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MTGキーワード能力好きなものトップ3

記事作成日:2020/06/09 執筆:加藤英宝

この記事は2020年6月9日にnoteで掲載された記事をこらむに移行したものです。

 

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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英宝さんのMTGのキーワード能力で好きなものトップ3を教えて下さい。

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まずは3つ、即答から。

サイクリング
スレッショルド
双呪

の3つ。
この3つ大好き。
次点でバイバック。

1つ1つ書いていこう。

 

サイクリング

サイクリング [コスト]/Cycling [コスト]は、「[コスト], このカードを捨てる:カードを1枚引く。」

これを最初に見た時は
「これだ!俺の待ち望んでいた能力の1つだ!」
と感じた。
MTGに限った話ではないのだけれども、
どんなトレーディングカードゲームでもだいたい共通している事がある。
それは、いくら強いと言われているカードでも、
手札に来たら常に最強!というわけには行かないという事。
例えば、土地が6枚並んでいて、手札に土地がない状況の時、
ドローが《島/Island》であろうと、
Mox Sapphire》であろうと、
1マナ伸びるという理屈では同じだ。
(カウンターされるだとか金属術だとかそういう屁理屈は別として。)
こんな状況の時の《Mox Sapphire》に対して、
「さすが《Mox Sapphire》だ!強いぜ!」
と感じるわけがない。
土地が6枚も並んでいるなら、
ある程度のデッキや戦況において、
それほどもう1マナは必要ないし、
手札が無いなら《》との差は無いに等しい。
こういう時、
サイクリングカード1枚で戦況は一変する事がある。

対戦時にどうしても状況に対して効果的ではないカードを、
別のカードに変換可能な能力というものは、
非常に画期的で、実力を試される能力だ。
これは能力を見た時に最高に素晴らしいと思った。
また、ドラフト時も相当にこの能力は画期的だった。
これはサイクリングのカードが入っているパックを使用時なら、
ドラフトのコツの1つにもなる話。

「どうしても取るものが見つからなかったら、
サイクリングカードを取れ。」

という事。
特に無色マナでサイクリング出来るカードの場合、
デッキの色と全く合わなくてもOK。
カードの効果やコスト等を完全に無視して、

コスト:2
インスタント
カードを1枚引く。

というカードの効果になると思えば良い。
(無色マナのみでサイクリング出来るカードは、
大半が2マナでサイクリング出来るので上記のように書いている。)
ドラフト時にデッキを構築する際に、
どうしても困ったら最終的に採用する1枚をこれに出来る。
土地事故などを起こした際にも、
このサイクリング1枚で救われるシーンだってありえる。
手札のカードが無駄になりにくいという点は、
カードゲームではとにかく大きい。
まして、ドラフトのような限定戦では、
その1枚の有無が勝負を分ける事もある。

正義の命令/Decree of Justice》のような、
サイクリングして使うほうが強いという例外も出たが、
どちらにしてもこのシステムが画期的で、
MTGの勝負をより熱いものにした事は間違いない。

スレッショルド

スレッショルドーコントローラーの墓地にカードが7枚以上ある場合に限り起動できる起動型能力や、追加で得ることのできる何らかの恩恵を表す。
大抵はメリットだが、同時にデメリットになっている場合があり、特に黒に多い。時のらせんのタイムシフトカードで秘教の処罰者/Mystic Enforcerが再録されたことに伴い、能力語に変更された。

このシステムは最初に見た時に、
「なるほど!そんな考えもあったか!これは面白い!」
と感じた。
墓地を肥やす事で変化するというシステム、
そして墓地の枚数が7枚以上という、絶妙な枚数指定、
スレッショルドするかしないかをお互いに考える読み合い、
時に墓地を追放するカードで台無しにしたり、されたり、
考える余地が増えて素晴らしいシステムだと思った。

