EDH面白カード紹介 アーティファクト編
記事作成日:2022/07/01 執筆:加藤英宝
みなさん、こんにちは。ウィンターです。
先日Serraさんとお話ししていたところこんな話題になりました。
ウィンター「ちょっと聞いてみたいんですが、SerraさんがEDHで使っていて面白かったカードってありますか?」
Serra「面白いカード?」
ウィンター「EDHで強いカードはよく僕たちも話題にしますけど、このカードは面白い動きをするからオススメしたい!というような話題って中々しないですよね。」
Serra「確かにあまり話題には上げなかったな。しかし面白いの基準が難しいな。ウィンターくん、ちょっと書いてみてくれないか?」
というわけでEDH面白カード紹介スタートです。
強いカードというよりは、EDHならではの輝きを見せる独特なカードを紹介していこうと思います。
好評でしたらSerraさんバージョンも見れるかもしれないので、みなさまよろしくお願いいたします。
今回はアーティファクト編になります。
何かと不穏なことがテキストに書いてありますので、EDHでも採用枠を争うカードタイプです。
◆初めに紹介するのは《液鋼の首飾り》です。
《液鋼の首飾り/Liquimetal Torque》
コスト:2
アーティファクト
(T):(◇)を加える。
(T):土地でないパーマネント1つを対象とする。ターン終了時まで、それはそれの他のタイプに加えてアーティファクトになる。
基本的な使い方としては無色1マナが出るマナ・アーティファクトです。
主に利用していくのは下の能力です。
下の能力は、土地でないパーマネント1つをターン終了時までアーティファクトにすることが出来ます。
ミラディンの傷跡に収録された《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》の互換カードです。
《液鋼の塗膜》と比較した場合、マナが出るようになった代わりに土地を対象に取れなくなっています。
下記の使い方は《液鋼の塗膜》でも同様な動きが出来ますので、《液鋼の首飾り》・《液鋼の塗膜》の両採用もいいと思います。
通常の構築フォーマットでは対戦相手が1人なので、能力を生かすための専用構築をする必要があります。
一方EDHでは対戦相手が3人いますので、誰かがアーティファクトに対応するカードを持っている可能性がぐんと上がります。
そのため他のパーマネントをアーティファクトにする能力はEDHでは特に輝きます。
例えば、アーティファクト化能力を利用して疑似的な除去を行うことが出来ます。
EDHで採用されているアーティファクトは強力なものが多いので、色的に採用可能なデッキであれば基本的にアーティファクト除去は採用されています。
そこで《液鋼の首飾り》のアーティファクト化能力を起動すると、アーティファクト除去で本来触れないパーマネントにも対応可能になります。
相手の重要なパーマネントやジェネラルをアーティファクト化し、対戦相手と協力して除去することも可能です。
またアーティファクトの天敵カードと組み合わせることで相手のデッキを機能不全にすることも可能です。
使いやすい組み合わせ相手としては《大いなる創造者、カーン》があります。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
コスト:4
伝説のプレインズウォーカー — カーン(Karn)
対戦相手がコントロールしているアーティファクトの起動型能力は起動できない。
[+1]:クリーチャーでないアーティファクト最大1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それはパワーとタフネスがそれぞれそれのマナ総量に等しいアーティファクト・クリーチャーになる。
[-2]:あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーであるアーティファクト・カード1枚を公開するか、追放領域にあるあなたがオーナーである表向きのアーティファクト・カード1枚を選んでもよい。そのカードをあなたの手札に加える。
5
常在能力で対戦相手のアーティファクトが起動型能力を起動できなくなります。
《液鋼の首飾り》と組み合わせることで起動型能力をもつクリーチャーを封殺したり、効果の発動タイミングを縛ったりすることが可能です。
《大いなる創造者、カーン》本体も無色のカードなのでどの色のEDHでも採用可能なので、デッキに余裕があれば試してみてください。
◆次に紹介するのは《セレスタス》です。
《セレスタス/The Celestus》
コスト:3
伝説のアーティファクト
セレスタスが戦場に出るに際し、昼でも夜でもないなら、昼になる。
(T):好きな色1色のマナ1点を加える。
(3),(T):夜であるなら、昼になる。そうでないなら、夜になる。起動はソーサリーとしてのみ行う。
昼が夜になるか夜が昼になるたび、あなたは1点のライフを得る。あなたはカード1枚を引いてもよい。そうしたなら、カード1枚を捨てる。
自分のEDHデッキこらむでも何度か紹介しているカードです。
