はもう出来ない。
以前からChristopher Rushさんのフレンドだった人はそのままフレンドでいられる。
ちなみに店主はChristopher Rushさんのフレンドになっている。

この御方がご存命であったのなら、今回の30thに是非ともご来場いただきたかった。

カードの撮影禁止は意味不明

この七福神ドラゴンとアルファのパワー9だけは撮影禁止になっていた。
アルファのパワー9って別に撮影禁止にする必要あるんだろうか
ついでに言うと
Mox Jet》はDan Frazierサイン
Mox Sapphire》はRichard GarfieldとDan Frazierのダブルサイン
が入っていた。

25thの時もこんなんだったような?
サイン入りで統一するか、サイン無しで統一するかどっちかにすればいいのでは?

それと展示の仕方が25thの時より悪くなっていて、パワー9がズラッと並んでいた25thのほうが良かった。

問題の貸出原画コーナー

シングルカードのコーナーを抜けると貸出原画展示部分。

ネットでかなり叩かれたところだ。

・警備がザル
・光の当て方が悪くて原画を痛める

といったコメントが散見された。
これは確かにわかる。
やる人がいないと信じたいところではあるけど、

・原画を傷つけようと思えば出来る
・原画を壁から簡単に外せそう

という2点は十分に問題だ。

去年、美術館で環境団体が絵にトマトスープをかけるという事件もあった。(額で守られていたため、絵は無事だった。)
そういった事を鑑みても、多くの人から借りている原画なのだからもっと大切に扱って欲しい

で、本当に飾られていないGuru Landの《沼/Swamp》。
見たかった人多かったのでは?

今回面白い試みだと思ったのは原画の所持者を掲載しているところ。
掲載を希望しない人は匿名になっているが、ほとんどの原画は所持者を掲載されていた。

<特別な許可を得て撮影しています>

店主が4枚
別の一人の方2枚
あとは全員1枚

だった。
4枚(実際は5枚)貸し出している自分がちょっと異例なのがわかる。

あと、結構な人が
セラの天使/Serra Angel》Douglas Shuler
セラの天使/Serra Angel》Rebecca Guay
Guru Land《島/Island
Guru Land《山/Mountain
の場所で足を止めてくれているのがわかる。

後ろのほうでそれをのんびり見ていると、
気付いた人が、
「後ろに所持者がいた!」
っていう反応してくれるのがちょっと嬉しかった。

ここでも気付いて写真一緒に撮って下さいと言われたり、
この原画を見るためだけに来ましたと言ってもらえたり。

こういう言葉をもらうとコレクター冥利

謎のオブジェ

ここを見終わった後はエスカレーターを降りて吹き抜け空間の謎のMTG30thのオブジェへ。
このオブジェ、いくらかかったかわからないが、本当に必要だったんだろうか。

<出典:MTG公式サイト>

このスペースもカード展示だったほうがユーザー受け良かったと思う。
MTG知らない人から見てもユーザーから見てもMTGの展示品だとわからないんじゃ?

もちろんシングルカード展示+原画展示のように人が集まっていない。
ほとんどの人がさらっと見ておしまいだ。
もしくは全く見ないかのどちらか。

不要なんじゃない?これ。

友晴さんと店主もそのままさらっと見ておしまい。

エルドレインの森 WORLD GUIDE

そのままエルドレインの森の設定資料を見に。
ここも広いスペースのわりに大した展示がなく、さらっと見ておしまい。

コラボメニュー

ここで一度休憩兼ねてコラボメニューのあるところへ。
友晴さんは
「このコラボドリンクはお酒入っていないんですかねぇ?」
飲む気だ。
この人飲む気だ。
ひとまず店員さんに確かめてみる。
「このメニューはお酒が入っていないようですが、お酒にする事は出来ますか?」
「すみません、出来ません。」
「ダメみたいですよ、友晴さん。」
「じゃあスパークリングワイン飲みましょう、英宝さん。」
こういう機会はたまにしか無いので店主もお付き合い。
コラボドリンクもついでに注文。

プレイヤーズラウンジは雰囲気◎

軽くお腹を満たした後は、そのままプレイヤーズラウンジへ。
その途中に貼ってあったポスターがイイ感じだ。

特に
リシャーダの港/Rishadan Port
抹消/Obliterate
のポスターが良い。
このカードをチョイスした人センスある。

プレイヤーズラウンジは最低一人一杯のドリンクを注文する必要がある。
一杯1000円で各マナシンボルに応じたコラボドリンクがある。
とりあえず白を注文。
友晴さんは、
「これお酒入ってないんスか?」
と聞いている。
飲む気だ。
この人飲む気だ。
店員さんが「入ってません。」
「じゃあハイボール。」
コラボドリンク無視した。


なんだか今月のKみたいな飲み方しているな、この人。

どうなの物販?

