EDHの必須カードについて2。
記事作成日:2013/05/10 執筆:加藤英宝
前回のこらむの補足。
「これも結構必須なんじゃないの?」
「多くのデッキに高確率で採用されてるでしょ?」
と言われそうな、
準必須カードたち。
前述で話題に出たカード(ヴェールのリリアナや動く死体等)は、
このこらむには載せないのでご了承を。
前述のカードを踏まえてのお話なので、
読んでいない人は前こらむから。
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–白–
・《太陽のタイタン/Sun Titan》
白の優秀な釣竿。
フェッチランドと相性が良い。
そして自ら《ハルマゲドン/Armageddon》を撃った場合も、
これがあるだけで復帰速度が桁違い。
無限コンボのパーツにもなる、
白の優秀クリーチャーベスト5に入りそうな1枚。
・《修復の天使/Restoration Angel》
クリーチャーデッキならほぼ入ると言っていい。
場に出たら仕事してくれるクリーチャーに、
再度仕事をさせる素晴らしい生物。
キキジキと組み合わせると瞬殺コンボになるので、
コンボ狙いの人も採用する。
・《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
エンチャントかアーティファクトと、
結構幅広く持ってくる事が出来る。
とはいえ、多少はデッキを選ぶ。
・《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
クリーチャー主体やジェネラルダメージ狙いなら採用。
コンボ主体ならクビ。
コントロール重視だと入れておいても面白い。
エルズペス+《Moat》+《謙虚/Humility》が置けると最高。
滅多に出来ないが、
エンブレムを手に入れてからのハルマゲドンは撃てたら最高。
・《Moat》
置いたら地上クリーチャーが全員役立たずに。
値段が高い事が欠点だが、
EDHで置くととても面白い。
–青–
・《時のらせん/Time Spiral》
墓地を0にする呪文であり、
7枚ドローする呪文であり、
墓地を活用する相手のコンボを叩き潰し、
自分のコンボを決めるための邪悪なカード。
撃ったら追放されてしまうのが残念だが、
土地6枚アンタップという優秀さ。
文句無しに強い。
・《Timetwister》
墓地を0にする呪文であり、
7枚ドローする呪文であり、
墓地を活用する相手のコンボを叩き潰し、
自分のコンボを決めるための邪悪なカード。
EDHで唯一使う事が出来るパワー9。
土地はアンタップしなくとも、
コストは3で、指定コストは1つだけ、
追放されないので、回収して再度撃てる強み。
欠点はEDHで使えるカードの中でも、
トップクラスのお値段である事。
さすがはパワー9。
・《Copy Artifact》
コストはたったの2で、
指定コストも1つだけ。
他人のアーティファクトでも、
自分のアーティファクトでもいいので、
有用性は非常に高い。
特に他人が置いていて、
自分が置いていない場合の太陽の指輪/Sol Ringを、
2ターン目にコピーで出せるだけでも、
スピード的に追いつきやすくなる利点。
そして、スランの発電機や金粉の水蓮をコピーすると、
そのターンに使えるマナさえ増えるという美味しさ。
確実に及第点をあげられる1枚。
面白い使い方としては、
師範の占い独楽をコピーした場合、
タップ能力を起動してライブラリーに戻り、
再度プレイして、コピーし直せる。
・《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
前こらむに書かなかっただけで、
これがいらない青いデッキがあるのだろうか7号。
ただでさえインスタントとソーサリーが優秀な青で、
この性能は非の打ち所なし。
「青い《新たな芽吹き/Regrowth》」という称号をあげてもいい。
・《神秘の教示者/Mystical Tutor》
前こらむに書かなかっただけで、
これがいらない青いデッキがあるのだろうか8号。
ただでさえインスタントとソーサリーが優秀な青で、
この性能は非の打ち所なし。
・《金粉のドレイク/Gilded Drake》
たった2マナでジェネラル対策出来るカード1号。
・《幻影の像/Phantasmal Image》
たった2マナでジェネラル対策出来るカード2号。
・《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
3マナと2ライフでジェネラル対策出来るカード。
このカードは青いものの、アーティファクトなので、
テゼレットのX=4で持ってくる事が出来るのも強み。
・《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
序盤は危険なジェネラルや厄介なパーマネントを2マナで戻せる、
終盤ならかなりのアドバンテージを狙える、
使い分けがしっかり出来て、無駄がないカード。
・《時間のねじれ/Time Warp》
・《時間操作/Temporal Manipulation》
・《荊州占拠/Capture of Jingzhou》
全部5マナの追加ターンカード。
《時間のねじれ/Time Warp》だけプレイヤーを対象にする。
他の2種は自分限定の追加ターン。
《誤った指図/Misdirection》されるのは時間のねじれだけ。
そして、別に効果としては何の変化もない事なのだが、
EDHにおいてこれが強いのは、
追加ターンという言い方ではなく、
どちらかと言うと、
「他の3人のターンを飛ばしている」
という表現のほうがわかりやすいのではないだろうか。
・《時間の伸長/Time Stretch》
