ゼロから始める異世界生活。
記事作成日:2021/07/02 執筆:加藤英宝
先日、店主と友人二人で食事をした際に、
「ヴィンテージ、オールドスクール、レガシーについて、
ゼロからフルパワーでやろうとしたら、
一体いくらかかるのか?」
という話題が出た。
なんだか面白そうだから計算してみようという事に。
「ゼロからフルパワー」
という条件は、
・パワー9はアンリミテッド版。
・全部英語版。
・状態はNM~EX程度を基本。
・デュアルランドはリバイズド版で10種4枚の合計40枚。
・《Time Vault》や《Chaos Orb》もアンリミテッド版で。
・《Bazaar of Baghdad》や《Mishra’s Workshop》は4枚。
・一部の必須カード(プレインズウォーカーやコモン、アンコモンなどの大量のカード達)はひとまず除外。
こんな感じだろうか。
あの、
「《Plateau》いらねーだろ。」
とか
「別に全部4枚じゃなくてもいいだろ、デュアルランド。」
とか
「オールドスクールまで視野に入れなくていいだろ。」
なんて言わないで。
一応このゲーム、1枚制限か4枚制限なのだし、
フルパワーってそういう意味なので。
題して、
「ゼロから始める異世界(ヴィンテージやレガシー)生活」
さあ、
どんなラインナップかを考えてみよう。
値段は全てCardshop SerraのEX価格で算定。
それではスタート。
1《Black Lotus》:2,280,000円
1《Mox Pearl》:498,000円
1《Mox Sapphire》:598,000円
1《Mox Jet》:598,000円
1《Mox Ruby》:498,000円
1《Mox Emerald》:498,000円
1《Time Walk》:498,000円
1《Timetwister》:998,000円
1《Ancestral Recall》:598,000円
4《Bazaar of Baghdad》:単価418,000円、合計:1,672,000円
4《Mishra’s Workshop》:単価418,000円、合計:1,672,000円
2《The Tabernacle at Pendrell Vale》:単価648,000円、合計:1,296,000円
1《Library of Alexandria》:278,000円
1《Time Vault》:238,000円
1《Chaos Orb》:318,000円
1《Wheel of Fortune》:54,800円
4《Tundra》:単価63,800円、合計:255,200円
4《Volcanic Island》:単価99,800円、合計:399,200円
4《Underground Sea》:単価99,800円、合計:399,200円
4《Tropical Island》:単価79,800円、合計:319,200円
4《Taiga》:単価41,800円、合計:167,200円
4《Badlands》:単価49,800円、合計:199,200円
4《Scrubland》:単価33,800円、合計:135,200円
4《Savannah》:単価39,800円、合計:159,200円
4《Bayou》:単価54,800円、合計:219,200円
4《Plateau》:単価29,800円、合計:119,200円
上記の総額は、
14,964,800円。
ざっくり1500万円。
中々に驚きの金額になった。
《Wheel of Fortune》って無理しなくてもいいんじゃない?
と思わなくもないけれども、
こんな合計が飛び出した時点で誤差の範囲。
今度は、上記の中から
「RevisedとUnlimitedの全てのカードをβにする」
という修羅の道に置き換えてみよう。
1《Black Lotus》:5,980,000円
1《Mox Pearl》:1,080,000円
1《Mox Sapphire》:1,380,000円
1《Mox Jet》:1,380,000円
1《Mox Ruby》:1,080,000円
1《Mox Emerald》:1,080,000円
1《Time Walk》:1,280,000円
1《Timetwister》:1,580,000円
1《Ancestral Recall》:1,380,000円
1《Time Vault》:338,000円
1《Chaos Orb》:598,000円
1《Wheel of Fortune》:398,000円
4《Tundra》:単価598,000円、合計:2,392,000円
4《Volcanic Island》:単価1,180,000円、合計:4,720,000円
4《Underground Sea》:単価980,000円、合計:3,920,000円
4《Tropical Island》:単価798,000円、合計:3,192,000円
4《Taiga》:単価398,000円、合計:1,592,000円
4《Badlands》:単価398,000円、合計:1,592,000円
4《Scrubland》:単価348,000円、合計:1,392,000円
4《Savannah》:単価348,000円、合計:1,392,000円
4《Bayou》:単価398,000円、合計:1,592,000円
4《Plateau》:単価348,000円、合計:1,392,000円
ここに前述の、
4《Bazaar of Baghdad》:単価418,000円、合計:1,672,000円
4《Mishra’s Workshop》:単価418,000円、合計:1,672,000円
