EDHデッキ紹介その25(Ezuri, Renegade Leader/背教の主導者、エズーリ)
記事作成日:2012/08/26 執筆:加藤英宝
今回のEDHデッキ紹介は《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader》。
言わずと知れたエルフ大王。
《Ezuri, Renegade Leader/背教の主導者、エズーリ》
コスト:1緑緑
伝説のクリーチャー エルフ(Elf) 戦士(Warrior)
緑:他のエルフ(Elf)1体を対象とし、それを再生する。
2緑緑緑:あなたがコントロールするエルフ・クリーチャーは、
ターン終了時まで+3/+3の修整を受けるとともにトランプルを得る。
2/2
レア
エルフだけとはいえ、《踏み荒らし/Overrun》能力を持っているだけでなく、
他のエルフを再生させるという柔軟性も持つ素晴らしいイキモノ。
ジェネラルに相応しいだけの能力を持っている。
《踏み荒らし》能力連続起動で40点ダメージを軽く叩き出す事も夢ではないし、
状況次第ではジェネラルダメージ21点さえ炸裂させる。
再生能力は自身を対象に取れないとはいえ、
タフネスの低いクリーチャーの多いエルフでは有用価値は高い。
《神の怒り/Wrath of God》や《ジョークルホープス/Jokulhaups》ではどうしようもないが、
EDHでは《審判の日/Day of Judgment》や《壊滅/Devastation》も使われる。
デッキを選ぶとはいえ、
《生命の終焉/Life’s Finale》、《燎原の火/Wildfire》、
《質素な命令/Austere Command》なども飛んでくる。
緑マナさえ残していれば、これらのカードに耐性がつく。
これだけでも大きく違う。
このジェネラルで作ろうと思ったきっかけは、
Magic2013で出た新エルフ、
《自然の伝令、イェヴァ/Yeva, Nature’s Herald》を見た時。
2緑緑で4/4、瞬速持ち。
自分の緑のクリーチャーも全部瞬速プレイOKという、
なかなかの性能。
緑の展開力を他のプレイヤーのターンに行えるという点は、
案外とスキを見せない面白さがある。
このイェヴァ大先生を見て、エズーリで組んでみようと思った。
デッキは以下。
ジェネラル:《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader》
クリーチャー47枚
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《Fyndhorn Elves》
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》
《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
《遺産のドルイド/Heritage Druid》
《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
《スカイシュラウドのレインジャー/Skyshroud Ranger》
《エルフの開拓者/Elvish Pioneer》
《緑探し/Greenseeker》
《銅角笛の斥候/Copperhorn Scout》
《ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf》
《ラノワールの助言者/Llanowar Mentor》
《エルフの潰し屋/Elvish Scrapper》
《エルフの抒情詩人/Elvish Lyrist》
《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
《森のレインジャー/Sylvan Ranger》
《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald》
《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
《献身のドルイド/Devoted Druid》
《天光を求める者/Seeker of Skybreak》
《傲慢な完全者/Imperious Perfect》
《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》
《エルフのチャンピオン/Elvish Champion》
《エルフの先触れ/Elvish Harbinger》
《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
《ヴィリジアンの堕落者/Viridian Corrupter》
《ウッド・エルフ/Wood Elves》
《激情の共感者/Fierce Empath》
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》