「他の3人のターンを2ターン飛ばす」カード。
10マナと重いが、それだけの価値もある。
対象を選ぶカードなので、
《誤った指図/Misdirection》されると死ぬ。
・《誤った指図/Misdirection》
カウンター合戦になった時に撃てると強い。
追加ターン呪文を奪えると強い。
ジェネラルを狙ってきた単体除去を回避出来ると強い。
が、
対象の無い呪文やクリーチャー呪文をカウンター出来ないので、
手札で握ったままくやしい思いをする事もままある。
・《双つ術/Twincast》
青い呪文カードが基本的に邪悪な効果なので、
これが弱くなる理由はない。
他者が何を撃ってくるか待つのも面白い。
自分の追加ターン呪文をコピーすると、
対戦相手3人が
「ゲーム終了でいいですか?」
と言ってくれる事もある。
・《意外な授かり物/Windfall》
3マナのジェイスなどと組み合わせると、
7枚ドローを超える事も。
今までの経験としては、
期待値としては5枚ドロー程度。
3マナの呪文としては十分な程仕事をしてくれる。
–黒–
・《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion》
ジェネラル禁止されるだけあって強い。
相手が維持するためのエンジンを持っていると厳しい。
黒のコントロール系ならば入れておきたい1枚。
・《四肢切断/Dismember》
序盤に出てくるジェネラルでタフネス6以上や、
プロテクション黒を持っている奴はまずいないので、
4ライフ払えば1マナでほとんどのジェネラルを除去出来る。
・《死の雲/Death Cloud》
X=5以上で撃てたらほぼ勝ちに近い、
黒のフィニッシュカード。
アーティファクト、プレインズウォーカー、エンチャントが壊れないので、
相性良く組んであれば相当強い。
指定コストが多いため、単色か2色デッキで使われる事が多い。
・《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》
対戦相手全員に《悪魔の布告/Diabolic Edict》。
序盤のジェネラル対策の1つ。
他のクリーチャーが並んでいると意味がないが、
プロテクションや被覆、呪禁を無視して倒せるのも魅力。
・《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
黒の安定ドローエンジン。
スタートが40ライフもあるだけに、
1ライフが痛い事はまずない。
・《夜の囁き/Night’s Whisper》
黒の安定ドローカード。
間違っても
「夜用ウィスパー」
などという名前で呼んではいけない。
女性プレイヤーの前で言おうものなら、
確実にセクハラである。
EDHでは2ライフで朝まで安心…じゃない、
2ライフで2枚ドローの安心カード。
だから間違っても夜用ウィスパーと呼んではいけない。
いいか?夜用ウィスパーと言っちゃだめだぞ!
–赤–
・《熱情/Fervor》
クリーチャー主体、ジェネラル主体のデッキなら、
かなりの確率で必須。
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》と違って、
装備に対応されるなどのリスクが無い事と、
自分の全クリーチャーに影響が出る事が強み。
また、アーティファクトよりエンチャントのほうが破壊されにくいため、
これも強みの1つ。
・《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》
多少デッキを選ぶものの、能力は最高級。
相手のプレインズウォーカーを奪って使うのが面白い。
後述の《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》と組み合わせると、
瞬殺コンボにもなる点もポイント高し。
指定コストも1つだけという使いやすさが優秀。
・《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
ミスターコンボ君。
見たらそのコントローラーかこいつを倒せ。
こいつほど危ないクリーチャーはいない。
こいつを場に1ターン放置して安全である事など、
まず無いと考えるべき。
・《汚損破/Vandalblast》
序盤なら1マナで1枚、
中~終盤ならアドバンテージの塊。
対戦相手のアーティファクトを合計10枚破壊なんて事も。
・《混沌のねじれ/Chaos Warp》
赤にしては珍しい万能除去。
ただし、坊主めくりで死一直線の場合も。
・《業火のタイタン/Inferno Titan》
柔軟性高い火力を誇る赤のエース。
ゴブリン特化(というか《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》)以外なら、
結構な確率で採用して損無しの1枚。
・《ギャンブル/Gamble》
筆者はそれほど好きではないが、
一応好きなカードを持ってくる事が出来るかもしれない1枚。
1ターン目に撃って《Mana Crypt》持ってくる人多し。
–緑–
・《森林の始源体/Sylvan Primordial》
《原始のタイタン》が禁止になった後釜として君臨する生物。
こいつのせいで《テラストドン/Terastodon》の立つ瀬が無くなりかけている。
4人対戦ならば、相手のパーマネントを3枚沈めて、
森を3枚持ってくるという暴挙。
しかも多色デッキなら、
デュアルランドやギルドランドで森と書いてあるものまでOK。
エルフ特化以外の緑なら採用率は高い。
・《内にいる獣/Beast Within》
緑の万能除去。
EDHでは3/3のトークンはあまり気にならない。
・《調和の中心/Concordant Crossroads》
