EDHルール(2021年版)
記事作成日:2021/01/24 執筆:加藤英宝
今回はEDHのルールについて。
前回のEDHルール(2019年版)から少々ルール改訂があったので、
それも含めてEDHのルール2021年版を。
これからEDHを始めたい人のために、
知っている人には確認のために、
EDHのルールを一度新しく書き直しておこう。
また、ジェネラルの領域移動についてルール変更されているので、
そこだけは一読しておいても損はない。
ここから先はルールの細かい説明となっている。
EDHとはエルダードラゴンハイランダー(Elder Dragon Highlander)の略で、
公式的には統率者(Commander)だが、EDHの呼称が定着している。
●デッキの構築について
・伝説のクリーチャー・カードを1枚、または「統率者として使用できる」という能力を持った
プレインズウォーカー・カードを1枚、あるいは互いに共闘を持つ伝説のクリーチャー・カード、
または互いに共闘を持つプレインズウォーカー・カードを2枚選ぶ。
これらを統率者と呼ぶ。
ただし、一般的にはジェネラルという呼称が定着している。
・デッキはジェネラルを含めて100枚ちょうどで構築する。
(99枚+ジェネラル1枚、または98枚+共闘を持つジェネラル2枚)
コミュニティ内の合意があり相棒を使用する場合は
100枚のうちの1枚には含めず、実質101枚デッキになる。
その場合、相棒として扱うカードに記載されている、
相棒に指定するための条件は満たさなければならない。
・デッキ構築はハイランダールールに準ずる。
基本土地カードでないカードは、同名のものを2枚以上入れてはならない。
ただし、《執拗なネズミ/Relentless Rats》など、
能力でデッキ内に望む枚数だけ入れることができるカードについては、
例外として認められることが多い。
・使用可能なカードセットは全て。
(アングルード、アンヒンジド、アンステーブル以外全てと解釈して良い。)
・EDHプレイヤー同士の取り決めとして10枚のサイドボードカードを用意する事を許可する事もある。
この場合、全プレイヤーの許可のもと行うものとする。
もしサイドボードを採用する場合、
《燃え立つ願い/Burning Wish》などのゲームの外部を参照するカードを使用することでアクセスが可能。
サイドボードは一般的には使用されないことが多い。
サイドボードが使用されない事が多いため、相棒も推奨されていない。
理由はデッキが100枚という前提が崩れるため。
●ジェネラルの固有色について
・カードのマナ・コストに含まれる色(色指標や特性定義能力を含む)、
及びそのカードのルールテキストに含まれる色マナシンボルがそのカードの「固有色」となる。
デッキにはジェネラルの固有色と異なる固有色を持つカードを入れることはできない。
・基本土地タイプ「平地・島・沼・山・森」を持つカード(基本土地やデュアルランドなど)は、
それぞれが生み出すことができる色マナシンボルを持つため、
例えば、ジェネラルが青単色のデッキに《山》や《Tropical Island》を入れることはできない。
同様にして青単色のデッキに《イゼットの印鑑/Izzet Signet》を入れることもできない。
・固有色の判定時、カードの注釈文に書かれた色マナシンボルは無視する。(強請能力の注釈など)
・2016年1月18日のルール改正以前は
「《真鍮の都/City of Brass》などのカードでジェネラルが持つ固有色以外の色マナを出そうとした場合、
そのマナは代わりに無色マナになる。」
というルールがあったが、現在は固有色以外の色マナであっても自由に生み出すことができる。
●プレイルール
・ジェネラルとして選んだ伝説のクリーチャーまたはプレインズウォーカーは、
ゲーム開始時に全員に見せ、ライブラリーとは別の場所に置いてゲームを開始する。
この別の場所の事を統率領域と呼ぶ。
この領域もジェネラル領域という呼称を使う事が多い。
・マリガンはロンドン・マリガンを適用する。
ロンドン・マリガンとは、
現在一般的なトーナメントで施行されているマリガンと同じもの。
マリガンをするごとに7枚のカードの引き直しを行うが、
新たに引き直した7枚から、
マリガンした回数分だけのカードを手札からライブラリーの一番下に置く。
ただし、EDHルールの特別措置で、
最初の1回は手札を減らさずに7枚の引き直しを行う。
・各プレイヤーは40点のライフを持つ。
・先手プレイヤーでも1ターン目にカードを引くことができる。
・単一のジェネラルから21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーは敗北する。
これを統率者ダメージと呼ぶが、
ジェネラルダメージという呼称が定着している。
・ジェネラルがジェネラル領域にあるとき、
そのオーナーはそのカードを唱えることが可能なタイミングで唱えることができる。
ただし、それまでにジェネラル領域からジェネラルを唱えた回数1回につき、
追加コストとして(2)を支払わなければならない。
例:《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》をジェネラル領域から唱える場合、
1回目に支払うマナ・コストは(2)(赤)(赤)、
2回目に支払うマナコストは(4)(赤)(赤)となる。1回ごとに(2)ずつ増えていく。
3回目は(6)(赤)(赤)、4回目は(8)(赤)(赤)となる。
・ジェネラルが死亡、追放、手札に戻る、ライブラリーに戻る、打ち消される、手札から捨てさせられる等によって、
ライブラリー、手札、墓地、追放領域のいずれかの領域に移動する際、
オーナーはジェネラルをジェネラル領域に置く事を選択できる。
ジェネラルがいずれかの領域からライブラリー・手札・墓地・追放領域に移動する場合、
移動先の領域ごとに次の2つのルールが定められている。