実際にこのスレッショルドが出た最初のセットのオデッセイ時代、
ドラフトがとにかく楽しかった事を今でも覚えている。
当時のドラフト、スタンダードでの、
野生の雑種犬/Wild Mongrel》1枚で、
スレッショルドをするかしないかの駆け引きはとても楽しかった。
個人的にはこのスレッショルドは基本セットに入れて欲しい程に好きだ。
ルールも「墓地が7枚で達成」というだけなので、
初心者にもわかりやすく、
考える基礎になりやすいシステムだと思っている。
また、前半はスレッショルドしないでプレイ、
後半ではスレッショルド後の強さを発揮、
という点でも、
デッキに採用されるカードが2つの強さを持ち、
加えて無駄カードになりにくい点もポイントが高い。
構築段階、プレイのどちらの観点からも考える事が増え、
このシステムは相当に戦略性が高くて素晴らしい。

トーナメントで最も活躍したのは、
敏捷なマングース/Nimble Mongoose》だ。
このカードはレガシーでも活躍している。
1マナ1/1の被覆、
スレッショルドすると3/3。
被覆のおかげで単体除去呪文が効かないので、
稲妻/Lightning Bolt》や《剣を鍬に/Swords to Plowshares》では除去出来ない。
このマングース以外にも、
これから先でレガシーで活躍するような、
スレッショルド持ちカードが出る事に期待したい。

ちなみに、墓地が6枚の状態、
つまり後1枚でスレッショルドになる状態を、

「ニセッショルド」

と呼んでいたのはウチの周りだけだろうか。

双呪

双呪 [コスト]/Entwine [コスト]」は、「あなたは、この呪文のモードを1つだけ選ぶ代わりに、すべてのモードを選んでもよい。そうしたなら、あなたは[コスト]を追加で支払う。」

この能力は、サイクリングの次に思い描いた望んだシステム。

・呪文の効果を複数から選べたら面白い。
・追加コストを払う事で複数を選べるようにして欲しい。
・選べる効果には相乗効果があって欲しい。

という願いが叶えられていた。

この双呪はサイクリングと似ている。
能力だけ見ると何にも似ていないので、
何を言っているんだコイツは?
と思われるだろう。

戦略性において、
サイクリングと双呪は似ている。
サイクリングは
「そのカードが通常プレイでは状況に対し有効的で無い場合に、
コストを払って別のカードに交換する。」

という使い方が基本。
双呪は、
「選べるモードのうち、状況に対し最も有効的なものを選ぶ。
または双呪コストを払ってより大きなアドバンテージを狙う。」

という使い方が基本。
これだけ書いても全然似てないのだけれども、
似ている点がある。
それは、
「最低2つの選択をプレイヤーが状況に応じて選択可能である事。」
という点。
この点についてサイクリングと双呪は共通していて、
「状況に応じてプレイヤーが選択可能」
という事は、
それは、プレイヤーの判断力が試される瞬間と言い換える事が出来る。

オマケを1つ書いておくと、
サイクリングカードの場合は、
「通常プレイ出来ると強いカードだから、
サイクリングせずにじっと耐えて、
通常プレイが可能まで待つ。」
という選択が出来、双呪カードの場合は、
「双呪コストまで払えるまでじっと耐えて、
双呪プレイが可能まで待つ。」
という選択が出来る。
この「じっと耐えて待つ選択が可能」という点も似ている。

まとめ

トレーディングカードゲームの面白さは、
チェスやオセロのように、
決まったパターンで盤面を読むだけのゲームではなく、
不確定要素があるからこそ熱くなれる一面がある。
しかし、それは当然俗に言う「運要素」であって、
運要素は実力の証明から遠ざかる要素でもある。
確率に左右される一面があるから面白くもあり、
その一面があるからこそダメと言われてしまう事もある。
その不確定要素を残していながらも、
こうした新システムの構築により、
少しだけでも不確定要素をプレイヤーの判断で排除出来る点は、
よりゲームを楽しく、そして熱くさせる。

