台湾旅行記2023 その2。
記事作成日:2023/05/11 執筆:加藤英宝
こちらのこらむは後編です。
前編は以下からどうぞ。
三日目(4/8)
朝ごはん?昼ごはん?は台北駅の肉まん。
20~35元(90~150円)でセブンイレブンより大きな肉まんが食べられる。
味も台湾のほうが上だ。
肉まん屋は結構好きで安かったお店が潰れてしまったのが残念。
たしかあそこは12~15元(50~65円)だったはず。
肉まんを食べた後は、
以前にも行った事のある喫茶店でヴィンテージキューブドラフト。
キューブドラフトを用意してくれた台湾人は
「パワー9、ワクショ、バザーなどの超高額カード以外は全部ある。」
という感じでスリーブに入ったキューブドラフト用カードを用意してくれた。
超高額帯のカードは代用カード。
当然というかむしろそうしてくれといった感じだ。
本物を用意して折れたり紛失したらシャレにならないし。
もちろん本物を買うべきではある。
買ったうえで代用にしておくが理想の形。
さて、ドラフト開始。
初手:《業火のタイタン/Inferno Titan》
二手:《激情/Fury》
三手:《屑鉄の学者、ダレッティ/Daretti, Scrap Savant》
お、イイんじゃない?
赤の強いところ取れてる。
しかし、おバカちゃんな店主は、
突如見つけてしまったあるカードから狂い出す。
である。
《精神隷属器/Mindslaver》
コスト:6
伝説のアーティファクト
(4),(T),精神隷属器を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。
あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。
(あなたはそのプレイヤーが見ることのできるすべてのカードを見て、そのプレイヤーのすべての決定を行う。)
そういやさっき《屑鉄の学者、ダレッティ》取ったし、
これで遊んだら面白いじゃろ。
だって相手もヴィンテージクラスの危ないカード使うんでしょ?
相手の場をぐっちゃぐちゃにするの最高じゃん。
学校の先生も「人が嫌がる事を進んでやりなさい。」って言ってたしな。
「俺、ドラフトでコンボ作り始めるわ。
普通のデッキよりロマン取るわ。
アルフ君!
昨日ドラフトでコンボとかバカじゃねーの?
とか言ってスマンかった。」
と宣言するおバカちゃん。
この時点で全ピックの半分も終わっていないのに、
頭ん中でさっきの《業火のタイタン》と《激情》がデッキに不採用になる未来を見ている。
真面目に組んだら100%に近い採用なのにね、この2枚。
さあ、イカれたデッキ構築スタートだ!
EDHとコレクションの世界で魔王の異名を取る店主だ。
リミテッドの世界でも魔王の魔王たる所以を見せてやるしかあるまいて。
一周した《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》を見て、
「ククク、どいつだ、毒で死にたい奴は・・・。」
などと心の中でほくそ笑みながらピック。
そしてドラフト中に知らないカードが登場。
中国語だからカード名が読めないと来た。
ただし中国語版のカードのテキストは一定量読める。
(漢字だし、MTG用語は同じものばかり使うから慣れで少し読めるようになる。)
「えーと・・・
お互いに土地かエンチャントかクリーチャーかアーティファクトを場に出す・・・?
あ、これもしかして《実物提示教育/Show and Tell》?」
よし、取るか。
《精神隷属器》のコスト踏み倒すだけでも結構強いぞ、これ。
(※完全に頭の悪いコの発想です。真似しないで下さい。)
イカれた事を考えながらもピックや構築はこれでも真面目だ。
途中の《カラカス/Karakas》を見た途端、
「あれ?全カードは1枚ずつ。
んでヴィンテージキューブドラフト?
どう考えても伝説クリーチャーいくつもあるはずだ。
このカード、色無関係な除去って言ってもいいだろ。」
とキッチリ抜く。
(青赤のデッキに仕上げるつもりだが、当然採用予定で取った。)
完全な方向転換ピックをし、3パック目をむかえた。
初手:《Mishra’s Workshop》
さすがだ。
このカードに愛されていると言っていい。
我にアーティファクトを使えと言っているようだ。
やはり魔王の魔王たる所以を見せろという事のようだ。
最終的には
《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
《死の国からの脱出/Underworld Breach》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》
まで全て取る。
来てる。
完全に来るべきカードが全て来る。
この日勝て、コンボを作れと言われているようだ。
ヴィンテージ・キューブドラフト:赤青茶
-クリーチャー 8枚-
《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》-《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》
《金粉のドレイク/Gilded Drake》
《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》
《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror》
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
-ソーサリー 5枚-
《表現の反復/Expressive Iteration》
《煮えたぎる歌/Seething Song》
《実物提示教育/Show and Tell》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
《袖の下/Bribery》
-インスタント 1枚-
《渦まく知識/Brainstorm》
-プレインズウォーカー 2枚-
《屑鉄の学者、ダレッティ/Daretti, Scrap Savant》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
-アーティファクト 7枚-
《睡蓮の花/Lotus Bloom》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《永久の水蓮/Timeless Lotus》
《精神隷属器/Mindslaver》
-土地 17枚-
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
《カラカス/Karakas》
《Mishra’s Workshop》
7《島/Island》
4《山/Mountain》
戦績は3勝0敗。
一本も落とす事無くアヤシイコンボを決めて勝った。
コンボのルートがありながら通常の戦い方も出来る点は強い。
凄い時は4ターンキル。
《求道者テゼレット》が3ターン目に着地して、
4ターン目に奥義から4体の5/5がパンチして終了。
そんな中、面白い対戦の光景が。
対戦相手はヤンピートル副社長。
我が場には5マナがある。
《実物提示教育》と《金粉のドレイク/Gilded Drake》と《荒廃鋼の巨像》が手札にある。
「ククク・・・勝った・・・!