2《The Tabernacle at Pendrell Vale》:単価648,000円、合計:1,296,000円
1《Library of Alexandria》:278,000円
これらを加算した場合、
上記の総額は、
45,648,000円。
ベータにすると言っただけでこのくらい差がある。
Unlimited版等で計算した先ほどの数字から、
ざっと3000万円ほどのプラス。
値段にして約3倍。
ここに必須に近いフェッチランド11種×4を足してみよう。
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》:単価4,180円、合計:16,720円
4《汚染された三角州/Polluted Delta》:単価5,980円、合計:23,920円
4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》:単価4,180円、合計:16,720円
4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》:単価3,780円、合計:15,120円
4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》:単価2,080円、合計:8,320円
4《湿地の干潟/Marsh Flats》:単価2,580円、合計:10,320円
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》:単価4,980円、合計:19,920円
4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》:単価4,180円、合計:16,720円
4《乾燥台地/Arid Mesa》:単価2,580円、合計:10,320円
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》:単価4,980円、合計:19,920円
4《虹色の眺望/Prismatic Vista》:単価3,380円、合計:13,520円
フェッチランドの合計金額は、
171,520円。
フェッチランド11種×4枚が消費税分にすらならなかった。
書いても意味無かったかも、これ。
なんとなくギルドランドやダメージランドも40枚書こうと思っていたけれども、
全部書いてもあんまり意味無いなぁ。
ここまでの金額になると1%にもなりゃしない。
ゼロからβで全力で行ける人なんていないと思うけれども、
この金額から見るに、新築の一軒家が土地付きで買える。
いや、こっち(カード)もほとんど土地なんだが。
余程の資産家でない限りこれは難しい。
「全貯金額を費やして4500万円かけて、
ヴィンテ、レガシースタート!」
なんて人は普通いない。
これが出来るとしたら、
最低1億円くらいの貯金額があって、
それなりのお家やマンションに住める経済力が必要。
とりあえず現実的ではない事は間違いない。
一方、1500万円のUnlimitedスタートなら、
ギリギリありえると言ったところだろうか。
もっともそれでもこの数字を一発でぶちこめる人は早々いない。
1500万円は十分に中古住宅を買える金額だ。
我々MTGプレイヤーが
「とりあえず趣味として釣り始めるけど、
船買うところからスタートしようか。」
と言われて、
「オウケイィィィ!」
と言える人なんていないだろう。
釣りが趣味でも船まで自力で買える人は全体の1割未満。
それと同じ感じと言えばわかりやすいだろうか。
普通、釣り竿と針と糸と重りと釣り餌から買うはず。
MTGに限った話ではなく、
趣味はその趣味に必要な品を1つ1つ買い揃えていくものなので、
この数字は色々な意味で参考にならない数字だとは思うものの、
「レガシー・ヴィンテージ・オールドスクール・スターターキット」
が現状(2021年)で約1500万円というのは想像以上だった。
ただ、MTGのいいところはかけたお金が丸損にならない事。
人それぞれプレイスタイルや資産は違うので、
一概には言えないものの、
ある程度は戻ってくるはず。
店主の場合だと、
MTGに突っ込んだお金の額がもうわからないけれども、
もし手放すと想定した時、
かけたお金くらいは戻ってくると思う。
売る気なんてさらっさら無いものの、
「何年も遊んだ上で、
全額に等しい金額が戻ってくる。」
という事実は気持ちとして大きい。
余談になるけれども、
先日、車に詳しい友人と話した際に、
「そろそろロータスでロータスが買える。」
という話をした。
説明は不要と思われるが、
《Black Lotus》=車のロータス
くらいの値段になっているという意味だ。
黒塗りにすれば「ブラックロータス」である。
最高額の車のロータスで1500万円超えだそうな。
オプション次第では2000万円もありえるんだとか。
カード1枚が家や車と同等の金額、
なかなかに驚きの世界だ。
車、家、美術品など、
どれも果ての無い程のお金をかけられる世界だが、
まさかMTGまでそんな世界になるとは。
よくレガシーやヴィンテージで、
「札束で殴り合う」
「遊べる株券」
という揶揄があるけれども、
そろそろ「家で殴り合う」の世界だ。
こんな言葉が出てくる世界は、
やっぱり「異世界」と表現してもおかしくない世界だ。
そして、
世の中で「異世界転生モノ」がうける事を鑑みても異世界は魅力的。
いきなり異世界ではなくても、
ゆっくりとその世界に飛び込んでみるのは個人的にはオススメだ。
少なくとも異世界転生モノのお話と違って、
ヴィンテージ、レガシーの世界は引き返す事が出来るので。
店主はもう引き返せないし引き返さないけれども(笑)
ではまた。