《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《アルゴスの古老/Argothian Elder》
《自然の伝令、イェヴァ/Yeva, Nature’s Herald》
《森の伝書使/Sylvan Messenger》
《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
《ワイアウッドの媒介者/Wirewood Channeler》
《清廉潔白な判事/Immaculate Magistrate》
《始原の賢者/Primordial Sage》
《収穫の魂/Soul of the Harvest》
《威厳の魔力/Regal Force》
《ガラクの大軍/Garruk’s Horde》
《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》
インスタント3枚
《召喚士の契約/Summoner’s Pact》
《輪作/Crop Rotation》
《自然の要求/Nature’s Claim》
ソーサリー9枚
《垣間見る自然/Glimpse of Nature》
《森の占術/Sylvan Scrying》
《新たな芽吹き/Regrowth》
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
《自然の秩序/Natural Order》
《大軍の功績/Triumph of the Hordes》
《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《起源の波/Genesis Wave》
エンチャント2枚
《調和の中心/Concordant Crossroads》
《適者生存/Survival of the Fittest》
アーティファクト7枚
《Mana Crypt》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《冬の宝珠/Winter Orb》
《暗黒のマントル/Umbral Mantle》
《旗印/Coat of Arms》
土地31枚
《露天鉱床/Strip Mine》
《不毛の大地/Wasteland》
《ワイアウッドの番小屋/Wirewood Lodge》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
22《森/Forest》
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EDHにしてはかなり土地を削った構成。
エルフからマナが出せる事と、
デッキの大半がコストが低いため、
ぎりぎりまで土地を削る事が出来る。
デッキ構成上、いくらジェネラルが再生をつけられると言っても、
《神の怒り》系リセット呪文に弱い事には変わりがない。
撃たれても平気なプレイングをするか、
1枚だけの《冬の宝珠》で封殺するか、
やられる前に倒してしまうか。
なお、《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》を出されると、
全開でお通夜ムード。
張られたら倒す手段が《無限に廻るもの、ウラモグ》しかないので、
数で押し切るか誰かに倒してもらうか、
ウラモグをプレイするより他がない。
お手軽な無限コンボとしては、
《暗黒のマントル》+《ティタニアの僧侶》(エルフ4体以上)
《暗黒のマントル》+《ワイアウッドの媒介者》(エルフ4体以上)
《暗黒のマントル》+《エルフの大ドルイド》(エルフ4体以上)
《暗黒のマントル》+《ヴィリジアンの社交家》(《暗黒のマントル》でアンタップ)
《暗黒のマントル》+《ラノワールの使者ロフェロス》(森4枚以上)
これで無限マナが出せる。
どの無限マナも《暗黒のマントル》でアンタップしたクリーチャーは無限パワーにもなる。
言うまでもなくエズーリ大王を出して《踏み荒らし》てゲーム終了。
《パルンズの剣/Sword of the Paruns》でも無限マナが出来るが、
《パルンズの剣》は出すのに4マナ、
装備に3マナ、アンタップに3マナ
と単純に10マナかかる。
そのため、スピードを重視した構成が好きな自分は不採用。
また、変わった無限マナ方法では、
《暗黒のマントル》+《献身のドルイド》+《清廉潔白な判事》(エルフ4体以上)
でも無限マナ。
手順は以下。
《清廉潔白な判事》で《献身のドルイド》に+1/+1カウンターをエルフの数だけ乗せる。
《献身のドルイド》でマナを出す。
《献身のドルイド》をアンタップ(-1/-1カウンターを乗せる)
-1/-1カウンターが相殺される。
繰り返すと+1/+1カウンターが全て相殺される。
緑マナがアンタップした回数分出ているので、
《暗黒のマントル》で3マナ払って、《清廉潔白な判事》をアンタップ。
再度、《献身のドルイド》に+1/+1カウンターを乗せる。
以下繰り返しで無限マナ+場に出ている全てのクリーチャー無限パワー。
デッキには採用していないが、
