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Cardshop Serraが出来てからその4 -前編-

記事作成日:2023/03/09 執筆:加藤英宝

「Cardshop Serraが出来てから。」

Cardshop Serraが出来るまでではなく、
Cardshop Serraが出来てからの、
テキトーな時代のテキトーなお話をテキトーに語る。
ときにはリクエストにお応えしつつ、
ときには自分で思い出したお話を。

全然カード名が出て来ないお話のような気がする。

さあおっぱじめよう。

杏ちゃん地獄変事件(前編)

店主の友人に杏(あん)ちゃんという女性がいる。
もちろんこれは仮名。

杏ちゃんと店主はそれなりに長い付き合いの友人。
が、
離れたところに住んでいるので滅多には会わない。
そんな杏ちゃんからある年の9月か10月あたりに連絡があった。

「せら、私、結婚する事になった。」

と。(杏ちゃんは店主の事をせらと呼ぶ。)
「おー、おめでとう。
お相手は?」
と聞くと12歳年下の男性だという。
杏ちゃんより12歳下って事は27歳。
お若い。
こちらから聞かなくても勝手にスペックを話す杏ちゃん。
嬉しければ当然だよね。

・27歳
・月収:手取りで70万(つまりは年収約1000万円)
・関西の人
・ちょっと前まで中国で仕事をしていた
・かなり資産家
・IT企業勤め

年齢と年収を考えるとかなりすごい人だ。
俗に言う玉の輿といって差し支えない。

「じゃあ、杏ちゃんは関西に行くんだね。」
「え?行かないよ。
私、千葉から出たくないもん。」
「え?でも相手関西だって。」
「相手が仕事辞めてこっち来るって。」

『私、千葉から出たくないもん。』じゃないだろ杏ちゃん。
いいのか?一千万プレイヤー。

「その彼氏さんとどんな感じに知り合ったの?」
「ネット。
 実はまだ顔知らない。

・・・さっき結婚するって言ったよね。
顔知らないの?

「顔知らないって。
結婚する相手なんでしょ?」
「うん、これから同棲する。」

顔見ずに結婚と同棲を決めたのか。
言いたい事はいっぱいあるが、
とりあえず彼女の言い分を聞こう。

「顔知らないで同棲や結婚大丈夫?」
「うん。いっぱい話し合ったし。
あ、でも私、年齢ごまかしてる。

おい、なんかサラッとマズい事言ったぞ。
実年齢とサバ読みを考えるとかなりすごいぞ、杏ちゃん。
俗に言う詐欺といって差し支えない。

何歳サバ読んだんだろうか。

「年齢ごまかしてるって、
それ会ったらバレるし、
そもそも結婚届出す際に100%バレるんじゃ?」
「うん、会ったらそこだけは言うつもり。」
「とりあえず聞かせて。
何歳って相手に言ってあるの?」
「25。」
「ずいぶん言ったな。
えっと実年齢の30%以上サバ読み?」
「だって。」
「だってじゃないだろ。大丈夫なの?」
「たぶん。」

雲行き怪しいなんてもんじゃないな。
暗雲立ち込めるなんて表現でも可愛い気がしてくる。

そういや以前に杏ちゃんと一緒にBARに行った時、
そんときもバーテンダーさんに25歳って言ってたな。
(その時の杏ちゃんは34歳。)
オマケで書いておくと杏ちゃんは店主よりも年上だ。

27歳の男が、
結婚手前で相手の年齢をバラされ、
干支が一緒の年上だと知ったらどんな反応するんだろう。
あくまで想像に過ぎないが、
普通なら別れを切り出すのではないだろうか。
それでも杏ちゃんの事好きなら上手く行くだろうけど。
・・・でもさ、
完全な主観での話だけどさ、
「自分がもし27歳で年収一千万円あって、
付き合った彼女が年齢ごまかしてて、
実年齢39歳って知らされたらどうする?」

って聞かれたら、
ノータイムで別れるよ、俺は。

んで年下の彼女探すよ、多分。
他の人はどうだかわかんないが、
自身の年収一千万円あったらかなりの選択肢はあるはずだ。
どうみても開幕で嘘をつく人とは付き合えん。

他にもツッコミたい事はあれども、
今の杏ちゃんに何か言うのはやめておこう。
聞くわけがない。
幸せ絶頂みたいな状態に水を差すのもよろしくないのかもしれない。
あと、人の恋愛に口を出すなど、差し出がましい気持ちもある。

