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店主のひとりごと。その4コレクターとして

記事作成日:2024/01/10 執筆:加藤英宝

質問箱でこのような質問をいただいた。

質問

質問者

ある人をAとします。
Aは他人のPSA鑑定品を見ては10以外は価値がないと吹聴してます。
そんなAに関わりたくないのですが、統率者戦をしようと絡まれることがあります。
どうすれば良いでしょうか?

回答

またまた随分と極端なお話で。
まず、関わりたくない相手に対しては、少しずつ少しずつ距離を置いて、いつの間にか縁が切れている、くらいにするのがベストかと。

そして個人的にはお話の前半部分を少々お話にしてみたい。

「PSA鑑定品は10以外価値がない。」

と、そのAさんが吹聴している事。

店主はそのAさんを知らないのだけれども、

「では貴方は、PSAに鑑定に出して9以下だったら、そのカードを全部売り払いますか?
PSA9以下は全て価値がないような言い方なら、鑑定されていないカードなんて価値も見いだせないという話になりませんか?
かといって持っているカードを全部鑑定に出すわけでもないでしょう?」

と突っ込んであげたいところだ。

上記は少々ひねっくれた言い方だが、実際のところ他人のコレクションにこういうケチの付け方をする人には、このくらい言ってやらないときかないだろう。

コレクションというものは際限がない

欲を出せばいくらお金があっても足りないし、人間というものはそういう生き物。

MTGではないお話を例え話で出すのだけれども、一代で成り上がった富豪の中には、知識も教養も全く無いのに、お金を持った途端に美術品収集に走るタイプがいる。
そういうタイプと、投機に投機を重ねる人達が相まって、絵画等の美術品の世界は天井知らずの金額がつく事も多い。

人がコレクションを止められない最もわかりやすい例だ。

スマホゲームのキャラもコレクションだし、カード、キャラクターグッズ、美術品、服、陶器、世の中はコレクションの対象は様々で、人はあるジャンルに飽きると別のジャンルでコレクションを開始する人も少なくない。

貴方の名前と立場が、
ジェフ・ベゾス(Amazonの社長)
ビル・ゲイツ(言わずとしれたWindows作った人)
マーク・ザッカーバーグ(facebook作った人)
ウォーレン・バフェット(世界最強の投資家)
カルロス・スリム(上記に並ぶ世界トップクラスの実業家)
であるのなら、どうぞお好きなコレクションをお好きなだけお集め下さいと言える。

しかし、少なくとも上記5名はCardshop Serraのこらむを読んでいるとは思えない。
読んでいたらある意味奇跡だ。
もし読んでいたら総資産の1%くらいの値段でCardshop Serraごと買ってください。
自分はそのお金でWotC社買うんで。

冗談はさておき、大半の人はお金に自由などきかないものだ。
人間というものは欲だけは際限がないけれども、それを満たすためのお金だけはどうにもならないのが常である。
基本は人間というものは節度を守って、身の丈に合った範囲で楽しむ事が良い。
身の丈を超えたいならば相応の労力を必要とする。

結論

様々な観点から、
「PSA10しか認めない。」
などという発言は大いに間違っている
コレクションというものは程々の満足で止める事が最良であり、また、目標を持ち続けるからこそ楽しく続けられるのである。

確かにPSA10はコレクションとして1つの理想だ。
PSA10しか認めないなどと言い出したら、α版の《Mox Sapphire》などどうしようもない。
この世にPSA9しかないのだから。
あのカードは印刷上、PSA10が出ないとコレクターの方から聞いた事がある。

で、このPSA10しか認めないなどと他人に向かって言う人は、現状存在しないα版の《Mox Sapphire》PSA9にまでそんな事を言えるのだろうか。
それともPSA9までしか存在しないものは例外などとふざけた事を言うのだろうか。

PSAというものはそんな考えで持つものではない。

  • ・自分の大好きな1枚を記念に。
  • ・大切なカードを劣化させないための状態保存方法。
  • ・コレクションの一部をなんとかPSA8以上で。
  • ・EDHのジェネラルをPSAに。
  • ・状態はともかく、真贋をPSAにみてもらいたい。
  • ・コレクション用はなるべく状態の良いものでPSA、使う用は別とするため。
  • ・特定のセットのコンプリートセットを全てPSAに。(かなりのコレクター向け。)

こんな多種多様の理由のうちの1つあれば良いのだ。
PSA鑑定して1つ1つ増やしていく事だって楽しみなのだ。
PSAでコレクションしているうちに別の理由でもPSA鑑定するようになるかもしれない。
楽しみは自分で見つけるのがコレクションというものだ。

だから、
「PSA鑑定品は10以外価値がない。」
と言っている人に店主は遠慮無く言ってやりたい。

「そういう事を言っているお前には一切価値がない。人のコレクションにケチをつける奴など論外だ。コレクターの風上にも置けない。」

と。

世の中の芸術品だって同じだ。
店主にはピカソの絵の良さはサッパリわからない。
一生かかっても理解出来ないかもしれない。

でもアルチンボルドという画家の絵と芸術性は大好きだ。
こういう好みは人それぞれなのだ。

わからないからと言って、自分はピカソを否定するわけでもない。

ピカソにお金を沢山払う人がいるのは事実だし、払える人がそれを好きに買っているのを止める事もない。
コレクションというものはそういうものなのだから、この件の人が「PSA鑑定品は10以外価値がない。」と思うのは勝手だが、他人に言ってしまう事はアウトだ。
アートと呼べないものをアートとする事は認められないが、PSAのようにただ鑑定されたものの数値で、最高点でないのなら価値がないなどという理屈は通用しない。
鑑定されたものに相応の価値が認められているのだから。

アルチンボルドのエピソード

余談になるが、前述のアルチンボルドという画家と店主を結びつけたのは実はMTG。

もう何年も前の話になるが、店主が世界選手権に出場した時、会場はルーヴル美術館のホールだった。
時間の空いた時にルーヴル美術館に行き、観光客のお約束であるモナリザやサモトラケのニケなどを見た後、適当に歩いている時に見つけた絵がアルチンボルドの絵だった。
一瞬で心を惹かれて、
「ああ、このセンス、最高だな。」
と思いながら帰国した。

それから数年、画家の名すら忘れてしまっていたが、ある時友人のMTGプレイヤーとお酒を飲んでいた時に、
「ルーヴル美術館で感銘を受けた絵があった。」
と言ったあとにその絵の特徴を言ったら、一発でその友人が画家名を当ててくれた。

そして、運が良い事にアルチンボルド展は2017年に日本で行われた。
もちろん大喜びでこの友人と一緒に見に行った。
MTGと絵画がこんな風に結びつく事もある。

コレクションというものは、この余談のように趣味を楽しみながら、同好の士と見識を深め、時に全く無関係のものさえも結びつけて、より多く楽しみを見つける事が1番大切な事。
最高級品以外認めないという視野の狭さの人間など、同好の士と呼ぶ事すら出来ない。
質問者の方も、これを読んでいる他の方も、狭量の人間の言動など気にせず、自分流のコレクションやプレイスタイルでMTGを一生楽しんでほしい。

質問は随時募集中

ではまた。



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