MTGへのスタンス2

前回に引き続き、このお話。

競技からコレクションまで、
幅広くをカバーするこのゲーム、
長い間プレイしている人でも、始めてから日の浅い人でも、
“マジックの中でこれが一番嬉しかった”というものがあるはず。
優勝した時の嬉しさか、コンボが決まった喜びか、ある特定の誰かと勝負した時か、
まさに十人十色と言ったところ。

筆者は「ある特定の誰かとの出会い」。

そのうちの二人をここで紹介したい。

一人目は2004年世界選手権での対戦相手、Seth Burn。
この人との戦いは「世界選手権に行ってよかった」と思わせるものだった。
お互いがお互いの手札を読み合い、
お互いが、「お互いを読んでいる」事をさらに読んでいるという戦いだった。
そんなギリギリの勝負なのに2人とも顔は笑っていた。
真剣勝負をしているのに顔は嬉しそうだったSeth。
鏡が無いので自分の顔はわからないが、自分も同じ顔していると思った。
1つ間違ったら負けてしまう戦いなのに、
どうしてか楽しくてしょうがなかった。

結果は自分が勝ったのだが、
その時のSethのアクションがまた素晴らしい。
自分もSethも親和デッキを使っていて、
Sethの場には《霊気の薬瓶/AEther Vial》にカウンターが3つ。
《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》がいつ飛んでくるかと、
こちらも警戒しながらの戦いだった中、
こちらが意を決してフルアタック。
Sethはそれを受けて《霊気の薬瓶》を即座に起動。
あ、負けたか?と思ったその瞬間、
彼の手は《霊気の薬瓶》から少し上に行き、
「You Win!」(お前の勝ちだ!)
と握手を求めてきた。
勝ってホッとした反面、
そんなアクションの出来るSethのかっこよさには痺れるものがあった。
仮に負けたとしても悔いが無かった勝負だろう。

その後Sethとは軽く話をしてメアドをお互いに教え合った。
「こいつは強い!」と久々に思わせてくれるプレイヤーだった。
世界選手権で色々な人とデュエルをしたが、
自分が当たった相手ではSeth Burnが一番強かった。

そんなSeth Burnの一言もいいものだった。
彼とのやりとりの中でのこと。(本当の文は英文)
筆者「自分はSeth Burnよりデュエルをしていて楽しかった相手はなかった。
   貴方と戦えた事は自分にとって最高の勝負だった。」
Seth「英宝、君も実にいいプレイヤーだ。
   しかし、私は私より強いプレイヤーを知っている。
   それは学生時代の私だ。
今のように仕事等に追われず、MTGに没頭していた時の自分はもっと強かった。」
かっこいい一言だ。
筆者は英語がへったくそなので、
言いたい事をしっかり言えもしないし、

彼の英文を訳したものは上記の文で完全に的を射たものかはわからないが、
メールの中で彼は上記のような事を言っていた。
今の自分を謙虚に言える彼は過去よりも強いのではなかろうか。
いつかまたデュエルをしたい。

二人目はAlex Shvartsman。
日本でも有名なプレイヤーなので、
知っている人も少なくないだろう。
やはり2004年世界選手権での事だった。

世界選手権の試合で三日連続(スタンダード、リミテッド、ブロック構築)
なのは出場者全員一緒なのだが、
Alexは世界選手権の会場に自分のお店のブースで販売もやっていた。
(自分が試合している間は人にまかせて、試合終わったら即戻るの繰り返し)
それだけじゃ飽き足らず、

4日目(代表選手のチーム戦)は何をしているかと思ったら、
次のプロツアーの予選(スイスドロー9回戦)に出ていた。
当然自分のお店のブースで仕事しながら。
この半端じゃない体力には正直驚いた。

Alex「PTQ出たけど6-3でぬけられなかったよーHAHAHA。」

この人は本当の意味でプロだ・・・と思った。
そんなAlex Shvartsmanが自分は好きだ。
そういえば世界選手権の会場に入って即座に話しかけてくれたのもAlex。
よく筆者の顔覚えててくれたなぁ・・・なんて思ったけど、
やっぱあのサングラスのせいか。
どちらにても右見ても左見ても日本語の通じない、知らない相手ばかりの状況の中で、
英語とはいえ気楽に話かけてくれた事も嬉しい事の1つだった。

Alexとはデュエルをしたことがないのだが、
いつか試合してみたい相手である。

余談だが、
Alex、ちょっとおなかの出っ張りが無ければ相当かっこいいアメリカ人である(笑)

この2人に「貴方のスタンスは?」と聞いたわけではないが、
この2人は「自分」というものを持ったプレイヤーだなぁと感じさせてくれるものを持っていた。

自分の中に貫ける信念のようなものを持つ人は、
真に強いプレイヤーだと感じさせる、そんな2人である。

次は一風変わった視点から。

ではまた。