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パワー9の適正コストは?

記事作成日:2022/12/20 執筆:加藤英宝

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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Time Walk》の適正なマナコストは5くらいだと言われてますが
その他のパワー9の適正なマナコストってどれくらいだと思いますか?

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ちょっと面白そうな話題なので書いてみよう。

《Time Walk》

まずは質問者様の書いている《Time Walk》の適正のお話を説明。

Time Walk》:1青のソーサリー。

最初の調整版として出たのが


時間のねじれ/Time Warp》:3青青のソーサリー。

ただし、少しだけ違うのは、
Time Walk》は問答無用で自分が追加ターン。
時間のねじれ》は対象のプレイヤーと書いてあるので、
誤った指図/Misdirection》などの呪文で対象変更される事がある。

その後、


時間操作/Temporal Manipulation》:3青青のソーサリー。
荊州占拠/Capture of Jingzhou》:3青青のソーサリー。

の2種が出て、
このどちらのカードも対象指定が無く、
Time Walk》と同じ記述になっている。
完全調整版と言っていいだろう。

つまりはゲームバランス考えたら、

「コストは2じゃなくて5だよ」

という感じなのだろう。
もっとも、これ以降に出る追加ターン呪文はコスト6以上ばかりになるし、
「撃ったら追放」のデザインが重視されている。
どうもWotC社は追加ターン呪文を使いまわしされたくないようだ。
店主は追加ターン呪文を使い回すのが大好きなので、
追放されない追加ターン呪文が新しく出て欲しい。

さて、他のパワー9の適切なマナコストのお話へ行こう。

MOX

まず、モックスシリーズ5種。

これはある程度単純な下位互換が出ている。

乳白色のダイアモンド/Marble Diamond
空色のダイアモンド/Sky Diamond
炭色のダイアモンド/Charcoal Diamond
緋色のダイアモンド/Fire Diamond
苔色のダイアモンド/Moss Diamond
がそれにあたる。

各色のマナが出る2マナのアーティファクト達だが、
違いは2マナというだけでなくタップイン。

つまりは

コスト0:0マナで出せてデメリット無しはやり過ぎた。
コスト1:1でリメイク出すのも無理があったわ。
コスト2:なんとか調整してみたらタップインだったわ。
コスト3:《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》等。

という事になる。
コストが3になると何色でも出せて壊れなかったり、
別の能力がくっついてくるカードがあるという事から、
3マナで好きな色が1色だと物足りないよねって言われてしまうバランス。

でも2マナでアンタップインだと強すぎと認識され、
限界の強さでも、


友なる石/Fellwar Stone》:相手の色マナ
秘儀の印鑑/Arcane Signet》:ジェネラルの固定色
などの制限を受ける事になる。

現状各色のダイアモンドシリーズの上位互換は無いため、
各色のモックスに合わせている点も含め、
このダイアモンドシリーズはモックスの下位互換カードという認識で間違いない。
アンタップインで出したいとなったら

「2マナ以上、3マナ以下」

というあたりなのだろう。
適正コスト:2.5マナというあまり現実的でない言い方が、
アンタップインのボーダーという事になる。

無理やり構成したいなら

「2Φ」

というコストで作ってアンタップイン&各色が出るなら面白そうだ。

「1ΦΦ」

でデザインしたら多分危ない。

《Ancestral Recall》

さて、お次は《Ancestral Recall》。

これもモックス並に調整が難しかったのだろう。
似た構成のカードはいくつもある。


祖先の幻視/Ancestral Vision》:待機型
集中/Concentrate》:2青青のソーサリー
宝船の巡航/Treasure Cruise》:7青の探査付きソーサリー
神秘の合流点/Mystic Confluence》:3青青でインスタント&別モード選択可
など考えると結構いろいろなものが出てくる。
カード名と効果が最も近いのは《祖先の幻視》。
待機という形で相当に遅くさせている点で爆発力を失わせている。
他のカードは待機ではないので、
基本的には撃てば即手札が増える反面、コストが重たい。
シンプルな効果なだけに比べてわかりやすいのは、


