MtG:リアルとオンライン

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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TCGをやったことがなかったのですが数カ月前からMtGアリーナの宣伝をよく目にして、
プレイしたところドハマりしてしまいました。

マッチングも一瞬ですし、初心者視点でもネタとわかるデッキと対戦したりとすごくいいです。

英宝さんのことはyoutubeで拝見したのですが、カードショップを経営されてる方は
こういったオンライン化は歓迎されてますか?

昔にマジックオンラインというのもあったそうですが…

対面でカード対戦することの良さや味みたいなのを教えてください。

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MtG Arena

オンラインで知り、
そのままMtGを始めるというきっかけとしては、
現代のあり方としては悪くないものだとは思うものの、
店主は一切オンライン系には手を出していない。

理由はシンプル。
対戦相手の顔を見ながら対戦するからこそMtGだと思うから。

コンピュータに管理されたMtGは、

アップキープになりました。
闇の腹心/Dark Confidant》の効果が誘発します。
何かしますか?
ライブラリーのトップはこのカードです。
あなたはXライフ失います。
何かしますか?
ドロー・ステップに入ります。


こういった手順における、誘発忘れが無い。
現実ではそれがある。
その誘発忘れや相手のプレイミスは、
人間VS人間で機械が介入しないからこそ起きるものがある。
これも含めて実力だと考えているだけに、
オンラインではやりたいと思わない。
麻雀も同様。
麻雀も相当好きなゲームだが、
オンラインで誰かと対戦しようとは思わない。
人によっては誰かがアガった瞬間に席を立つという事もある。

それから、
これも麻雀もMtGも全く同じなのだが、
カードや牌の感覚を肌で感じながらプレイしたい。
カードは盲牌出来ないが、
麻雀牌は盲牌が出来る。
(指の腹で牌の図柄の凹凸をなぞり、その感触で牌の腹を見ずにどの牌か識別すること。)
これも楽しみの1つだし、
カードも手で持ってプレイする事に意味が十分にある。
対戦相手の手札の持ち方、
仕草、ふとした時の発言、
こういうものから手札を読む事が出来る。
画面越しではこれは全く出来ないし、
相手側も読みようがない。
(単純な消去法的な読みしか出来ないという事。)
麻雀もあれこれ手牌をいじったり、
リーチするかどうかを迷ったりという仕草での読みは、
現実の牌を使ってこそ見られるもの。

とはいえ、

「そんな簡単に対戦相手見つからない。」
「友達と空いている時間が合わない事がある。」
「いつでも手軽に出来る。」
「自分のデッキの回り方を確認したい。」
「どういう形であれMtGを触っていたい。」


といった事情からオンラインをやる人の気持ちはよくわかる。


もし自分が南極に住んでいて、

ペンギン以外の対戦相手が見つからないとしたら、

MtGをオンラインで迷わずやるだろう。


ペンギン

こんな環境でMTGするのはちょっと無理がある。
Tundra》セットした瞬間に泣きたくなると思う。
涙も一瞬で凍りそうだけど。
手札に《意志の力/Force of Will》あるけど、
意志の力》で解決する問題でもない。

ちなみに、他店の方から聞いたお話なのだが、
MtGアリーナをプレイした人が、
店舗に来た事があるそうだ。

「MtGアリーナをプレイして、
 紙のMtGをプレイしたくなった。」

と。
しかし、紙のMtGの値段を見て愕然として、
「MtGアリーナに戻ります。」
と言って帰ってしまったらしい。
これはとても難しい問題だ。

電源系ゲームの昨今と言えば、
基本プレイ無料からのガチャ、アイテム課金タイプが市場を席巻している。
こういうタイプのゲームはだいたいにおいて課金すれば、
いくつかの手順をすっ飛ばして強くなれる、
強いキャラクターやアイテムが手に入る等の仕様になっている。
もちろんのこと、
無課金のままでも頭を使えばある程度のところまでは行けるが、
無課金では最上位に行けないようにメーカーも考えている。
この「無課金では上位に行けない」のラインで、
「じゃあ、ゲームを楽しんでいる事だし、
 もっと楽しみたいから課金しよう!」
と考える人もいれば、
「課金したら負け。」
と考える人もいる。
ゲームによって考え方を変える人もいる。
中には、
「とりあえず、ゲームの開幕に3万円くらい課金して最上位レアを引けたら続ける。
 引けなかったら縁がなかったと思ってゲームをやめる。」
なんていう人もいる。
実際にこういう人に2人出会った事がある。
おいおい、3万円課金して縁が無かったと思って諦められるの?!
と思ったが、
そういう人もいるのだから驚きだ。

で、MtGアリーナでMtGを知り、
紙のMtGをやりたいと言ったものの、
諦めてしまった人はスマートフォンゲームの課金感覚だったのか、
それとも無課金の感覚だったのかはわからないけれども、
どちらにしても、
「紙のMtGに課金してまでやろうとは思わない。」
という選択だった。
個人的にはこの紙のゲームは課金してもお金が戻ってくるから、
スマートフォンゲームよりお得なんじゃない?
と思うのだが・・・。

紙のMtGはそれだけのシングルカード価格がついているし、
買取価格もついている。
ゲームのデータはほとんど売買は出来ない。
時々セーブデータを売るケースもあるが、
あれはだいたいのメーカーで禁止している行為だ。
それに紙のMtGは持っていたら値段が上がる事もあるので、
投資的な一面もある。
MtGアリーナをきっかけにMtGを知ったのなら、
そのまま紙のMtGをやったほうが面白い事は多いだろうと思う。
前述しているが、
やはり目の前に対戦相手がいて、
多くのやりとりをする事に大きな意味がある。
画面越しの交流よりも、
目の前での交流はとても大きい。
これをもとに生涯の友人を得る人もいるのだから。

加えて、こういう意見もある。
これは友人の意見だ。

「MtGはきっかけだ。
 人と交流するただのきっかけだ。
 極論な言い方をしてしまうけれど、
 MtGじゃなくたっていいんだ。
 誰かと交流するコミュニケーションツールがあればいい。
 画面越しじゃなければいい。
 そういうツールがたまたまMtGなだけだ。
 大切なのはコミュニケーションだ。
 MtGを通して知り合いが出来て、
 その知り合い達とお酒を飲んだり、ご飯を食べたり、
 それが一番の目的で、楽しいんだ。」


これは大いに理解出来る。
紙のMtGはそういったコミュニケーションツールの1つとして最高のものだと思う。

ネットのお付き合いから、
リアルに発展する事ももちろんある。
そちらも十分に馬鹿に出来ないものがある。
けれども、顔を合わせて一緒に何かをする事は大切。
そして、実際に手に持つカードの意味は沢山あるし、
それは百聞は一見にしかずだ。
手にとって
「これが自分の所有しているカードだ!」
と実感出来るものは、
触る事の出来るカードの良さ、
所有権を感じる事の出来る良さを含めて、
電源系ゲームには無い魅力だ。

このこらむを読んでいる人のほとんどの人は、
既に紙のMtGをやっている人だとは思うけれども、
もしMtGアリーナをきっかけに紙のMtGに入るかどうかを考えている人がいたら、
是非、紙のMtGの世界へ入って欲しい。

ではまた。



記事作成日:2019/06/13



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