オールドスクールデッキ紹介その8
記事作成日:2020/07/31 執筆:加藤英宝
オールドスクールでちょっと面白いデッキを見つけたので紹介。
-クリーチャー4枚-
2《Rasputin Dreamweaver》
2《トリスケリオン/Triskelion》
-インスタント13枚-
1《Ancestral Recall》
1《対抗呪文/Counterspell》
1《マナ吸収/Mana Drain》
3《解呪/Disenchant》
3《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
4《魔力消沈/Power Sink》
-ソーサリー8枚-
1《天秤/Balance》
1《Braingeyser》
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《精神錯乱/Mind Twist》
1《回想/Recall》
1《Time Walk》
2《火の玉/Fireball》
-エンチャント1枚-
1 《Copy Artifact》
-アーティファクト14枚-
1《Black Lotus》
1《Chaos Orb》
1《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》
1《Mirror Universe》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
2《魔力の櫃/Mana Vault》
2《Tawnos’s Coffin》
-土地20枚-
4《Tundra》
2《Underground Sea》
3《Volcanic Island》
2《真鍮の都/City of Brass》
2《カラカス/Karakas》
1《Library of Alexandria》
2《露天鉱床/Strip Mine》
2《平地/Plains》
2《島/Island》
-サイドボード15枚-
2《沼地の王ソルカナー/Sol’kanar the Swamp King》
1《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《解呪/Disenchant》
2《神への捧げ物/Divine Offering》
2《青霊破/Blue Elemental Blast》
4《赤霊破/Red Elemental Blast》
2《象牙の塔/Ivory Tower》
1《City in a Bottle》
おそらく普通の人が一番わからないテキストのカードはこれ。
《Tawnos’s Coffin》
コスト:4
アーティファクト
あなたは、あなたのアンタップ・ステップにTawnos’s Coffinをアンタップしないことを選んでもよい。
(3),(T):クリーチャー1体を対象とし、それとそれにつけられているすべてのオーラ(Aura)を追放する。
そのクリーチャーの上に置かれているカウンターの種類と数を記録する。
Tawnos’s Coffinが戦場を離れるかアンタップ状態になったとき、
その前者の追放されたカードをオーナーのコントロール下で、
タップ状態かつ記録された種類と数のカウンターが置かれた状態で戦場に戻す。
そうした場合、その他の追放されたカードをオーナーのコントロール下で
そのパーマネントにつけられた状態で戦場に戻す。
アンコモン
《忘却の輪/Oblivion Ring》系のカードの元祖みたいなカード。
(本当の元祖は《Oubliette》だが。)
このデッキだと絶妙な使い方がある。
何をどうするのかと言うと、
まず、
《Rasputin Dreamweaver》がキーカード。
この怪しい生物の能力で最大で無色7マナ出せる。
《Tawnos’s Coffin》のプレイ+起動がそのまま7マナでもある。
状況にもよるが、
《Rasputin Dreamweaver》を出して、《Tawnos’s Coffin》そのまま起動、
対象は《Rasputin Dreamweaver》に。
その後、次のターンのアンタップ・ステップに《Tawnos’s Coffin》をアンタップ。
すると《Rasputin Dreamweaver》が追放領域から戻る。
この時に《Rasputin Dreamweaver》の上の夢カウンターがいくつであろうと、
7まで回復する。
ここからは《Rasputin Dreamweaver》と《Tawnos’s Coffin》で、
限定されているとはいえマナブーストが相当に出来る。