あらためて能力をおさらいしていきます。
シンプルにまとめると誰かのターン開始時に手札交換とライフ回復が出来るかもしれないカードです。
基本的には好きな色マナが出る3マナのアーティファクトです。
それに加えて昼夜が切り替わるたびに1枚の手札交換と1点回復が出来ます。
更に《セレスタス》自身にも昼夜を切り替える能力があります。
「昼」及び「夜」とは「イニストラード:真夜中の狩り」で登場した新メカニズムです。
「昼」及び「夜」が関係するパーマネントが場に出た時に、ゲームに昼夜の概念が適応されます。
一度ゲームに昼夜の概念が適応されると、残りのゲーム中「昼」及び「夜」いずれかの状態になります。
ゲームが昼や夜になった後、各ターンに昼夜が入れ替わるかどうかは、直前のターンにアクティブ・プレイヤーが唱えた呪文の数によって決まります。
条件は下記の2つです。
・ゲームが昼であり、直前のターンのアクティブ・プレイヤーがそのターン中に呪文を唱えなかった場合夜となります。
・ゲームが夜であり、直前のターンのアクティブ・プレイヤーがそのターン中に2つ以上の呪文を唱えた場合昼となります。
昼夜の切り替えについてはアンタップステップのアンタップ前に行われます。
またこのタイミングで昼夜が切り替わったことに起因して能力が誘発した場合、その能力はアップキープにスタックに置かれます。
《セレスタス》の手札交換能力はアップキープに処理されることが多いので覚えておきましょう。
EDHでは、対戦相手3人のうち1人がやることがなく何もせずターンを終了するということが通常の構築戦より発生しやすいです。
そのため昼から夜に変わることも多く、場に置いておくことが出来れば不確定ではありますがコスト無しに手札交換が出来ます。
一度夜になってしまえば2つ以上呪文を唱えるという昼に戻る条件も満たされやすいので、どんどんライブラリーを掘り進めることが出来ます。
ゲーム展開上、昼夜がなかなか切り替わらないこともありますが《セレスタス》自身の能力で3マナ払うことにより昼夜を変えることが出来ます。
昼から夜になる条件より、夜から昼になる条件のほうが満たしやすいため、能力を起動して積極的に夜にしておくのも一つの手段です。
無色のマナアーティファクトでどんなカラーのジェネラルにも搭載可能ですが、特に有効なのは手札交換が苦手なカラーに採用することです。
具体的には白黒が主体のデッキで本領を発揮します。
このカラーリングはドローがあまり得意ではなく、墓地からのつり上げカードを主体に組まれることが多いため恒常的な手札交換と相性が抜群です。
《セレスタス》により手札にきてしまった釣りあげたいカードを墓地に送りながら、釣り上げ用の呪文を探しに行くことが可能です。
どんなデッキに採用しても最低限《マナリス/Manalith》としての機能は果たすので腐りにくいです。
デッキに採用する枠がある方や、マナ。アーティファクトの採用を検討する際は《セレスタス》を一考してみてはいかがでしょうか。
◆次に紹介するのは《蜃気楼の鏡》です。
《蜃気楼の鏡/Mirage Mirror》
コスト:3
アーティファクト
(2):アーティファクト1つかクリーチャー1体かエンチャント1つか土地1つを対象とする。ターン終了時まで、蜃気楼の鏡はそれのコピーになる。
変則的な《クローン/Clone》系統カードの1枚です。
起動効果で2マナ払うことでプレインズウォーカー以外のパーマネントに変身することが可能です。
シンプルな能力でありながら相手にすると厄介なカードなのでこちらで紹介したいと思います。
個人的に思う厄介ポイントとして、アーティファクトでありながら除去されにくいというものがあります。
変身能力はインスタントタイミングで起動できるので、相手の除去に対応して変身することが可能です。
相手のアーティファクト除去に対応してアーティファクト以外になることで除去を立ち消えさせることができます。
また、EDHでよく使われる除去に《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》があります
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
コスト:1青
インスタント
あなたがコントロールしていない土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
超過(6)(青)(あなたはこの呪文をその超過コストで唱えてもよい。そうしたなら、あなたがコントロールしていない土地でない各パーマネントをそれぞれオーナーの手札に戻す。)
対戦相手のエンド時にもっぱら超過コストで唱えられますので、土地でないパーマネントを手札に戻されてしまいます。
その際に変身能力を起動して土地になることで《サイクロンの裂け目》から逃れることが出来ます。
さすがにパーマネント除去から逃げることは難しいですが、想像以上に除去されにくいカードとなります。
変身効果についても触れていきます。
この効果はプレインズウォーカー以外であればどのカードにも変身できるので、盤面への依存度は高いですが器用に立ち回ることが出来ます。
