巨大戦車
記事作成日:2021/04/06 執筆:加藤英宝
今回のお題は《巨大戦車/Juggernaut》。
《Juggernaut/巨大戦車》
コスト:4
アーティファクト クリーチャー 巨大戦車(Juggernaut)
各戦闘で、巨大戦車は可能なら攻撃する。
巨大戦車は壁(Wall)によってはブロックされない。
5/3
アンコモン
太古からいる4マナで5/3というなかなかの性能を持つカード。
昔から「だいたいの除去が効いてしまうクリーチャー」として扱われるが、
必ずというくらいに的になってくれるという意味でもある。
こいつが的にされる事で、他の生物に除去は飛びにくい。
かといってこいつを放っておくと5点パンチは結構痛い。
「除去の避雷針」
とも言うべきクリーチャー。
和訳はダークスティール時に再録された際につけられた。
個人的にはカタカナ発音のジャガーノートでいいじゃないかと思ったし、
だいたい使っている人もジャガーノートとしか呼ばない。
巨大戦車などというダサい和訳はどうでもいいので、
ジャガーノートと呼ぼう。
このジャガーノートには《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》など、
上位互換とも言えるカードもあるが、
このカードにしかない特権はある。
言うまでもなく、
このカードでなければα40やオールドスクールの世界に入れない。
《磁石のゴーレム》さんはヴィンテージ止まり。
もっとも《磁石のゴーレム》さんは強すぎて制限されているが。
というわけで誰の役にも立たない
「α40とオールドスクールにおけるジャガーノート考察。」
ただ単純に店主が昔からジャガーノートが好きなので、
勝手にコレを推したいだけ。
こやつがいかに強いのか皆様知って。
そしてRevised版でいいから買って使って。
ジャガーノートはRevised版までの絵こそ至高。
あのパワフルな感じの絵が一番。
このジャガノさんは店主にとって、
《セラの天使/Serra Angel》と双璧を成す程に、
お世話になったクリーチャー。
最初の頃にこのカードを知った時、
「おおおお、なんて強いクリーチャーなんだ!
是非使いたい!欲しい!」
となってトレードで手に入れた。
太古の静岡のとある大会で優勝した時、
4《巨大戦車/Juggernaut》
1《セラの天使/Serra Angel》
というデッキだったのを今でも覚えている。
あの時の優勝は嬉しかった。
ジャガノさん大活躍だった。
ジャガノさんは
パワー5、タフネス3という頭でっかち君。
力こそ正義。
パワー5は太古では稀有な存在で、
しかもたった4マナとなると滅多にいない。
パワー5と言えば4発パンチで相手が沈む。
文句無しのパンチ力だ。
そしてだいたいの生物と相打ち以上になる。
ジャガノさんは制御が効かず、
「可能な限り攻撃する」という能力のせいで、
一方的に負ける場合でも殴りに行ってしまう。
実際に調べてみよう。
α40から。
まずα(とβとUnlimited)でタフネスが5以上の生物は18種。
だが、
「《巨大戦車》は壁(Wall)によってはブロックされない。」
を持っているので、
18種から《巨大戦車》と喧嘩する事になるカードは、
《Demonic Hordes》相打ち
《大地の精霊/Earth Elemental》相打ち
《大地の怒り/Force of Nature》負け
《鉄の根の樹人族/Ironroot Treefolk》相打ち
《奈落の王/Lord of the Pit》負け
《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》負け
《黒曜石のゴーレム/Obsianus Golem》負け
《現し身/Personal Incarnation》負け
《大海蛇/Sea Serpent》相打ち
《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》相打ち
《Veteran Bodyguard》勝ち
この11種。
(つまり残りのタフネス5以上は全て壁。)
上記以外の生物は
・パワーが3以上の全てと相打ち
・パワー2以下で相打ちは
《コカトリス/Cockatrice》
《茂みのバジリスク/Thicket Basilisk》
という元祖の接死能力、
通称バジリスク能力持ちのお二人。
・一方的に勝つorブロックされない。
という感じだ。
例外で
・《凍てつく影/Frozen Shade》に大量の黒マナを突っ込む
・《黒騎士/Black Knight》や《白騎士/White Knight》2体以上でブロック
(先制攻撃を持つクリーチャーのパワー合計が3以上になればなんでも。)
をやられると一方的に負ける。
《稲妻/Lightning Bolt》で倒され、
《解呪/Disenchant》でも死に、
《粉砕/Shatter》でも壊される。
もちろん《剣を鍬に/Swords to Plowshares》も効く。
けれども、《恐怖/Terror》は効かない。
黒でこいつを除去したい場合は、
《麻痺/Paralyze》
《生命吸収/Drain Life》で3点以上
あたりが妥当なところ。
なんだかんだで死にやすいのだが、
たいがいの生物と相打ちか勝てるという強みがある。
確定で負ける
《大地の怒り》
《奈落の王》
《マハモティ・ジン》
《黒曜石のゴーレム》
《現し身》
の5種は、《巨大戦車》のように軽くないので、
スピードでは勝る。
《丘巨人/Hill Giant》
《ウォー・マンモス/War Mammoth》
などの生物とも簡単に相打ちだが、
上記5種と戦う事は少ないので、
《巨大戦車》はとても優秀なクリーチャーだ。
α40の世界はいろいろな意味で魔境なので、
上記の挙げられた生物が出てくる環境かもしれないが、
そもそも挙げられた大半のクリーチャーはトーナメントに出てこない。
α40ならありえる生物達も、
半分以上はオールドスクールまで行ったら顔を見なくなる。
α40で一番強い生物は安定力なら《マハモティ・ジン》か。
火力重視なら《シヴ山のドラゴン》か。
《奈落の王》は《恐怖》も効かないという意味では強いのだが、
アップキープの生贄がキツい。
《黒の防御円/Circle of Protection: Black》で守ればいいだろ!