マナクリーチャー主体かつ、
フィニッシャーがエルドラージのデッキでは、
これがあると無いとでは大きく違いが出る。
他プレイヤーのクリーチャーにも速攻を与えるので、
置く時は注意が必要。
・《俗世の教示者/Worldly Tutor》
チューターが弱い理由はありません。
以上説明終わり。
–アーティファクト–
・《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《熱情/Fever》同様、
クリーチャー主体、ジェネラル主体のデッキなら、
かなりの確率で必須。
《熱情/Fervor》と違って、
装備してしまえば被覆がつく事と、
無色であるため、どのデッキにも入る事が強み。
・《金属モックス/Chrome Mox》
前こらむの《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》とほぼ同等。
初手のロケットスタートを目指すための1枚。
個人的には何色でも出るダイアモンドのほうが優秀と判断した事もあり、
前こらむではこちらは書かなかった。
・《オパールのモックス/Mox Opal》
前述2種のモックスとは少し役目が違う。
少なくとも1ターン目にアーティファクト2枚を置いて、
これを置ける事があまりないので、
実質では2ターン目以降の速度アップ狙い。
採用率としても前述2種のモックス程ではないが、
アーティファクトランド、印鑑、Mana Crypt、太陽の指輪、
魔力の櫃、師範の占い独楽、連合の秘宝…と、
採用されるアーティファクトが多いので採用率は低くない。
伝説パーマネントなので対戦相手と対消滅する事がある。
気がつかずにプレイしないように注意。
・《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
入れるものが思いつかない時には必ず採用しよう。
無駄になる事は滅多に無い。
・《速足のブーツ/Swiftfoot Boots》
稲妻のすね当てと違って呪禁がつくようになったが、
装備コストが1になってしまった速攻装置。
クリーチャー主体で入れるものが思いつかない時には、
これを採用しておけば無難という1枚。
・ミラディンの友好色にだけあるタリスマン5種
《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
《衝動のタリスマン/Talisman of Impulse》
《耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence》
《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
《団結のタリスマン/Talisman of Unity》
色が合っていれば印鑑と同レベル。
1ダメージは気にしないように。
・《友なる石/Fellwar Stone》
3人も対戦相手がいればだいたいどれか1つくらいは、
色がかぶってくれるので結構好きな色が出てくれるアイテム。
注意点は誰も土地を置いていない状態では、
無色マナさえ出せないこと。
・《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
5マナから8マナへ一気にアクセスするアイテム。
1ターン目に魔力の櫃、2ターン目に金粉の水蓮と動いても、
3ターン目以降がかなり安定する。
・《スランの発電機/Thran Dynamo》
無色とはいえ、4マナで3マナでるアーティファクトは優秀。
デメリットも無く、使いやすい1枚。
これと金粉の水蓮があると、重いカードがプレイしやすい。
・《彫り込み鋼/Sculpting Steel》
無色の《Copy Artifact》。
スランの発電機、金粉の水蓮をコピーすると、
次のターンのマナがかなり安定する。
–無色–
・《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
MTG史上ベスト3に入るバケモノ。
《精神力/Mind Over Matter》+《寺院の鐘/Temple Bell》のコンボのように、
これそのものをプレイする気が無いデッキにも採用される。
後述のウラモグも同様。
・《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》
MTG史上ベスト3に入るバケモノ。
ちなみに、このベスト3の1位はEDHで禁止されている、
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》。
コジレックとウラモグの両方を入れるデッキもあれば、
片方だけというデッキもあるが、
この2種の人気は高い。
エムラクールが禁止から解除される事は無いだろうから、
当分はこの2種は人気をキープするだろう。
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こうして補足を書いても、
準必須カードも青が多い。
とはいえ、EDHは青だけの世界ではない。
ジェネラルや色同士の相性もある。
必ずしも青が勝つとは限らない。
ただ、だいたいマジックで悪さする色は青か緑である。
さて、ここまで書いてきたEDHの必須カードや準必須カード、
読んでいる方のデッキ構築の参考になれば嬉しい。
いつか環境が変わったり、
準必須カードや必須カードが増えた時に
またこういった事を書きたいと思う。
※前こらむにも書きましたが、
ここに羅列したカード達が無ければデッキが組めないというものではありません。
そして、ここに載らなかったカードが弱いということもありません。
ではまた。