Ancestral Recall》:1マナインスタントで3ドロー。
集中/Concentrate》:4マナソーサリーで3ドロー。

いかに《Ancestral Recall》はバランスブレイカーだったかを物語る差だ。
しかし、

神秘の合流点/Mystic Confluence》:5マナインスタントで別モード選択可
というカードをデザインしている点から、
「《集中》の4マナソーサリー3ドローはちょっと弱かったかも。」
という反省が伺える。

ここから考えると

「4マナソーサリー3ドローは弱い。
5マナインスタントでモード選べる範囲はアリ。」

という事になる。
へんてこな例外を書いておくと、
嘘か真か/Fact or Fiction》というカードがある。


噓か真か/Fact or Fiction
コスト:3青
インスタント
あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚公開する。
対戦相手1人はそれらのカードを2つの束に分ける。
あなたは一方の束をあなたの手札に加え、もう一方をあなたの墓地に置く。

ちょうど上記の真ん中くらいに位置しそうなカードだが、
ドローとはどこにも書いていないカードでもあり、
手札に入るカードが全てバレるという欠点も持っている。
でも、一般的には3ドロー分くらいの威力が必ずあるカードだ。
この《嘘か真か/Fact or Fiction》が出た当初は
「これ作った奴はおかしいんじゃないか?」
なんて言われたし、
ヴィンテージでも採用される強力なカードだった。

ドローとは書いていないものの、
ある意味では強さも兼ね備えたバランスなら、
嘘か真か/Fact or Fiction》はイイ感じだったのかもしれない。
その後、

強迫的な研究/Compulsive Research
入念な考慮/Careful Consideration
知識の渇望/Thirst for Knowledge
偏った幸運/Fortune’s Favor
発見への渇望/Thirst for Discovery

などのカードが生まれ、
一部はトーナメントカードになっている。
どちらにしても重ための調整がされ、
おおむね
「インスタントで3枚ドローの呪文」
はコストとしては4以上でないといけない範囲なのだろう。
3マナでは必ず3ドローになるという範囲ではデザインされていない。
こちらも先程のお話のように、
適正コスト:4.5マナあたりがいい範囲なのかもしれない。

《Timetwister》

次、《Timetwister》。
これは《Time Walk》並みに下位互換が出ている。

時の逆転/Time Reversal》:5マナソーサリーで撃ったら追放。
ゲームプラン/Game Plan》:6マナソーサリーで撃ったら追放、助力付き。
一日のやり直し/Day’s Undoing》:3マナソーサリーで撃ったらターンが終わる。(つまり追放。)
永劫のこだま/Echo of Eons》:6マナソーサリー、3マナでフラッシュバック。
時のらせん/Time Spiral》:6マナソーサリーで撃ったら追放、土地6枚アンタップ。

などがそれにあたる。
ただし、《永劫のこだま/Echo of Eons》を除いた全てのカードは撃つと追放される。
ここにも使い回しを許さないというWotC社の意向が見てとれる。
純粋に同効果と言える下位互換はコストを倍にしている《永劫のこだま/Echo of Eons》だけ。

この出し方を見るに

3マナ:オリジナルはやり過ぎた。
4マナ:4でリメイク出すのも無理があったわ。(一応例外が無くも無い。)
5マナ:撃ったら追放でどう?あ、人気無いね・・・。
6マナ:コスト倍にしてフラッシュバックオマケにしたよ!