と思う人がいるかもしれないが、それは出来ない。
何故なら印刷工程のミスで《黒の防御円》はαに入っていないのだ。
つまり、《奈落の王》のアップキープコストを無視する方法は無い。
エサをあげないと7点ダメージ噛み付くポチ。
こういう中では低めのコストで強いのはジャガノさん。
この時代最高クラスの性能を持つフィニッシャー、
《セラの天使/Serra Angel》
《大気の精霊/Air Elemental》
《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
の3種よりも早く着地可能で、しかも無色。
どの色でも使えるという点まで考慮すると、
ジャガノさんはこのα40の世界では最高生物。
もっともα40はまずデッキを作る難易度が高い事が問題。
「一般的なα40のデッキ」
がどのくらいのレベルなのかさえわからない。
・・・そもそも「一般的」じゃないか。
デッキを純正で作り始めた時点で一般的ではないような世界。
ジャガノ買う以前のお話かもしれない。
でも、ジャガノさんが強い事には変わりがないので、
もしα40始める人がいたらオススメ。
無色4マナのコストだけでいいので、
残り36枚からデッキを作ろう!
という気持ちになるのはアリだと思う。
誰が始められるかはさておき。
次に最近のカード情勢から古き良き時代が見直される事で、
プレイヤーがじわじわと増えているオールドスクール。
オールドスクールの世界でよく出てくる生物と言えば
白
《白騎士/White Knight》
《Order of Leitbur》
《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》
《セラの天使/Serra Angel》
青
《大気の精霊/Air Elemental》
《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》
《セレンディブのイフリート/Serendib Efreet》
黒
《アーグの盗賊団/Erg Raiders》
《黒騎士/Black Knight》
《Order of the Ebon Hand》
《Juzam Djinn》
《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》
赤
《密林の猿人/Kird Ape》
《Sedge Troll》
《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》
緑
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》
《エルフの射手/Elvish Archers》
《アルゴスのピクシー/Argothian Pixies》
茶
《Su-chi》
《トリスケリオン/Triskelion》
《巨大戦車/Juggernaut》
このあたりがメインどころ。
α40と同じく、相打ちか一方的に勝つ事は多い。
黒や白のナイト系先制攻撃クリーチャーを並べられると弱いが、
それ以外には滅法強い。
特に優秀フィニッシャーの半分近くと相打ちであるところはなかなか。
なんだかんだで1対1をとれる事が多いカードだ。
そして前述の通り、
放っておくと殴られて5点ダメージはかなり痛い。
ブロッカー無しで4発で20点削れるのだから、
捨て置くにはちょっと難しいパワー。
ジャガノさんは相当に使える生物なのだ。
α版やβ版ならともかく、
Revised版なら高くもない。
とりあえず買っておいても困らないくらいに、
ある程度のデッキに採用OKな生物だ。
4マナという観点のみで見ても
白:4マナ圏に優秀生物無し。
青:飛行3/3の《幻影獣/Phantom Monster》選ぶ?
黒:《Juzam Djinn》というブルジョワ機があるが買える?
赤:飛行3/3の《Roc of Kher Ridges》選ぶ?
緑:《アーナム・ジン》のアニキ最高。
白は言わずもがな。
赤の4マナは他に
《チビ・ドラゴン/Dragon Whelp》
《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》
も使えなくもないが、
安定はジャガノさん。
緑は5枚目6枚目の4マナ生物として考えればOK。
青の場合は《Copy Artifact》もあるので、
コピー先としてジャガノさんを選ぶも1つ。
黒については《Juzam Djinn》のアニキは1枚のお値段が厳しい。
《稲妻》で沈まない頼もしいアニキだが、
《Juzam Djinn》1枚で現時点で258,000円。
ジャガノさんはRevisedで現時点で200円。
天と地ほどの差がある。
お気楽にオールドスクールに入るならジャガノさんだ。
ジャガノさんさえ買えば古い学校に入学可能だ。
どの色を選ぶにしてもそこそこに活躍の可能性がある。
というわけでみんな、ジャガーノート使おう。
ではまた。