対抗呪文/Counter Spell

お客様からのリクエストコラム、

今回のお題は《対抗呪文/Counter Spell》。



青の代名詞、《対抗呪文》。
今更説明さえ不要とも思うが、
カードの効果は、

Counter Spell/対抗呪文
コスト:青青
インスタント
対象の呪文1つを打ち消す。

ベータから4thではアンコモン、
IAや5th、6th、TE、MMではコモン。

このカードあるからこそ青を好む人と、
このカードあるからこそ青を嫌う人とを分けた、
マジックの特徴的カードの1つである。

筆者はこのカードの効果を最初に見たとき、
なんと強いカードなんだろうと思った。
「《火の玉/Fireball》20点本体!って言われても無効化出来るのか!
このカード、なんて強いんだろう!!」
が最初の感想である。
さすがは初心者の自分。
強いんだか弱いんだかサッパリわからない感想を述べている。
一応カードが強い事を認識出来ただけマシではあるが。
このシンプルなる効果、
「対象の呪文1つを打ち消す。」
これがマジックと他のゲームとの最大の差を作るものとなっている事、
意外と知らない人が多いのではなかろうか。
(以後、「カウンターという概念」と称する。)

誰でも知っているトランプゲーム、
同じく多くの人がプレイした経験のあるUNO、
大衆的なカードゲームにはこのカウンターという概念は無い。
(UNOの中にカウンターという概念があったら悪く無い気もするのだが。)
また、他のトレーディングカードゲームには、
カウンターという概念は確かに存在するものもあるが、
マジックほどの質と戦略性を持つものは無いに等しい。
ついでに言うと、

多くのコンピュータゲームの中にもカウンターという概念はほぼ無い。
有名なRPGに代表される魔法を無効化させる、撥ね返す魔法とは、
(ドラクエのマホカンタ、凍てつく波動、FFのリフレク、ディスペルなど)
「唱えられた後か唱えられる前の対処法」であり、
「現在唱えられている呪文への対処法」になっていないので、
マジックのカウンターとは全く違うものである。
マジックのカウンターの素晴らしいところは、
現在唱えられているものに対処するシステムである事だ。

余談ではあるが、
画像のベータ版の《対抗呪文》には、
「対象の現在唱えられている呪文を打ち消す」
と書いてある。

マジックの世界では、
「カウンターと言えば青、
青と言えばカウンター。」
そう言えてしまうほどに確立されている。
また、
「マジック史上、
青が弱かった時代など存在しない。」
という言葉を聞いた事があるほど、
この打ち消す効果は強いものである。
基本的にはどんなカードとでも1対1を行う、
多少の例外はあるが、理論上ほぼ最強カードである。
他のカウンター呪文も多く種類が存在するが、
撃つ事に成功したら確実で、
なおかつ最もコストが低いものは《対抗呪文》である。
他のカードはおおむね条件がついていたり、

コストが多くかかったりである。
何?《Mana Drain》や《Force of Will》どうかって?
それらを出したらおしまいである。
確かにあれらのほうがある意味最強なのはわかっている。
片や《対抗呪文》にオマケ付き(それがデメリットになることもあるが)
片やコスト無しで撃つ事がありえるのだから。

あくまで言いたいのはオーソドックスな強さだ。
対抗呪文》にはデメリットなんてものは無い。

過去、
「青使いは島2枚立ててエンドって言え」
という格言はこの《対抗呪文》あってのものなのだ。
Mana Drain》も《Force of Will》も《対抗呪文》の存在無くして、
生まれ出ようも無かった。

現在2006年6月の時点では、
対抗呪文》はスタンダードには無いが、
それでも《島/Island》が2枚立っていたら《差し戻し/Remand》等を警戒するわけで、
相変わらずカウンターの概念の残るゲームをしているのは事実だ。
マジックにはこのカウンターの概念があるため、
何かカードをプレイするたびに、
「通りますか?」
とわざわざ相手に許可を求める事がある。
通るか通らないか、
通すか通さないか、
これらを選択出来る事がマジックの楽しさを作っている。
マジックがいつまで経っても多くの人を魅了してやまない理由と言っても、
過言ではないだろう。
そして、このカウンターの概念があるからこそ、
マジックは人対人のゲームなのである。
コンピュータにカウンターデッキをきっちりプレイングさせるプログラムなんて、
一朝一夕に作れるものではない。
いや、一朝一夕どころかこれから先作れるかどうかさえ怪しい。
チェスでコンピューターがプロを破る事は出来ても、
マジックでコンピューターがプレイヤーを破る事は早々に出来ない。
変わった言い方をすれば、
「マジックとはいつまで経ってもコンピュータは人間を超えられない事を証明するものである。」
使用するものが決まっている麻雀でさえコンピュータの思考は弱い。
マジックのように使用出来るカードの多いものではなおさら弱くなる。

「先攻1ターン目、《山/Mountain》セット、

怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》出してエンド」

なんて言ってるコンピュータは論外にもほどがある。(注1)
そしてマジックは今後もカードが増えて行く。
これをコンピュータに対応させていく事は至難の業だ。
その最も難しい判断は「カウンターすべきかしないべきか」だ。
カウンターカードとはそれだけマジックを「人と人が楽しむゲーム」にさせている。

実際に、
カウンターを使う人はギリギリの勝負から自分が勝つ事の楽しみはあるだろうし、
逆に、
カウンターを使われる人はなんとかカウンターを掻い潜り、カードを通し切って勝つ楽しみがある。
これを生み出した人はおそらくマジック生みの親、リチャードガーフィールドだろう。
この斬新な考えを生み出す彼はやはり天才以外なにものでもない。

(注1):ドリームキャスト版マジックでコンピュータが本当にプレイする。
おまいは夢をキャストしてるのかと小一時間問い詰めたくなるプレイングである。

ではまた。




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