最後は物販
前日にシヴァドラのプレイマットが売り切れたと聞いていた。
どうして一日の販売個数や各個人が買う個数を制限しなかったんだろう。
転売屋が蔓延る元じゃないか。
店主は別にプレイマットに限らず無理して欲しいものがないので、それほど気にならないけれども、欲しい人から見れば制限をかけなかったのは結構大きな問題だっただろう。

店主はカードと原画さえあればだいたい満足だ。
MTGのプレイ結果にプレイマットが何であるかは影響しない。

ちなみに25thと30thはどっちも運営会社は一緒。
皆様知らないと思うのと、BIG MAGICさんの名誉のために書いておこう。

25thも30thもBIG MAGICさんと田中忠商事という会社の共同主催らしい。
物販は田中忠商事。
つまり個数制限しなかったのは田中忠商事のほうだ。
警備の問題や展示の仕方の問題はどっちなのかは知らない。

原画貸出の対応について物申したい

それと今回、実は原画を貸し出す際に田中忠商事の人には電話をしている。
その時に、
「MTGを知っていますか?」
と質問してみた。
「勉強はしております。」
という一番ダメな回答が来た。
知らないと回答したのと同じだ。

WotC社の人から推薦があった事を含めて今回原画を貸し出しているのだが、こんな回答をもらったら貸し出すのも嫌になる。
原画の価値やどの原画が人気があるかもわからないで展示を決めているのだろうか。
この「勉強はしております。」はそういう事をわかっていない一言だったとみる。
高額な保険を掛けていただいているとはいえ、貴重な原画を預けるに値しない会社だ。

まして自分の場合は前編に書いてある通り、
「貸して。」
「はい。」
「やっぱいらない。」
「はい。」
「やっぱ貸して。」
「はい。」
「やっぱ展示できない。」
「原画送っちゃったよ。」
「あとで返す。」
なんていう事もされている。

展示されずにどこかに一時保管されただけのGuru Land《》。
なんとも悲しい扱いだ。

原画は後世に受け継ぐもの

これは自分の主観だと思っていること。
店主は自分の持つ原画を自分の所有物だと思っていない
そりゃあもちろん所有権は現状自分だ。
気持ちとしては現状預かっているだけだと思っている。
Guru Landの原画を私に託してくださったミューさんから、コレクターとしての矜持も一緒に受け継いだ気持ちでいる。
ミューさんは私のコレクターとしての師匠。
この御方の気持ちとコレクション、そして他にも数人の私に賭けてくださっている人のコレクション、そういったものは私は必ず、
「お預かりします。」
と言っている。

MTGの原画もカードもはいつか自分が死ぬ日よりも、もっと先の未来まで残るべき大切なものだ。
自分の命の何倍も価値がある。
私はこれらの原画やカードの現所有者であることに怖れすら抱いている。
私のような者が持っていて良いのだろうか?と。
反面、ミューさんから受け継ぐ事が出来た事に対し誇りも持っている。
他の方が私に賭けてくださった事に対しても誇りを持っている。

一部に「コレクターが承認欲求を出している」と言われようが、多くの方の目に触れる機会があるのは喜ばしいことであると考え貸出を決意した。
貴重な原画の大切さをマジックを愛する皆様と共有したい

こういう気持ちだからこそ、田中忠商事の原画の扱いは残念でならない。
25thの時も30thの時も、もっとカードと原画とMTGの歴史を大切にしてほしかった

35thがあるのなら、もっとMTGへの理解がある方にたずさわってほしい。

ともあれ、本日より《MagicCon: Las Vegas》行ってきます。

ではまた。



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