ドラフトの基礎2
前回のドラフトの基礎を書いたあと、
お客様から、
「ドラフトやったこと無かったけど、やってみようと思った」
「今までドラフトの根本がわからなかったけどわかった」
等のコメントをいただき、
非常に嬉しい限り。
一人でもそういうプレイヤーが増える事を祈りつつ書いているだけに、
そういうコメントがもらえるのはありがたい。
前回に引き続き、ドラフトの基礎2を書いてみようと思う。
前回のお話を踏まえた上でのものなので、
これを先に読むよりはドラフトの基礎1を先に読んでいただきたい。
さて、本題に。
これを読んでくれている人、
「マジックで一番好きな色は?」
と聞かれたらなんと答えるだろう?
5色のどれか1つと言う人もいれば、
特にどれと言う事もないという人もあるだろう。
特にどれでもないという人はあまり問題にならないのだが、
好きな1色があるプレイヤーのほうが多いのが現実。
その1色を得意とする事も多いだろうが、
実際にドラフトする時にこれはデメリットにもなってしまう。
今までドラフトをするプレイヤーを後ろで見てきたのだが、
真っ先に好みの色のカードのピックをするプレイヤーは相当に多い。
当然、他に強いカードがないのであれば問題無しなのだが、
明らかにその選択をすべきでない状況でも、
多くの人が好みの色に走っていく傾向は強い。
その人の頭の中ではそのカードが最強と思ってしまっているのだ。
「自分は赤使いだから赤を!」
と言って選んでしまう人、
それが「カジュアルプレイで遊べればそれでOK!」な人なら何も言わない。
でも勝ちたいのならそこで思いとどまるべき。
本当に選ぶべきカードはどこにあるかを落ち着いて見てみるべきである。
初手なら15枚ものカードがあるのだ。
必ずしも好きな色のカードが15枚の中の最高とは限らないのだ。
例えばの話、
緑の好きなプレイヤーがいて、
1パック目は赤と青のそこそこのカードをピック。
2パック目見た瞬間にちょっと緑のいいカードが目に入った瞬間には、
それをピックしてせっかくの2色デッキがバランスの悪い3色デッキに・・・
なんて事もある。
強いカードの入っているアンバランスなデッキよりも、
強いカードがなくてもバランスのとれたデッキのほうが基本勝率は高い。
これは意外なほどに多くのプレイヤーがハマってしまう落とし穴なのだ。
個々のカードに対する客観視というのは非常に難しい。
ついでに、
黒の強いカード2種(甲乙つけがたい2種)
白のそこそこのカード1種(黒の2種のほうが強い)
なんて事があった場合、白を選んだほうが有利なピックが出来る事もある。
黒の強いカードの片方をとったら、
残った片方を次の人がとってしまう可能性があるからだ。
隣同士で同じ色を選択すると、
これまた非常にめんどくさい。
自分が下に流している時はいいが、
逆周りになったときは同じ色の弱いほうのカードが流れてくる事になる。
もしくはその色のカードが流れてこない。
隣同士で同じ色でぶつかり合うのは得策ではない。
こういう面さえも視野に入れてみるとドラフトの奥の深さを感じる。
視点は1つではないのだ。
難しい言い方をしてしまうと、
ドラフトをする人間の意志、心理、構築力、判断力、
座る位置やパックによるセッティング、
実際に構築してデュエルする時の心理とプレイングを加味した、
客観的な判断力が勝負を左右する。
言うだけなら簡単だが、
実行及び理解は非常に難しい。
プロと呼ばれる人間たちでさえ簡単な事ではないのだ。
この奥の深さが飽きずにドラフトを楽しめる魅力でもある。
うーむ・・・難しい言い方をすると前置きして書いたとはいえ、
基礎的なドラフトのこらむに出すべき言葉じゃなかった気がする。
失礼。
くだいて言えば、
普段は好きな色を選択して構築デッキをプレイしていても、
ドラフトの時はあえて他の色を視野に入れてみよう、
ということである。
違った視点からカードを使う事は、
構築でもリミテッドでも非常に大事。
他の色を好きになれるかもしれないし、
他の色を使ってこそ、自分の好きな色への理解が深まる事も多い。
苦手な色を選んでみるのも経験になる。
苦手な色でも好きになれた時は最高である。
中々勝てないうちというか、
慣れないうちは、自分の好きな色でプレイしても悪くない。
回数をこなしてきたら、
自分の色の偏りを見つめてみると勝率が変わるだろう。
また、これはドラフトだけに言うものではないが、
今勝とう、今日勝とうとしないことだ。
強くなるのは三ヶ月後、半年後、ないしは一年後だと思うくらいでいい。
あせる必要はない。
前回は基礎だけを述べたが、
今回はその中の色の部分にだけの話をしてみた。
次に書く時はまた別の面から何かしら書いてみようと思う。
ではまた。