墓地または追放領域に移動する場合、一度その領域を経由して統率領域に戻してもよい。
これは状況起因処理である。
例:戦場にジェネラルである《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》がおり、
これが破壊され墓地に置かれたため、ジェネラル領域に移動させた。
この時、《夜の星、黒瘴》が持つ「《夜の星、黒瘴》が死亡したとき~」の誘発型能力や、
《冒涜する者、トーモッド/Tormod, the Desecrator》が持つ「カードが1枚以上あなたの墓地を離れるたび~」
の誘発型能力が誘発する。
直接ジェネラル領域に移動することはできず、必ず墓地または追放領域を経由する。
望むなら、墓地または追放領域に移動したままにしてもよい。
ライブラリーまたは手札に移動する場合、その領域を経由せずに直接ジェネラル領域に戻してもよい。
これは置換効果である。
例:戦場のジェネラルを対象に《送還/Unsummon》が唱えられた。
手札に戻るのは不都合であったため、解決時に手札ではなくジェネラル領域へ移動させた(手札への移動を、ジェネラル領域への移動に置換した)。
この時、《トレイリアの大魔導師、バリン/Barrin, Tolarian Archmage》が持つ
「このターンにパーマネントが戦場からあなたの手札に加えられていた場合~」の誘発型能力は誘発しない。
手札を経由せずジェネラル領域に置かれたためである。
墓地または追放領域の場合と異なり、置換効果により直接ジェネラル領域に移動する。
望むなら、置換効果を適用せずにライブラリーまたは手札に移動させてもよい。
・プレイヤーは投了する事は推奨されない。
投了する事により、敗北するプレイヤーが、
対戦を続けるプレイヤーの有利不利を左右する事は紳士的ではないため。
ただし全員の合意があれば、一人を勝者として次のゲームに移行してもよい。
・プレイヤー同士で話し合ったり、談合することは認められている。
プレイヤーAがコントロールしているパーマネントをプレイヤーBが破壊できない時、
BがプレイヤーCの邪魔をしないことを条件に、Cに破壊を依頼する等。
協定を結ぶのも破棄するのも自由だが、嘘はつかないこと。
●禁止カードは以下。(2021/01/24現在)
・「策略」のカード・タイプを持つ25種類のカード。
(《代替案/Backup Plan》や《アドリアナの武勇/Adriana’s Valor》など)
策略カードはコンスピラシーにしか収録されていないため、あまり気にする必要はない。
・「アンティ」に関する9種類のカード。
(《Darkpact》や《嵐のイフリート/Tempest Efreet》など)
アンティカードは古いセットにしか収録されていないため、あまり気にする必要はない。
・以下のカード。
《Ancestral Recall》
《天秤/Balance》
《生命の律動/Biorhythm》
《Black Lotus》
《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion》
《Chaos Orb》
《合同勝利/Coalition Victory》
《チャネル/Channel》
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
《上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendant》
《Falling Star》
《Fastbond》
《閃光/Flash》 (2020/04/20 追加)
《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
《グリセルブランド/Griselbrand》
《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
《カラカス/Karakas》
《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》
《Library of Alexandria》
《限りある資源/Limited Resources》
《呪文追い、ルーツリー/Lutri, the Spellchaser》 (2020/04/20 追加)
《Mox Emerald》
《Mox Jet》
《Mox Pearl》
《Mox Ruby》
《Mox Sapphire》
《一望の鏡/Panoptic Mirror》
《パラドックス装置/Paradox Engine》
《原始のタイタン/Primeval Titan》
《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》
《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》
《Shahrazad》
《隔離するタイタン/Sundering Titan》
《星の揺らぎ/Sway of the Stars》
《森林の始源体/Sylvan Primordial》
《Time Vault》
《Time Walk》
《修繕/Tinker》
《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
《企業秘密/Trade Secrets》
《激動/Upheaval》
《世界火/Worldfire》
《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain》
以上。
色々と難しい書き方をしたが、
基本的なルールは、文頭の簡易ルール説明に記載されている。
リンク先の内容だけ読めば、基本的にはEDHで遊ぶことができるため、
あまり難しく考える必要はない。
あとはわからない事があったら、
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ではまた。