《実物提示教育》で《荒廃鋼の巨像》を出し、
相手の出てきたフィニッシャーを《金粉のドレイク》で交換。
しかも、場に《カラカス》まである。
完璧だ!
この状況、負けるわけがない。
副社長就任早々にイワしたる。」
と、
勝利を確信して《実物提示教育》を撃つ。
自分「《荒廃鋼の巨像》!」
ヤン「《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》!」
《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》
コスト:2青青
伝説のクリーチャー — 人間(Human)・ウィザード(Wizard)
瞬速
造物の学者、ヴェンセールが戦場に出たとき、呪文1つかパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
2/2
自分「ヴェ、ヴェンセール?!」
ヤン「ヴェンセール。」
自分「嘘・・・だろ・・・?」
ヤン「早くそこの《荒廃鋼の巨像》戻って下さい。」
自分「くっ・・・。」
ヤン「あははははは!!」
(言うまでもなく《荒廃鋼の巨像》なんて出し直せるわけがない。)
自分「このパーフェクト手札で状況的に唯一としか言えない回答を出されただと・・・?!」
ヤン「楽しいー!」
自分「しかもヴェンセールだと《カラカス》も効かないも同義・・・。
ある意味で一番どうにもならない生物・・・!
1000回やって1回すら無い偶然じゃないの?これ。」
なお、ゲームには勝ったものの、
気持ち的に負け(笑)
こんなに手札パーフェクトだと思ってひっくり返されたの久しぶり。
最高に笑える瞬間だった。
ここまでやっても予想しない事が起きるのがMTG。
楽しいゲームだ。
ドラフトが終わった後はアカデミーレガシーゲームスに行き、EDH。
《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》
《生ける卒論、オクタヴィア/Octavia, Living Thesis》
を使ってどちらも勝ち。
オムナス君は相変わらずイイ感じにクソゲー出来る。
動き出したら止まらない時は本当に楽しい。
卒論君は墓地を2回ほど消されるという珍しい光景から、
きっちり着地して全員を殴り倒しに成功。
その後、驥園川菜餐廳へ。
何度もこらむでも登場している鶏スープのお店だ。
アルフ君や店主が選ぶ
「台湾の美味しいお店ランキングトップ3」
にランクインする素晴らしいお店。
5人以上なら大きな鍋で鶏まるごと使うスープを注文。
2人くらいならハーフサイズ?のような鍋になるが、
一度は味わうべきは大サイズ。
ここはもう流石の一言だ。
「人は本当に美味いものに出会った時、
無言かつ笑顔で箸を動かすものである。」
という格言が生まれそうなほどだ。
皆、無言じゃないなら
「美味い。」
しか言わない。
面白いくらい全員の反応も一緒だ。
それにしても今回は特に驚きだ。
あの大きな鍋のスープをきっちり飲み切ってしまった。
7人で普通終わらないはずだぞ、この鍋。
炒飯4人前+ごはん7人分+〆の麺+麻婆豆腐・・・
と注文しておいて全部食べ切るとは思わなかった。
「台北来て、一番美味い。」
と皆が太鼓判を押していた。
それと、3年ぶりだと言うのに、
店員さんに顔を覚えられていた。
自分の顔ってそんなに忘れない顔なんだろうか。
不思議なもんだ。
海外の料理店に顔を覚えられているってなんだか面白い。
この日は最後にスーパー寄って、
ホテルでお酒飲んでおしまい。
四日目(4/9)
ここでKとウィンターはサヨウナラ。
2人は3泊プランで来ていたので。
そしてキッチリやってくれるK。
K、朝にこちらの部屋に来て、
前日に残したお酒を飲みながら
「パスポート忘れた!」
と部屋に戻って行った。
どうして朝から酒を?
という疑問と、
何故こっちの部屋に来て飲むの?