ブーストしたマナは、
《精神錯乱》
《火の玉》
《回想》
《Braingeyser》
《魔力消沈》
といったコストにXを含むカードへの使用と、
《ジェイムデー秘本》の起動や《魔力の櫃》のアンタップに。
これだけあるとマナはいくらあっても構わないという構成。
次に、《トリスケリオン》。
これも《Tawnos’s Coffin》で追放して戻すと、
+1/+1カウンターが3つ追加される。
しかも元から乗っていた+1/+1カウンターに追加される。
《Tawnos’s Coffin》+《トリスケリオン》だけで、
相当に場を制圧しやすい。
数回繰り返すと10/10を超える巨大ロボ《トリスケリオン》完成。
もちろん対戦相手の生物を追放する手段としても使えるので、
この《Tawnos’s Coffin》の柔軟性は結構ある。
欠点は4マナでプレイ、3マナで起動と遅めな事だけ。
そして結構厄介な事に、
《Tawnos’s Coffin》と《Rasputin Dreamweaver》が場にあると、
なかなか除去も難しい。
《Tawnos’s Coffin》を壊すほうは単純に壊せるが、
《Rasputin Dreamweaver》は難しい。
除去に対応して《Tawnos’s Coffin》で逃げられてしまう。
しかもその起動コストを《Rasputin Dreamweaver》がまかなえる。
おまけで《カラカス》があるとさらに《Rasputin Dreamweaver》が除去しにくい。
デッキそのものはThe Deck風味なのに、
このコンボ搭載は中々面白い。
あとサイドボードにある《沼地の王ソルカナー》が渋い。
何よりも意外というか、
すごいなぁと感じた事は、
こんなコンボは見た事がないという一点。
《Tawnos’s Coffin》のカードテキストは、
基本的な事は昔と変わっていないはず。
長ったらしいテキストを一応読むと、
今のルールと変わらないと思われる。
という事は、
昔からこの怪しげなコンボは出来たという事。
自分が無知なだけかもしれないが、
この
《Tawnos’s Coffin》+《トリスケリオン》
《Tawnos’s Coffin》+《Rasputin Dreamweaver》
なんて聞いた事がない。
おそらくオールドスクールという遊び方が確立して、
それから誰かが気づいた組み合わせなのではないかと思う。
ちなみにこのデッキ、
《Mirror Universe》まで採用していて、
「ギリギリまで耐えて《Mirror Universe》でライフ交換、
交換後に《火の玉》か《トリスケリオン》でトドメ。」
という事も考慮している。
なかなかによく考えられているデッキだ。
オールドスクールでは、
青茶単をこよなく愛する店主も、
ちょっとこのデッキを使ってみようかと思った。
それにしても、
「1993年と1994年のカードのみで構築」
というルールでありながら、
こんな新しい発見がある。
25年以上の時間を経て新しい発見がある事にMTGの奥の深さを感じる。
MTG歴が人生の半分を超える自分が、
まだまだ未熟である事を感じさせてくれる事がまた楽しい。
こんな事があるからMTGはやめられない。
このデッキを作った方、
どこの誰なのかは全くわからないけれども、
また1つMTGの楽しみを教えてもらった事を感謝します!
ではまた。
追記
8月7日発売のダブルマスターズに《Oubliette》が再録されるに際し
《Oubliette》の能力が、
「クリーチャー1体を対象とし、それとそれにつけられているすべてのオーラ(Aura)を追放する。
そのクリーチャーの上に置かれているカウンターの種類と数を記録する。
Oublietteが戦場を離れたとき、
その前者の追放されたカードをオーナーのコントロール下で、
タップ状態かつ記録された種類と数のカウンターが置かれた状態で戦場に戻す。
そうした場合、
その他の追放されたカードをオーナーのコントロール下でそのパーマネントにつけられた状態で戦場に戻す。」
がフェイズアウト、フェイズインに変更されており、
「クリーチャー1体を対象とし、それをOublietteが戦場を離れるまでフェイズアウトする。
Oublietteが戦場を離れたとき、
そのクリーチャーをタップ状態でフェイズインする。」
このように変化している。
同様の能力を持つ《Tawnos’s Coffin》もフェイズアウト、フェイズインへルール変更される可能性がある。
変更された場合、フェイズインは「戦場に出た時」が誘発しないため、
今回紹介したコンボは成立しなくなるので気をつけてほしい。