印刷について
とあるお客様から、
「MTGのカードというかセットの中には、「ミラージュ」のように
他のセットとは明らかに印刷の質が異なるものがありますが、
あれは何か理由があるのでしょうか?」
とのご質問をいただいた。
さすがに印刷している場所にまでは詳しくはないものの、
聞かれた質問はしっかり応えたい自分なので、
つたない知識で申し訳ないが、
これが今回のお題となった。
言うまでもなく、マジックは既に10年を超えるカードゲーム。
印刷技術の向上以外にも色々なる理由があって印刷が違う。
極端に違うのは当たり前だがアルファのカード。
かどの形が違うので、ほとんどの人がすぐにわかるはず。
ちなみにだいたいの数字だが、
(アルファの発行枚数+ベータの発行枚数)×3=アンリミテッドの発行枚数
くらいの枚数になる。
アルファやベータのカードの貴重さが窺い知れる数字だ。
↓のカードはアルファのカード。
明らかに今の印刷と違ってカドがまるい。
アルファ以後、ベータ、アンリミテッド、リヴァイズド、4th、5th、6th、7th、8th、
アラビアンナイトから始まり、現在の神河まで、
40種を超えるカードセットが市場に出回ってきた。
ギフトボックスセットやポータル、アングルード、アンヒンジド、プロモを加えたら50を超えてしまう。
そして、現在のマジックには8言語。
一時期だけ韓国語版が発売されたが、
現在は発行が止まっている。
あの国では流行らなかったということか。
ネットゲーム大国はカードゲーム大国にはなりえなかったようだ。
でもキムチ大国。空港から降りた瞬間からニオイがするってホントだろうか?
もしそうなら韓国って名前辞めて国名を「キムチ」に・・・
・・・いかんいかん、話がそれてしまった。
マジックの話に戻そう。
しかし、9thはロシア語が出るというからまた9言語に戻る。
追記として、ウルザズレガシー以降にはFoilカードの存在もある。
Foilカードは当然の事ながら印刷工程そのものが違う。
スリーブやカードアルバムに入れずに放っておけば、
ぐにゃっと曲がってしまうところからもそれは容易に理解出来る事と思う。
これだけの言語に訳され、
これだけのカードセットが必ず同じ印刷所を使っているかと言ったら、
そんなことがあるわけがないので、
印刷の雰囲気や変わるのは当然のこととなってしまう。
有名なる「サマー・マジック」である第3版(Revised)の再販版は、
同じ第3版でありながら、印刷所が違ったがために生まれたもので、
その時の印刷所の名をとって「エドガー」と呼ばれた、という話さえある。
それから、見たことのある人なら言う必要さえなくなってしまうが、
英語版のレジェンドのカードとイタリア語版のレジェンドのカードは、
表側が極端に違う。
英語版に印刷されているカードは、
水彩画や油絵のそのままの良さを残した印刷であるのに、
イタリア語版ではそれがかなり殺されてしまっている。
非常に残念だ。
レジェンドのカードは表側だけのものだが、
アイスエイジやミラージュになると裏側の印刷の濃さが違っていたりする。
よく比べてみると確かに他のセットとは違いがある。
ベータのカードも並べてみると違いがわかる。
さらに、やっかいな事に、4thには「4thアルタネイト版」と呼ばれるものがあり、
印刷の雰囲気が少々違うものが存在する。
パっと見では全くわからないが、一応印刷の光り方が違う、
明るさが若干だけ違うなど、違いは見つけられる。
普通に印刷された4th英語9枚とアルタネイト版1枚を混ぜて、
この中に1枚だけアルタネイトがあるから探してみろ、
といわれたら、見つけられなくも無いが、結構時間がかかってしまう。
ついでに言うと見分けがついてもあんまり意味もない。
この4thアルタネイトはただの印刷所の違いなので、
サマーマジックのような貴重さなどはほとんどなく、
基本地形に5000円近い値段がついたりするような事はない。
印刷所が違えば印刷する機械等も違う事もあるだろうし、年代の差もある。
マジックが長く続いている以上は避けられない事としか言いようがなく、
今後もマジックがある限り、同じ事がこれからも続いて行くのではなかろうか。
つまらない薀蓄かもしれないが、
印刷のためのインクは原色が数色しか無く、
混ぜ具合や水との薄め具合で多くの色を出す。
使われているインクも必ずしも同じものを使っているとは限らない。
そして、本来ならあってはならない事なのだが、
パワー9などのカードなどには「ニセモノ」が存在する。
当然だがニセモノは本物とは違うインク、違う印刷所である。
精巧に作られているものも存在するが、それでもある程度見分けがつく。
筆者は到底出来ないが、
知り合いのアメリカ人はインクのニオイだけで、
ベータのカードを嗅ぎ分けられると言っていた。
試しに自分も嗅いでみたが、
食べ物ではないだけにサッパリわからなかった(笑)
食べ物だったら多少なり区別がつくのだが。
そのアメリカ人は「ベータのカードは明らかにニオイが違う」という。
うーむ、マジックの世界は奥が深い(違う)
ではまた。