という疑問が浮かぶ中、
部屋に戻って行ったKは、
酒を持って戻ってきた。
「・・・あ、俺、なんで酒持ってきてんだ。
パスポート取りに行ったのにパスポート忘れてきた。
もっかい戻って取ってくる。」
ヤンさんと2人でこんな顔した後に、
顔合わせて爆笑。
「あの人なにしてんだろう?」
「全然わからないです。」
最後に面白い一発をぶちかましてくれたKを見送り、
残った4人はお昼過ぎにファンタジーさんへ。
到着した時間が少し早かったので、
胡椒餅を食べながら付近でスタバ探し。
ヤンさんがお土産で台北限定のスタバのグッズが欲しいとのこと。
スタバにそんなグッズがあるとは全く知らない自分。
話によると台北101限定モデルのアイテムなどがあるらしい。
が、
ファンタジーさんの付近のスタバでは見つからず。
ファンタジーさんでは取引を終えた後は、
驥園川菜餐廳と同じく3年ぶりの太和殿。
皆で囲む鍋は良い。
そして久しぶりの鴨血(ヤーシェ)も良い。
同じものが日本では食べられないので、
こういう食べ物のために台湾に来るんだよなぁと皆で話し合う。
食べ終わった後は台北101のスタバへ。
ヤンさんのお望みのスタバグッズが台北101にはあったようだ。
ヤンさん、ドリンクも頼んでいないのに30分以上スタバに滞在。
お土産を日本の誰に買っていくかを連絡し続けている。
そんなに台北限定モデルって人気あるものなのか?
と思って聞いてみたら、
「メルカリでプレミア価格で売られたりするくらいですよ。」
と教えてくれた。
全くもって不思議な気分だ。
いや、一般的な人からすれば紙きれに100万円するほうが不思議か。
無事お買い物を済ませてホテルに戻ったら、突然アルフ君合流。
アルフ君、忙しいわりに我々の事を気にかけてくれてるなぁ。
ホントに良い友人だ。
そんな彼と台北駅の付近のクッソ汚い場所行ってこの日は終わり。
「クッソ汚い場所って何?」
と言われそうなので説明しておくと、
台北駅から歩いてすぐのストリートなんだけど、
不衛生なのかすんごく臭い。
歩いているだけで吐き気がするほど臭い。
真夜中だから誰もいないが、
ここは昼間では安いメシ屋などがあると説明してくれた。
ところで何でこの汚いストリートを案内しようと思ったんだろう?アルフ君。
でも、夜のお散歩は楽しかった。
特にコレ。
見た目というか看板と雰囲気から風俗店にしか見えないゲーセン。
付近散策30分くらいして解散。
五日目(4/10)
朝イチチェックアウト。
アルフ君は
「今日、14時から仕事だからギリギリまで付き合うぜ!」
と言ってくれてホテルに来てくれる。
なんてイイ奴なんだ。
最後まで心遣いをしてくれる。
アルフ君がいるからこそ安心して旅行が出来ていると言って過言ではない。
そしてアルフ君の案内で鼎泰豊へ移動&予約。
平日の月曜日だと言うのになぜこんなに行列が出来るんだこのお店は。
30分待ち程度で中に入って好き放題に注文。
3年ぶりの鼎泰豊。
当然の事ながら基本、何食べてもハズレ無し。
それでいて高くないのは嬉しいところ。
驥園川菜餐廳(鶏スープのお店)のほうは決して安くはないのだ。
あっちは現地の人曰く、
「あそこはお金持ちと観光客しか行かないようなところ。」
らしい。
そういえばこのコメントした人に、
驥園川菜餐廳に行ったと言っただけで驚かれたしなぁ。
鼎泰豊はその言い方では庶民的で美味しい。
・暖簾分けされている行列ができる名店
・それでいて値段も良心的で庶民的
・観光客にも人気
・決して素材も悪くない
日本でこういうお店って言われてみると存在しないな。
鼎泰豊、こう考えても良い料理店だ。
そして鼎泰豊、さらにやってくれる。
日本人の心をガッチリつかみに来よる。
お土産品に食べるラー油を売っておる。
素晴らしい商品開発だ。
キャリーケースギリギリに近いのに、
もちろん食べるラー油は購入だ。
鼎泰豊を楽しんだ後は、
そこからすぐにあるマンゴーかき氷屋さんへ。
これもまた台湾名物の1つ。
そろそろマンゴー+ストロベリーとかのかき氷にしたいところだが、
台湾初心者がいる状況ではオーソドックスなメニューへ。
かき氷を食べた後は空港へ。
あっと言う間の4泊5日。
個人的にはもうちょいのんびりしたかった。
皆のために計画して、全体を気にかけていると仕事をしている気持ちになってしまう。
旅行ガイドをしている感じだ。
あとジレンマはどうにもならない。
美味しいお店はリピートしたい。
そうは言えども新規開拓もしたい。
皆にはまずはオーソドックスな台湾の良さを知ってもらいたい。
胃袋とお金と時間が無制限にあれば悩まないものだが、
どれか1つでも無制限になる事はあるまい。
そんな事を思いながらまた台湾に行くのだろう。
ではまた。