《Hollowborn Barghest/うろ穴生まれのバーゲスト》
記事作成日:2022/03/10 執筆:加藤英宝
今回のこらむのお題は《うろ穴生まれのバーゲスト/Hollowborn Barghest》。

《Hollowborn Barghest/うろ穴生まれのバーゲスト》
コスト:5黒黒
クリーチャー デーモン(Demon)・犬(Dog)
あなたのアップキープの開始時に、
あなたの手札にカードが無い場合、各対戦相手は2点のライフを失う。
各対戦相手のアップキープの開始時に、
そのプレイヤーの手札にカードが無い場合、そのプレイヤーは2点のライフを失う。
7/6
レア
能力としてはとにかく手札が無いと対戦相手が痛い目を見る。
《拷問台/The Rack》の亜種というべきか。
誘発する条件が「手札が無い」つまり0枚の時だけなので、
《拷問台》のように器用ではない。
トーナメントカードか?と言われるともちろんノー。
今までこのカードがトーナメントで使われた記憶はない。
コスト7でこの程度の能力では、
基本的にトーナメントでは活躍不可能。
EDHでは?と言われるとこれまたノー。
デーモンなので《巨大なるカーリア/Kaalia of the Vast》なら、
コストを踏み倒して出す事も出来るけれども、
天使、デーモン、ドラゴンのコストを踏み倒せる《巨大なるカーリア》ゆえに、
他に優秀な天使、デーモン、ドラゴンは腐る程いる。
カーリアさんでの採用競争率はかなり激しいので、
残念ながらバーゲスト君は採用には至りにくいという評価。
なんでこんなカードをこらむのお題に?
という話で言うと、ただのよもやま話。
案外知らないんじゃない?
という程度の雑学、無駄知識のお話。
《うろ穴生まれのバーゲスト》というカード名のバーゲスト、
沢山あるMTGのカードでも「バーゲスト」という名はこのカードだけ。
(2022年3月の時点で。)
バーゲストって何?と言って説明出来る人はどのくらいいるだろう。
バーゲストはイギリス北西部の民間伝承に登場する不吉な妖精とされている。
鎖を引きずり、角と鉤爪のある赤い目をした黒犬の姿で描かれる事が多い。
バーゲストの名の由来は、
ドイツ語のbahr(棺桶)とgeist(悪霊、ゴースト)が語源と考えられている。
他にも「バー」の発音の不吉な単語や恐れられる獣
(例えば熊(ドイツ語でbar、英語でBear)なども語源ではないかと言われている。
後半のゲストの部分はゴースト、悪霊を意味する単語でほぼ固定。
バーゲストは不吉の先触れであり、
バーゲストを見ると親しい人の不幸が訪れると言われている。
または重要な人物の死が近づくと荒野で吠え猛るというお話もある。
「見たら死ぬ」
のようなイメージはファンタジーによくあるお話だ。
(ゴルゴン、メデューサ、バジリスク、コカトリス等。)
こういった存在のため、MTGのデザインもそれに倣っており、
黒犬で描かれる事が多いから、
カードの色は黒にデザインされ、
クリーチャータイプにも犬(Dog)がついている。
能力の部分は「不幸を撒き散らす」という意味合いなのかもしれない。
でも一応言っておくと黒犬の姿で描かれるだけであって、
バーゲストという存在自体は別に犬ではないらしい。
妖精の類なのでフェアリーかエルフにしておいたほうが伝承とはピッタリにはなるのだが、
イメージの問題でデーモンになったのだろうと思われる。
MTGのイメージだと
フェアリー:飛行していてあまりパワーとタフネスが大きくない。
青のイメージが最も強く、小回りの効く能力持ち。
エルフ:地上生物でやっぱりパワーとタフネスはそこまで高くない。
緑のイメージが最も強く、マナを生み出す能力や器用な能力が多い。
という感じで、
どちらの種族も7マナのパワーファイターのようなカードは滅多に見ない。
そういう理由からデーモン&犬なのだろう。
けれども、
この《うろ穴生まれのバーゲスト》が出たのはシャドウムーア。
部族をテーマにしたセットであり、
フェアリーがいっぱい出てきたセット。
その中に入っていたカードなので、
妖精を意識していたのかもしれない。
開発段階ではフェアリーだった可能性も。
ちなみにどうでもいいお話を付け加えると、
バーゲストは「不幸をばらまく」なのだが、
この《うろ穴生まれのバーゲスト》の絵師はEric Fortune。
フォーチュン(Fortune)は幸運を意味する単語。
ちょっと面白い偶然というか皮肉?のようなもの。
と、こんな感じで今日のお話はおしまい。
たぶん使われる事の無いカードのほんのちょっとの豆知識。
ファンタジーの世界のこういう事を知っておくと、
それはそれでMTGを楽しめますよーというお話。
ではまた。