最低限相手のコントロールしているジェネラルに変身することが出来ますので、相手の力を利用しやすいカードです。
注意点として、《蜃気楼の鏡》の変身する能力は《クローン》系列と違い対象をとる能力です。
そのため呪禁や被覆や護法といった対象をとる際にネックとなる能力に軒並み引っかかってしまいます。
僕もSerraさんの《生ける卒論、オクタヴィア/Octavia, Living Thesis》をコピーしようとして受験料が払えなかったことがあります。
深いことを考えずに起動すると痛い目に合うので気を付けましょう。
近い役割のカードに《呪われた鏡/Cursed Mirror》があります。
《呪われた鏡/Cursed Mirror》
コスト:2赤
アーティファクト
(T):(赤)を加える。
呪われた鏡が戦場に出るに際し、あなたは「ターン終了時まで、これは、これが速攻を持つことを除き、戦場にあるクリーチャー1体のコピーになる。」を選んでもよい。
こちらのカードは出たターンのみ場のクリーチャーのコピーとなり、以降は赤マナの出るマナのアーティファクトとして機能します。
場に出た時のみしかコピーが出来ませんが、マナを投資せずに変身できること、マナ・アーティファクトとして最低限機能することなど違いがあります。
デッキによって使い分けていきましょう。
時には相手のヘイトベアに変身し足を引っ張り、時には相手の土地に変身しマナ源として活躍するトリッキーなこのカードを検討してみてはいかがでしょうか。
◆今回最後に紹介するのは《冥界生まれの祭壇》です。
《冥界生まれの祭壇/Netherborn Altar》
コスト:1黒
アーティファクト
(T),冥界生まれの祭壇の上に魂魄(soul)カウンターを1個置く:あなたの統率者を統率領域からあなたの手札に加える。その後、あなたは冥界生まれの祭壇の上に置かれている魂魄カウンター1個につき3点のライフを失う。
《触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchable》のEDHでおなじみのアーティファクトです。
ライフと引き換えにジェネラルを統率領域から手札に加えることができるカードで《統率の灯台/Command Beacon》系列のカードです。
所謂統率者税をライフで肩代わりできると考えていいと思います。
2マナで使いやすく起動がタップのみで済むので即効性も高いです。
ライフコストも初期ライフが40あるので1~2回の起動なら気になりません。
支払うライフはカウンターで管理されているのでバウンス等でカウンターを取りのぞきながら使いまわすことも可能です。
《統率の灯台》と比較した場合、土地のプレイ権利を消費しない点と何度も使用できる点でこちらが勝ります。
一方でプレイにマナがかかる点と奇襲性がない点で劣ります。
《統率の灯台》と《冥界生まれの祭壇》は両採用がしやすいカードなので、対戦相手や盤面の状況に合わせて使いましょう。
奇襲性の部分については使ったことがない人には実感がわきにくい部分かと思いますので記載します。
《冥界生まれの祭壇》の祭壇の場合、ジェネラルをプレイして動き出す前に手札に回収したいのであれば先に置いておく必要があります。
ジェネラルを出すターンに《冥界生まれの祭壇》までプレイすると若干動きが鈍くなります。
そうでなくても《冥界生まれの祭壇》に置くこと自体が、走るためのサインとなってしまいますので相手に構えられてしまいます。
《統率の灯台》は土地の権利を使うだけでジェネラルが手札に来るため、盤面に見えてないところから動き出すことが可能です。
《冥界生まれの祭壇》にかかる2マナで黒いデッキお得意のサーチカードを使うことも出来ます。
そのため事前準備が必要な《冥界生まれの祭壇》よりも《統率の灯台》の方が奇襲性が高くなります。
奇襲性では劣りますが何度も使うことの出来る《冥界生まれの祭壇》にも強みがあります。
統率領域からの回収が容易になるので、ジェネラルの使いつぶしがしやすくなります。
多少強引な手段も取りやすいので、自分が攻めているときに非常に強いです。
実際に採用するデッキとしては、マナが伸ばしにくいデッキや統率領域からジェネラルを出せないデッキになります。
その最たる例が 《触れられざる者フェイジ》ですが、他にも黒が主体のデッキでも有効です。
特にデッキの構成上墓地回収や墓地蘇生が使いずらいデッキとは相性がいいと思います。
意外と使い勝手がよく、除去を気にせずジェネラルで押し込みやすくなるこのカードを検討してみてはいかがでしょうか。
◆終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は自分がEDHで使って面白かったカード、使われて面白かったカードをピックアップしてみました。
いわゆる強いカードとはまた一味違った使い方があり、ハマると病みつきになります。
好評であれば続編や英宝さんの書いたバージョンも出ると思いますので、この記事を読んでいただいた方は感想を頂けるとありがたいです。
また次回もよろしくお願いいたします。