EDHデッキ紹介その125(Grothama, All-Devouring/全てを喰らうグロサーマ)
記事作成日:2020/01/19 執筆:加藤英宝
今回のEDHデッキ紹介は店主の友人のデッキ。
動きの脳筋ぶりがあまりに面白いので紹介。
《全てを喰らうグロサーマ/Grothama, All-Devouring》
コスト:3緑緑
伝説のクリーチャー ワーム(Wurm)
他のクリーチャーは
「このクリーチャーが攻撃するたび、
あなたは『これは全てを喰らうグロサーマと格闘を行う。』を選んでもよい。」を持つ。
全てを喰らうグロサーマが戦場を離れたとき、
各プレイヤーはそれぞれ、
そのプレイヤーがコントロールしていた発生源によって
このターンに全てを喰らうグロサーマに与えられた
ダメージの総量に等しい枚数のカードを引く。
10/8
神話レア
バトルボンドに収録された巨大クリーチャー。
5マナで10/8というなかなかの高パワー。
パワーが1でも上がれば2パンチで相手を沈める。
コストに対して理不尽なまでに高いパワーを持っているが、
もちろんデメリット能力のようなものがついている。
それは
「他のすべてのクリーチャーに、
そのクリーチャーが攻撃した時、
グロサーマに対しての任意の格闘能力を付与する。」
というもの。
そしてグロサーマが場を離れたら、
各クリーチャーが与えたダメージ分だけのドローが、
ダメージを与えたクリーチャーのコントローラーに与えられる。
双頭巨人戦を意識したカードが多く収録されている、
バトルボンドならではの能力。
EDHのような多人数戦ではどうなるかもわからない所も面白い。
デッキは以下。
ジェネラル:《全てを喰らうグロサーマ/Grothama, All-Devouring》
-クリーチャー31枚-
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《Fyndhorn Elves》
《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
《献身のドルイド/Devoted Druid》
《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》
《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《激情の共感者/Fierce Empath》
《刻み角/Manglehorn》
《養育者、マーウィン/Marwyn, the Nurturer》
《再利用の賢者/Reclamation Sage》
《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》
《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》
《野生の心、セルヴァラ/Selvala, Heart of the Wilds》
《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
《ウッド・エルフ/Wood Elves》
《カル・シスマの恐怖、殺し爪/Goreclaw, Terror of Qal Sisma》
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》
《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
《ワイアウッドの媒介者/Wirewood Channeler》
《活力/Vigor》
《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》
《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》
《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》
-インスタント6枚-
《自然の要求/Nature’s Claim》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
《英雄的介入/Heroic Intervention》
《活性の力/Force of Vigor》
《召喚の調べ/Chord of Calling》
《野生語りの帰還/Return of the Wildspeaker》
-ソーサリー13枚-
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《破滅の終焉/Finale of Devastation》
《生命の遺産/Life’s Legacy》
《自然の知識/Nature’s Lore》
《新たな芽吹き/Regrowth》
《三顧の礼/Three Visits》
《耕作/Cultivate》
《異界の進化/Eldritch Evolution》
《木霊の手の内/Kodama’s Reach》
《的盧馬/Riding the Dilu Horse》
《自然の秩序/Natural Order》
《リシュカーの巧技/Rishkar’s Expertise》
《歯と爪/Tooth and Nail》
-エンチャント11枚-
《調和の中心/Concordant Crossroads》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《踏査/Exploration》
《怨恨/Rancor》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《繁茂/Wild Growth》
《Gaea’s Touch》
《森の知恵/Sylvan Library》
《はびこり/Overgrowth》
《ドライアドの歌/Song of the Dryads》
《よりよい品物/Greater Good》
-アーティファクト6枚-
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《グレートヘンジ/The Great Henge》
-プレインズウォーカー2枚-
