2013GP横浜
記事作成日:2013/03/06 執筆:加藤英宝
今回のGPは初のブース出店。
以前にグランプリや世界選手権でブースにいたことはあるが、
全て海外のショップのお手伝いだった。
自分がブースを出すのは初めて。
横浜は靜岡県東部からすれば、
それほど遠くない距離なので、
車に在庫とスタッフを乗せて行く事に。
–前日–
横浜についてホテルにチェックイン。
GPの三日間は中華街に行く事さえ難しくなるかもしれないので、
ホテルに荷物を置いて、
真っ先に中華街に行って中華を食べる。
それなりにいいところで食べたので、
お値段もそれなり。
確かに味は良いが、
このレベルなら靜岡なら半額で食べられる味。
台湾なら靜岡のさらに半額で食べられる味。
つばめの巣のスープだけは格別に美味しかった。
量があまりに少ないのが残念。
1リットルでも飲む勢いだった。
食べ終わった後は別のお店で肉まんを食べる。
デブ一直線の食いっぷり。
Serra「ゆーだい、ダイエットするとか言ってなかった?」
ゆーだい「明日から。」
Serra「この前も聞いたよね、それ。」
ゆーだい「流行ってますからね。」
あとはホテルに戻って就寝。
–初日–
金曜日(平日)という事もあって、
お客様はそんなに来ないんだろうと思っていたら、
そんな事はなく、開場と同時に多くの方がブースに雪崩れ込む。
今回は、
タルモくじという名の未来予知、
ウィルくじという名のアライアンス、
土地くじという名のリヴァイズド、
土地くじ×3という名のリヴァイズドスターター、
カラカスくじという名のレジェンド
を用意。
リヴァイズドのスターターなんて売れないんじゃないかとも思ったが、
どれも案外と売れていく。
特に未来予知のパックがとてつもない勢いで売れて行った。
レジェンドはカラカスくじと名乗っているものの、
《Karakas》以外にも結構当たりが多い。
アンコモンに《Mana Drain》、《土地税/Land Tax》、《森の知恵/Sylvan Library》などがある。
レアは《Moat》、《Nether Void》、《The Abyss》、《Eureka》、《Chains of Mephistopheles》、
そして、《The Tabernacle at Pendrell Vale》。
シングルカードのほうは《Wheel of Fortune》、《Basalt Monolith》がよく売れた。
間違いなくEDH需要だとわかる2枚だ。
どちらの品も2枚以上買う人はおらず、
必ず1枚ずつ売れていくところもわかりやすい。
ジャッジの方や友人に食事に誘われるものの、
会場を出られそうな時間が夜10時を超える事が確定していたため、
泣く泣く断念。
近くのネパールカレー屋さんのテイクアウトにギリギリ間に合い、
なんとか食べ物にありついた後に就寝。
–2日目–
GP本戦一日目。
今回は2297人という、
日本のGP最高の参加人数。
開場と同時に金曜日を超える人の数。
夜の9時まで休む暇などほとんど無しの状態。
本戦参加者が約2300人なだけで、
サイドイベントやサイン会への参加者や、
ブース、主催関係のスタッフ、ジャッジなどは別という事を考えると、
会場内にいる人の数は合計3000人くらいはいるだろう。
なんとも大きなイベントだ。
GP横浜のカバレッジでも紹介されていたのでこちらでも。
ブースの風景。
左端が歩く翻訳こんにゃくの異名をとる男、ゆーだい。
この男がいないとお店が潰れると言っても過言ではない。
その隣がCardshop Serraのおばかな店主。
この男がいなくてもお店は潰れないと言っても過言ではない。
2日目も順調に古い未開封パックが売れて行く。
多くのお客様が買った直後に開封するので、
何が出たかを見る事が出来てとても楽しい。
この日はなんと、
《Black Lotus》のβ版と《Ancestral Recall》 β版PSA8が売れる。
2枚は別々の人が買ったのではなく、
たった一人の人が購入。
かっこいい買いっぷりだった。
そして、ついに《Wheel of Fortune》が売り切れになる。
残るはUnlimited版とβ版だけ。
EDHがそれだけ多くの人にプレイされているという事を実感出来る。
売れる理由は同じで、
《Copy Artifact》、《新たな芽吹き/Regrowth》、《Mana Crypt》、《Transmute Artifact》など、
昔のカードがとても人気があった。
どうでもいい事ではあるが、
EDHを統率者戦と呼んでいる人はいなかった。
ジェネラルをコマンダーと呼ぶ人もいなかった。
この日も予定では友人と食事という予定だったが、
2000人規模のGPで、9回戦というハードスケジュールであるため、
ブースにいる我らも閉店して帰るわけにも行かず、