《トリスケリオン/Triskelion》を出しておけば無限ダメージが入る。
さらに、
《アルゴスの古老》+《ワイアウッドの番小屋》+《ガイアの揺籃の地》(2マナ以上出る状態)
でも無限マナ。
特殊土地を2枚とも指定されるだけに決まりにくい。
《原始のタイタン/Primeval Titan》を入れていないので、
《森の占術》、《輪作》があっても厳しいだろう。
瞬殺コンボ等ではないが、
《ガラクの大軍》+《ムル・ダヤの巫女》
は非常に相性がよい。
土地なら《ムル・ダヤの巫女》でセット、
クリーチャーなら《ガラクの大軍》でプレイ。
アドバンテージをまとめていただけるので使い勝手が良い。
イェヴァが絡むとアップキープにクリーチャーをプレイしてから、
ドローステップ→メインと動けるので、
アドバンテージの取りやすさが変化するところも良い。
ただし、《ガラクの大軍》が重い事とエルフではない点があるため、
コストの軽さを重視するなら《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》。
こちらもライブラリーのトップが常に確認出来るので、起動時が確実に。
気をつけなければならない点は、
《収穫の魂》
《垣間見る自然》
《始原の賢者》
の違い。
《収穫の魂》→他のトークンでないクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
《垣間見る自然》→このターン、あなたがクリーチャー呪文を唱えるたび、カードを1枚引く。
《始原の賢者》→あなたがクリーチャー呪文を唱えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
似ている能力だが、
少しずつだけ違いがある。
《収穫の魂》は《自然の秩序》や《ドライアドの東屋》セットランドでもドローOK。
後者の2つは呪文のプレイでドローなので、
《収穫の魂》の能力よりも先にドローする。
《収穫の魂》はクリーチャー呪文を打ち消されてしまうとドロー不可。
後者の2つは打ち消されてもドローOK。
これらはリセット呪文への耐性にもなるので、
入れておいて損は無い。
《始原の賢者》と《収穫の魂》については、
イェヴァや《ガラクの大軍》がいるといないとで、
プレイングが非常に変わるところも面白い。
また、強力とはいえ、オーバーキルになることもあるので、
《旗印》を抜いて《森の知恵/Sylvan Library》のほうがバランスが良い。
意外と思われるかもしれないが、
《大軍の功績》はこのデッキの必須カード。
《大軍の功績/Triumph of the Hordes》
コスト:2緑緑
ソーサリー
ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともにトランプルと感染を得る。
アンコモン
このカードで対戦相手3人全員瞬殺する事さえある。
EDHのルール上でも毒10個でプレイヤーが死ぬ事は変わらない。
エズーリ《踏み荒らし能力》や《エルフの大ドルイド》などの強化、
対戦相手次第では《エルフのチャンピオン》の森渡りも役に立つ。
素の状態で感染持ちは
《ぎらつかせのエルフ》
《ヴィリジアンの堕落者》
の2枚だけだが、
毒殺は十分に有効な戦術と言える。
自分がプレイした中で最も変わった勝ち方をした時は、
無限マナを出さずに、
プレイヤー1を《ぎらつかせのエルフ》で毒殺、
プレイヤー2をエズーリのジェネラルダメージ、
プレイヤー3を通常戦闘ダメージ
で、同ターンに倒した事がある。
もちろんプレイヤー1は毒0から毒10、
プレイヤー2はジェネラルダメージ0から21点、
プレイヤー3は40点ライフから0である。
このデッキの良いところの1つは、比較的安く作れる点。
安く構築したい場合は、
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《不毛の大地/Wasteland》
の5枚は全て森。
《ガイアの揺籃の地》は高いカードではあるが、
これがあると無いとではデッキの動きが天と地ほどの差になる。
できることなら《ガイアの揺籃の地》だけは用意したい。
無理な場合は《森》か《土地譲渡/Land Grant》。
他の高額カードの抜く候補では、
《Mana Crypt》
《垣間見る自然/Glimpse of Nature》
《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
《召喚士の契約/Summoner’s Pact》
《自然の秩序/Natural Order》
《適者生存/Survival of the Fittest》
を抜いて、
《調和/Harmonize》
《末裔の道/Descendants’ Path》
《エルフの行列/Elvish Promenade》
《Kaysa》(現在、クリーチャータイプにエルフ、ドルイドが追加されている)
《幸運を祈る者/Wellwisher》
《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》