《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
-土地30枚-
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《荒廃した森林/Blighted Woodland》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《ラノワールの再生地/Llanowar Reborn》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
《オパールの宮殿/Opal Palace》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《虹色の眺望/Prismatic Vista》
16《森/Forest》
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冒頭でジェネラルの能力を「デメリット能力のようなもの」と表現したが、
もう一度その能力を読んでみよう。
格闘能力は他のすべてのクリーチャーに与えられる。
「対戦相手がコントロールするクリーチャー」ではない。
つまり、自分のクリーチャーもグロサーマと格闘できる。
自らの手でグロサーマを倒すというプレイもありえるという事。
グロサーマの高いパワーに目を奪われがちだが、
このデッキの神髄はグロサーマの格闘とドロー能力にある。
・グロサーマをプレイ。
・戦闘に入る。
自分の高いパワーを持つクリーチャー複数で攻撃し、グロサーマと格闘。
・グロサーマ、及びグロサーマと格闘したクリーチャーは死亡するが、
少なくとも8枚のドローが可能。
ただ殴る以外にもこのカードには選択があるという事。
もちろん対戦相手のクリーチャーも、
攻撃する時にグロサーマと格闘できるので、
ジェネラルをプレイするタイミングには気をつけなければならない。
間違ってグロサーマを倒されてしまうだけの時には、
相手に大量のドローを与えかねない。
また、このカードのドローの誘発条件は、
倒された場合ではなく、
「場を離れた時」
である事にも注意が必要。
《英雄的介入》が手札にある場合、
2マナ残してグロサーマを出し、
対戦相手が大量ドロー目的で格闘を宣言した時に撃つことで、
一方的な大虐殺が可能。
この場合はグロサーマが戦場を離れていないので、
相手はドローできず、
相手のクリーチャーだけを破壊できる。
ジェネラルの能力に頼らずとも、
《リシュカーの巧技》や《野生語りの帰還》で大量ドローを狙うこともある。
他にも、
《活力》が戦場に出ていれば、
グロサーマは格闘や戦闘ダメージに関して無敵となる。
状況によっては、
一瞬でパワーが20以上に膨れ上がることも。
さらにこのデッキ、
《活力》の展開方法によっては、
一瞬で対戦相手を全員倒すほどの爆発力を見せることがある。
条件は
「グロサーマを含むクリーチャーが複数並んでいて、
《歯と爪》を双呪で唱えること」だ。
1/1のクリーチャーが4体と、
グロサーマが戦場に出ている場合を例にする。
以下、1/1のクリーチャーはそれぞれA・B・C・Dと呼称する。
・《歯と爪》を双呪で唱える。
サーチしてプレイするカードは《活力》と《孔蹄のビヒモス》。
・《孔蹄のビヒモス》により、自軍クリーチャー全体に+7/+7の修正とトランプルを付与。
A:8/8
B:8/8
C:8/8
D:8/8
グロサーマ:17/15
ビヒモス:12/12
《活力》:13/13
となる。
・戦闘に入る。
《活力》以外の全員で攻撃指定。
・グロサーマの格闘能力がスタックに積まれる。
まず《孔蹄のビヒモス》との格闘能力を解決すると、
《孔蹄のビヒモス》に17点、グロサーマに12点のダメージが与えられる。
しかし《活力》の能力によってこのダメージは軽減され、
さらに+1/+1カウンターに置き換えられる。
これにより《孔蹄のビヒモス》は29/29に、
グロサーマは29/27になる。
・残りのABCDとの格闘を順に解決。
Aとグロサーマの格闘により、Aは37/37に、グロサーマは37/35になる。
Bとグロサーマの格闘により、Bは45/45に、グロサーマは45/43になる。
Cとグロサーマの格闘により、Cは53/53に、グロサーマは53/51になる。
Dとグロサーマの格闘により、Dは61/61に、グロサーマは61/59になる。
最終的なパワー・タフネスは以下の通り。
《孔蹄のビヒモス》:29/29
A:37/37
B:45/45
C:53/53
D:61/61
グロサーマ:61/59
合計パワーは驚異の286点。
(そのうちジェネラルダメージは61点。)
そして、これらすべてがトランプルを持っている。
・グロサーマ
・《孔蹄のビヒモス》、A、C
・B、D
をそれぞれ別の対戦相手に攻撃するよう指定すれば、
よほどのことがない限り全員を殴り倒せる。
筆者もこのコンボで突然倒されたことがある。
また、エルドレインの王権から《グレートヘンジ》が投入されている。
《グレートヘンジ/The Great Henge》
コスト:7緑緑
伝説のアーティファクト
他のクリーチャーは
この呪文を唱えるためのコストは(X)少なくなる。
Xは、あなたがコントロールしているクリーチャーの中のパワーの最大値に等しい。
(T):(緑)(緑)を加える。あなたは2点のライフを得る。
トークンでないクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、
それの上に+1/+1カウンターを1個置き、
カードを1枚引く。
神話レア
グロサーマが出ていれば2マナ、
場に出してすぐマナを出すなら実質0マナ。
それでなくともコスト軽減効果のおかげで、
コストのわりに早めに出せるアーティファクト。
能力は若干器用貧乏的だが、
「マナ」「ライフ回復」「強化」「ドロー」の4つを兼ね備えていて面白い。
このデッキや、
緑単色で殴ることをメインに考えるデッキでは一考の価値がありそうだ。
店主個人の意見としては、
緑単の殴るデッキの最高峰は《原初の飢え、ガルタ》だったが、
この《全てを喰らうグロサーマ》も負けず劣らずの勢いと一撃必殺があって、
甲乙つけがたい魅力がある。
次のデッキ紹介も同じ友人の作ったデッキを紹介予定。
ではまた。