この日も食事は諦め。
スタッフだけで関内のそば屋に入る。
空腹は最大の調味料と言う人がいるが、
あれは嘘だ。
美味しくないぞ、このそば屋。
そば屋での会話。
ゆーだい「あとでコインランドリー行かなきゃ」
Serra「どこ洗うの?」
ゆーだい「何言ってんですか、店長」
Serra「…。」
ゆーだい「疲れてるんですね。」
Serra「そうらしい。」
この謎の会話をした後、ホテルに戻って就寝。
–3日目–
GP本戦ニ日目。
本戦初日抜けした人がメインである事もあってか、
GP本戦一日目ほどの盛況ぶりはないが、
それでもかなりのお客様が来てくれた。
未来予知は持ってきた分が綺麗に完売。
アライアンスも完売。
アライアンスはもうちょっと持ってきても良かったかもしれない。
みんな《Force of Will》引きたいんだなぁとわかる程よく売れた。
この日はUnlimited版の《Wheel of Fortune》も売れて行った。
EDHはかなり浸透してきていると言える遊び方なんだと実感出来る。
その他にも、
《Timetwister》や《時間操作/Temporal Manipulation》を欲しいと言うお客様の数も多かった。
もちろん、高くて手が出ないというお客様も多いが、
この三日間で買って行く人もいた。
パワー9という名を冠していながら、
ヴィンテージで見る事はほとんど無くなった《Timetwister》が、
これ程に注目を浴びた事は無いだろう。
EDHという遊び方のおかげで、
「つかえないパワー9」
という汚名を返上出来たと言っていい。
値段も他のパワー9よりは下ではあるものの、
需要と値段の両方が上がってきている。
それから、この日はサイドイベントのレガシーが300人を超えたとか。
スタンダード以外の遊び方が日本にも浸透している事は喜ばしい。
そして、レガシーが9回戦という話を聞き、
この日も夜10時過ぎてもホテルに戻れない事が確定。
ああ、今日くらいはまともなご飯が食べたいが、
今日も11時過ぎるのかな…などと考えていた矢先に、
突然、《Mox Pearl》のβ版が売れる。
そうかと思えば、
「最後に花火を上げにきました。」
という言葉とともにレジェンドを買って行くお客様も。
最後のお客様のお相手が終了した後、
ゆっくりと片づけを始める時、
スタッフにレジェンドのパックをプレゼント。
そこでスタッフが一言。
「出たレジェンドをジェネラルにしましょう。」
「OKだ!」
「ルールはこのジェネラルを活躍させること!」
「コンボは仕込んでもいいが、ジェネラルが無関係なら無効!」
この流れで、自分もパック開封。
出てきたのはこの2種のイキモノ。
《Ramirez DePietro》
コスト3青黒黒
伝説のクリーチャー人間(Human)・海賊(Pirate)
先制攻撃
4/3
アンコモン
《Princess Lucrezia》
コスト:3青青黒
伝説のクリーチャー 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(T):あなたのマナ・プールに(青)を加える。
5/4
アンコモン
どっち選んでも青黒。
どっち選んでも6マナ。
さあ、頑張って作ろう。
レジェンド開封の儀が終わった後は、
三日間頑張ってくれたスタッフに焼肉をおごる。
Serra「ゆーだい、ダイエットするとか言ってなかった?」
ゆーだい「明日から。」
Serra「この前も聞いたよね、それ。」
ゆーだい「流行ってますからね。」
焼肉を食べてお腹いっぱいになった後は、
明日は帰るだけという安心感で、
倒れこむようにホテルのベッドへ。
最後に。
多くのお客様、来ていただいて本当に嬉しかったです。
中には、飲み物や食べ物を差し入れしてくださる方もいました。
ありがとうございます。
予想していない事だっただけにとても嬉しく感じました。
また、三日間、毎日誰かに言ってもらえました。
「こらむ読んでます。」
「SerraさんのこらむでMTG復帰しました。」
「SerraさんのこらむでEDH始めました。」
「いつかお泊り行きます!」
「いつも更新期待してます!」
「Serraさんのデッキそのまま完全コピーして使ってます!」
「ムーミンとニヴ、最高に強いです!いつも参考にしてます!」
沢山の言葉をいただきました。
このこらむを書いている自分自身は、
こんな駄文、読んでいる人がいるんだろうか?
と思いながら書いている事もあり、
こんなに多くの方に、これだけの言葉がもらえるとは思っておらず、
一番の驚きでした。
遅筆な自分ですが、
これからも読んでくださったら嬉しいです。
そういえば、ブースに来たお客様で
「Cardshop Serraを知らないし、店主の事も知らない。
でも《三日月の神》=ムーミンというのは知ってる。」
という人もいました。
ではまた。