《茨森の模範/Bramblewood Paragon》
《開拓地の先達/Frontier Guide》
《心の管理人/Heart Warden》
《狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman》
《ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf》
《グリッサ・サンシーカー/Glissa Sunseeker》
《葉光らせ/Leaf Gilder》
《護民官の道探し/Civic Wayfinder》
《フィンドホーンの古老/Fyndhorn Elder》
《光り葉の予見者/Gilt-Leaf Seer》
《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》
《鋸歯傷の射手/Jagged-Scar Archers》
などのカードを候補にするとよい。
思い切った構成にするならば、
《無限に廻るもの、ウラモグ》も抜いて、
上記のエルフ群のどれかにしてもよい。
ただし、リンヴァーラには一切手を出せなくなる。
せめて安くてそれなりに強い《映し身人形/Duplicant》を採用したいところだ。
最初の構築では《歯と爪/Tooth and Nail》や《召喚の調べ/Chord of Calling》を入れていたが、
エルフの展開力にそこまで必要はないと考え、
両方とも抜いてエルフにしてしまった。
このデッキでは多少しぼってしまったが、
《稲妻のすね当て》、《調和の中心》の2枚のように、
クリーチャーに速攻を与えるカードも重要。
《ヴァルカスの指輪/Ring of Valkas》
《速足のブーツ/Swiftfoot Boots》
の2枚も安くて速攻のつくカード。
とはいえ、装備の1マナが相当重く感じるはず。
また、
《忍び寄る腐食》
《新たな芽吹き》
《無垢への回帰》
《自然の要求》
《永遠の証人》
の5枚は緑のたしなみ。
必須カードと言って過言でない。
とくに《新たな芽吹き》は柔軟性、指定コストともに優秀。
緑がからむEDHデッキならば入れておきたい。
上記高額カードたちを抜くと、
デッキの総合計価格がかなり安くなる。
今の値段(2012年8月)で約2万円で作れるだろう。
デッキ100枚を2万円で作れるという事は、
1枚平均200円である。
もっとも、森が30枚程入っているので、
実質はデッキ内容70枚前後を2万円という事になる。
1枚平均は約300円といったところか。
EDHデッキの中では、
強さと価格のバランスとして、
「コストパフォーマンス」
と言った場合、
このデッキより強いデッキは無いのではなかろうか。
なにせ、
Cardshop Serra店主のお気に入りジェネラル、
ムーミンこと、《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》
の2つのデッキは12万円払っても構築できない。
(あくまで店主のデッキの値段)
最近人気急上昇中の《Timetwister》をはじめ、
青の優秀カードたちは結構な高額になっている事もあり、
デッキの値段がレガシー並のデッキになっている。
これらと戦って比較的いい勝負が出来るこのデッキで、
この金額ならばお買い得と言って差し支えないだろう。
デッキごと買いたくなったら、Cardshop Serraに注文を。
もちろん、ムーミンのデッキをフルで作りたい!という注文も歓迎ですよ!
注文してくれたお客様はムーミンFOILでご提供します!
追記。
このこらむを書いて1日経って、
朝起きた瞬間に思いついたので追記を。
《Cloudstone Curio/雲石の工芸品》
コスト:3
アーティファクト
あなたのコントロール下でアーティファクトではないパーマネントが戦場に出るたび、
そのパーマネントと同じカード・タイプを持つ、
あなたがコントロールする他のパーマネント1つをオーナーの手札に戻してもよい。
レア
このカードで簡単に無限。
一例では、
《ティタニアの僧侶》、《稲妻のすね当て》、《ラノワールのエルフ》、
で無限マナ。靴を履いた《ティタニアの僧侶》がマナを出す。
《ラノワールのエルフ》を手札からプレイ。
《ティタニアの僧侶》を戻す。
《ラノワールのエルフ》が靴を履いてマナを出す。
《ティタニアの僧侶》をプレイ、《ラノワールのエルフ》を戻す。
以下繰り返し。
他のマナの出るクリーチャーたちでも結構成立する場合が多いので、
無限マナチャンスは相当にある。
無限マナが出た後は、
ウラモグが手札にあると全対戦相手のパーマネント破壊可能。
《エルフの幻想家》や《始原の賢者》で無限ドロー。
《森の伝書使》の場合はライブラリーにある全てのエルフを手札に。
こらむを書くまで何故気付かなかったんだろうという強さのカード。
間違いなくアルゴスの古老で無限を決めるより効率がいいので、
《アルゴスの古老》→《雲石の工芸品》で。
《アルゴスの古老》での無限を狙う場合は《原始のタイタン》と一緒に。
ではまた。