という感じだ。
3マナで撃つと強制ターンエンドはリスクが大きいが、
相手のドローだけ抑制する置物と一緒に撃つデッキは存在するので、
一日のやり直し/Day’s Undoing》は案外面白いリメイクだ。
4マナはここに書いていなかった《先細りの収益/Diminishing Returns》。
撃てば撃つほど自分のライブラリーを危なくする怪しいカードだ。

こちらも適正コストは5.5あたりなのだろう。

全体的にコストを0.5刻みにするのは難しいから、
タップインという制限にしたり、
なんらかのデメリットをつけたり、
コストを上げてオマケをつけたりという試行錯誤になっている。

と、ここまではそれでOK。

《Black Lotus》

さて、最後を飾るは《Black Lotus》。
実は互換性あるカードがそんなにない。


ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond
0マナ、手札を全て捨てるというデメリット有り

これが一番最初の互換性あるカードと言えるのだが、
どうもこのカードの使い道は半分くらいが
「手札を全て捨てるついでにマナも確保」
だったりするから困る。
ついでに言うと、《Black Lotus》はタップ起動なのだが、
ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》はタップ不要で起動可能。
こういう点からも完全下位互換とは言いにくい。

完全な下位互換は言うまでもなく《水蓮の花びら/Lotus Petal》。

出るマナが3から1に減っている。
なお、これでもヴィンテージでは制限になっているので、
「ここまで下げてもアカンかった!」
と思っているのかもしれない。

宝石の睡蓮/Jeweled Lotus》はEDH専用機。
お話からは完全にズレるので無視。

そうなると《Ancestral Recall》と《祖先の幻視/Ancestral Vision》のように、
待機する《Black Lotus》である《睡蓮の花/Lotus Bloom》が能力は同じ互換性を持つカードとして出ている。

それ以外となると


金粉の水蓮/Gilded Lotus》:5マナ、生け贄などのデメリット一切無し。
水蓮の谷間/Lotus Vale》:アンタップ土地を2枚生け贄。
睡蓮の原野/Lotus Field》:土地を2枚生け贄&タップイン。

などのLotusの名を冠するカードで3マナは出るものの、
重たかったりデメリットがあったりというデザインが多い。

毎ターン使える《Black Lotus》としての存在が、
金粉の水蓮/Gilded Lotus》に着地している。
ここから考え、

例えばだが、

1~4マナで能力が《Black Lotus》なだけのカード

なんてものは生まれていない。
当たり前の話だが、1~2マナで能力が《Black Lotus》なだけのカードなんて、
生まれて良いわけがないレベルで強いのは一瞬でわかる。
いくらWotC社が禁止カードとシークレットレイアーを乱発するにしても、
そんなカードは作らないだろう。
適正コストも回答が難しい。

MTGの象徴たる《Black Lotus》のリメイクは最大の難関と言っても良い。
強過ぎず、弱過ぎずのラインを考えるのが難しい。
こればかりはΦマナを使うわけも行かないだろう。
それでもあえて適正コストに回答を出すのなら、

3・・・だろうか?

例えばダイアモンドのように、
2マナタップインで《Black Lotus》のテキストだと、
3ターン目にセットランドから6マナに手が届く。
EDHのようにデッキに1枚が前提の世界ならともかく、
4枚投入可能環境ではこれでも危ない。
そうなるとコスト3は現実的?
これだと3ターン目着地、4ターン目にセットランドから7マナに手が届く。
それはそれで十分か。
うーん、難しい。
4マナはどうみてもトーナメントカードから遠ざかる。
Black Lotus》は適正コストのリメイクは本当に難しそうだ。

最後に

このこらむは個人的に書いていてちょっと楽しかった。
各パワー9の存在を見直し、
WotC社がどのようなリメイクをしているのかを学ぶ良い機会だった。
そして《Black Lotus》のリメイクを想像してみるという思考実験も面白かった。
いかに《Black Lotus》のリメイクが難しいかを、
自分の頭で体験するというのは中々に無い機会で、
この質問者様にはお礼を申し上げたい。

さて、いつかは何かしらは出ると思うものの、
どんなリメイクが登場するか、
皆で楽しみに待つ事にしよう。

ではまた。



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