この
・サイクリング
・スレッショルド
・双呪
3つのシステムは、
数あるMTGのキーワード能力の中の
「不確定要素をプレイングでカバーするためのシステム」
と言えるシステムでも、
特によく出来たシステムだと思う。

そして、この3つのシステムを、
「使い道の無い絶望的なカード達に
これらのどれか1つ付けてあげてくれ!」
と思う事が多い。

悲しい現実だが、
MTGのエキスパンションのカードの半分は、
間違いなくトーナメントで使われない。

時々1コスト下げると明らかにトーナメントカードになるものもあるが、
「おいおい、このカードにサイクリングつけても罪は無いだろう?」
「このカードにスレッショルドで+1/+1くらいならOKだろう?」
と思うものは多い。
カードデザイナーではない人間が言うのは
「お前わかってねえな。」
と言われかねないが、
やり過ぎと言われるカードや、
レギュレーション次第で禁止になるカードをデザインしておきながら、
あまりにも弱いカードをデザインするのはいかがなものかと思う。

例えば、
Spined Wurm/針刺ワーム

コスト:4緑
クリーチャー ワーム(Wurm)
5/4
コモン

というカード。
随分と基本セットに存在しているカード。
アモンケットで《巨大百足/Colossapede》(ただの5/5)の登場により、
完全に下位互換になっている。
もっとも、初期のカードである、《ダークウッドの猪/Durkwood Boars》は、
同コストで4/4なのでもっと下位互換カードなのだが、
この
ダークウッドの猪
巨大百足
針刺ワーム
どれ1つとしてトーナメントカードにはなった事がない。
ここに、

・スレッショルドで+2/+2
・緑:サイクリング

のどちらかを付けたとしても、
やっぱりトーナメントカードにはならないだろう。
いや、両方つけてもトーナメントカードにならないような気も。
実際のところ5マナの緑の生物には、
能力持ちの上位互換が既にいる。

一例ではこれ。

サイ甲虫の暴走/Crash of Rhino Beetles

コスト:4緑
クリーチャー 昆虫(Insect)
トランプル
あなたが土地を10個以上コントロールしているかぎり、
サイ甲虫の暴走は+10/+10の修整を受ける。
5/5
レア

素の状態でトランプルがあるので確定上位。
その上もう1つ能力持ち。
しかも条件付きとはいえ、
+10/+10となかなかに大盤振る舞い。
上記のバニラ君達は全く立つ瀬が無い。
ここに先程の例のサイクリングやスレッショルドを与えても、
別にこれといってゲームバランスを崩壊させる事は無さそうだ。

この《サイ甲虫の暴走》君ですら、
お値段格安である。
トーナメントでもサイ君は全然暴走しなかった。
能力だけ見て決して弱いわけではないけれども、
トーナメントでご活躍なさらないと値段が落ちる資本主義の世界ゆえ、
このカードの強さでもダメなものはダメなのだ。

さすがに《サイ甲虫の暴走》君はレアなだけに、
リミテッドでこんな生物に着地されると一発でゲーム終了までありえる。
(もっともこのカードはリミテッドで使う場面は無いが。)
けれども、《巨大百足》に

・スレッショルドで+2/+2
・緑:サイクリング

のどちらかだけつけたとしても、
「お、使い勝手が上がった!」
で程度で済む。
こういう点でちょっとカードデザインを見直しても良いと思う。

さて、この
・サイクリング
・スレッショルド
・双呪
の3つ、
自分はこの中で一番は決めづらい程どれも好きだが、
あえて選ぶならスレッショルドが一番だろうか。
スレッショルドするかしないかの駆け引き、
また、相手にスレッショルドさせないように墓地対策、
相手がスレッショルドした際に何をされるかという読み、
こういう戦いは非常に楽しい。
ここにサイクリングがからむと更に面白い。
サイクリングして墓地が1枚増えるの変化が勝負を大きく変える。
1つ1つのプレイに何が正解かをプレイヤーに問う能力はとにかく面白い。
というわけで、
WotC社さん、基本セットにスレッショルド入れて下さい!

ではまた。



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