ひとまず、
「結婚式には呼んでねー。」
「うん、絶対来てね!」
とごくごく普通な会話をして終了。

そんな杏ちゃんと彼氏さんの同棲開始から一ヶ月。
年末付近の午前2時、
店主は店舗で仕事をしていた。
他に誰もいない店舗に携帯の着信音が鳴り響く。
真夜中の2時になんだろう?
と思って画面を見たら「杏ちゃん」と書いてある。

「来たな。むしろ遅かったほうか。」

と直感。
何が?とは言うまでもない。
記事としてこれ読んでいる人ならおおまかな予想くらいついている事だろう。

「もしもしー。」
「ごめんね、せら、こんな遅い時間に。」
「ああ、起きてたから大丈夫。」
「今ちょっといい?」
「うん、予想ついてるけど聞くよー。」
「予想ついてるの?」
「うん、彼氏の事だろ?
で、たぶんお金の話だろ?」
「当たり。なんでわかったの?」
「最初にもらった情報だけで十分過ぎると思うけどな。
ま、とりあえず話してみ。」

「彼氏が生活費入れてくれないの。」

お、ストレートに来たなぁ。
予想通りだけど。
とりあえず知らんぷりして質問投げよう。

「彼氏さん一千万プレイヤーだろ?」←白々しい
「なんかね、
以前働いていた中国に資産を置いてあって、
今そのお金おろせないんだって。」

ああ、よくある話。
お金あるフリして言い訳するやつだ。
なんでどいつもこいつも海外に資産置いてるって言うんだろうな。
これだけネットが発達した中でそんな言い訳通用するわけないだろ。
それに、資産のある奴はそんなずさんな管理しないからな。
自分の資産守るために頑張ってる奴だから資産は築けるんだよ。

ちなみに同じ事を言った奴を店主は別で二人程聞いた事があるが、
どちらもザ・貧乏ちゃんであった。
その内、片方は
「俺はアラビアン・ナイトのボックスを3箱持っている。」
とも豪語していたが、
そのボックスを見せてもらう日は来なかった。

「杏ちゃん、今、同棲してるんだよな?
その住む場所って彼氏契約じゃないの?」
「わたし。」
「んじゃ連帯保証人は?」
「わたしのお父さん。」
「つまり、家賃は・・・」
「折半っていう話だったけど、
わたしが全部払ってる。」

おお、やりおる。
彼氏金無い率100%じゃないのか?これ。
あたまの中は既に
「絶☆望」
という文字が浮かんでいるが、
そこは黙っておこう。

「杏ちゃん、ついでに聞かせて。
今、どういうとこに住んでるの?」
レオパレス。

絶☆望。
レオパレスに住む一千万プレイヤー。
斬新な響きだ。
余程の吝嗇家でもそこまでは選択すまい。

「で、その状況で生活費に困っていると。」
「うん。私の稼ぎだけで生活する状態だし。」
「彼氏、お金ホントに何も無いの?」
「さっき、
『Tポイント残ってたんだ。』
って言ってアイス買いに行ったよ。」

・・・Tポイントってアイス買えるのか。
いや、そういう話じゃないか。

杏ちゃん、すまない。
俺は今、電話越しで爆笑してしまいそうだ。
君にとっては真剣で大変な話だと思うのだが、
「一千万プレイヤーがレオパレス」
「Tポイント残ってるからアイス買いに行く」
この力強いワードに耐えられそうにない。

「で、杏ちゃんはどうしてほしいの?」
「彼氏に働いてほしい。」

そうなるわな。
俺なら別れる一択なんだけど。

「どうしてもってくらい悩んでる?」
「うん。」
「わかった。俺の言う通りにしてみよう。」
「うん。」
「まず、彼氏を連れて杏ちゃんの実家に行こう。
んで実情を伝えるんだ。
出来ればお父さんに。
そしてお父さんから
『働きなさい。』
ってしっかり言ってもらって。
これで直るなら良し。
無理ならまた相談して。」
「わかった。」

この日はこれで終了。
全く意味の無いものでもないだろう。
99%ダメだと思うけど。
そいつお金持ってないだけじゃなく、
働く気も無いと思うし。

後半へ続く。

ではまた。



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