Bazaar of Baghdad

今回のお題は《Bazaar of Baghdad》。

一般的なマジックの土地カードの中で、
2006年9月現在、世界で二番目に高い土地カード。
一番は《Mishra’s Workshop》。

一般的でないマジックのカードは本当にとんでもない金額だったりする。
自分が知っているものの中で一般的でないマジックの土地カードでは、
サマーマジック版《Tundra》や《裏切り者の都/City of Traitors》のFOIL。
前者も後者も10万円以上の逸品。
普通にマジックをしている分には間違いなくお目にかかる事も無いであろう品。
もちろん筆者も持っていない。

さて、お話を《Bazaar of Baghdad》に。


Bazaar of Baghdad
土地
T:カードを2枚引き、その後カードを3枚捨てる。
エキスパンション:Arabian Night
アンコモン
イラスト:Jeff A.Menges

ただこれだけの効果。

土地カードであるにもかかわらずマナは出ない。
レガシーフォーマットでは禁止され、
ヴィンテージでないと使用出来ない。
(ヴィンテージではデッキに4枚投入可能。)

同エキスパンションに存在する、
Library of Alexandria》や《Pyramids》とともに、
実在の地名が使われている数少ないカードである。
このカード、数年前は非常に安かった。
筆者が自分で使うために4枚目を買った時、
このカードはまだ¥5000だった。
当時では¥5000でも買う人はいないというくらいだった。
平均市場価値は¥4000程度だったのだ。
(自分が買ったものはNM+クラスの品だったため高かった。)

それが2006年9月現在では状態が悪くても¥20000はつくほどの品である。
昔に比べ、ヴィンテージというフォーマットが安定してプレイヤーが増え、
同時に使用頻度と需要も上がったためだろう。
そして需要のわりには発行枚数はそう多くないのである。

現在では捨てる事や墓地にある事を利とする手段は多い。
イチョリッド/Ichorid》や《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》のような、
墓地から戻ってくる能力、

不可思議/Wonder》をはじめとしたインカネーション能力、
マッドネス能力、フラッシュバック能力、発掘能力、
これに加えてスレッショルドや暴勇能力が加わる。
また、ヴィンテージの世界では、
ドローする事も墓地に落とす事も重要視されるものである。

その最たるデッキの1つがDragonである。
それ以外でも《Bazaar of Baghdad》の使い道は多く、
その1つがStaxと呼ばれるこれまた筆者の使った事のあるデッキである。
このタイプの1つにUba Staxと呼ばれるものがあり、

神河物語のレア、
姥の仮面/Uba Mask》を投入するデッキである。

Uba Mask/姥の仮面
コスト:4
アーティファクト
いずれかのプレイヤーがカードを引く場合、
代わりにそのプレイヤーはそのカードを表向きにゲームから取り除く。
各プレイヤーは、自分が現在のターンに姥の仮面により
取り除いたカードをプレイすることができる。
エキスパンション:神河物語
レア
イラスト:Randy Gallegos

デメリットばかり書いてあるようにも思えるアーティファクトである。
通常のドローステップもなんらかのドロー呪文も全て《姥の仮面》の効果に置き換わり、
今ある手札を使いきったら、
通常の手段では手札が増える事はほとんどない。
(例外は《嘘か真か/Fact or Fiction》や《けちな贈り物/Gifts Ungiven》など)

気がつく人もいると思うのだが、
このカードを置かれるとカウンターデッキはシャレにならない。
ドローステップでめくれたカウンター呪文は、
自分のターンでのみ撃つ事が出来るだけのカードになってしまうのである。
へたに《渦まく知識/Brainstorm》を撃とうものなら手札が減ってしまう。
しかし、このカードと《Bazaar of Baghdad》の組み合わせは非常に面白い。
手札をある程度使いきってしまうのがベストなのだが、
Bazaar of Baghdad》を起動→ドロー2枚が《姥の仮面》の効果に置き換わる。
3枚手札から捨てる効果は手札を使いきっていた場合は全く関係無い。

あとは《姥の仮面》の2つ目の効果で、
このターン取り除いたカードを使えば良いのである。
(手札を使いきっていた場合の《渦まく知識》でも同じ事は可能。)
この使い方ならば、
相手のカウンターを封殺しながら、
こちらは毎ターン3枚ドローしているのと同じ状態となる。
Bazaar of Baghdad》を2枚並べれば5枚ドローの状態となる。
ここからパーマネントに対する除去手段を講じるのがUba Staxである。
このUba StaxとDragonがBazaar of Baghdad》の価格を変える事に一役買ってくれたものである。

どちらのデッキも弱点はありながらも、
ヴィンテージの世界では侮れないデッキとして君臨している。
このカードの魅力はこういった強さの面にもおおいにある。
しかし、それよりも筆者が魅かれた部分は別にある。
あの絵を見た時の自分の勝手気ままな想像ではあるのだが、
商人A「俺たちはアンタに無償で協力なんてしないぜ。」(マナが出ない事。)
商人B「バグダッドの街を利用するのはアンタの自由だ。
損をするか得をするかはアンタ次第。」(2枚引いて3枚捨てる事。)
商人C「騙すも騙されるもアンタ次第。それがバグダッドの街。」
と言われているようで面白いのだ。

手札のカードをお金に見立て、
Bazaar of Baghdad》を使う→お買い物をして、3枚を支払う。
手に入れたものは果たして損か得か。
安物をつかまされるか、それとも払ったお金に見合った品を手に入れるか。

実際にアジア方面での買い物は日本とは違って、
相手との騙し合いの面がある。
日本人だとバレると高くふっかけられるなんて日常茶飯事である。
まるでそれを模して作られたかのようなカードだ。

Arabian Nightのカードの中でもセンスの光る1枚である。
このカードのデザイナーはこれを意図して作ったのだろうか。

単純に使えば損しかねないのだから、
デッキに《ゴブリンの太守スクイー》を入れ、
支払いをごまかして?バグダッドの商人を逆に騙してやりたいと思うのも無理はない(笑)
スクイーは犠牲になるのだから人身売買というべきか?
(売られていったスクイーは気がつくと戻ってくるが。)
こんな事まで想像してしまうほど、
不思議な魅力を秘めたカードである。

ヴィンテージでは随分とお世話になっているカードではあるが、
それ以上に自分はこの不思議なカードが大好きである。
この絵を見ているだけで、
一生に一度くらいはバグダッドに行ってみたいと思ってしまう。
今のバグダッドには行きたくありません(笑)
治安の不安定さが怖いので。
これほどに機知に富んだ土地カードはこの先出ないのだろうか。
ミラディンやウルザズサーガを出して、
プレイヤーを大混乱させるような会社なので、
いつかまた現実世界の伝承を元にしたエキスパンションを1つくらい出して欲しい。
その時はこういうセンスの光る、とてもぶっとんだカードを出していただきたい。
それか間違ってここの店主をカードデザイナーにさせるべきである(笑)

ではまた。




記事のカテゴリー

他の「カードこらむ」記事